JPH0247240B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） 本発明は、着脱自在な給水用のタンクを有する
スチームアイロンに関する。

（従来の技術） 近時、アイロン本体に対して給水用のタンクを
着脱自在に取付け、注水および排水時にタンクを
アイロン本体から切り離して、注水および排水の
作業を容易にしたものが多く用いられている。

この種のスチームアイロンは、タンク側に滴下
ノズル、滴下操作杆およびその操作手段を設けた
ものと、タンクはアイロン本体に装着されたとき
のみ水路が開いて、アイロン本体側に滴下ノズ
ル、滴下操作杆およびその操作手段を設けたもの
との２種類に大別される。この２種類のカセツト
タンク式スチームアイロンは、それぞれ長所およ
び短所があるが、一般的には、後者のものが使い
勝手がよいとされている。

（発明が解決しようとする問題点） 上記従来の後者のものの問題点は、タンクをア
イロン本体から取りはずしたときに、アイロン本
体側の通水路に残つた水が保管時あるいは自動ア
イロンとして使用している場場合に、外部に飛散
することである。

本発明は、上述のような点を解決しようとする
もので、タンクをアイロン本体から取りはずした
ときに、アイロン本体側の通水路に残つた水が外
部に飛散することがないようにすることを目的と
するものである。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本発明は、供給された水を気化して噴出する機
能を有するアイロン本体に、このアイロン本体に
水を供給するタンクを着脱自在に設けたスチーム
アイロンにおいて、上記アイロン本体は、気化室
に連通した通水路に対し連通管により連通され水
の吸引およびこの吸引した水の吐出を行なうポン
プ本体と、このポンプ本体に設けられ上記タンク
をアイロン本体に装着したときにタンクによつて
作動されてポンプ本体を吐出状態にするとともに
タンクをアイロン本体から取りはずしたときにタ
ンクによる作動を解除されてポンプ本体を吸引状
態にする作動体とからなるポンプ装置を備え、上
記タンクは、上記アイロン本体の通水路の入口部
に連通する通水口部にタンクをアイロン本体に装
着したときに開状態となつて通水路に給水すると
ともにタンクをアイロン本体から取りはずしたと
きに閉状態となる弁装置を備えたものである。

（作用） 本発明では、タンクをアイロン本体に装着する
と、タンクの弁装置が開き、タンク内の水が通水
口を介してアイロン本体の通水路に導かれる。こ
のとき、タンクの装着と同時に、タンクによりポ
ンプ装置の作動体が作動され、ポンプ本体が吐出
状態となる。

また、タンクをアイロン本体から取りはずす
と、タンクの弁装置が閉じて、タンクからの水漏
れを防止する。

これと同時に、ポンプ装置における作動体の作
動が解かれ、ポンプ本体が吸引状態となつて通水
路内の残水を連通管を介してポンプ本体内に吸引
し、通水路内には水がほとんど残らない。

また、水を補給したタンクを再びアイロン本体
に装着すると、上記のようにポンプ本体が作動さ
れ、先にアイロン本体内に吸引された水が連通管
から通水路内に押し出される。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明
する。

１はアイロン本体で、このアイロン本体１は、
ベース２を有し、このベース２内にヒータ３が埋
設されている。また、上記ベース２の上面に気化
室４が形成されているとともに、ベース２の下面
に上記気化室４にスチーム通路５を介して連通し
た複数個のスチーム噴出孔６が形成され、上記気
化室４およびスチーム通路５の上部を覆つて上板
７が取付けられている。上記ベース２上にカバー
８が取付けられ、このカバー８の上部に遮熱板９
が設けられ、この遮熱板９の上部にハンドル１０
が取付けられているとともに、このハンドル１０
の前部にタンク装着部１１が形成されている。

上記ベース２の上板７とカバー８との間に通水
枠１２が設けられ、この通水枠１２の上面にパツ
キン１３が張設され、内部に通水路１４が形成さ
れている。そして、上記通水枠１２の後端下部に
上記上板７を通して上記気化室４に臨ませた滴下
ノズル１５が設けられ、この滴下ノズル１５に対
して上記パツキン１３を貫通して上記ハンドル１
０内に操作杆１６が上下動自在に支持され、この
操作杆１６の下部に操作杆１６を常時上方に付勢
するコイルスプリング１７が設けられているとと
もに、操作杆１６の上端部に操作レバー１８が連
結され、この操作レバー１８の操作により操作杆
１６を上下動してその下端で滴下ノズル１５を開
閉し、「スチーム」と「ドライ」の状態を選択す
るようになつている。

上記通水枠１２の前上部の入口部において上記
遮熱板９に接続口１９が形成され、この接続口１
９に対して上記パツキン１３の上部に円筒状の筒
部２０が一体的に立設され、この筒部２０の上面
中央部に通孔２１が形成され、この通孔２１の中
央部に対して上記通水枠１２の底部から開閉杆２
２が立設されている。

上記通水枠１２の中間部に対しポンプ装置２３
が設けられている。このポンプ装置２３は、上記
遮熱板９上に水の吸引およびこの吸引した水の吐
出を行なうポンプ本体としての上下方向に伸縮自
在の蛇腹状のベローズ２４が取付けられ、このベ
ローズ２４の外側にベローズ２４を常時伸張方向
に付勢するコイルスプリング２５が設けられてい
るとともに、ベローズ２４の下部に上記通水枠１
２内に垂設した連通管２６が取付けられ、この連
通管２６の下端に対して上記通水枠１２の底面に
凹部２７が形成されている。さらに、上記ベロー
ズ２４の上端に上記タンク装着部１１に先端を突
出した板状の作動体２８が取付けられている。

３１は上記アイロン本体１のタンク装着部１１
に着脱自在に装着される合成樹脂製のタンクで、
このタンク３１の前上部に注水口３２が形成され
ているとともに、タンク３１の下部に開口３３が
形成され、この開口３３に上記遮熱板９の接続口
１９に係脱する筒状の継手３４が取付けられ、こ
の継手３４の中央部に通水口３５が形成されて
い。

上記タンク３１内に上記通水口３５の上部にお
いて弁装置４１が設けられている。この弁装置４
１は、タンク３１内に筒状の弁枠４２が設けら
れ、この弁枠４２の中央部に弁枠４３が上下動自
在に支持され、この弁枠４３に上記通水口３５を
開閉する弁体４４が取付けられ、この弁体４４の
上部に弁体４４を常時下方に付勢するコイルスプ
リング４５が設けられ、かつ、上記弁枠４２の一
側下部に連通孔４６が形成されている。

なお、上記ベース２にヒータ３をオン・オフし
てベース２の温度を制御する自動温度調節器５１
が取付けられ、この自動温度調節器５１に上記ハ
ンドル１０を貫通して上下動自在に設けられた調
節杆５２の下端が連結され、この調節杆５２によ
り、布地に合つた温度を選択できるようになつて
いる。

つぎに、作動を説明する。

第１図のように、タンク３１をアイロン本体１
のタンク装着部１１に装着すると、タンク３１の
底部の継手３４が遮熱板９の接続口１９に嵌合し
てパツキン１３の通孔２１と水密的に接続すると
ともに、タンク３１の弁装置４１における弁杆４
３の下端が開閉杆２２の上端に当接して弁体４４
とともに押し上げられ、通水口３５を開き、タン
ク３１内の水が弁枠４２の連通孔４６および通水
口３５を介してアイロン本体１の通水路１４に導
かれる。このとき、パツキン１３の筒部２０は継
手３４で押し下げられて所定高さだけ下降した状
態に保持される。また、タンク３１の装着と同時
に、タンク３１の下底部によりポンプ装置２３の
作動体２８が押し下げられ、ベローズ２４が収縮
されて吐出状態となる。この状態で操作レバー１
８を「スチーム」の状態にセツトし、操作杆１６
を引き上げると、通水路１４内の水が滴下ノズル
１５からベース２の気化室４内に滴下され、ここ
でスチームとなり、このスチームはスチーム通路
５を通つて各スチーム噴出孔６からベース２の下
面に噴出される。

また、第２図のように、タンク３１をアイロン
本体１から取りはずすと、タンク３１の弁装置４
１において、弁体４４が弁杆４３とともにコイル
スプリング４５の付勢力で下降され、弁体４４が
通水口３５を閉じて、タンク３１からの水漏れを
防止する。

これと同時に、ポンプ装置２３における作動体
２８の押し上げが解かれ、ベローズ２４がコイル
スプリング２５により伸張膨張されて吸引状態と
なり、通水路１４内の残水は凹部２７に臨んだ連
通管２６を介してベローズ２４内に吸引され、通
水路１４内には水がほとんど残らない。

このように、タンク３１をアイロン本体１から
取りはずしたときには、タンク３１の通水口３５
を弁装置４１で閉じてタンク３１から漏水するこ
とがないとともに、アイロン本体１の通水路１４
の残水はベローズ２４内に吸引されて、通水路１
４内の水が外部に飛散することはない。

また、水を補給したタンク３１を再びアイロン
本体１に装着すると、前記のようにベローズ２４
が収縮され、先にベローズ２４内に吸引された水
が連通管２６から通水路１４内に押し出される。

なお、実施にあたつて、アイロン本体１のポン
プ装置２３およびタンク３１の弁装置４１は、上
記実施例のほか、適宜なものを選択することがで
きる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、タンクをアイロン本体から取
りはずしたときには、タンクの通水口がタンクの
弁装置で閉じられてタンクから漏水することがな
いとともに、アイロン本体の通水路内の残水がポ
ンプ装置で吸引され、通水路内には水がほとんど
残らず、したがつて、通水路内の残水が外部に飛
散することはなく、安全に使用するとができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のスチームアイロンの一実施例
を示す縦断面図、第２図は第１図のタンクを取り
はずした状態の縦断面図である。 １……アイロン本体、４……気化室、１４……
通水路、２３……ポンプ装置、２４……ポンプ本
体としてのベローズ、２６……連通管、２８……
作動体、３１……タンク、３５……通水口、４１
……弁装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 供給された水を気化して噴出する機能を有す
   るアイロン本体に、このアイロン本体に水を供給
   するタンクを着脱自在に設けたスチームアイロン
   において、 上記アイロン本体は、気化室に連通した通水路
   に対し連通管により連通され水の吸引およびこの
   吸引した水の吐出を行なうポンプ本体と、このポ
   ンプ本体に設けられ上記タンクをアイロン本体に
   装着したときにタンクによつて作動されてポンプ
   本体を吐出状態にするとともにタンクをアイロン
   本体から取りはずしたときにタンクによる作動を
   解除されてポンプ本体を吸引状態にする作動体と
   からなるポンプ装置を備え、 上記タンクは、上記アイロン本体の通水路の入
   口部に連通する通水口部にタンクをアイロン本体
   に装着したときに開状態となつて通水路に給水す
   るとともにタンクをアイロン本体から取りはずし
   たときに閉状態となる弁装置を備えた ことを特徴とするスチームアイロン。 ２ アイロン本体におけるポンプ装置のポンプ本
   体は、タンクの着脱により伸縮するベローズで形
   成したことを特徴とする特許請求の範囲第１項記
   載のスチームアイロン。