JPH0236479Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、着脱自在な給水用のタンクを有する
スチームアイロンに関する。

〔考案の技術的背景〕

近時、アイロン本体に対して給水用のタンクを
着脱自在に取付け、注水および排水時にタンクを
アイロン本体から切り離して、注水および排水の
作業を容易にしたものが多く用いられている。

この種のスチームアイロンは、タンク側に滴下
ノズル、滴下操作杆およびその操作手段を設けた
ものと、タンクはアイロン本体に装着されたとき
のみ水路が開いて、アイロン本体側に滴下ノズ
ル、滴下操作杆およびその操作手段を設けたもの
との２種類に大別される。この２種類のスチーム
アイロンは、それぞれ長所および短所があるが、
一般的には、後者のいわゆるカートリツジ式タン
クが使い勝手がよいとされている。

〔背景技術の問題点〕

上記カートリツジ式タンクは、アイロン本体に
装着したときにタンクの水路が開き、アイロン本
体の通水路内に水が流入される瞬間、通水路内の
空気が水と置換されるものであるが、置換がうま
く行かなくなると、タンクの水と通水路内の空気
とが通水路内で平衡状態を保ち、タンクから通水
路への水の供給が停止し、滴下ノズルから気化室
へ水が滴下されなくなり、スチームが停止する。

〔考案の目的〕

本考案は、上述のような点を解決しようとする
もので、タンクをアイロン本体に装着したとき
に、アイロン本体の通水路内の空気とタンクの水
との置換をスムーズにし、スチーム噴出を円滑か
つ確実に行なわせることを目的とするものであ
る。

〔考案の概要〕

本考案のスチームアイロンは、供給された水を
気化して噴出する機能を有するアイロン本体に、
このアイロン本体に水を供給するタンクを着脱自
在に設けたスチームアイロンにおいて、上記アイ
ロン本体には、気化室に連通した滴下ノズルを有
する通水路を設け、この通水路内に、通水路の入
口部と上記滴下ノズル近傍との間を連通する通気
路を設け、上記タンクには、上記アイロン本体の
通水路の入口部に連通する通水口部にタンクをア
イロン本体に装着したときに開状態となつて通水
路に給水するとともにタンクをアイロン本体から
取り外したときに閉状態となる弁装置を設けたこ
とを特徴とし、通気路を介して通水路内の空気を
導出するものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を参照して説明
する。

１はアイロン本体で、このアイロン本体１は、
ベース２を有し、このベース２内にヒータ３が埋
設されている。また、上記ベース２の上面に気化
室４が形成されているとともに、ベース２の下面
に上記気化室４にスチーム通路５を介して連通し
た複数個のスチーム噴出孔６が形成され、上記気
化室４およびスチーム通路５の上部を覆つて上板
７が取付けられている。上記ベース２上にカバー
８が取付けられ、このカバー８の上部に遮熱板９
が設けられ、この遮熱板９の上部にハンドル１０
が取付けられているとともに、このハンドル１０
の前部にタンク装着部１１が形成されている。

上記ベース２の上板７とカバー８との間に通水
枠１２が設けられ、この通水枠１２の上面にパツ
キン１３が張設され、内部に通水路１４が形成さ
れている。そして、上記通水枠１２の後端下部に
上記上板７を通して上記気化室４に臨ませた滴下
ノズル１５が設けられ、この滴下ノズル１５に対
して上記パツキン１３を貫通して上記ハンドル１
０内に操作杆１６が上下動自在に支持され、この
操作杆１６の下部に操作杆１６を常時上方に付勢
するコイルスプリング１７が設けられているとと
もに、操作杆１６の上端部に操作ボタン１８が設
けられ、この操作ボタン１８の操作により操作杆
１６を上下動してその下端で滴下ノズル１５を開
閉し、「スチーム」と「ドライ」の状態を選択す
るようになつている。

上記通水枠１２の前部に弁装置２１が設けられ
ている。この弁装置２１は、上記遮熱板９に形成
された接続口２２に対して上記パツキン１３の上
部に円筒状の筒部２３が一体的に立設され、この
筒部２３の上面中央部に弁孔２４が形成され、こ
の弁孔２４の中央部に対して上記通水枠１２の底
部から開閉杆２５が立設され、この開閉杆２５に
上記弁孔２４を開閉する板状の弁体２６が上下動
自在に嵌合され、この弁体２６の下部に弁体２６
を常時上方に付勢するコイルスプリング２７が設
けられている。

上記開閉杆２５は中空パイプ材で形成され、そ
の上端部に複数個の通気溝２８が上下方向に形成
されているとともに、開閉杆２５の下端から上記
通水路１４内に沿つて滴下ノズル１５近傍まで配
設した中空パイプ状の通気体２９が接続され、開
閉杆２５および通気体２９により、通水路１４の
入口部から滴下ノズル１５近傍に至る通気路３０
が形成されている。

３１は上記アイロン本体１のタンク装着部１１
に着脱自在に装着される合成樹脂製のタンクで、
このタンク３１の前上部に注水口３２が形成され
ているとともに、タンク３１の下部に開口３３が
形成され、この開口３３に上記遮熱板９の接続口
２２に係脱する筒状の継手３４が取付けられ、こ
の継手３４の中央部に通水口３５が形成されてい
るとともに、継手３４の下面に上記アイロン本体
１の弁装置２１の弁体２６を押動する押動片３６
が突設され、この押動片３６の側部に連通口３７
が切欠形成されている。

上記タンク３１内に上記通水口３５の上部にお
いて弁装置４１が設けられている。この弁装置４
１は、タンク３１内に筒状の弁枠４２が設けら
れ、この弁枠４２の中央部に弁杆４３が上下動自
在に支持され、この弁杆４３に上記通水口３５を
開閉する弁体４４が取付けられ、この弁体４４の
上部に弁体４４を常時下方に付勢するコイルスプ
リング４５が設けられ、かつ、上記弁枠４２の一
側下部に連通孔４６が形成されている。

なお、上記ベース２にヒータ３によりベース２
の温度を制御する自動温度調節器５１が取付けら
れ、この自動温度調節器５１に上記ハンドル１０
を貫通して上下動自在に設けられた調節杆５２の
下端が連結され、ハンドル１０の外部に設けられ
た温度調節ダイアル（図示しない）を回動操作す
ることにより、布地に合つた温度を選択できるよ
うになつている。

つぎに作動を説明する。

第１図のように、タンク３１をアイロン本体１
のタンク装着部１１に装着すると、タンク３１の
底部の継手３４が遮熱板９の接続口２２に嵌合す
るとともに、押動片３６が弁体２６を押し下げて
弁孔２４を開き、これと同時に、タンク３１の弁
杆４３の下端が開閉杆２５の上端に当接して弁体
４４とともに押し上げられ、通水口３５を開き、
タンク３１内の水が弁枠４２の連通孔４６、通水
口３５、連通口３７を介して通水路１４に導かれ
る。このとき、パツキン１３の筒部２３は継手３
４で押し下げられて所定高さだけ下降した状態に
保持される。また、この際、タンク３１の水が通
水路１４内に入つたとき、滴下ノズル１５は操作
杆１６で閉止された状態であるため、通水路１４
内は密閉状態となり、通水路１４内の空気は滴下
ノズル１５側に溜るが、この空気は通気路３０を
通つて、通気溝２８からタンク３１内に入つて置
換される。この状態で操作ポタン１８を「スチー
ム」の状態にセツトし、操作杆１６を引き上げる
と、通水路１４内の水が滴下ノズル１５からベー
ス２の気化室４内に滴下され、ここでスチームと
なり、このタンクはタンク通路５を通つて各スチ
ーム噴出孔６からベース２の下面に噴出される。

また、第２図のように、タンク３１をアイロン
本体１から取りはずすと、タンク３１の弁装置４
２において、弁体４４が弁杆４３とともにコイル
スプリング４５の付勢力で下降され、弁体４４が
通水口３５を閉じて、タンク３１からの水漏れを
防止する。

これと同時に、アイロン本体１の弁装置２１に
おいて、パツキン１３の筒部２３が圧縮されてい
た高さ分復帰上昇するとともに、弁体２６がコイ
ルスプリング２７の付勢力で押し上げられ、パツ
キン１３の筒部２３の弁孔２４が閉じられ、か
つ、筒部２３の復元上昇した高さの部分に水の入
らない空隙が形成され、通水路１４内の水が外部
に飛散しないようになる。

なお、実施にあたつて、通気路３０を形成する
開閉杆２５および通気体２９は、適宜な材料によ
つて形成して、通気枠１２にインサート成形、接
着などによつて取付けるほか、別部材を用いずに
通気枠１２と一体成形によつて形成してもよく、
また、通水路１４の入口部における空気逃がし用
の通気溝２８は適宜な形状の孔によつて形成して
もよい。また、アイロン本体１の弁装置２４およ
びタンク３１の弁装置４１は、上記各実施例のほ
か、適宜なものを選択することができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、タンクをアイロン本体に装着
したときに、タンク内の水が通水路内に入つて空
気の出口を塞いだとしても、その空気は通水路に
より導出され、通水路内の空気とタンクの水との
置換がスムーズに行なわれ、スチームの噴出を円
滑かつ確実に行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスチームアイロンの一実施例
を示す縦断面図、第２図は第１図のタンクを取り
はずした状態の縦断面図、第３図は第２図の一部
の拡大縦断面図、第４図は通水枠の縦断面図、第
５図は第４図の平面図である。 １……アイロン本体、４……気化室、１４……
通水路、１５……滴下ノズル、３０……通気路、
３１……タンク、３５……通水口、４１……弁装
置。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 供給された水を気化して噴出する機能を有す
   るアイロン本体に、このアイロン本体に水を供
   給するタンクを着脱自在に設けたスチームアイ
   ロンにおいて、 上記アイロン本体には、気化室に連通した滴
   下ノズルを有する通水路を設け、この通水路内
   に、通水路の入口部と上記滴下ノズル近傍との
   間を連通する通気路を設け、 上記タンクには、上記アイロン本体の通水路
   の入口部に連通する通水口部にタンクをアイロ
   ン本体に装着したときに開状態となつて通水路
   に給水するとともにタンクをアイロン本体から
   取り外したときに閉状態となる弁装置を設けた ことを特徴とするスチームアイロン。 (2) アイロン本体の通水路における通気路の一部
   は、通水路の入口部に立設された上記タンクの
   弁装置に対する中空の開閉杆内に形成され、上
   記タンクの弁装置は、タンクをアイロン本体に
   装着したときに上記開閉杆に当接して押し上げ
   られて開状態となる弁体を有することを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項記載のスチ
   ームアイロン。