JPH0446597B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使用するスチーム増量装置
付のスチームアイロンに関するものである。

従来例の構成とその問題点 アイロンかけにおけるしわ伸し効果を高めるた
めに一時的に多量の水を気化室へ供給できるスチ
ーム増量装置付のスチームアイロンが知られてい
る。このスチーム増量装置は例えば第１図で示し
たように手動ポンプ装置１によつて行われるのが
一般的である。すなわち、釦２を上下動させるこ
とによつてタンク３内の水をシリンダ４内に吸い
上げ、気化室５内に送出する構造である。

このような手動ポンプ装置１は、通常のスチー
ムを発生又は停止させる装置に追加される。しか
しながら、この手動ポンプ装置１は釦２を上下動
するだけで任意な時に動作させることができる。
そのため、気化室３が加熱されていないときや、
水を十分に気化できる温度に達していない状態で
は水のまま流出し、衣服にシミをつけたり気化室
を腐食させる欠点があり、誤使用等使い勝手上の
不便さから本来のスチーム増量装置による効果が
十分に発揮されないものであつた。

発明の目的 本発明は以上のような従来の欠点を解決したス
チーム増量装置付のスチームアイロンを提供する
ものである。

発明の構成 本発明は上記目的を達成すべく、ヒータで加熱
されるベースと、このベースに設けた気化室と、
前記ベースの温度を感知して動作する熱応動部材
を有した熱応動装置と、前記ベースの上方に配置
したタンクと、このタンクと前記気化室を連絡す
る水通路と、この水通路の下流側に設けられ、か
つ、前記タンク内の水を制限して気化室へ供給す
る滴下ノズルと、この滴下ノズルを開閉する手動
開閉装置と、前記水通路の上流側に設けた開閉弁
と、前記タンク内の水を強制的に気化室へ送出す
るポンプ装置とを具備し、上記開閉弁は、ベース
の温度が所定値以下の場合水通路およびポンプ装
置の吸水路を閉じるように前記熱応動装置に連係
させたもので、これにより気化室が水を気化し得
る温度に加熱されていない状態では、誤つて手動
開閉装置を操作して滴下ノズルを開放した場合
や、ポンプ装置を操作した場合でも、気化室に水
が供給されないようにしたものである。

実施例の説明 以下本発明の一実施例を添附図面にもとづいて
説明する。図において、１０はヒータ１１を埋設
したベースで、気化室１２およびスチーム穴１３
が設けられている。１４はベース１０を上方より
覆うカバー、１５は把手１６の前部に位置して上
記カバー１４上に着脱自在に設けたタンク、１７
はこのタンク１５の底部に設けられた水通路で開
口１８によつてタンク１５と連通している。１９
は水通路１７に設けられた滴下ノズルで筒状パツ
キング２０を介して気化室１２と連結しており、
前記タンク１５と気化室１２は滴下ノズル１９、
水通路１７および開口１８を通して連通する。２
１は上記滴下ノズル１９を開閉してスチームとド
ライの切替えを行う手動開閉装置でスチーム釦２
２により操作される。２３は上記手動開閉装置２
１とは別に独立して手動操作されるポンプ装置
で、タンク１５内の水を前記気化室１２へ供給す
る。２４は釦と一体化されたピストン２５を摺動
自在に設けたシリンダ、２６はタンク１５の底部
に吸水穴２７を設けてシリンダ２４と連通させた
吸水パイプ、２８は吸水パイプ２６を介してシリ
ンダ２４に吸い込まれた水を気化室１２へ排出す
る送水パイプで、上記吸水パイプ２６とともにタ
ンク１５内の水を気化室１２に供給するための給
水路２９を構成する。３０は吸水パイプ２６の下
端に嵌合した開閉弁で、上部に開孔３１が設けら
れており、吸水パイプ２６下端のスプリング３２
によつて下方に付勢されて吸水穴２７と開口１８
を閉じるように構成している。３３は開閉弁３０
を水通路１７により下方へ突出させて水密的にシ
ールするパツキンで、その一端は開閉弁３０に取
付けられ、開閉弁２８の上下方向の動作に対応し
てシール状態が維持される。３４は上記開閉弁３
０と対向してベース１０側に設けられたバイメタ
ル等の熱応動部材で、ベース１０の熱を感知して
上下方向にストロークが生じるように反転動作す
る。３５は熱応動部材３４の反転動作による上下
運動を前記開閉弁３０に伝達する操作杆で、ガイ
ド板３６によつてベース１０側で支持されてい
る。

すなわち、タンク１５と水通路１７を連路する
開口１８およびポンプ装置２３の吸水パイプ２６
は、ベース１０の熱を感知して動作する熱応動装
置３７によつて制御されるものである。

上記構成において、ポンプ装置２３はピストン
２５を任意な時に手動操作してタンク１５内の水
を気化室１２へ供給できるように構成されている
ものの、気化室１２が水を気化し得る温度に達し
ていないときは、第２図で示すように開閉弁３０
は吸水パイプ２６の吸水穴２７および開口１８を
閉じているので水通路１７および吸水パイプ２６
には水が供給されず、ポンプ装置２３とともに滴
下ノズル１９からもタンク１５内の水は気化室１
２へ供給されないようになつている。

そして、ベース１０がヒータ１１によつて加熱
され、気化室１２が水を気化させ得る温度に達す
ると第４図に示すように熱応動部材３４はその熱
を感知して反転動作し、操作杆３５を介して開閉
弁３０を押上げる。従つて、この開閉弁３０に設
けられた開孔３１が吸水穴２７と合致して吸水パ
イプ２６とタンク１５を連通させるとともに、開
口１８を開いてタンク１５と水通路１７を連通さ
せ、タンク１５内の水は滴下ノズル１９ならびに
ポンプ装置２３によつて気化室１２へ供給可能な
状態になる。このような状態において開閉装置２
１により滴下ノズル１９を開くと水が滴下して通
常のスチームが発生し、またポンプ装置２３を動
作させると上記通常のスチーム発生に付加したス
チームの増量、或いはポンプ装置２３単独の水の
供給によるスチーム噴出が行える。

このようにして気化室１２への水の供給は、常
に気化室１２の温度が水を十分に気化させ得る温
度であるときのみ行えるものであるとともに、ポ
ンプ装置２３の使用により気化室の温度が低下し
て熱応動装置が動作すると、手動開閉装置による
通常のスチームの発生も自動的に停止して水洩れ
を防止するほか、気化室１２の温度を短時間で上
昇させ、速やかに使用可能な状態に回復させるこ
とができるようになつている。

なお、実施例において熱応動部材３４はバイメ
タルを用いた例を示したが、これに限られるもの
ではなくベース１０の熱を感知して動作するもの
であればよい。また開閉弁３０もポンプ装置２３
と開口１８を同時に開閉する例を示したが具体構
造は実施例に限られるものではない。要は気化室
１２の温度が水を気化させ得る温度でないときに
は、ポンプ装置と通常のスチームを噴出させるた
めの水供給装置によつて気化室側へ水が供給でき
なければよい。

発明の効果 以上のように本発明のスチームアイロンは、水
通路の上流側に設けた開閉弁を、ベースの温度が
所定値以下の場合水通路およびポンプ装置の吸水
路を閉じるように前記熱応動装置に連係させたた
ことにより、ベースの温度が所定値以下のときに
使用者が不注意や誤操作により、手動開閉装置を
操作して滴下ノズルを開放した場合や、ポンプ装
置を作動させた場合でも気化室に水が供給される
ことがなく、水洩れを確実に防止することがで
き、繊維の状態に応じた的確なスチームを発生さ
せることができる使い勝手のよいスチームアイロ
ンが得られるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例におけるスチーム増量装置付の
アイロンの要部断面図、第２図は本発明の一実施
例におけるスチームアイロンの要部側断面図、第
３図は同アイロンの正断面図、第４図は同アイロ
ンの熱応動装置の拡大断面図である。 １０……ベース、１２……気化室、１５……タ
ンク、１７……水通路、２３……ポンプ装置、２
９……給水路、３７……熱応動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ヒータで加熱されるベースと、このベースに
   設けた気化室と、前記ベースの温度を感知して動
   作する熱応動部材を有した熱応動装置と、前記ベ
   ースの上方に配置したタンクと、このタンクと前
   記気化室を連絡する水通路と、この水通路の下流
   側に設けられ、かつ、前記タンク内の水を制限し
   て気化室へ供給する滴下ノズルと、この滴下ノズ
   ルを開閉する手動開閉装置と、前記水通路の上流
   側に設けた開閉弁と、前記タンク内の水を強制的
   に気化室へ送出するポンプ装置とを具備し、上記
   開閉弁は、ベースの温度が所定値以下の場合水通
   路およびポンプ装置の吸水路を閉じるように前記
   熱応動装置に連係させたスチームアイロン。