JPH0243358Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案はタンクからの水を使用してスチームを
発生せしめるスチームアイロンに関する。

(ロ) 従来の技術 従来は、実開昭56−82994号公報にあるように、
気化室の後部に包囲されて熱応動部材を収納する
収納室が形成されていた。斯る構成であると、初
期の使い始めのとき、ヒータから離れているため
熱応動部材への熱伝導に遅れが生じて、ベースの
かけ面が適温になつても熱応動部材が動作しない
問題が生じていた。また、スチーム使用中、気化
室に包囲されているため冷却されて復帰してしま
いタンクの水の滴下が止まるなどの欠点があつ
た。さらに、ヒータへの通電を停止して、アイロ
ンがけ終了直前でスチームを使用し続けてゆく
と、熱応動部材が冷却されて復帰し、弁が自動的
に閉じるが、気化室の水の滴下流入部から離れた
位置にあるため、水が熱応動部材近傍に到達した
時はベースの予熱で加熱されてしまつて、熱応動
部材の冷却がゆるやかになり、弁が閉じた時に
は、気化室内に多量の水が流入し残水などが生じ
ていた。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 本考案は、タンク内の水の気化室内への流入を
制御する熱応動部材の熱応答を向上せしめること
を目的とするものである。

(ニ) 課題を解決するための手段 本考案は、気化室と独立して隔室を区画形成
し、且つこの隔室内にベース温度がスチーム発生
温度に達したことを検知してタンク内の水を気化
室へ案内するように動作する熱応動部材を設け、
前記隔室をヒータと気化室へ水を案内する水通路
の開口部とに近接せしめたものである。

(ホ) 作用 斯る構成によると、使い始めのときヒータから
の熱を確実に早く検知することができ、しかもタ
ンクからの水の流れがあつてもこれで隔室が冷却
されて検知精度が低下するということがない。

(ヘ) 実施例 本実施例を図面に基づいて説明する。１は略Ｕ
字形のヒータ２を埋設したアルミニウムによりな
るベースで、ヒータ２に近接した気化室３、該気
化室と外気とを連通するスチーム孔４，４、前記
気化室３と独立して区画した隔室５とを形成して
いる。６は前記気化室３及び隔室５を覆うベース
蓋で、適所に前記気化室３に連通する開口部７を
形成している。８は前記ベース１の上方に設けた
アイロンカバー、９は該アイロンカバー上面に設
けたハンドル、１０は前記アイロンカバー８とハ
ンドル９との間に着脱自在に設けられ、水を貯留
するタンクで、その底面にノズル１１を形成して
いる。１２はタンク１０に形成した筒部１３内を
上下動し、その下端で前記ノズル１１の開口１４
を開閉する第１の開閉杆で、常時上方に付勢さ
れ、ノズル１１の開口１４を開放しているが、図
示しない操作部材を手動により操作すると下降し
てノズル１１の開口１４を閉塞するものである。
１５は前記アイロンカバー８とベース蓋６との間
に設けた例えばシリコンゴムよりなる筒状のパツ
キングで、上端縁を内方に折り曲げて小径の開口
（上部開口）１６を、且つ前記ノズル１１の下面
と当接する当接面１７を形成し、この当接面１７
をベースカバー８の上面より突出せしめている。
又、このパツキング１５は下端一側を水平方向に
延設してベース蓋６の上面と共に前記ベース蓋６
の開口７と連通する水通路１８を形成している。
１９は前記パツキング１５に内装され前記当接面
１７を常時上方に附勢する第１のスプリング、２
０は前記隔室５内に配設されベース１の温度を感
知して反転動作する反転式バイメタル等の熱応動
部材、２１は下端を熱応動部材の略中央に連結し
た第２の開閉杆で、前記熱応動部材２０の動作に
より前記ベース蓋６に設けたガイド孔２２を介し
て上下動摺動し、その上端でもつて前記パツキン
グ１５の開口１６の下端を開閉自在とするもので
ある。２３は前記ベース蓋６と熱応動部材２０と
の間に介装した第２のスプリングで、前記熱応動
部材２０の反転動作を助勢するものである。そし
て、前記隔室５はその前部及び両側部の下方に前
記ヒータ２を位置せしめる。且つその後部には前
記水通路１８の開口部７を近接して臨ませてい
る。

次に動作を第３図のイ乃至ハに基づいて説明す
る。先ず、スチームを利用してアイロン掛けを行
う場合には、タンク１０に水を収納し、このタン
ク１０を装着する。この時、前記パツキング１５
の当接面１７はノズル１１の下面に押圧され、第
１のスプリング１９の付勢力に抗して少許下動す
る。而して、図示しない操作部材を操作し、第１
の開閉杆１２を上動してノズル１１の開口１４を
開放する。ヒータ２への通電初期等のようにベー
ス１の温度がスチーム発生のための適正温度より
低い熱応動部材２０はイに示す状態にあり、第２
の開閉杆２１はパツキング１５の開口１６を閉塞
している。従つて、水通路１８内には水が流入せ
ずノズル１１の開口１４が開放されても気化室３
内へ供給されることはない。そしてヒータ２によ
りベース１が加熱され、水を気化するために適正
な温度に達すれば、このヒータ２に近接した熱応
動部材２０は直ちにその温度を検知しロに示す様
に第２のスプリング２３の助勢を受けて瞬時に反
転し、第２の開閉杆２１はパツキング１５の開口
１６を開放する。この状態に於いて、タンク１０
内の水はノズル１１、パツキング１５を通り、そ
して水通路１８内でベース蓋６より予備加熱を受
けた後開口部７を介して気化室３に流入して効率
よく気化されスチーム孔４，４より噴出される。
このとき気化室３は水の流入で少許冷却されるも
のの隔室５はヒータ２に近接しているため冷却さ
れることがなく不用意に熱応動部材２０が冷却に
よる反転動作で開口６を閉塞してしまうことがな
い。もちろん、使用中であつても図示しない操作
部材を操作して第１の開閉杆１２を下動し、ノズ
ル１１の開口１４を閉塞することによつて気化室
３への水の供給を停止させることは可能であり、
スチームとドライの切替えは手動操作によつて任
意に行える。

又、アイロン掛け終了後、タンク１０内の水を
捨てるためにタンク１０を取り外すと、水通路１
８内に残つた水は気化室３内に流入しベース１の
余熱により気化され且つ、ハに示す様にパツキン
グ１５の当接面１７はノズル１１の押圧より解除
されて元の状態に上動するので、たとえ第２の開
閉杆２１が上動している状態であつても、パツキ
ング１５の開口１６は開放し、この開口１６内に
残つていた水は水通路１８を介して気化室３内に
流入し上記と同様ベース１の余熱により気化され
る。

(ト) 考案の効果 本考案は上記の如く構成したものであるから、
スチーム発生時に熱応動部材は確実に且つ早くヒ
ータの温度上昇を検知して、スチームの発生を適
確に行ない、しかも隔室がヒータに近接いるため
気化室への水の流入があつても冷却により熱応動
部材が動作して、水の流入を停止せしめることが
ない。ヒータへの通電を停止してスチーム状態で
使用し続けると、気化室の最も冷たい、水通路か
ら水が流入する開口部に近接して熱応動部材が配
設されているため、急激に冷却されて熱応動部材
が復帰しタンクからの流入を停止するため、気化
室内への余分な流水が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のスチームアイロンの部分断面
図、第２図は同じく第１図に於けるＡ−A′のベ
ースの断面図、第３図のイ乃至ハは同じく動作説
明図である。 １……ベース、２……ヒータ、３……気化室、
５……隔室、７……開口部、１０……タンク、１
８……水通路、２０……熱応動部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒータと気化室を設けたベースと、該ベースの
   上方に設けたタンクと、前記ベースの上面に形成
   した開口と、該開口と前記気化室とを連通する水
   通路とからなり、前記気化室と独立して隔室を区
   画形成するとともに該隔室内に前記ベースの温度
   がスチーム発生温度に達したことを検知して動作
   し前記開口を開放する熱応動部材を設け、前記隔
   室を前記ヒータと気化室への水通路の開口部とに
   近接せしめたことを特徴とするスチームアイロ
   ン。