JPS6246573Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用燃料タンクのドレン孔を閉鎖
するドレンプラグに関する。

一般に、燃料に混じつている塵埃や水がエンジ
ンに送り込まれるのを防止するため、前記燃料タ
ンク内に開口するサクシヨンパイプの先端に濾過
筒を取りつけている。

ところで、前記濾過筒を交替するために従来
は、前記タンクの上壁に透孔を開設するとともに
前記サクシヨンパイプの途中に前記透孔を閉鎖す
る蓋を取りつけ、常時は前記蓋にて前記透孔を覆
う一方、前記濾過筒の交替時、前記サクシヨンパ
イプと共に前記蓋をはずして前記濾過筒を前記透
孔から取り出す如くしていたのであるが、これで
は前記タンクの上壁に透孔を別途に打抜加工する
必要があり、それだけ該タンクの成形に手間を要
するばかりか、前記蓋や該蓋をタンクに固定する
ビスなど必要となつて部品点数が増えてしまい、
全体としてコスト高となつていたのである。

又、以上の問題を解消すべくタンクのドレン孔
を、前記濾過筒が挿入可能な大きさに形成し、前
記濾過筒を、前記ドレン孔より挿入して前記サク
シヨンパイプの先端に装着すべくした燃料タンク
も提案されてはいるが、前記ドレン孔より挿入し
た前記濾過筒をタンク内部のサクシヨンパイプに
連結するのに手さぐりで行なわなければならず、
そのため前記濾過筒の前記サクシヨンパイプへの
装着に時間を要するものであつた。

本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、目的とするところは、前記濾過筒の前記サク
シヨンパイプへの装着ならびに前記濾過筒の交替
がワンタツチで行なえ、それでいて、前記サクシ
ヨンパイプの上下動、ひいては燃料タンクの上壁
の上下動を許容でき、かつ、燃料の流動による濾
過筒への直撃を回避できる自動車用燃料タンクの
ドレンプラグを提供せんとするにある。

以下本考案にかかる燃料タンクのドレンプラグ
を図に示す実施例に従つて説明する。

まず図において１はガソリン等を貯溜するタン
ク本体、２はその一端が前記タンク本体１内で、
しかも後記するドレン孔３に臨ませて開口し、且
つ他端をフユエルポンプ（図示せず）に接続して
なるサクシヨンパイプ、３は前記タンク本体１の
底壁に設けたドレン孔である。

而して本考案は、以上の構成からなる燃料タン
クにおける前記ドレン孔３に、該ドレン孔３を閉
鎖するプラグボデイ４を螺着し、且つこのプラグ
ボデイ４に、環状の上壁をもつたケーシング７を
取付けて、このケーシング７に、サクシヨンパイ
プ２に接続する濾過筒５を、該濾過筒５の上壁と
前記ケーシング７の上壁とが離間する如く内装す
る一方、前記ケーシング７を前記プラグボデイ４
に着脱可能として前記濾過筒５をプラグボデイ４
に着脱自由に取りつけると共に、前記濾過筒５
に、前記サクシヨンパイプ２のタンク側開口部に
嵌合する嵌合部６を設け、前記プラグボデイ４の
前記ドレン孔３への螺着により前記濾過筒５を前
記嵌合部６を介して前記サクシヨンパイプ２に装
着する如くしたのである。

即ち図に示す実施例では、前記プラグボデイ４
の外周面にねじ４１を周設する一方、下端面に、
該プラグボデイ４の螺締並びに螺緩を行なう工具
掛止め用の穴４２を設けている。

又、前記濾過筒５の前記プラグボデイ４への取
付けは、有底筒状のケーシング７を用い、このケ
ーシング７に前記濾過筒５を内装した状態にして
前記ケーシング７を前記プラグボデイ４の上壁面
にビス７０，７０を介して取り付ける如くしてい
るのであつて、詳しくは、前記ケーシング７の大
きさを、前記濾過筒５の上壁と前記ケーシング７
の上壁とを離間する如く濾過筒５を内装すること
が可能な大きさとし、且つ該ケーシング７の開口
端部に半径方向に延びるフランジ７１を一体に設
け、このフランジ７１を介して前記ケーシング７
を前記プラグボデイ４にビス止めしているのであ
る。

而して、このケーシング７は、前記濾過筒５を
前記プラグボデイ４に取りつける役割を果たす他
に、例えば走行途中、本体が振動してタンク本体
１内の燃料が激しく流動した場合でも、前記ケー
シング７の外周壁７２面にて前記燃料の流動を受
止め、燃料流が後記する濾過膜５０を直撃するの
を防止しているのであつて、これにより燃料に含
まれている水が燃料の流動圧により前記濾過筒５
を通過することがないのである。

一方、前記ケーシング７に内装される前記濾過
筒５の外周壁には、複数の窓５１，５１…を穿設
するとともに、この窓５１，５１…に、燃料油を
透して水や塵埃を透すことのない濾過膜５０，５
０を張設し、又前記濾過筒５に設ける嵌合部６に
は前記サクシヨンパイプ２を挿通するテーパー状
の挿通孔６０を設けているのであつて、前記濾過
筒５の前記ケーシング７への内装に伴ない前記嵌
合部６を、前記ケーシング７の上壁に設けた透孔
７４より突出させている。

尚、図中１０はタンク本体１に設けた燃料注入
口、７３，７３…は前記ケーシング７の外周壁７
２に穿設したスリツトを示す。

本考案は以上の構成からなり、前記プラグボデ
イ４の前記ドレン孔３への螺合に伴ない前記ケー
シング７の上壁から突出している嵌合部６の挿通
孔６０に前記サクシヨンパイプ２の先端が挿嵌す
るのであつて、これにより前記濾過筒５を前記サ
クシヨンパイプ２に装着することが出来るのであ
る。

一方前記濾過筒５を清掃する場合、前記プラグ
ボデイ４を螺緩してドレン孔３より取り外せば、
該ボデイ４にケーシング７を介して取りつけられ
ている前記濾過筒５も同時に前記サクシヨンパイ
プ２から外れてタンク本体１外に取り出されるの
であり、又前記濾過筒５を交替する場合には前記
ビス７０，７０…をゆるめて前記ケーシング７を
前記プラグボデイ４から外せばよいのであを。

以上の如く本考案によれば前記濾過筒の前記サ
クシヨンパイプへの脱着がワンタツチで行なえる
ので、従来の如くタンクに透孔を打抜加工したり
あるいは別途蓋などを成形する必要もまつたくな
いのである。

しかも、本考案によれば、ドレン孔に螺着する
プラグボデイに取付けたケーシングに、サクシヨ
ンパイプに接続する濾過筒を、該濾過筒の上壁と
前記ケーシングの上壁とが離間する如く内装し
て、前記濾過筒をプラグボデイに着脱自由に取り
つけたので、タンク本体の内圧変化によるサクシ
ヨンパイプの上下移動が許容され、延いては、タ
ンク本体の内圧によるタンク本体の上壁の膨張又
は収縮が許容されるのである。すなわち、サクシ
ヨンパイプはタンク本体の上壁に固着されるが、
サクシヨンパイプに接続する濾過筒は上下に移動
することが可能となり、サクシヨンパイプの上下
移動が許容されるのであるから、その結果、タン
ク本体の内圧による、タンク本体の上壁が上下に
膨張又は収縮することが自由に許容されるし、前
記サクシヨンパイプに無理な力が作用することが
なくなるのである。

その上、本考案によれば、ケーシング内に濾過
筒を配置しているので、例えば、タンク本体が走
行途中に振動して該タンク本体内の燃料が激しく
流動した場合でも、ケーシング面にて前記燃料の
流動を受け止め、燃料流が直接濾過筒を直撃する
のを防止して、これにより燃料に含まれている水
が燃料の流動圧によつて前記濾過筒を通過するこ
とがないのである。

更に、濾過筒を清掃する場合、本考案によれ
ば、濾過筒がケーシングを介してプラグボデイに
取付けられているため、プラグボデイをドレン孔
より取り外すことにより濾過筒も同時に取り外す
ことができて容易に清掃し得るのであり、また、
ケーシングがプラグボデイに対し着脱可能である
から、前記濾過筒を交換する場合には、ケーシン
グをプラグボデイから外せばよく、簡単に交換し
得るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案にかかるドレンプラグの一部
切削斜視図、第２図は本案ドレンプラグを燃料タ
ンクのドレン孔に螺着した状態を示す一部切欠正
面図である。 １……タンク本体、２……サクシヨンパイプ、
３……ドレン孔、４……プラグボデイ、５……濾
過筒、６……嵌合部、７……ケーシング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. サクシヨンパイプをもつた燃料タンクのドレン
   孔を閉鎖するドレンプラグであつて、前記ドレン
   孔に螺着するプラグボデイに、環状の上壁をもつ
   たケーシングを取付けて、このケーシングに、前
   記サクシヨンパイプに接続する濾過筒を、該濾過
   筒の上壁と前記ケーシングの上壁とが離間する如
   く内装する一方、前記ケーシングを前記プラグボ
   デイに着脱可能として前記濾過筒をプラグボデイ
   に着脱自由に取りつけると共に、前記濾過筒に、
   前記サクシヨンパイプの先端開口部に嵌合する嵌
   合部を設け、前記プラグボデイの前記ドレン孔へ
   の螺着により前記濾過筒を前記嵌合部を介して前
   記サクシヨンパイプに装着する如くしたことを特
   徴とする自動車用燃料タンクのドレンプラグ。