JPS5830123Y2 - 内燃機関における燃料系統の水抜き通路付き空気抜き装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料送出管を通して燃料ポンプへ送給する燃
料の汚れ具合や、燃料中に混入した水の分離を視認する
のに好適な各種内燃機関における燃料系統の空気抜き装
置に関するものであり、特に濾過密度の小さいフィルタ
ーを使用した場合でも容易に水を分離、確認出来るよう
にすることを目的とするものである。

従来のこの種内燃機関にかける燃料系統の空気抜き装置
としては、例えば実公昭４７−１５０６３号公報などに
見られるように燃料タンク内に空気抜きパイプを一体的
に備えた燃料フィルターを装備したものが知られていた
が、かかる装置はタンク内に燃料フィルターを装備する
ので燃料タンクと燃料ポンプ間の燃料濾過送出のための
構造がコンパクトになり、又、燃料フィルターを損傷す
ることがないなどの利点はあるにしても、燃料の汚れ具
合や燃料中の不純物の有無を視認することが出来ない不
便さがあり、又、燃料中に混入した水を分離することは
勿論、分離した燃料溜りの状況をも視認することが出来
なかった。

そのため、本出願人は先にかかる欠陥を克服すべく燃料
フィルターを内装した燃料タンクの底部に空気抜き操作
兼用の燃料コック本体を取り付けると共に、該コック本
体の下端に透明材料よりなるカップを装着した空気抜き
装置の改良を提案した。

ところが、この空気抜き装置は、燃料中の不純物の有無
の視認、燃料中に混入した水の分離、及びその視認を行
い、従来の装置の欠点を解消する反面、フィルターとし
て濾過密度が小さくて水を通し難い、例えばペーパーフ
ィルターを使用した場合には、フィルター面に油膜が形
成され、水がフィルターを通り難くなって水の分離が困
難となることを知見した。

従って、本考案はかかる知見にもとづき前記提案の空気
抜き装置の更に改善を企としたもので、上端に空気抜き
パイプを一体的に連結する燃料フィルターを内装した燃
料タンクの前記燃料フィルター底部に、燃料流入口開閉
用のコックパルプを内蔵した空気抜き操作兼用の燃料コ
ック本体を取付け、該コック本体の下端に透明材料から
なるカップを装着してなる空気抜き装置において、前記
燃料タンクの底板に前記フィルターの外部にて開口する
水抜き孔を設け、かつ、前記燃料コック本体およびコッ
クパルプにコック開時、前記水抜き孔とカップとを互い
に連通させる水抜き通路を設けた構成を特徴とする。

以下、本考案の具体的内容を添付図面に示す実施例にも
とづいて詳述する。

第１図は本考案装置の−ｆｋ第２図は同装置における要
部を拡大した図であり、これらの図において１は燃料タ
ンク、２は該燃料タンク１の底部に穿設したフィルター
取付穴、３は該取付穴２にパツキン４を介しボルト５に
より取り付けられた燃料コック本体、６は前記コック本
体３に設けられた燃料コックパルプ、７は該パルプ開閉
操作用レバーで、内部にパルプスプリング８を収蔵し、
Ｏリング９によりシールされてコック本体３ＶＣ凹凸嵌
合などにより取り付けられている。

又、１０は前記燃料タンク１内に挿入された燃料フィル
ターで、その底部を前記燃料コック本体３の燃料タンク
１側接合部１１に嵌装すると共に、この接合部１１と一
体に設けたフランジ部１２を燃料コック本体３及びフィ
ルター取付穴２周縁に挾持して固定してあり、その上端
部には空気抜きパイプ１３を連設し、該パイプの上端を
燃料タンク１の内頂面近傍においてタンク内の燃料液面
より上方に突出させている。

なお、１４は燃料コック本体３の燃料流入口で、該流入
口１４より突出した流出部１５に燃料ポンプ（図示せず
）へ燃料を送る送出管用パイプジヨイント１６が第３図
及び第４図に図示するように連結されている。

一方、１７は前記燃料コック本体３の下端にパツキン１
８を介しリング１９によって螺着することにより装脱可
能に取り付けられたカップであり、透明なセルロースア
セテート樹脂などの耐油性合成樹脂又は透明ガラスの如
き透明材料によって作られている。

なお、このカップ１７は必らずしも螺着による取り付け
に限らず、固定することもある。

又、第３図、第４図で示される２０は操作レバー７の位
置決めピンである。

上記の如き各構成からなる空気抜き装置において、本考
案にあってはその特徴として燃料タンク１の底板１ａと
燃料コック本体３に水抜き孔２１、水抜き通路２２を夫
々有して訃り、これら水抜き孔２１、水抜き通路２２は
コックを開状態とした時のみ互いに連通ずるようになっ
ている。

従ってコック開時には燃料タンク１の底板１ａに設けら
れた水抜き孔２１とコック本体３に設けられた水抜き通
路２２とはその位置関係において互いにロック開状態時
のみ連通し合う位置に設定される。

かくして上記の燃料コック本体３とタンク底板１ａの水
抜き孔との存在により、コック開時にはタンク１内部と
コック本体３下部の透明カップ１７とは連通ずる。

従って燃料タンク１の燃料は燃料フィルター１０を通っ
てタンク１底部の流入口１４より燃料コック本体３へ入
り、操作レバーＩの操作による燃料コックパルプ６の開
閉により、流出部１５、燃料送出管を通って燃料ポンプ
（図示せず）へ送られ、一方、燃料送出管内に発生又は
流入した空気は燃料の流入とは逆の経路を通り、燃料フ
ィルター１０内を経てその上端の空気抜きパイプ１３よ
り燃料外に放出される。

ところが、前記装置においてフィルターとして済過密度
の小さい、例えばペーパーフィルターを用いる場合には
該フィルターはその密度により水を殆んど通さず、殊に
フィルター面に油膜が形成されて水を分離することが実
質上困難となる。

この場合、本考案の前記装置においてはその比重差によ
り燃料タンク１の底部には比較的、水が溜るのでタンク
底板１ａの水抜き孔２１を通してタンク１の底に溜った
水はカップ１７に導入され、燃料タンク１内の燃料の良
質化が確保される。

そして燃料流入口１４より流入する燃料中に水が混入し
ていない場合には、コックを開状態にした時、燃料のみ
がタンク１より水抜き通路２２を経てカップ１７内に流
入するため、これを視覚で観察することによって確実に
水の有無を更に確認し得る。

従って燃料ポンプへ送給する燃料は、水を混入すること
はなく、そのため空気抜きと相俟って一層内燃機関の燃
料系統の流通を効率化することができる。

以上のように本考案空気抜き装置においては、燃料タン
クと燃料ポンプ間の燃料沖過送り出しがコンパクトに纒
められ、透明カップの存在により随時、燃料の汚れ具合
や、燃料中の不純物の有無を容易に視認することができ
ると共に油水分離により燃料中の水の分離を図り、水混
入を阻止する効果を有する外、タンク底板及び燃料コッ
ク本体に水抜き孔、水抜き通路を設けたことによってｐ
過密塵の小さいフィルターを使用し、フィルター表面に
油膜が形成されて水を通さない場合でも、タンク内の底
部に分離した水を簡単にカップ内に導入して水の分離を
容易ならしめ、しかも燃料中に水が混入していないこと
はコックを開状態とし、燃料ポンプへ燃料を送給すると
き、燃料のみがカップ内に流入することによって視認す
ることができ、フィルターの使用素材の汎用化と共にエ
ンジン性能の良化をもたらす上にすぐれた実用的効果を
有する。

なお、本考案において、カップの取外しを容易とすれば
カップ内の塵埃、水等の除去に便であり、又、レバーを
開側にすることにより燃料タンク内のドレンをも廃却で
き、特に別個のドレーンプラグが不要となりコスト低下
に有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例を示す縦断面図、第２図は同
要部拡大縦断面図で、第３図Ｘ−Ｘ断面で示す。 第３図は燃料コック本体部の平面図、第４図は回部右側
面図である。 １・・・・・・燃料タンク、１ａ・・・・・・燃料タン
クの底板、３・・・・・・燃料コック本体、６・・・・
・・燃料コックパルプ、１０・・・・・・燃料フィルタ
ー １３・・・・・・空気抜きパイプ、１４・・・・・
・燃料流入管、１７・・・・・・カップ、２１・・・・
・・水抜き孔、２２・・・・・・水抜き通路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上端に空気抜きパイプを一体的に連結する燃料フィルタ
   ーを内装した燃料タンクの前記燃料フィルター底部に、
   燃料流入口開閉用のコックパルプを内蔵した空気抜き操
   作兼用の燃料コック本体を取付け、該コック本体の下端
   に透明材料からなるカップを装着してなる空気抜き装置
   において、前記燃料タンクの底板に、前記フィルターの
   外部にて開口する水抜き孔を設け、かつ、前記燃料コッ
   ク本体トよびコックパルプにコック開時、前記水抜き孔
   とカップとを互いに連通させる水抜き通路を設けたこと
   を特徴とする内燃機関における燃料系統の水抜き通路付
   き空気抜き装置。