JPS644409Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関等に用いられ、スラツヂ等の
異物を捕集するカートリツジ式フイルタ装置に関
する。

従来、この種のカートリツジ式フイルタ装置
は、フイルタエレメントを収納したケースをフイ
ルターカバーに螺合することにより、着脱自在に
取付け、内蔵したフイルタエレメントが汚損した
時期を見計らつて（通常は車両走行距離によつ
て）、新しいものに交換するようになつている。
カートリツジ式フイルタ装置は内燃機関ではオイ
ルフイルタ、燃料フイルタ、水フイルタなどに用
いられている。本考案ではオイルフイルタを例に
とつて説明する。カートリツジ式オイルフイルタ
は、オイルパンよりオイルポンプによつて吸引さ
れたオイルを各潤滑部に送るオイル通路内に設け
られている。そしてオイル中のスラツヂ等の異物
を取り除くのであるが、フイルタエレメントが汚
損した時の交換作業はカートリツジ式オイルフイ
ルタをフイルタカバーより取外して新しいものを
装着するようにしていた。

しかし、カートリツジ式オイルフイルタを取り
外す場合、フイルタ内に残つているオイルがフイ
ルタ取り外し時にオイルフイルタのケース開口部
から流出して作業性が悪く、作業者の手を汚した
り、周囲をオイルで汚してしまうという欠点があ
つた。

また、カートリツジ式オイルフイルタの底部に
センターボルト式オイルフイルタドレンと同様な
ドレンを取付けることも考えられるが、この場合
にはボルトやパツキン等が必要となりコストが高
くなるので使い捨てのカートリツジ式オイルフイ
ルタには不向きであり、またボルトの取外しに時
間がかかる欠点がある。

本考案は、このような現状に鑑み、カートリツ
ジ式フイルタ装置の交換時に、そのフイルタ内の
オイル等を簡単な操作で流出できるようにすると
共にフイルタの製造コストの上昇を抑えるように
したものである。すなわち、フイルタのケース底
壁に周囲を薄肉部で囲むことにより破断可能とし
た破断部（所謂、プルトツプと呼ばれるようなも
の等）を形成し、かつ前記破断部に輪状の把手を
取付けて、フイルタの交換時にこの破断部を簡単
な操作で切離し、フイルタ内のオイル等を流出さ
せるようにしたものである。

以下、本考案を図に示す実施例に基づいて説明
する。

第１図は本考案の第１実施例を示し、カートリ
ツジ式オイルフイルタ１はフイルタカバー２に形
成された螺合部３に螺合してある。この螺合部３
には図示しないオイルの通路が設けられており、
この通路は図示しないオイルパン内に設けられた
図示しないオイルポンプに連通されている。そし
て、このオイルポンプから圧送されたオイルをオ
イルフイルタ１内のフイルタエレメントを通過さ
せて、オイル内に含まれているスラツヂ或いは固
形化したオイルをフイルタエレメントで捕集する
ようにしている。ここで、オイルフイルタ１のケ
ース４底壁には、破断部５がプレス等により一体
形成されると共にこの破断部５には輪状の把手６
が加締等により固着されている。この破断部５と
ケース４との境界（第１図中Ａ）は全周に亘つ
て、ケース４及び破断部５の肉厚より薄く形成す
ることにより、この薄肉部を破断してケース４と
破断部５とを切離可能になつている。尚、この破
断部５は、通常清涼飲料水等の薄肉容器に設けら
れているプルトツプと同様なものである。

このように、オイルフイルタ１の底壁に破断部
５を設けると、オイルフイルタ１の交換時に把手
６を引張ることにより破断部５を切離して、オイ
ルフイルタ１内のオイルを流出させることができ
る。したがつてオイルフイルタ１の取外し時にオ
イルがオイルフイルタの開口部から漏れることが
なくなり手を汚すことがなくなる。また、破断部
５に輪状の把手６を取付けるようにしたので、把
手６を引張ることにより破断部５を極めて容易に
切離すことができると共ににその切離時にオイル
が手に付着するのを防止できる。また、この破断
部５はケース４をプレス加工するときに同時加工
できるので製造コストはあまり上昇しない。

第２図及び第３図は本考案の第２実施例を示し
ている。

本実施例はオイルフイルタ１のケース４底壁に
下方に突出する筒状の開口部８が一体形成されて
いる。そして、この開口部８にはキヤツプ９が装
着されている。このキヤツプ９にはほぼ平行に形
成された二条の薄肉部Ｃが形成されると共に、こ
の二条の薄肉部Ｃ間のキヤツプ９端部には輪状の
把手１０が設けてある。尚、第３図中、１１はオ
イルを濾過するフイルタエレメント、１２はフイ
ルタエレメント１１を保持するスプリングであ
る。

かかる構成によれば、把手１０を引張ることに
よりキヤツプ９を外しオイルフイルタ１内のオイ
ルを流出できることは上記実施例と同様であり、
また、オイルフイルタ１の開口部８及びキヤツプ
９が簡単な構造であるので容易に製造でき、オイ
ルフイルタの製造コストの上昇を抑えることがで
きる。

尚、上記実施例では、ケース底壁に全周に亘つ
て破断可能な薄肉部を形成するようにしたが、必
ずしも全周に亘つて形成する必要はなく、ケース
底壁に周囲を例えば半円状に薄肉部を形成しても
よい。このときには、ケースから薄肉部が切離さ
れないので、オイルフイルタと一体で廃棄できる
ため、上記実施例のように別体となつた場合に較
べて廃棄の煩わしさを少なくできる。

本考案はカートリツジ式オイルフイルタに限定
されるものでなく、燃料フイルタ、水フイルタ等
のカートリツジ式フイルタ装置に応用することが
できる。

本考案は、以上説明したように、カートリツジ
式フイルタ装置のケース底壁に周囲を破断可能な
破断部を形成し、かつ破断部に輪状の把手を形成
するという簡単な構造としたので、フイルタの製
造コストをさほど上昇させずにフイルタ内のオイ
ル等を流出でき、取扱者の手を汚すことが失くな
つた。しかも、フイルタの交換時に破断部を簡単
な操作で破断できるために、作業時間が短縮可能
となつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例を示す斜視図、第
２図は本考案の第２実施例を示す要部斜視図、第
３図は第２図の要部断面図である。 １…カートリツジ式オイルフイルタ、４…ケー
ス、５…破断部、９…キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケース内にフイルタエレメントを有して、フイ
   ルタカバーに着脱自在に装着されるカートリツジ
   式フイルタ装置において、前記ケース底壁に、周
   囲を薄肉部で囲むことにより破断可能とした破断
   部を形成し、かつ前記破断部に輪状の把手を取付
   けたことを特徴とするカートリツジ式フイルタ装
   置。