JPS5941344Y2 - 内燃機関用無接点点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関、特に自動車用内燃機関に用いる無接
点点火装置の改良構造に関する。

自動車用内燃機関の点火コイルの１次電流通電時間が内
燃機関の回転に応じて変化する無接点点火装置において
、電源電圧の変動に従い点火コイルの１次電流通電時間
を変化し、電源電圧の所望値からの増減に従って１次電
流通電時間を減増して通電による発熱を制御することが
知られている。

本考案は、内燃機関の回転を検出する交流発電機の発生
出力に応じてオン、オフする入力トランジスタのコレク
タに反転トランジスタのペースを接続すると共に、この
両トランジスタのエミッタを共通接続してエミッタ抵抗
を介して電源の一端に接続し、かつ前記反転トランジス
タのペースを抵抗を介して電源の他端に接続し、該反転
トランジスタのコレクタをコレクタ抵抗を介して前記電
源の他端に接続し、該コレクタ抵抗と並夕１ルで前記反
転トランジスタのコレクタにツェナーダイオードを接続
し、該反転トランジスタのオン、オフに応じて動作する
パワートランジスタを点火コイルの１次側に接続した無
接点点火装置を提供することを目的とする。

前記本考案によれば、入力トランジスタのオン。

オフ動作は該トランジスタのベース、エミッタ電位に依
存して制御されるが、反転トランジスタのベース電流は
電源電圧に依存して増減することによってそのコレクタ
電流が増減するのみならず、反転トランジスタのコレク
タ自体に電源電圧に依存した電流が加えられることによ
って、エミッタ抵抗の電圧降下が電源電圧の変動に応じ
て大きく変化する。

また反転トランジスタのコレクタ抵抗とツェナーダイオ
ードとの並列接続により、電源電圧が所定値以下の場合
はエミッタ抵抗の電圧降下を零に近い低い値に維持する
が、所定値以上の電源電圧に対してはツェナーダイオー
ドがオンすることにより該電圧降下を大幅に増加させ、
もって入力トランジスタのオン動作のスレッシュホール
ド電圧を電源電圧変動に応じて大きく変化させることが
出来る。

従って本考案によれば所定値より高い又は低い電源電圧
のいずれの領域における電圧変動に対しても１次電流通
電時間が効果的に追従変化し、しかも所定値を越える変
動に対して通電時間を大幅に減少することが出来る。

また電源電圧が高い場合には、この入力トランジスタの
オンとオフの動作レベルの差、すなわちヒステリシスを
大きくとることが出来るので外来ノイズに対する誤動作
を防止することが出来る。

以下本考案の１実施例を示す図面を参照してさらに説明
する。

第１図は本考案の無接点点火装置を示すもので、１は内
燃機関の回転に同期した交流電圧を発生する交流発電機
で、一般に第２図Ａの様な波形であり、また回転数が増
加するにつれて第２図Ａａからｂに示すように発生電圧
も増加する。

入力トランジスタ４、反転トランジスタ５により交流発
電機の発生電圧を矩形波形に変換し、トランジスタ６．
７により電流増巾し、パワートランジスタ８をドライブ
する構成となっている。

２は電源、３は点火コイルで、３ａはその１次コイル、
３ｂはその２次コイル、１９は入力トランジスタ４のコ
レクタ抵抗、２０は反転トランジスタのコレクタ抵抗で
、これと並列にツェナーダイオード１１及び抵抗２３の
直列回路が接続される。

２１は入力トランジスタ４及び反転トランジスタ５のエ
ミッタを電源アース側に接続するエミッタ抵抗を示す。

交流発電機１で発生した交流電圧を入力トランジスタ４
、反転トランジスタ５で矩形波形に変換する際の入力ト
ランジスタの動作レベルは抵抗１７とダイオード１０の
接続点電位及びトランジスタ４，５のエミッタと抵抗２
１との接続点電位に依存する。

入力トランジスタ４と反転トランジスタ５とは交互にオ
ン、オフするので電源電圧ＶＢが低くツェナーダイオー
ド１１がオフ時のトランジスタ４のオン動作レベルは抵
抗１９゜２０を介して流れるトランジスタ５のベース、
コレクタ電流に依存する。

他方電源電圧ＶＢがツェナーダイオード導通電圧を越え
ると、トランジスタ４のオン動作レベルはトランジスタ
５のベース電流及び抵抗２０．２３の並列接続を介して
流れるコレクタ電流に依存して急上昇するが、トランジ
スタ４のオフ動作レベルはトランジスタ５のオフ動作に
よりエミッタ抵抗２１を流れる電流の減少に従って減少
する。

従って波形整形回路を成すトランジスタ４のオン、オフ
動作レベルにはヒステリシス効果が与えられ、電源電圧
がツェナー電圧を越えて上昇するとオン動作レベルも大
きく上昇してヒステリシス効果が大きくなる。

斯かる本考案構成の発電機交流電圧波形と入力トランジ
スタ４の動作波形との関係を示す第２図を参照してさら
に説明する。

まず電源電圧ＶＢが低くツェナーダイオード１１がオン
しない場合の第１図装置の動作を述べる。

交流発電機１によって発生した波形を第２図Ａに示す。

ここで、入力トランジスタ４の動作レベルｖＴが■Ｔ１
の場合、第２図Ａの波形から、入力トランジスタ４が
第２図ＢのＴ１点でオンすることにより、反転トランジ
スタ５がオフ→トランジスタ６がオンリトランジスタ７
がオフとなりパワートランジスタ８がオンとなる。

次に第２図ＢのＴ。

点で入力トランジスタ４がオフとなり、前記と逆の動作
でパワートランジスタ８がオフとなる。

また交流発電機１０回転数が高くなるにつれて出力波形
は第２図Ａのａからｂに示すように大きくなり、波形の
傾きが急になり入力トランジスタ４のオンする時間が第
２図ＢのＴ１点から第２図ＣのＴ２点に変化する。

このように入力トランジスタ４のオン点が変化すること
により、パワートランジスタ８がオンしている時間の割
合（以下閉角度と称す）が大きくなる。

次に電源電圧ＶＢが高くなりツェナーダイオード１１の
導通電圧を越すと入力トランジスタ４のコレクタ抵抗１
９を流れる電流および反転トランジスタ５のベース電流
、コレクタ電流が増加する。

したがって入力トランジスタ４のエミッタ電圧が上昇す
ることとなり、この入力トランジスタ４の動作レベルが
ｖＴ□ からＶＴ２ 側に変化する。

これによって、電源電圧が高くなることにより入力トラ
ンジスタ４のオン点が、低速回転においては第２図Ｂの
Ｔ１点から第２図りのＴ３点に移動する。

高速回転においても同様に第２図ＣのＴ２点から第２図
ＥのＴ４点に移動する。

以上のように電源電圧が高くなることにより、閉角度が
減少することになる。

逆に電源電圧が低下した場合には、入力トランジスタ４
の動作レベルが低い値となり、閉角度が増大し、１次コ
イル３ａの通電時間が長くなり、（前述のＴ□ −Ｔ１
ｔ Ｔ２ ）、点火コイル３の火花性能が低下す
るのを防ぐことができる。

第３図において、横軸には機関回転数Ｎがとってあり、
縦軸には点火コイル３に１次電流が流れている閉角度θ
がとってあり、ｅは従来装置の特性の１例を示し、ｆ２
ｇは第１図の装置の電源電圧が低い場合における特性と
、電源電圧が高い場合における特性とを示したものであ
る。

本考案により閉角度が減少することにより１次コイル３
ａに流れる電流をおさえることが可能となるため、パワ
ートランジスタ８の信頼性を向上させることが出来る。

また、第４図は第１図の装置における電源電圧ｖＢの変
動に対する入力トランジスタ４の動作レベルの変化特性
を示し、ｐはパワートランジスタ８（点火コイル３の１
次電流）がオフからオンに切換わる時の特性を示し、ｑ
はオンからオフに切換わる時の特性を示すものである。

電源電圧が一定値以上になるとｐ、ｑ特性の差が大きく
なり、ヒステリシス効果が犬になることを示している。

上記本考案によるとツェナーダイオード１１の動作によ
り、電源電圧がある一定値以下の場合は入力トランジス
タ４の動作レベルを零に近づいた低い値として、たとえ
ば機関始動時のように交流発電機の出力電圧が低い場合
にも動作可能とし、電源電圧がある一定値以上の場合に
は、入力トランジスタ４の動作レベルを高い値にして入
力トランジスタ４がオンしている時間、すなわちパワー
トランジスタ８のオンしている時間（点火コイル３の通
電時間）が過剰とならないようにする。

さらにこのツェナーダイオ−下と入力トランジスタ４、
反転トランジスタ５との接続により入力トランジスタ４
の動作レベルの変化は、オン点の変化にのみ大きく寄与
するため、電源電圧が高い場合にはこのオン点とオフ点
の電位差が大きくなり、外来ノイズ等のノイズ電圧に対
し誤動作しにくいものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の１実施例を示す電気回路図、第２
図は第１図図示装置の作動説明に供する各部波形図、第
３図および第４図は第１図図示装置における特性図であ
る。 １・・・・・・交流発電機、２・・・・・・電源、３・
・・・・・点火コイル、４・・・・・・入力トランジス
タ、５・・・・・・反転トランジスタ、８・・・・・・
パワートランジスタ、１１・・・・・・ツェナーダイオ
ード、２１・・・・・・エミッタ抵抗、１９．２０，２
３・・・・・・抵抗。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 内燃機関用無接点点火装置であって、 内燃機関の回転に同期して交流信号を発生する手段： 高電圧を発生する点火コイル； この点火コイルの一次電流を断続するパワートランジス
   タ； 前記交流信号に応じてオンオフする入力トランジスタ： この入力トランジスタのコレクタにペースが接続され、
   エミッタが前記入力トランジスタと共通のエミッタ抵抗
   を介して電源の一端に接続され、コレクタがコレクタ抵
   抗を介して前記電源の他端に接続されていて、前記パワ
   ートランジスタの制御をする反転トランジスタ；および
   前記反転トランジスタのコレクタと前記電源他端との間
   に前記コレクタ抵抗と並列にして接続したツェナーダイ
   オード及び抵抗の直列回路を有し； 電源電圧が所定値以上になると前記ツェナーダイオード
   が導通し、前記反転トランジスタの導通時にこの反転ト
   ランジスタおよび該トランジスタのコレクタ抵抗と前記
   ツェナーダイオード及び抵抗の直列回路とを介して前記
   電源より前記エミッタ抵抗に電流が流れることにより前
   記入力トランジスタの動作レベルが電源電圧に応じてシ
   フトされ、かつ前記反転トランジスタの導通、遮断に伴
   なう前記エミッタ抵抗に対する電流の増減によって前記
   入力トランジスタはそのオンオフ動作にヒステリシスを
   生じせしめられる前記無接点点火装置。