JPS609426Y2 - 機関点火装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機関点火装置、特に機関点火時期を機関の一
動作態様時に任意に制御するものに関する。

この種装置は機関回転に同期して信号コイルに発生する
信号電圧によりサイリスタ等の半導体開閉素子を作動さ
せて点火コイルの１次側通電々流を制御してその２次側
に点火電圧を発生させるものであるが、このものは信号
コイルの信号電圧をそのまま点火信号として半導体開閉
素子に給電しているので、信号電圧の出力波形によって
その進角特性が自ずと決定されてしまい、そのため、機
関の急加速時、高回転時等各動作態様に適切にマツチし
た点火時期の制御が行なえない。

この考案は上記欠点を解消する機関点火装置である。

以下第１図に示す実施例に於て、磁石発電機に内蔵され
た発電コイル１の交流出力電圧ａ１．ｂ□はダイオード
２により整流され、その出力電圧ａ１はコンデンサ３に
充電される。

一方、上述の磁石発電機に発電コイル１と共に装着され
た信号コイル４の交流出力電圧ａ２．ｂ２もダイオード
５により整流され抵抗６とコンデンサ７の時定数回路を
通じてサイリスタ８のゲートに入力される。

この入力電圧がサイリスタ８のトリガレベルを越えるト
サイリスタ８はオンし、コンデンサ３の充電々荷はこの
サイリスタ８を通じて点火コイル９の１次側に放電され
る。

すると、その２次側には点火電圧が発生し、点火プラグ
１０には火花放電が行なわれ機関は駆動される。

ここで、この機関の一動作態様である機関回転数ｎに対
応して機関点火時期を進角させる点火時期進角回路１１
を第２図の点火時期進角特性図を用いて詳述する。

図に於て、コンデンサ７の両端には負荷抵抗１２を介し
て放電用の開閉素子、例えばトランジスタ１３が接続さ
れ、このトランジスタ１３のベースは信号コイル４の他
端に負荷抵抗１４と電圧検出用のゼナーダイオード１５
を介して接続されている。

また、トランジスタ１３のエミッタと信号コイル４の一
端にはトランジスタ１３の駆動用のダイオード１６が接
続されている。

尚、コンデンサ７の抵抗６とによる放電時定数は充電時
定数よりも大きく設定されている。

さて、機関の低回転数範囲ｎ１に信号コイル４の出力電
圧ａ２が回転数ｎの増加により増加してコンデンサ１を
略々満充電状態に保持してしまえば放電時定数が大であ
るためコンデンサ７はほとんど放電されない。

従って、信号コイル４の出力電圧ａ２が増大してもサイ
リスタ８のトリがレベルを越える時期はコンデンサ７の
充電々圧にて決定され、第２図のイに示すように点火時
期θは略々一定に保持される。

この回転数範囲ｎ１では信号コイル４の出力電圧層が負
荷抵抗１４を通じてゼナーダイオード１５を作動させる
に至らないのでトランジスタ１３はオフ状態を保持して
いる。

而して、機関回転数ｎが増加して中回転数範囲ｎ２にな
ると信号コイル４の出力電圧は更に増加し、出力電圧ト
は負荷抵抗１４を通じてゼナーダイオード１５を作動さ
せる値になる。

即ち、出力電圧力。がゼナーダイオード１５のゼナー電
位を越える期間トランジスタ１３のベースには出力電圧
へに基づく電流が、負荷抵抗１４、ゼナーダイオード１
５、ダイオード１６を通じて流れてオンし、このオン期
間は出力電圧層が増加するとそれに伴って刻々延長され
、またこれと同一特性でもって出力電圧層の減少に伴っ
て刻々短縮される。

このトランジスタ１３のオン期間だけコンデンサ７の充
電々荷は負荷抵抗１２、トランジスタ１３を通じて放電
され、従って、コンデンサ７の電荷は満充電状態からト
ランジスタ１３による放電時定数に基づいてその放電回
路を通じて機関回転数ｎ２の増加に伴って刻々放電され
減少して行く。

その結果、この減少に伴って出力電圧ａ２がコンデンサ
７を通じてサイリスタ８のトリガレベルを越える時期は
早くなり点火時期θは第２図の口に示すように進角する
。

而して、更に機関回転数ｎが増加して高回転数範囲…に
なると、信号コイル４の出力電圧ａ２．ｂ２は略々飽和
してしまい一定となる。

すると、トランジスタ１３のオン期間は一定となり、従
ってコンデンサ７の放電量も機関回転数ｎ３とは無関係
に一定となるため、コンデンサ７は満充電に近い状態で
充放電を繰返し、そのためサイリスタ８のトリガレベル
を越える時期は略々一定となり、その点火時期θは第２
図の八に示すように略々一定となる。

ところで、機関回転数ｎがｎ３から島そしてｎ□へと減
少する方向についての点火時期特性は上述した点火時期
θの特性上を忠実に戻ることになる。

この実施例はコンデンサ７の充電々荷を信号コイル４等
の他の素子を介さずに負荷抵抗１２のみを介して直接ト
ランジスタ１３に放電させることにより、回路設計の簡
単化、即ち、点火時期に密接に関係するコンデンサ７の
放電時定数の安定化を計り、以って点火時期特性の安定
化を計るものである。

そのための回路であるトランジスタ１３のベース駆動用
回路はダイオード１６を接続するのみで簡単に行える。

尚、機関の一動作態様を検出するものとして機関回転数
ｎに応動した出力電圧を発生する信号コイル４以外に、
更に他の信号コイルを使用するとか、また機関温度、負
荷等を検出する素子を使用してトランジスタ１３のオン
期間を制御してもよくそうすれば更に細かな点火時期制
御が行なえる。

以上のように、この考案はコンデンサの両端に直接接続
され、そのコンデンサの充電々荷を放電させるように互
いに直列接続された制御負荷と開閉素子を設けると共に
機関の一動作態様時に開閉素子を作動させるように接続
された検出回路を設け、信号コイルの半導体開閉素子を
制御する出力と逆の出力により、検出回路の電源及びそ
の制御入力とするようにし、しかもコンデンサの充電々
荷を信号コイル等の他の素子を介さずに制御負荷のみを
介して直接開閉素子に放電させているので、点火時期に
密接に関係するコンデンサの放電時定数の決定が容易に
行なえ、且つ得られる点火時期特性も安定化する効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す回路図、第２図は第
１図の回路により得られる点火時期特性図である。 図に於て、１は発電コイル、３はコンデンサ、４は信号
コイル、６は抵抗、７はコンデンサ、８はサイリスタ、
９は点火コイル、１１は点火時期進角回路、１２は負荷
抵抗、１３はトランジスタ、１５はゼナーダイオード、
１６はダイオードである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機関回転数の増減に伴って値が増減する出力を発生する
   信号コイル、点火コイルの通電々流を制御して点火電圧
   を発生させる半導体開閉素子、この開閉素子の制御入力
   端と上記信号コイルの一端に接続された抵抗とコンデン
   サの時定数回路、上記コンデンサの両端に直接接続され
   、そのコンデンサの充電々荷を放電させるように互いに
   直列接続された制御負荷と開閉素子、及び機関の一動作
   態様時に上記開閉素子を作動させるように接続された検
   出回路を備え、上記信号コイルの上記半導体開閉素子を
   制御する出力と逆の出力により、上記検出回路の電源及
   びその制御入力としたことを特徴とする機関点火装置。