JPS5940196Y2 - 射出成形用金型におけるアンダ−カット処理構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は射出成形用金型におけるアンダーカット処理構
造に関するものである。

従来、成形品に対するアンダーカット処理構造としては
、一般的に、固定型と可動型とからなる射出成形用金型
の一方側に取付けられたスライドコアに、エア或は油圧
シリンダを連結することによりスライドさせているが、
この場合、シリンダ及びその付帯設備の取付げにともな
うスペース上の問題の他、シーケンス等の不具合による
誤動作の問題があった。

これに対して、従来から使用されている傾斜ピンを利用
したスライドコアは、動作が確実でありスペース的にも
問題がない反面、傾斜ピンが固定型と可動型にまたがる
ため、成形品のアンダーカト部位の位置（場所）によっ
ては利用できないと云う欠点があった。

本考案の目的は可動型の成形品押出用スリーブの移動に
よりアンダーカット用スライドコアをスライドさせるこ
とができる射出成形用金型におけるアンダーカット処理
構造を提供することによって、前記従来の欠点を除去す
ることにある。

次に、本考案の第１実施例の構成を図面によって説明す
る。

射出成形用金型の可動型１を往復動可能に貫通した状態
で上下各個押出板２，３間に取付けられた成形品用押出
しスリーブ４の先端には押板５がボルト６を介して取付
けられた後、盲栓７が施されるとともに、押板５にはガ
イド溝８に沿って成形品のアンダーカット用スライドコ
ア９が往復動可能に取付けられ、かつ、前記スリーブ４
には、取付板１０前面に２段押しピン１１を介して当接
したスリーブピン１２が、上下各側押出板２，３間に形
成されたシリンダ部１３と各ピン１１．１２に形成され
たフランジ部１３．１４を介して第１図のＳストローク
軸心方向往復動可能に取付けられている他、スリーブピ
ン１２はスリーブ４とフランジ１４間に挿入されたスプ
リング１５によって後方（第１図の下方）に付勢されて
いる。

又、スライドコア９の下面にはそのスライド方向に傾斜
した状態で傾斜ピン１６が突出しているとともに、同傾
斜ピン１６はスリーブピン１２に形成された傾斜孔１７
に往復動可能に挿入されている。

次に、本実施例の作用について説明する。

まず、第１図に示す成形完了の上下各側押出板２．３後
退状態において、成形品１８押出しのため上下各個押出
板２，３を前進させると、押出板２．３とともにスリー
ブ４が前進するが、この際スリーブピン１２はスプリン
グ１５で押されていることもあって位置変位しないため
、傾斜ピン１６はスリーブピン１２の傾斜孔１７内を上
昇するとともに、スライドコア９が第１図右方向にスラ
イドして成形品１８のアンダーカット処理が行われ、ス
リーブ４が第１図のＳストローク前進した状態において
成形品１８のアンダーカット処理は既に完了していると
ともに、その後はこのアンダーカット処理完了状態、即
ち、スライドコア９のスライド停止状態においてスリー
ブ４とスリーブピン１２がともに前進し、成形品１８を
押出しながらのアンダーカット処理は終了する。

次に、この状態での成形品１８取出し後、上下各側押出
板２，３を後退させると、傾斜ピン１６が傾斜孔１７に
再び嵌合してスライドコア９が第１図の左方向にスライ
ドするとともに、射出成形機による成形品成形後、前記
動作が再び繰返される。

次に、第４図は本考案の第２実施例であって、この場合
は、スリーブピン１９を取付板２０に固着し、上下各側
押出板２１．２２を介してのスリーブ２３前進時に、Ｓ
ストローク遅れてスリーブピン１９が前進しないように
した他は、構成、作用、効果とも前記第１実施例とほぼ
同様であるが、この場合は、スリーブ２３前進時におい
て図示省略傾斜ピンがスリーブ２３に形成した傾斜孔か
ら抜けないような押し出しストロークにするかスライド
コアの固定用バネが必要であることに注意する必要があ
る。

次に、本考案の効果について説明する。

本考案は固定型と可動型とからなる射出成形用金型の可
動型を往復動可能に貫通した状態で上下各側押出板間に
取付けられた成形品用押出しスリーブに対して、スリー
ブピンを、上下各側押出板間に形成したシリンダ部と前
記スリーブピンに形成したフランジを介し一部ストロー
ク軸心方向往復動可能に取付け、かつ、前記スリーブ先
端部に対して、成形品のアンダーカット部を形成するス
ライドコアをその押板を介して可動型移動直角方向往復
動可能に取付け、更に、スライドコアに対して、前記ス
リーブピンに形成した傾斜孔と往復動可能に嵌合する傾
斜ピンを取付けるとともに、スリーブピンの往復動によ
る傾斜ピンの傾斜孔内往復動によってスライドコアを往
復動させた射出成形用金型におけるアンダーカット処理
構造にある。

これによって、本考案は構造簡単にして容易にしかも可
動型側のみで成形品のアンダーカット処理を確実に行わ
せることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１実施例の破断正面図、第２図はそ
の平面図、第３図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４図は
本考案の第２実施例の要部破断正面図である。 １・・・・・・・可動型、２．３． ２１． ２２・・
・・・・押出板、４．２３・・・・・・スリーブ、５・
・・・・・押板、８・・・・・・ガイド溝、９・・・・
・・スライドブロック、１２．１９・・・・・・スリー
ブピン １６・・・・・・傾斜ピン １７・・・・・・
傾斜孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定型と可動型とからなる射出成形用金型の可動型を往
   復動可能に貫通した状態で上下各側押出板間に取付けら
   れた成形品用押出しスリーブに対して、スリーブピンを
   、上下各個押出板間に形成したシリンダ部と前記スリー
   ブピンに形成したフランジを介し一部ストローク軸心方
   向往復動可能に取付け、かつ、前記スリーブ先端部に対
   して、成形品のアンダーカット部を形成するスライドコ
   アをその押板を介して可動型棒、動直角方向往復動可能
   に取付け、更に、スライドコアに対して、前記スリーブ
   ピンに形成した傾斜孔と往復動可能に嵌合する傾斜ピン
   を取付けるとともに、スリーブピンの往復動による傾斜
   ピンの傾斜孔内往復動によってスライドコアを往復動さ
   せることを特徴とする射出成形用金型におけるアンダー
   カット処理構造。