JPH0254771B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 この発明は、射出成形機に関するもので、詳し
くは、２色成形やアンダカツトのある製品の成形
に使用する金型の小型化や構造の簡素化に有効な
新規な機能を具備した射出成形機に関するもので
ある。

〔従来技術及びその問題点〕

第３図は、２色成形法により形成された製品の
例を示したもので、外枠部１が不透明の材料で、
また中央の平板部２が透明の材料で形成された構
成になつている。

ところで、このように２色成形される製品、あ
るいはアンダカツトのある製品を成形するための
金型として、スライドコア等の可動部材を具備し
たものが知られている。

第４図および第５図は第３図の製品を成形する
２色成形用の金型３の従来例を示し、第６図はア
ンダカツト用の金型４の従来例を示している。

これらの金型３，４は、いずれも射出成形機の
固定プラテンに取り付けられる固定側金型５と、
射出成形機の可動プラテンに取り付けられる可動
側金型６とを備え、かつ前記可動側金型６が型板
６ａ、エジエクタピン６ｂ、射出成形機のエジエ
クター７によつて押し出されるエジエクタプレー
ト６ｃ，６ｄ、スペーサブロツク６ｅ、可動側取
り付け板６ｆ等を備えた構成であるが、第４図お
よび第５図に示したものでは、さらに前述した平
板部２用のキヤビテイ空間Ａを形成するために前
記型板６ａに嵌め込まれた可動部材（スライドコ
ア）８と、前記型板６ａを貫通して一端が前記可
動部材８に連結されたロツド９と、ロツド９およ
び該ロツド９の他端に連結されたプレート１０を
介して前記可動部材８を型開き方向（第４図で左
右方向）に移動させる流体圧シリンダ１１とが付
加され、一方、第６図に示したものでは、アンダ
カツト部を形成するために固定側金型５を貫通し
てキヤビテイ空間Ｂ内に突出する可動部材１３
と、該可動部材１３を型割り時に退避させる流体
圧シリンダ１４とが付加された構成になつてい
る。

ところが、前述の各金型３，４のように可動部
材８，１３を駆動する駆動装置、すなわち流体圧
シリンダ１１，１４が、可動側金型６、あるいは
固定側金型５に直接取り付けられた構成である
と、金型が全体として大型になり易く、また前述
のロツド９やプレート１０のような機構部材を金
型内に組み込まれなければならないことから、金
型の構造が複雑になるという問題があつた。ま
た、金型を射出成形機に着脱する場合には、それ
と同時に流体圧シリンダ１１，１４等への配管へ
配線までも行わなければならず取付け作業性の点
でも問題があつた。

〔発明の目的〕

この発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
で、キヤビテイ空間の画成に寄与する可動部材を
有する形式の金型の小形化と構造の簡素化とを図
ることができ、かつ金型交換時の作業性を向上さ
せることもできる射出成形機を提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本発明は、固定プ
ラテンと、タイバーによつて前記固定プラテンに
対して金型の型開き方向に移動自在に支持された
可動プラテンとが備えられ、前記固定プラテンに
は固定側金型、可動プラテンには可動側金型がそ
れぞれ取り付けられ、かつ前記固定側金型の可動
側金型との間にキヤビテイ空間が形成される射出
成形機であつて、前記金型にキヤビテイ空間の画
成に寄与する可動部材が移動自在に設けられ、前
記可動部材に連結している可動部材移動用ロツド
が、型開き方向に前記可動プラテンを貫通した状
態で型開き方向に進退自在に設けられ、かつ該可
動部材移動用ロツドを進退させるロツド駆動装置
が、前記可動プラテンの、前記可動側金型を取り
付けた面と反対側のに取り付けたものである。

〔作用〕

本発明の射出成形機にあつては、ロツド駆動装
置によつて、可動部材移動用ロツドを可動プラテ
ンを貫通した状態で型開き方向に前進、後退させ
ることにより、この可動部材移動用ロツドに連結
している可動部材を移動させて、金型内のキヤビ
テイ空間の画成に寄与させる。

〔発明の実施例〕

第１図は、本発明の一実施例を示したものであ
る。

この射出成形機は、固定プラテン１５と、タイ
バー１６によつて前記固定プラテン１５に対して
金型３′に型開き方向に移動自在に支持された可
動プラテン１７とを備えている。

前記金型３′は、第４図に示した金型３と同様
にキヤビテイ空間の画成に寄与する可動部材８′
を有した２色成形用のもので、第４図のものと同
様に機能する部分には同番号にダツシユ（′）を
付けて説明を簡略化する。

前述の固定プラテン１５には固定側金型５′、
可動プラテン１７には可動側金型６′が取り付け
られるのであるが、さらに可動プラテン１７には
前記可動部材８′を移動させる機構として、型開
き方向（第１図で左右方向）に可動プラテン１７
を貫通した可動部材移動用ロツド１８と、該ロツ
ド１８の可動プラテン１７の外側（第１図で左
側）に突出した端部に固定されたプレート１９
と、前記可動プラテン１７に一端が埋設されると
ともに他端が前記プレート１９に連結されて、プ
レート１９を介してロツド１８を型開き方向に進
退させるロツド駆動装置２０とが付加されてい
る。

前記ロツド１８は、その一端が可動側金型６′
の各構成部材を貫通して前記可動部材８′に螺合
しており、ロツド駆動装置２０によつて可動部材
８′の進退が制御される。前記ロツド駆動装置２
０には、ロツド１８を進退させる時期や進退量を
制御する制御部が設けられている。

なお、第１図について補足説明すれば、７ａは
エジエクタプレート６c′，６d′を押し出すエジエ
クタ７のロツド７ａは該ロツド７ｂ端に固定され
たプレート、７ｃはプレート７ｂを進退させる流
体圧シリンダ、２１は射出シリンダである。

以上のように、射出成形機の可動プラテン１７
に可動部材移動用ロツド１８を貫通させるととも
に、可動プラテン１７に前記１８を型開き方向に
進退させる時期やその進退量を制御するロツド駆
動装置２０を設けた構成であれば、該射出成形機
に装着する金型３′は、前記ロツド１８の一端に
可動部材８′が連結されるように、単純な形状の
ロツド挿通孔を形成しておくだけでよい。したが
つて、金型の構造が簡素化されることになる。ま
た、金型の外周に流体圧シリンダ等の駆動装置が
突出することもなくなるから、金型の小形も図れ
る。さらに金型の交換時に、駆動装置に配管を接
続したり、配線を接続するような手間のかかる作
業が省略できるようになつたため、金型交換時の
作業性も改善されるようになつた。

なお、前述の一実施例においては、２色成形に
利用する成形機を示したが、同様の思想を、第６
図に示すようなアンダカツトのある場合について
適用することも可能である。

アンダカツトのある場合については、第２図に
示すが、この図において第６図および第１図のも
のと共通する部分には同番号にダツシユ（′）を
付けて説明を簡略化する。

第２図のものについて簡単に説明すると、可動
部材移動用ロツド１８′は、固定用金型５′と型板
６a′とに股がつて摺動可能に保持されたブロツク
２２に連結されている。そして、このブロツク２
２には、傾斜した長穴２２ａが形成されており、
ブロツク２２が型開き方向に進退すると長穴２２
ａに嵌合した可動部材１３′がキヤビテイ空間
B′に対して出没するようになつている。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の射出成形機は、
固定プラテンと、タイバーによつて前記固定プラ
テンに対して金型の型開き方向に移動自在に支持
された可動プラテンとが備えられ、前記固定プラ
テンには固定側金型、可動プラテンには可動側金
型がそれぞれ取り付けられ、かつ前記固定側金型
と可動側金型との間にキヤビテイ空間が形成され
る射出成形機であつて、前記金型にキヤビテイ空
間の画成に寄与する可動部材が移動自在に設けら
れ、前記可動部材に連結している可動部材移動用
ロツドが、型開き方向に前記可動プラテンを貫通
した状態で型開き方向に進退自在に設けられ、か
つ該可動部材移動用ロツドを進退させるロツド駆
動装置が、前記可動プラテンの、前記可動側金型
を取り付けた面と反対側の面に取り付けられたも
のであるから、ロツド駆動装置によつて、可動部
材移動用ロツドを可動プラテンを貫通した状態で
型開き方向に前進、進退させることにより、この
可動部材移動用ロツドに連結している可動部材を
移動させて、金型内のキヤビテイ空間の画成に寄
与させることによつて、２色成形用の金型や、ア
ンダカツトのある製品用の金型を製作する場合
に、金型自体には、前記可動部材移動用ロツドの
一端に可動部材を連結し得るように、単純な形状
のロツド挿通孔を形成するだけでよく、可動部材
を操作する駆動装置が金型に直接取り付けられて
いた従来の場合と比較すると、金型の小形化と構
造の簡素化とを図ることができ、かつ金型交換時
の作業性も向上させることができるようになつ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の射出成形機の一実施例の断面
図、第２図は同じく他の実施例の要部の断面図、
第３図は２色成形により形成された製品の従来例
を示した斜視図、第４図は従来の２色成形用の金
型の断面図、第５図は第４図中の可動部材を移動
させた状態の説明図、第６図はアンダカツトを有
する製品用の金型の従来例を示す断面図である。 ３′，４′……金型、５′……固定側金型、６′…
…可動側金型、８′，１３′……可動部材、１５…
…固定プラテン、１６……タイバー、１７……可
動プラテン、１８，１８′……可動部材移動用ロ
ツド、１９……プレート、２０……ロツド駆動装
置、２２……ブロツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 固定プラテンと、タイバーによつて前記固定
   プラテンに対して金型の型開き方向に移動自在に
   支持された可動プラテンとが備えられ、前記固定
   プラテンには固定側金型、可動プラテンには可動
   側金型がそれぞれ取り付けられ、かつ前記固定側
   金型と可動側金型との間にキヤビテイ空間が形成
   される射出成形機であつて、前記金型にキヤビテ
   イ空間の画成に寄与する可動部材が移動自在に設
   けられ、前記可動部材に連結している可動部材移
   動用ロツドが、型開き方向に前記可動プラテンを
   貫通した状態で型開き方向に進退自在に設けら
   れ、かつ該可動部材移動用ロツドを進退させるロ
   ツド駆動装置が、前記可動プラテンの、前記可動
   側金型を取り付けた面と反対側の面に取り付けら
   れたことを特徴とする射出成形機。