JPS5938439B2 - 回転ピストン圧縮機の吐出弁 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、そのケース外筒部分の軸平行孔に装着される
回転ピストン圧縮機の吐出弁に関する。

この様な弁は、圧縮作動室からの媒体の流出を制御する
。

該弁は、既に吐出された圧縮媒体の圧力により閉じ、こ
の媒体の対圧が作動室内に生じる圧力により越されたと
きに開く。

発明が解決しようとする問題点 この種の弁は次の条件を満たす必要がある。

（１）弁へ通じる無駄な空間を出来るだけ小さくするた
めに、ケース内壁に出来るだけ接近させて弁座を設ける
こと。

（２）弁を側壁に設けることによる流れの損失を避ける
ためにケース外壁内の同量口内に弁を配置すること。

（３）良好な流れの特性を生じるために滑り面の全中に
亘って弁口を延在させること。

（４）弁を設けるのに必要な孔によるケース外筒部分の
厚みの減少を出来るだけ小さくし、弁を設けることによ
るケースの冷却の悪さを出来るだけ少くすること。

（５）弁の取扱い及び装着性を容易にすること。

従来技術 スイス特許第１８１０３９号明細書には円形の内面を有
し羽根型の圧縮機用の弁が記載されていて、該弁はケー
ス外筒部分内の比較的大きな軸方向平行な孔内に装着さ
れている。

この場合上記条件の第２．３項は満足しているが、その
理由は、弁座が孔の軸方向中心平面近域にあっても大き
な無駄な空間が生じるからである。

孔が大きいので、最高圧力範囲のケースが薄くなり、作
動室近域の冷却フィン用の空間が熱負荷を大きく受ける
ところで狭くなっている。

弁は、少なくとも圧縮機の一方の側壁を取外したときの
み着脱でき、このことは前述条件の第（５）項を満足し
ない程度に可成りなコストを要するものとなる。

ドイツ連邦共和国第２００２０７６号及び第２４０３７
７５号公開公報では、ケース外筒部分の孔内に横方向に
装着され、その軸が圧縮機に対して平行である弁が提案
されている。

無駄な空間はこの場合も出来るだけ小さく、又流れの技
術的にも良好な大きな弁の横断面を形成している。

滑り内面に非常に接近した弁座平面によりケース外筒部
分は薄くなっている。

スイス特許の場合と同様、弁の装着は側壁を外した場合
にのみ可能であり、このことは、圧縮機そのものを取外
すことなしには弁の装着は可能でない。

この様な周知の弁は舌片又は多板弁であり、この弁は、
１分間当り３０００回転以上の回転ピストン圧縮機にお
ける振動及び高速運動には長期間連続的に適用できない
。

舌片又は多板が破損して作動室内に入り込むと、シール
系に重大な損傷を与えることもある。

特に弁板がケージをたたくとき、いわゆるホイップ効果
を生じ、この効果は弁板を剥離する高加速度を生じるこ
とに繋る。

又、この種の弁では舌片又は弁板の曲げが小さく、固定
位置が取付は位置近域に限定され、又この曲げが弁体全
長に亘っては分配できないので、疲労破壊を生じやすい
。

発明の目的 本発明はこれ等周知技術の欠点を除去し前述条件を全て
満足することを課題とする。

発明の構成 この課題は、弁座を形成し且つ接線方向に指向した弁ス
リットを有するスリーブがケース外筒部分内の孔内に装
入され、そしてその全長に亘ってΩ形の部分を包囲し、
該部分の閉鎖側が弁スリット方向に向いて、スリーブの
半径より大きい曲げ半径を有していることと、Ω形部分
の屈曲部分と横側面とがスリーブに支持されていること
と、更にΩ形部分がその側面に接線方向に指向した４角
形の横孔を有し、該横孔内に、弁板を形成し、相互に平
行で帯状の、弁が閉じているとき弁スリットの前方でス
リーブに接触し、弾性多板からなる切出し部分が案内さ
れ、該弾性多板の外縁がΩ形部分の屈曲部内に張設され
ていることにより解決する。

発明の効果 この発明の効果を列挙すれば次のとおりである。

本発明による弁は困難なく外側から機械のケース内に装
着でき外方からねじ止めできるので、問題がでても容易
に交換できる。

加えて、個々の部分を相互に差込んでいるので容易に組
立てることができる。

個々の部分の製造には特別なコストを必要としない。

弁座の内弧状に曲げた面により、弁を収容する孔による
外筒部分の孔を小さくでき、ケース外筒部分の強度を良
好とし又、冷却性も所望の如くすることができる。

また弁の疲労破かいが防止され、耐久性は大きく且つ製
造が特に簡単である。

実施例 次に実施例を示した図面により本発明の詳細な説明する
。

第１，２図に示した吐出弁は、回転ピストン圧縮機のケ
ース外筒部分１の軸平行方向に設けられている（第４，
５図）。

この回転ピストン圧縮機はトロコイド曲線の内面２とこ
の内面に設けた流出孔３を有し、該流出孔３は圧縮機の
軸に対し平行で、ケース外筒部分１を貫通する孔４に開
口している。

孔４は一方又は両側で圧縮機の吐出口に通じている。

孔４内にはスリーブ５が正確に合されて装着され、該ス
リーブ５はその流出孔３方向に向いた側に弁スリット６
を有していて、ケース外筒部分１の金山に亘って延在し
ている。

このスリットの範囲にスリーブ５が弁座を形成している
。

このスリーブ５のその全長又は部分的にスリットを有し
ていてよく、又孔４の壁方向に弾性を以て接触している
。

スリーブ５内には、その半径方向の横断面がΩ形で、ケ
ージを形成する部分７が装着され、該部分７はその側面
８，９及び屈曲部ｉｏ、’ｔｉでスリーブ５に弾力を以
て固定されている。

回転を防ぐために、スリーブ５は内方に曲げた舌状片１
２，１３を有していて、該舌状片１２．１３はΩ形部分
７の屈曲部１０，１１の前方に位置している。

Ω形部分７はその閉鎖側で弁座方向に指向し、ここはス
リーブ５よりも大きな曲率半径になっている。

この範囲でΩ形部分７は弁ケージを形成している。

弁ケージはその側面８，９に孔を有し、該孔は第３図に
平面で示していて、その機能は後述する。

Ω形部分７の屈曲部１０，１１内には多板が装着され、
該板はΩ形部分７周りに曲げられ、弁が閉じているとき
弁スリット６の範囲でスリーブ５に接触している。

この多板１４は、第４図に示しているようにパンチ孔開
は加工されていて、従って長く、巾狭い弁板１５を形成
し、該弁板１５は一定の間隔で設けられ、該間隔は例え
ば板体の巾の３分の１から２分の１程度にきめられてい
る。

Ω形部分７の屈曲部１０，１１内に係合する多板１４の
外縁１６，１７は多板１５を相互にその端で連結し、該
外縁はスリーブ５の長さを有し、従って弁を組立てる際
多板の位置を固定する。

平らな多板のバネ作用の方向で屈曲部１０゜１１内の多
板１４を係合させるとき、多板は、前述の横方向の孔内
に係合し、該孔１８は多板１４よりも間隙だけ巾広く、
多板が孔を、その上縁１９から下縁２０迄邪魔されるこ
となく平らな曲線で交差する長さを有している。

この平らな曲線は、弾性多板を屈曲部１０，１１内に張
設する際、屈曲部から出発し、先ず平らな曲率を形成し
、次いでスリーブ５０円筒面に適合した曲線で、弁スリ
ットの範囲でスリーブ５の方向に適合することにより形
成される。

従って、孔１８は多板１５０案内を形成している。

孔１８は弁板１５と同数設けられ、その間隔は多数１４
内の弁板１５間の間隔に一致している。

図示の状態では、弁は閉じていて、多板は、その固有の
弾性と圧力室内の過圧で弁スリット６の範囲でスリーブ
５に接合し、スリット６を閉じ、この状態を第１図の右
側に示している。

この場合、スリット６は多数１５よりも巾狭いことは当
然である。

多板のバネ力と弁内の圧力を越える過圧が圧縮機の作動
室内に生じると、弁板１５は押上げられ、Ω形部分の円
筒方向に押付けられ、その際多板はその全長に亘って弾
性変形しΩ形部分の側面範囲でスリーブ５迄曲がり、こ
の状態を第１図の左側に示している。

Ω形部分７は中央孔２１を有し、該中央孔２１は、横方
向の孔１８に対して変位して設けられ、又弁板間の間隔
を有している（第３，６図）。

弁が開くと、弁板は中央孔２１０間に位置する。

この中央孔２１は、スリーブ５の弁スリット６が開くこ
とにより弁内に流入する圧力ガスがΩ形の部分７の内側
へ流入するようにし、Ω形部分子内で軸方向に排出され
るという課題を有している。

圧力ガスのこの様な搬出は同時にスリーブとΩ形部分間
にも生じる。

この構成の利点は、弁板が長く形成でき、この長さ全体
に亘り自由に運動でき、弁の開口及び閉鎖運動時に生じ
る曲げ応力が全長に亘り分配されるということにある。

個々の部分は周知の弁片に比べて僅かな曲げしか行わず
、これは第１図からも判断できる。

弁の運動時に生じる変形は全長に亘って多板の横方向の
弧の曲率な僅かに強くすることにある。

多板１４はその外縁１６，１７で、弁片等の様にはネジ
等では固定されていないので、取付は位置に生じる強い
変形が屈曲部１０，１１内に接触する縁周りで自由に回
転することにより防ぐことができる。

第１図に示しているように、多板１４は弁が開くと、弁
が開いているときより点線で示した中心垂線に対し鈍角
を形成する。

弁の耐久性を著しく低下させる疲労破壊はこのようにし
て防ぐことができる。

弁の閉鎖は、多板が大きな面でスリーブ５の下側に同様
且つ略々全部分に同時に接することにより行われるので
、又この場合も開口時と同様接触力を更に広く分配させ
る。

本発明による弁は次の様に組立てられ装着される。

弁板１４を共曲げしながらΩ形部分７の屈曲部１０．１
１内に張設する。

次いでこれ等画部分１４．１７をスリーブ５内に装入す
る。

この場合、部分１はスリーブ５の内方に曲がった舌状片
１２゜１３によりその位置が固定されている。

このようにしてパンチ孔開け、曲げ、組立てにより作ら
れる弁はケース外筒部分１の孔４内に、圧縮機の側部分
内に設けた、孔４に整合した孔を通じて装入され、吐出
口と接続する。

この場合、弁はスリーブ５の外方に曲げた舌状片２２に
より回転しないように固定されていて、舌状片２２はケ
ース外筒部分１のへこみ内へ係合している。

第５，６図は、３角状のピストン２５を有する変速比２
：３のバンケル型回転ピストン圧縮機内に本発明の弁の
組込みを示している。

ピストン２５は偏心体２６上を回転し、シール部分２７
でケース外筒部分のトロコイド曲線の内面２に接してい
る。

その側部分２８内には流入孔２９が設げられている。

弁２４はケース外筒部分内の孔４内に装着されている。

孔４は側部分２８の圧力室３０へ通じていて、圧力室３
０は弁２４を吐出口３１に接続している。

外筒部内面２内の流出孔はスリットであり、該スリット
はピストン２５の回転方向に延在し、スリーブ５のスリ
ット６の前方に位置する。

弁は６角穴を有するネジ蓋３４で孔４に固定される。

スリーブ内には孔３５が設けられ、該孔３５で、弁が孔
４かも取出せる。

本発明による弁を圧縮機用の吐出弁以外の目的で使用す
ることも本発明の技術的範囲に属する。

しかし、この弁は圧縮機用として特に利点がある。

その理由は舌片又は多板の一部が圧縮機の作動室内へ入
り、そのシール部分を破壊するようなことを確実に防ぐ
ことができるからである。

他の利点はその耐久性が長いことにある。

弁の耐久性は圧縮機の耐久性と同等であり、且つ製造が
特に簡単であることも利点である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による吐出弁の半径方向断面図であり、
図面の左側は弁が開口しているときを、又右側は弁が閉
じているときを示し、第２図は第１図の弁の斜視図であ
り、第３図はΩ形部分の平面図であり、第４図は多板の
平面図であり、第５図は本発明による弁を備えたバンケ
ル型回転ピストン圧縮機の半径方向断面図であり、第６
図は第５図の断面線ＶＩ−Ｖｌを示す。 １・・・・・・ケース外筒部分、４・・・・・・−ＴＬ
５・・・・・・スリーブ、６・・・・・・弁スリッ
ト、７・・・・・・Ω形部分、８゜９・・・・・・Ω形
部分の側面、１０，１１・・・・・・屈曲部、１２．１
３・・・・・・舌状片、１４・・・・・・多板、１５・
・・・・・弁板、１６，１γ・・・・・・外縁、１８・
・・・・・孔、２１・・・・・・中央孔、２２・・・・
・・舌状片、２３・・・・・・へこみ、３４・・・・・
・ネジ蓋・

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ そのケース外筒部分の軸平行な孔内に装着される回
   転ピストン圧縮機の吐出弁において、弁座を形成し且つ
   接線方向に指向した弁スリット６を有するスリーブ５が
   ケース外筒部分１内の孔４内に装入され、そしてその全
   長に亘ってΩ形の部分７を包囲し、該部分の閉鎖側が弁
   スリット６方向に向いて、スリーブ５０半径より大きい
   曲げ半径を有していることと、Ω形部分７の屈曲部分１
   ０゜１１と横側面８，９とがスリーブ５に支持されてい
   ることと、更にΩ形部分７がその側面８，９に接線方向
   に指向した４角形の横孔１８を有し、該横孔１８内に、
   弁板１５を形成し、相互に平行で帯状の、弁が閉じてい
   るとき弁スリット６の前方でスリーブ５に接触し、弾性
   多板からなる切出し部分が案内され、該弾性多板１４の
   外縁１６゜１７がΩ形部分子の屈曲部ｉｏ、ｉ１内に張
   設されていることを特徴とする吐出弁。 ２ Ω形部分が、その弁スリットに対向した閉じた側に
   、横方向の孔１８に対して変位した別の中央孔２１を有
   していることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載
   の吐出弁。 ３ スリーブ５がその外縁に内方に向いた屈曲舌片１２
   ，１３を有し、該舌片１２，１３がΩ形部分７の屈曲端
   １０，１１０前方に位置していることを特徴とする特許
   請求の範囲第２項に記載の吐出弁。 ４ スリーブ５がその一方の外縁に外方に曲げられた舌
   片２２を有し、該舌片が圧縮機のケース外筒部分１のへ
   こみ２３内に係合していることを特徴とする特許請求の
   範囲第３項に記載の吐出弁。 ５ スリーブ５が長手スリットを有し、外方に弾性を有
   していることを特徴とする特許請求の範囲第４項に記載
   の吐出弁。 ６ 弁が、弁を収容する孔４の前方に設けたネジ蓋３４
   でその位置に固定されていることを特徴とする特許請求
   の範囲第５項に記載の吐出弁。 ７ Ω形部分７がパンチ加工された曲げ板であることを
   特徴とする特許請求の範囲前項のうちいずれかの項に記
   載の吐出弁。