JPS5934991Y2 - 可変磁器コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、固定コンデンサを内蔵した可変磁器コンデン
サに関するものである。

従来、たとえば水晶発振回路やチューナ回路などのよう
に、固定コンデンサと可変コンデンサの並列回路を必要
とする場合、それぞれ別個の単体として構成された固定
コンデンサ釦よびトリマー形コンデンサを回路基板上で
並列接続してあった。

このため、実装時の接続作業性が悪く、部品点数、工数
の減少によるコストダウンや、高密度実装化に限界を生
じていた。

本考案は、固定コンデンサを内蔵することにより、実装
段階に１ける部品点数、工数を実質的に減少させてコス
トダウンを達成すると同時に、高密度実装化の要請を充
分に満足し得るようにした可変磁器コンデンサを提供す
ることを目的とする。

上記目的を達成するため、本考案に係る可変磁器コンデ
ンサは、ステータの内部に、該ステータの両面にステー
タ電極部を露出させかつステータ端子部を外部へ導出し
た導電体を一体に埋設し、前記ステータの両面に、それ
ぞれ、前記ステータ電極部とロータ電極との間で可変コ
ンデンサを構成する磁器誘電体と、前記ステータ電極部
と前記ロータ電極に導通ずるロータ端子との間で挾持さ
れて固定コンデンサを構成する磁器誘電体とを備えて成
ることを特徴とする。

以下実施例たる添付図面を参照し、本考案の内容を具体
的に詳説する。

第１図は本考案に係る可変磁器コンデンサの分解斜視図
、第２図は同じくその組立断面図を示している。

図に釦いて、１は酸化チタン、チタン酸カルシウム系の
、高誘電率の磁器誘電体を用いて円環状に形成されたロ
ータであり、中心孔１ａの壕わりに同軸半円状の銀焼付
によるロータ電極１ｂを設けである。

２はステータである。

該ステータ２は熱硬化性乾式不飽和ポリエステル系樹脂
または熱可塑性ポリフェニレンサルファイドレジン等の
、耐熱性力つ機械的強度の大きい合成樹脂によって構成
されるものであるが、その内部に導電体３をインジェク
ションモールドしである。

該導電体３は、第３図に示すように、一枚の金属板材を
使用し、これをブレスカロエすることにより、ストッパ
部３ｂを有するステータ端子部３ａ、これに連設して直
角に折シ曲げられた折曲部３Ｃ，該折曲部３Ｃの先に折
曲げ形成された半円状のステータ電極部３ｄ。

前記折曲部３Ｃの一部を切り起してステータ電極部３ｄ
と平行する如く折曲げ形成されたステータ電極部３ｅを
備えたものとして構成される。

この導電体３は、ステータ２の成形時に、ステータ電極
３ａ 、３ｅがステータ２の両面とほぼ同一の平面上に
露出し、かつステータ端子部３ａがステータ２の側面か
ら外部へ導出されるようにして、インジェクションモー
ルド成形によす、ステータ２の内部に一体にモールド成
形される。

なトステータ電極３ｄはモールド成形後に、表面研磨し
フラットに仕上げることが望ましい。

捷たステータ電極３ｅば、ステータ２０表面より若干突
出させ、ステータ２の表面と同一の平面位置に押し込ん
だ時、バネ圧が得られるように設定することが望ましい
。

４は固定コンデンサを構成するための磁器コンデンサで
あり、酸化チタン、チタン酸カルシウム系の、高誘電率
の磁器誘電体を用いて、中心孔４ａを有する薄円板状に
形威しである。

該磁器誘電体４の表面釦よび裏面には、中心孔４ａの内
周面および外周面に対して、それぞれギャップｇｅｔｇ
２を介して隔てられた円環状の電極４ｂ、４ｃを形成し
である。

該電極４ｂ、４ｃは、たとえば銀合金焼付電極として構
成される。

な釦実施例では磁器コンデンサとしであるが、他の誘電
体によって実現することも可能である。

５は弾性に富む金属材料によって構成されたロータ端子
であり、丸皿状に形成された弾性取付部５ａの底部軸心
部に貫通孔５ｂを設けると共に、弾性取付部５ａの上端
にほぼ直角方向へ折れ曲がる端子部５ｃを一体に連設
し、該端子部５゜の上部を切り起して端子部５ｃの向き
とは逆方向に折り曲げることにより、ステータ２の切欠
溝２ｂに嵌合される舌片５ｄを形成しである。

６は金属材料によって構成された回転軸であり、頭部６
ａにドライバ溝６ｂを刻設すると共に、直杆部６ｃの先
端部に中空部６ｄを設けた構造としである。

該回転軸６はロータ１、ステータ２、磁器コンデンサ４
釦よびロータ端子５を一体的に組立支持すると同時に、
ロータ電極１ｂをロータ端子５に電気的に導通させる導
電体としても働くもので、その頭部６ａをロータ電極１
ｂに半田付げなどの手段によって固着すると共に、直杆
部６０をロータ１、ステータ２、磁器コンデンサ４およ
びロータ端子５０貫通孔（１ａ、２ａ、４ａトよび５ｂ
）に順次貫通させ、ロータ１上にステータ２、磁器コン
デンサ４お−よびロータ端子５を順次重ねた状態で、ロ
ータ端子５の弾性取付部５ａから突出する中空部６ｄの
端 を、図示しないカシメ具により外側に押し開き、弾
性取付部５ａの上端 を磁器コンデンサ４の電極４ｃ上
に強く押圧しながらカシメる。

このときロータ端子５の舌片５ｄがステータ２の切欠溝
２ｂｖｃ嵌合し、ロータ端子５の廻り止めが施される。

上述の組立過程を経て第２図に示した組立状態となるわ
けであるが、組立状態では、ロータ１とステータ２との
間、ステータ２と磁器コンデンサ４との間釦よび磁器コ
ンデンサ４とロータ端子５どの間には、回転軸６を介し
てロータ端子５の弾性取付部５ａの弾発力が加わってお
り、ロータ１が所定の回転トルクを持つようになる。

同時にロータ１がステーク２の面上に露出するステータ
電極部３ｄに圧接し、ロータ電極１ｂとステータ電極部
３ｄとの間で、ロータ１による可変容量が形成され、ま
た磁器コンデンサ４がステータ電極部３ｅとロータ端子
５の弾性取付部５ａとの間で圧接挾持され、磁器コンデ
ンサ４による固定コンデンサが形成されることとなる。

この結果、本考案に係る可変磁器コンデンサは、第４図
に示すように、ロータ１による可変コンデンサＣ１と、
磁器コンデンサ４による固定コンデンサＣ２とを並列に
接続した回路構成をとることとなり、従来２部品となっ
ていた可変コンデンサと固定コンデンサを一部品化して
備える可変磁器コンデンサを提供し、実装段階にむける
部品点数、工数の減少によるコストダウン、回路の高密
度実装化に寄与することができる。

しかも組立にあたっては、各構成部分を回転軸６によっ
て一体に組立支持すればよく、組立が非常に容易である
。

また固定コンデンサとなる磁器コンデンサ４を、従来、
あき空間となっていたステータ２の下面に装着する構成
であるから、固定コンデンサを内蔵させても、実装時の
占有空間が増大するようなこともない。

さらに、ステータ端子３をステータ２内にインジェクシ
ョンモールド成形により埋設しであるからステータ端子
部分の組立工程が省略でき、量産性が向上する。

第５図は本考案に係る可変磁器コンデンサの他Ｉの実施
例にお・ける断面図を示している。

この実施例の特徴は、ロータ１′とステータ２との間に
磁器誘電体１を介在させ、この磁器誘電体Ｉを可変容量
としたことで、ロータ１′は締付体として独立させであ
る。

ロータ１′は、磁器誘電体Ｉと接触する面に、ロータ電
極１′ｂを有する金属体または磁器によって構成するこ
とができる。

また磁器誘電体ｌはロータ１′筐たはステータ２のいず
れか一方に固着して設けることが望ましい。

この実施例の利点は、ロータ１′が磁器誘電体である必
要がなく、機械的強度の大きい材料で構成できるため、
組立時のロータ１′の破損、割れ等を防止できること、
また金属材料によって構成することによりストレー容量
を小さくし、最小容量値を非常に小さくすることができ
ること等々であり、高品質、高信頼性の、固定コンデン
サ内蔵形の可変磁器コンデンサを提供することができる
。

以上詳説したように、本考案に係る可変磁器コンデンサ
は、ステータの内部に、該ステータの両面に露出するス
テーク電極部釦よび該ステータ電極部ロ一体に連設され
かつ外部へ導出されるステータ端子部を有する導電体を
一体Ｖζ埋設し、前記ステータの両面に、それぞれ、前
記ステータ電極部とロータ電極との間で可変コンデンサ
を構成する磁器誘電体と、前記ステータ電極部と前記ロ
ータ電極に導通ずるロータ端子との間で固定コンデンサ
を構成する磁器誘電体とを備えて威るから、次のような
効果がある。

（１）従来２部品となっていた可変コンデンサと固定コ
ンデンサとを一体化、一部品化し、実装段階に釦ける部
品点数、工数を減少させ、コストダウンを達成すること
ができる。

（匂 実装時の占有面積を減少させ、高密度実装化に寄
与することができる。

（３）固定コンデンサを、あき空間となるステータの下
面に装着したから、実装時にむける占有面積は、コンデ
ンサを備えない場合と実質的に同一であり、高密度実装
化により一層合致する。

（４）ステータ端子をステータ２内にインジェクション
モールドしたことで、ステータ端子部分の組立工程が省
略できることとなり、量産性が向上する。

（５）組立が容易で量産上有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る可変磁器コンデンサの分解斜視図
、第２図は同じくその組立断面図、第３図は、ステータ
電極部よびステータ端子となる導電体の斜視図、第４図
は本考案に係る可変磁器コンデンサの回路図、第５図は
同じく他の実施例における断面図である。 １・・・ロータ、２・−・ステーク、３・・・導電体、
３ａ・・・端子部、３ｄ、３ｅ・・・ステータ電極部、
４・・・磁器コンデンサ、５・・・ロータ端子、６・・
・回転軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ステータ内部に、該ステータの両面に露出スるステータ
   電極部釦よび該ステータ電極部に一体に連設されかつ外
   部へ導出されるステータ端子部を有する導電体を一体に
   埋設し、前記ステータの両面に、それぞれ、前記ステー
   タ電極部とロータ電極との間で可変コンデンサを構成す
   る磁器誘電体と、前記ステータ電極部と前記ロータ電極
   に導通ずるロータ端子との間で固定コンデンサを構成す
   る磁器誘電体を備えて成ることを特徴とする可変磁器コ
   ンデンサ。