JPS5934649Y2 - 外装パネルの接続部の構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は外装パネルの接続部における内外の圧力差を
無くして、水および空気の侵入を防止することを目的と
した外装パネルの接続部の構造に関するものである。

従来、建物の外壁に設置する外装パネルの接続部（上部
パネルと下部パネルの連接部）はシーリング或いはシー
リングと排水機構の併用により、水および空気の建物側
への侵入を防止していたのであるが、シーリングにより
内外圧力差が生じて、その吸引作用により水、空気が侵
入し易いばかりでなく、シーリング材の耐候性或いは施
工性にも問題があり、かつ設置コストも高騰するなど幾
多の問題点があった。

然るにこの考案は、上記外装パネルと、下部外装パネル
の接続部において、下端縁に内側折返し片を設け、該折
返し片の先端に下向の水切りを設けてなる上部外装パネ
ルの下端縁と、上端内側に水勾配を連設し、該水勾配の
先端に上向の水返しを設けてなる下部外装パネルの上端
縁とを小間隔を保って対向させ、前記水切りと水返し間
にも所定の間隙を設けると共に、前記対向部に遊嵌する
断面コ状樋でなる補助部材を躯体側に設置し、前記補助
部材の上下片先端部に装着した気密材を前記上下外装パ
ネルの内面に当接し、かつ前記補助部材の下片を貫通し
て設けた水抜きパイプの下端は、下位の補助部材の上片
を貫通して、下位に形成される上下外装パネルの対向部
における下部外装パネルの水勾配上に臨ませて外装パネ
ルの接続部を構成し、前記従来の問題点を解決した。

即ちこの考案の実施例について説明すれば、上部外装パ
ネル１の下端を内側に屈曲して折返し片２を形成し、そ
の先端を下側に屈曲して水切り３を形成すると共に、下
部外装パネル４の上端を内側に屈曲して水勾配５を形成
し、その先端上側に水返し６を連設し、上記上下外装パ
ネル１，４を折返し片２と水勾配５とを小間隔を保って
対向させ、かつ前記水切り３と水返し２との間に所定の
間隙を保たせて建物外壁に設置する。

前記建物外壁にはファスナー１を介して補助部材８が設
置してあり、該補助部材８の、前記上下外装パネル１゜
４の接続部に遊嵌するコ状樋部８ａの上下片先端部に夫
々装着した気密材９，９を上下外装パネル１．４の内側
面に当接させる。

前記コ状樋部８ａの下片には水抜き孔１０が穿設してあ
り、該水抜き孔１０の下側に連設した水抜きパイプ１１
の下端部を上記の上下外装パネル１，４の接続部の下位
に同様に形成される、他の接続部の補助部材８のコ状樋
部８ａ内に臨ませる。

上記実施例の接続装置によれば、上下外装パネル１，４
の対向間隙部１２並びに補助部材８のコ状樋部８ａの内
側空間１３はいずれも外圧と等しい圧力となるので、外
装パネル内外における圧力差による水、空気の吸引作用
が無くなる結果、上部外装パネル１に形成した水切り３
および下部外装パネル４に形成した水勾配５、水返し６
の夫々も有効に働き、水および空気の建物側への侵入を
防止することができる。

又、前記水返し６を越えてコ状樋部８ａに溜った水は、
水抜きパイプ１１で下位の接続部へ導びかれて、顔部よ
りパネル外側へ排水される。

前記補助部材８は上下外装パネル１，４の大きさに従っ
てコ状樋部８ａが連続するものであるが、第２図に示す
ような外装パネルのコーナ一部分１４においては、コ状
樋部８ ａ モ交叉することとなり、顔部の施工が難し
いばかりでなく、水仕舞およびエアータイトが不十分と
なるおそれがある。

そこで、このような外装パネルのコーナ一部分１４にお
いては第３図に示したような、十字型補助部材１５を使
用する。

この十字型補助部材１５によれば現場における、前記補
助部材８に対する、切欠き、溶接等の加工が一切不要と
なり、外装パネルの設置作業が容易かつ迅速にできると
共に、前記接続装置による水仕舞およびエアータイトの
効果を確実に達成することができる。

即ちこの考案によれば、上部外装パネルと下部外装パネ
ルとを小間隔を保って対向設置し、各パネル内側面には
補助部材に装着した気密材を当接して外装パネルの接続
部を構成したので、パネル内外の圧力差を無くして、水
および空気の建物側への侵入を防止すると共に、接続部
のシーリング作業を不要として、外装パネルの設置作業
を簡易、迅速に行ない得るなどの諸効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の縦断面図、第２図はこの考
案の実施例における外装パネルのコーナ２部の説明図、
第３図は第２図のコーナ一部に使用する十字型補助部材
の斜視図である。 １・−・上部外装パネル、２・・・折返し片、３・・・
水切り、４・・・下部外装パネル、５・・・水勾配、６
・・・水返し、７・・・ファスナー ８・・・補助部材
、８ａ・・・コ状樋部、９・・・気密材、１０・・・水
抜き孔、１１・・・水抜きパイプ、１２・・・対向間隙
部、１３・・・内側空間、１４・・・コーナ一部分、１
５・・・十字型補助部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下端縁に内側折返し片、を設げ、該折返し片の先端に下
   向の水切りを設けてなる上部外装パネルの下端縁と、上
   端内側に水勾配を連設し、該水勾配の先端に上向の水返
   しを設けてなる下部外装パネルの上端縁とを小間隔を保
   って対向させ、前記水切りと水返し間にも所定の間隙を
   設けると共に、前記対向部に遊嵌する断面コ状樋でなる
   補助部材を躯体側に設置し、前記補助部材の上下片先端
   部に装着した気密材を前記上下外装パネルの内面に当接
   し、かつ前記補助部材の下片を貫通して設けた水抜きパ
   イプの下端は下位の補助部材の上片を貫通して、下位に
   形成される上下外装パネルの対向部における下部外装パ
   ネルの水勾配上に臨ませであることを特徴とした外装パ
   ネルの接続部の構造。