JPS5931137B2 - 磁気テ−プ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は磁気テープ装置に関し、特に記録位置を検索
するのに磁気テープ上に記録した記録位置を識別する信
号（頭出し信号ともいう）を読み取る方式を用いる磁気
テープ装置に関するものである。

最近のＶＴＲ（ビデオテープレコーダ）装置をはじめ、
磁気テープ装置では高密度記録が進んで長時間の記録、
再生が可能になり、１つのカセットテープで４時間、６
時間の記録、再生が可能になつてきたため、磁気テープ
上の特定の記録位置を検索することの必要性が増大して
きた。

従来の民生用磁気テープ装置ではテープ供給リールディ
スクまたはテープ巻取リールディスクなどの回転数を計
数して記録位置を検索するものが多かつたが、この方法
ではカセットテープ内のテープのスタートポイントから
計数せねばならないので、テープの塗中から検索を始め
ることは不可能であり、また１個のカセットテープにお
ける複数の記録位置を検索したり自動的に検索すること
が不可能であるという欠点があつた。これらの欠点は磁
気テープ上に記録位置を識別する信号を記録しておいて
それを検出することによつて検索を行なうという方法を
用いれば解消できるが、従来の磁気テープ装置において
はテープ走行装置の構造に起因する理由によりこのよう
な方法を採用することができなかつた。以下ＶＨＳ方式
のＶＴＲ装置のテープ走行装置を例にとり説明する。第
１図および第２図は従来のＶＨＳ方式のＶＴＲ装置にお
いて広く採用されているパラレルローディング方式のテ
ープ走行装置を示す系軌図である。

第１図は記録、再生動作時（ローディング状態）のテー
プ走行経路、第２図は巻き戻し、早送り動作時（アンロ
ーディング状態）のテープ走行経路をそれぞれ示し、図
において１は２個のビデオヘッド１ａ、ｌｂを備えた回
転ドラムで、ビデオヘッド１ａ３ｌｂは回転ドラム１の
中心に対して正確に１８００の位置に固着されドラムの
周辺部にわずかに突出している。２ａ、２ｂ、２ｃは供
給側（サプライ側）のローディングテープガイド、２ａ
’、２ｂ’、２ｃ’は巻取側（テエイクアツプ側）のロ
ーディングテープガイドで共に回転ドラム１に磁気テー
プ３を安定に装架させる働きをもつもので、そのうちテ
ープガイド２ｂ，２ｃ，２ｂ７，２♂は点線および実線
で示す２種の停止位置の間を移動できるようになつてお
り、第２図において実線で示す位置から第１図において
実線で示す位置まで移動することにより第２図に示すよ
うにアンローデイング状態にある磁気テープ３をカセツ
口４から引き出して回転ドラム１に装架する。

４ａは供給側のガイドローラ、４ｂは巻取側のガイドロ
ーラでテープ３の小振動を軽減しジツタ一を削減するた
めのインピーダンスローラである。

５は全幅消去ヘツド、６，７はテープガイドで、テープ
ガイド７は点線および実線で示す２種の停止位置の間を
移動できるようになつており、第２図において実線で示
す位置から第１図において実線で示す位置まで移動して
磁気テープ３を全幅消去ヘツド５に装架する。

８はテープテンシヨンレギユレータ、９は音声消去ヘツ
ド、１０は音声信号、コントロール信号ヘツドでこれら
のヘツド９，１０は一体化して機械的精度を持たせてあ
る。

１１はテープガイド、１２はピンチローラ、１３はキヤ
プスタンで、第１図に示す記録、再生時においては磁気
テープ３はピンチローラ１２とキヤプスタン１３との間
に挟まれキヤプスタン１３の回転によつて一定速度で矢
印方向に進められる。

また第２図に示す巻き戻し、早送り時においてはピンチ
ローラ１２はキヤプスタン１３から離れた位置へ移動し
て停止しているようになつている。１４は磁気テープ３
が収納されている力セツト、１５，１６，１７は力セツ
ト１４内に設けられ、収納された磁気テープ３を円滑に
供給し、または巻き取るためのテーブガイド、１８は力
セツト１４内の供給リール、１９は力セツト１４内の巻
取リールである。

上述のように構成されるＴＲ装置では、記録、再生動作
時には、磁気テープ３は可動テープガイド機構、２ｂ，
２ｃ，２Ｖ，２ｃ７，７に支持されて第１図に示すよう
にビデオヘツド１ａ，１ｂ、全幅消去ヘツド５、音声消
去ヘツド９および音声信号、コントロール信号ヘツド１
６に接触し、各ヘツドはそれぞれの動作を行゛う。また
巻き戻し、早送り動作時には供給側のテープガイド２ｂ
，２ｃ、巻取側のテープガイド２ｂ′，２♂およびテー
プガイド７が力セツト１４内に収納されることによつて
、磁気テープ３は第２図に示すようにアンローデイング
状態で、一般に記録、再生モード時に比較して２０倍〜
３０倍の高速で走行せしめられる。このような従来のＴ
Ｒ装置では、巻き戻し、早送り時において磁気テープ上
の特定の記録位置を検索する方法としては後述する２つ
の理由により、記録位置を識別する信号を磁気テープ上
に記録しておくという方法を用いることができず、供給
リール１８また巻取リール１９などの回転数を計数する
方法を用いねばならなかつたので、磁気テープの途中か
ら検索を始めることができず、また１個の力セツトテー
プの複数の記録位置を精度よく検知することは不可能で
あるという欠点があつた。すなわち第１図、第２図に示
すＶＴＲ装置では、記録再生動作時のローデイング状態
と、巻き戻し、早送り動作時のアンローデイング状態に
おいてテープ走行経路が大きく異なるため、磁気テープ
上に記録位置識別信号を記録、再生動作時に記録してお
いてもそれを巻き戻し、早送り動作時に検出するのが困
難である。

すなわち記録、再生動作時に全幅消去ヘツド５、音声消
去ヘツド９、または音声信号、コントロール信号ヘツド
１０のいずれかを記録位置識別信号用ヘツドに兼用して
識別信号を記録することは可能であつても、これを巻き
戻し、早送り動作時に同じヘツドで検出することはテー
プの走行経路が異なるため不可能である。従つてこの場
合第２図に示すアンローデイング状態のテープ走行経路
内に磁気テープ３の磁性体面に接触する記録位置識別信
号呼び出し専用ヘツドを必要とする。この呼び出し専用
ヘツドを設けるためにはテープローデイング時に磁気テ
ープ３の移動を邪魔することがなく、かつアンローデイ
ング状態で安定に磁気テープ３と接触せねばならないと
いう条件があつて実現性に乏しく、また実現したとして
も装置が複雑高価になり実用的でない。また記録位置識
別信号の記録、検出を同一のヘツドで行なわせるために
第１図に示すローデイング状態で巻き戻し、早送り動作
を行なうと、現在使用されている厚さ２０μｍ以下の薄
い磁気テープ３を回転ドラム１に１８０以以上の角度巻
き付けたまま高速度で磁気テープ３を移動することにな
るので、テープの損傷やヘツドの摩耗を発生させる危険
性が著しく大きくなり、故障を招くことになる。以上の
理由によつて従来のＴＲ装置ではやむを得ずアンローデ
イング状態で早送り、巻き戻し動作を行い、供給リール
１８または巻取リール１９などの回転数を計数して記録
位置を検索していた。

この発明は従来の磁気テープ装置における上述の欠点を
除去し、記録位置を磁気テープに記録した識別信号によ
つて検索する方法を簡単な構造で、かつ故障につながる
無理なテープ走行をすることのない装置によつて実現で
きる磁気テープ装置を得ることを目的とするものである
。

以下図面についてこの発明を説明する。第３図はこの発
明の一実施例の巻き戻し、早送り動作時におけるテープ
走行経路を示す系統図であり、図において各部は第１図
、第２図と全て同一であつてそれぞれ同一符号を付して
ある。

従来と異なつているところは可動テープガイド２ｂ，２
ｃが３個の停止位置を持つていることと全幅消去ヘツド
５が記録位置識別信号を記録再生する機能をもあわせ持
つていることである。このような装置において、まず記
録再生時には可動テープガイド２ｂ，２ｃはそのほかの
可動テープガイド２ｂ１，２ｃ７，７とともに第１図に
示す位置（第１の位置という）にあつて従来の装置と全
く同一のテープ走行経路で記録再生が行なわれる。この
とき記録位置識別信号は全幅消去ヘツド５によつて磁気
テープ全幅に記録される。なお全幅消去ヘツド５に記録
位置識別信号が印加されている期間（一般に数百Ｍｓｅ
ｃ）は全幅消去ヘツドとしての機能は停止するものとす
る。次に巻き戻し、早送り動作時は第３図に示すように
供給側の可動テープガイド２ｂ，２ｃが中間の停止位置
（第２の位置という）に移動して固定され、可動テープ
ガイド２ｂ７，２♂は実線で示す停止位置に移動して固
定され、また可動テープガイド７は記録、再生時と同じ
停止位置に保たれる。このような状態では磁気テープ３
はテープガイド６，７、テープテンシヨンレギユレータ
８および全幅消去ヘツド５に接触するとともに回転ドラ
ム１の一部にわずかに接触し、磁気テープ３の走行経路
は第３図に示すようになる。ここで磁気テープ３が回転
ドラム１に接触しているが、この接触角度は小さいため
相互の摩擦的接触は存在せず、磁気テープ３が高速で走
行しても磁気テープ３を損傷したりヘツドを摩粍せしめ
ることはない。なお一般に力セツト式ＴＲ装置では回転
ドラム１の下部に固定ドラム（図にほ示していない）を
備えた構造となつており、この場合磁気テープ３は回転
ドラムの一部と固定ドラムのスラント溝とにわずかに接
触するが、このことがかえつて磁気テープ３の幅方向の
振動を軽減することに役立ち、全幅消去ヘツド５のヘツ
ド面と磁気テープ３の磁性体面との接触が安定する利点
がある。この状態で早送り時には磁気テープ３が供給リ
ール１８側より巻取リール１９側へ、巻き戻し時にはそ
の逆方向へ高速で走行するが、いずれの場合にも磁気テ
ープ３は全幅消去ヘツド５に安定に接触しているためテ
ープ磁性体面に記録されている記録位置識別信号を充分
に検出することができる。なお、この早送り、巻き戻し
時にはピンチローラ１２はキヤプスタン１３から離れ、
それぞれのリールデイスク１８，１９によつて磁気テー
プ３の走行を駆動する。また早送り、巻き戻し時に新た
に磁気テープ３に識別信号を記録することも可能である
。次にカセツ口４を取りはずそうとする時、すなわち力
セツト１４を装てんしただけの状態においては、可動テ
ープガイド２ｂ，２ｃ，２Ｖ，２♂，７は第２図で実線
で示す位置に移動して磁気テープ３は第２図に示すアン
ローデイング状態となる。このように磁気テープ３の一
部を半ローデイング状態にして巻き戻し、早送りを行う
ようにした装置においては、全幅消去ヘツド５のような
１個の固定されたヘツドによつて記録位置識別信号の記
録、再生を行なうことができ、かつ可動テープガイド２
ｂ，２ｃの中間の停止位置を設けるには従来のテープ走
行装置の機構に簡単な改良を加えるだけでよいので簡単
な構成で磁気テープ上の識別信号による検索が実現でき
る。

また磁気テープ３は全幅消去ヘツド５と回転ドラム１お
よび固定ドラムとにわずかに接触しているだけなので高
速で走行してもテープの損傷およびヘツドの摩粍を発生
させるおそれは極めて少ない。第４図はこの発明の他の
実施例の早送り、巻き戻し動作時におけるテープ走行経
路を示す系統図であり、記録位置識別信号の記録、再生
を音声消去ヘツド９または音声信号、コントロール信号
ヘツド１０で行い、かつ巻取側の可動テープガイド２ｂ
７，２ｃ７に中間の停止位置を設け、この中間の停止位
置に固定された可動テープガイド２♂，２♂によつて磁
気テープ３を音声消去ヘツド９または音声信号、コント
ロール信号ヘツド１０と回転ドラム１の一部とに接触さ
せるようにしたものである。

この装置の動作および効果は第３図の実施例と全く同一
なのでその説明は省略する。また第４図の状態における
可動テープガイド機構の位置は記録位置識別信号用ヘツ
ドの位置の変更に応じて第３図の状態における位置から
変化したものであり、第３図の状態における位置と同じ
く第２の位置という。このようにこの発明の特徴とする
ところは供給側または巻取側のいずれか一方のテープガ
イド群を途中までローデイングすることであり、もしこ
れを両方半ローデイングにすると磁気テープの回転ドラ
ムに巻き付く角度が大きくなり好ましくないＯなお上記
実施例では早送り巻き戻し時に磁気テープ３が回転ドラ
ム１にわずかに接触する場合を説明したが、これは磁気
テープ３の走行をより安定なものにするという副次的効
果を期待するものであつて、この発明を構成するために
必要な要件ではない。

また記録位置識別信号を記録再生するヘツドとして全幅
消去ヘツド５や音声信号消去ヘツド９などを兼用したが
、専用のヘツドを設けてもよいことはいうまでもない。
現在市販されているＶＨＳ方式ＶＴＲのローインクはテ
ープガイド２ｂ，２ｃとテープガイド２ｄ，２ｅ１とが
同時に平行して移動し第１図に示すローデイング状態又
は第２図に示すアンローデング状態になるよう構成され
たものが多い。

このような構成の装置に第３図又は第４図に示すような
この発明の機構を付加することは極めて容易であり、し
かも記録される記録位置識別信号はテープ磁性体に記録
されるため、テープのいずれからも検索することができ
、かつ記録位置識別信号をコード化して複数種類の記録
位置識別信号を記録することができる。ところで以上の
説明ではＨＳ方式ＴＲ装置の場合について述べたが、こ
の発明は他の磁気テープ装置に広く利用できることはい
うまでもない。

以上説明したように、この発明によれば簡単な構成で、
磁気テープの損傷やヘツドの摩耗を生じることのない装
置を用い、磁気テープに記録位置識別信号を記録してお
いてそれを検出することによつて記録位置を検索するこ
とが可能な磁気テープ装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のＴＲ装置の記録、再生動作時のテープ走
行経路を示すと同時に第３図および第４図に示すこの発
明の実施例の記録、再生動作時のテープ走行経路を示す
系統図、第２図は第１図に示す従来のＶＴＲ装置の早送
り、巻き戻し動作時のテープ走行経路を示す系統図、第
３図はこの発明の一実施例の早送り、巻き戻し動作時の
テープ走行経路を示す系統図、第４図はこの発明の他の
実施例の早送り、巻き戻し動作時のテープ走行経路を示
す系統図である。 図において１は回転ドラム、１ａ，１ｂはそれぞれビデ
オヘツド、２ａ，２１，６，１１，１５，１６，１７は
それぞれ固定テープガイド、２ｂ，２ｂ７，２ｃ，２♂
，７はそれぞれ可動テープガイド、３は磁気テープ、４
はガイドローラ、５は全幅消去ヘツド、８はテープテン
シヨンレギユレータ、９は音声消去ヘツド、１０は音声
信号、コントロール信号ヘツド、１２はピンチローラ、
１３はキヤプスタン、１４は力セツト、１８は供給リｏ
ール、１９は巻叡リールであつて、各実施例におい−Ｃ
５，９，ｌＯのいずれかが記録位置識別信号記録再生用
ヘツドとして兼用される。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープ装置において、記録位置を識別する信号
   を記録再生する記録位置識別信号用ヘッドと、可動テー
   プガイド機構を含むテープ走行装置とを備えて、記録ま
   たは再生動作時には上記可動テープガイド機構を第１の
   位置に置くことによつて磁気テープを情報信号を記録、
   再生、消去するためのヘッドと上記記録位置識別信号用
   ヘッドとに接触させ、早送りまたは巻き戻し動作時には
   上記可動テープガイド機構を第２の位置におくことによ
   つて上記磁気テープを上記記録位置識別信号用ヘッドに
   接触させると共に其他のヘッドとの摩擦的接触から解放
   することを特徴とする磁気テープ装置。 ２ 記録位置識別信号用ヘッドとして情報信号を記録、
   再生、消去するためのヘッドのいずれかを兼用したこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の磁気テープ装
   置。