JPS593015Y2 - 自転車用サドルの矢倉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自転車用サドルをシートポストに固定する自
転車用サドルの矢倉に関する。

従来、自転車用サドルを取付けるシートポストの上端部
は第６図に示す如く段が付けられて細く形成され、この
細くなった首の部分に矢倉が取付けられて段より下方に
サドルが摺り落ちないように構成されている。

しかし、近年流行のモトクロス用など特殊スポーツ車の
シートポストは、フレームの軽量化、堅牢化の関係で段
のないストレートバイブが用いられている。

そのためジャンプから着地する際など大きな衝撃を受け
るとサドルがシートポスト上を摺り落ちシートポストの
上端がサドルトップに突き当る事故が発生した。

また、その衝撃でサドルが回動し、適正な乗車姿勢が維
持できなくなることもあった。

この考案はそのような危険な矢倉の摺り落ちと回動を防
止することを目的としてなされたものである。

以下、この考案を実施例である図面により説明すると、
１は自転車用サドルの矢倉で、角孔２ａを具えた耳部２
と連続するバンド部３の背面上縁寄り湾曲内面に適宜の
手段で横長の突条５を隆設している。

この突条５の形成手段については第３図に示すようなプ
レス加工による押出し突条でも、また第４図に示すよう
な切起し突条５ａでも、また第５図に示すような細片を
溶着したビー）５ｂでもよいものである。

この突条５は第１図に示すような背面中央の一ケ所でも
、また図示しないが左右に間隔を設けるなど複数個所に
設けてもよいものである。

次にシートポスト６はその上端寄外周面に係合溝７が設
けられ、これに矢倉の突条５を嵌入保合させるもので、
両者を係合させた後、通例の如く図示しないが角孔に挿
通されるボルト及びそれに螺合されるナツトを用いてバ
ンド部を締付け、矢倉１とシートポスト６を係合締着す
るものである。

以上から、この考案によると、矢倉のバンド部背面上縁
寄り内面に突条を設け、シートポストを締付ける時にお
いて、シートポストの上端寄り外周面に設けた保合溝に
係合しているので、サドルに大きな衝撃荷重が加えられ
ても矢倉が下方に摺り落ちること並びに矢倉が回転して
しまうことを完全に防止する効果がある。

特にこの考案では突条をバンド部内面に、プレス手段な
どで矢倉自体の一部を膨出、変形、切起し、或はビート
を溶着手段で一体に設けるなどの構造により行っている
ので、製作は容易であり、しかも突条はシートポストに
挟着する部分、すなわち、湾曲する部分の内面に形成さ
れているので、大きな衝撃を受けても、バンド部及び突
条は変形することがなく、シたがって両者の係合が外れ
ることは絶無であり、矢倉とシートポストは完全に一体
的に締着され、過酷な取扱いを受けるモトクロス用など
特殊スポーツ自転車用サドルの矢倉として最適である。

尚、保合溝７はプレスによる凹陥部であってもまた打抜
孔であっても同様効果を表すことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の矢倉の実施例を示すもので、第１図は
外観斜視図、第２図はシートポストの保合溝に突条を係
合させて締着した状態の断面図、第３図〜第５図は突条
の実施例を示す部分断面図、第６図は従来の矢倉とシー
トポストの側面図である。 １・・・・・・矢倉、２・・・・・・耳部、２ａ・・・
・・・角孔、３・・・・・・バンド部、５・・・・・・
突条、６・・・・・・シートポスト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鋼板を打抜、折曲等の加工手段で形成された矢倉におい
   て、バンド部の上縁寄内面に横長の突条を隆設し、これ
   をバンド部に挾持されるシートポストの上端寄外周面に
   設けられた保合溝に係合し、シートポストと矢倉を保合
   挟持して締着したことを特徴とする、自転車用サドルの
   矢倉。