JP7042721B2 - 外装部材の取付け構造 - Google Patents

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Description

本発明は、外装部材の取付け構造に関する。
従来、リヤコンビネーションランプや車両の標識などの外装部材を車両に取り付けるための構造が知られている(例えば、特許文献1-3参照)。
特許文献1には、取り付けられる側に係合プレートを圧入等で固定し、外装部材側から係合プレートにボルトを螺子込んで取付ける構成が記載されている。
特許文献2には、ナンバープレートの取付け構造が記載されている。特許文献2では、リアフェンダーに支持部を設け、支持部が有する車幅方向の2点のねじ止め部でナンバープレートをねじ止めしている。そして、2点のねじ止め部から離間した車幅方向中央の位置に凸部を設け、ナンバープレートをねじ止めした状態でその凸部に圧接させ、ビビリ振動などの発生を防止している。
特許文献3には、プレート取付部を車体カバーに一体に設けた構成が記載されている。特許文献3では、車体カバーにプレート係止部を左右対称に設けており、プレート係止部には、取付ピッチの異なる複数列の取付孔が設けられている。
特開平7-127623号公報 特開2009-107565号公報 特許第5553555号公報
特許文献1の様に、取り付面の裏面にナットプレートを圧入し、外装部材側からボルトを螺子込んで外装部材を取付ける場合、裏面のナットプレートは、ボルトを押し込む時に圧入部が外れたり、ネジ締め前の搬送時に脱落して、締付が出来なくなる不都合が生じ易い。
また、特許文献2の様に、取付用の専用ブラケットとしての支持部を介して取り付ける場合、部品点数もその分多くなる。
また、特許文献3の様に、カバー部材に一体にステーを設けたものもあるが、取付部が露出して外観性を損ねてしまう。また、大型でありその点でもカバーの外観性も損ねる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、外装部材の組付け時に、外装部材側からの締め付け時の押圧荷重に対して脱落を防止できる廻り止め機能を有する固着部材を備えた外装部材の取付け構造を提供することを目的とする。
外装部材の取付け構造は、外装部材取付け用の取付孔(53、453)を有する樹脂カバー(30C、435)に、脂カバー内面(52B、452B)から突出して前記取付孔(53、453)の周壁を構成する突出支持部(54)と、該突出支持部(54)の突出側で前記突出支持部(54)を挟んで対向する二面幅を有する嵌合壁(55、56、455、456)と、を設け、前記嵌合壁の一方(55、455)は間隔を空けて形成され、前記嵌合壁の一方(55、455)の間に庇状に突出する抜け止め部(60)が設けられると共に、前記嵌合壁の他方(56、456)は間隔を空けて形成され、前記嵌合壁の他方(56、456)の間に弾性変形可能な案内係合部材(61)が配置され、前記取付孔(53、453)を介して外装部材(100、101)を締結する締結手段(102、103)が締結される固着部材(110、210、310、410)は、前記嵌合壁(55、56、455、456)に嵌合する二面幅を有する嵌合部(112、113)を備え、前記嵌合部の一方(112)は、前記突出支持部(54)と前記嵌合壁の一方(55、455)に接触するまで挿入されることにより前記抜け止め部(60)によって抜け止めされ、前記嵌合部の他方(113)は、前記案内係合部材(61)を介して前記嵌合壁の他方(56、456)に嵌合し、前記案内係合部材(61)によって離脱が防止されることを特徴とする。
上記構成において、前記案内係合部材(61)は、前記固着部材(110、210、310、410)の前記嵌合部(112、113)を前記嵌合壁(55、56、455、456)の二面幅に案内する傾斜面(61D)を備えるとともに、前記固着部材(110、210、310、410)と嵌合した状態で前記固着部材(110、210、310、410)の外れを防止する係止爪(61B)を備えても良い。
また、上記構成において、前記案内係合部材(61)は、前記固着部材(110、210、310、410)の端面が前記案内係合部材(61)から外れて前記嵌合壁(55、56、455、456)間に入った場合に前記固着部材(110、210、310、410)と接触し、音を発生させても良い。
また、上記構成において、前記固着部材(210、310、410)は、廻り止め凹部(216、316、416)を有し、該廻り止め凹部(216、316、416)を前記樹脂カバー内面(52B、452B)側の廻り止め凸部(270、370、470)に嵌合可能にしても良い。
また、上記構成において、前記突出支持部(54)には、前記固着部材(210、310、410)の前記廻り止め凹部(216、316、416)に嵌合する前記廻り止め凸部(270、370、470)が一体に設けられても良い。
また、上記構成において、前記外装部材(100)は車両の標識であり、前記樹脂カバー(30C)は車両(1)の車体(F)を覆う車体カバーであっても良い。
また、上記構成において、前記外装部材(100)は車両の標識であり、前記樹脂カバー(435)は車両(401)の車輪(403)を覆うフェンダーであっても良い。
また、上記構成において、前記固着部材(110、210、310、410)の締結孔(111)に、雌ネジ部(111A)を備え、該雌ネジ部(111A)が、前記固着部材(110、210、310、410)を前記樹脂カバー(30C、435)に装着した状態で、前記樹脂カバー(30C、435)に設けた前記取付孔(53、453)を介して切削工具にて前記雌ネジ部(111A)を切除して締結孔(111)の径を拡張可能としても良い。
外装部材の取付け構造は、外装部材取付け用の取付孔を有する樹脂カバーに、前記取付孔の近傍の樹脂カバー内面から突出する突出支持部と、該突出支持部の突出側で対向する二面幅を有する嵌合壁と、を設け、前記取付孔を介して外装部材を締結する締結手段が締結される固着部材は、前記嵌合壁に嵌合する二面幅を有する嵌合部を備え、前記固着部材を前記突出支持部と前記嵌合壁の一方との間に差し込んで、前記嵌合壁の他方側に設けた弾性変形可能な案内係合部材を介して前記嵌合壁間に前記固着部材を嵌合した。この構成によれば、二面幅を有する嵌合壁へ固着部材の嵌合を円滑に行うことができ、外装部材側からの締め付け時の押圧や回転荷重に対する剛性を向上させることができる。
上記構成において、前記案内係合部材は、前記固着部材の前記嵌合部を前記嵌合壁の二面幅に案内する傾斜面を備えるとともに、前記固着部材と嵌合した状態で前記固着部材の外れを防止する係止爪を備えても良い。この構成によれば、案内係合部材の傾斜面で固着部材を装着する際に案内でき、装着後は抜け止めになるので構造が簡素化できる。
また、上記構成において、前記案内係合部材は、前記固着部材の端面が前記案内係合部材から外れて前記嵌合壁間に入った場合に前記固着部材と接触し、音を発生させても良い。この構成によれば、案内係合部材は嵌合完了時に接触して音を発するので狭い部位でも確認性が向上する。
また、上記構成において、前記固着部材は、廻り止め凹部を有し、該廻り止め凹部を前記樹脂カバー内面側の廻り止め凸部に嵌合可能にしても良い。この構成によれば、固着部材の廻り止めを、凹凸の嵌合という簡素な構造としつつ廻り止め機能を向上させることができる。
また、上記構成において、前記突出支持部は、前記樹脂カバーに設けた取付孔の周壁であり、前記樹脂カバー内面から起立して設けられた環状壁であっても良い。この構成によれば、突状支持部が取付孔の環状壁であるので、取付孔の補強にもなり構造も簡素化できる。
また、上記構成において、前記突出支持部には、前記固着部材の前記廻り止め凹部に嵌合する前記廻り止め凸部が一体に設けられても良い。この構成によれば、廻り止め凸部が突状支持部に一体に設けられているので、廻り止め機能を向上させつつ突出支持部の補強にもなり構造も簡素化できる。
また、上記構成において、前記外装部材は車両の標識であり、前記樹脂カバーは車両の車体を覆う車体カバーであっても良い。この構成によれば、外装部材が車両の標識の場合は車両の標識を樹脂カバーに直に接合でき、専用のステーやブラケットが不要となり、部品点数が削減できる。
また、上記構成において、前記外装部材は車両の標識であり、前記樹脂カバーは車両の車輪を覆うフェンダーであっても良い。この構成によれば、二輪車のフロントフェンダーや、リアフェンダーに適用することで、専用ブラケットが露出しなくなり外観性も向上する。特に、リアフェンダーの場合には意匠性の自由度も向上させることができる。
また、上記構成において、前記固着部材の締結孔に、雌ネジ部を備え、該雌ネジ部が、前記固着部材を前記樹脂カバーに装着した状態で、前記樹脂カバーに設けた前記取付孔を介して切削工具にて前記雌ネジ部を切除して締結孔の径を拡張可能としても良い。この構成によれば、固着部材の雌螺子孔を外面側から切削加工することができ、締付手段の多様化を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の前方の斜視図である。 フロントセンターカバーの斜視図である。 フロントセンターカバーの台座部の側面図である。 図3のV-V線断面を示す斜視図である。 台座部の裏側の説明図であり、図6(A)は斜視図、図6(B)は側壁部の模式図である。 台座部の断面の斜視図である。 図6のVIII-VIII線断面図である。 ナンバープレートの取付け前の取付座の外観斜視図である。 ナットプレートの固着方法の説明図である。 ナットプレートが固着された後の説明図である。 本発明に係る第2の実施の形態の台座部の裏側の斜視図である。 取付座の斜視図である。 ナットプレートの斜視図である。 本発明に係る第3の実施の形態の台座部の裏側の斜視図である。 取付座の斜視図である。 ナットプレートの斜視図である。 本発明の第4の実施の形態に係る自動二輪車の右側面図である。 リアフェンダーの斜視図である。 リアフェンダーを裏側から見た図である。 取付座の裏面の拡大図である。 図21のXXII-XXII線断面図である。 図21のXXIII-XXIII線断面図である。 本発明に係る第5の実施の形態の取付座の裏面の拡大図である。 図24のXXV-XXV線断面図である。
以下、図面を参照して本発明の各実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る自動二輪車1の左側面図である。
図1に示すように、自動二輪車1は、運転者が足を載せる低床フロア32を有するスクーター型の鞍乗り型車両であり、車体フレームFの前方に前輪(車輪)3を有し、駆動輪である後輪(車輪)4は、車体フレームFの後部に連結されるパワーユニット10に支持されている。車体フレームFは車体カバーCによって覆われている。
車体フレームFは、複数の金属部品を溶接等により一体に結合して構成されている。車体フレームFは、前部に設けられるヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から後下方に延出するダウンフレーム12と、ダウンフレーム12の下端から後下がりに傾斜して後方へ延びるアンダーフレーム13と、アンダーフレーム13の後部から後上がりに後方へ延びる左右一対のシートフレーム14とを有している。
前輪3を支持する左右一対のフロントフォーク15は、ヘッドパイプ11に回動自在に支持され、操向ハンドル16は、フロントフォーク15の上部に設けられる。
アンダーフレーム13の後部には、パワーユニット10を上下に揺動自在に支持するリンク17の一端が連結され、リンク17の他端にはパワーユニット10の前部が連結されている。パワーユニット10の後部とシートフレーム14の後部との間には、リヤクッションユニット18が掛け渡されている。
車体カバーCは、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の前方を覆うフロントカバー30と、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12の後方を覆うレッグシールド31と、アンダーフレーム13の上方を覆い、運転者の足が載せられる低床フロア32と、アンダーフレーム13の側方を覆う左右一対のアンダーカバー33と、シート22の下方で収納ボックス20を覆うセンターカバー34と、センターカバー34に連続して後方に延び、パワーユニット10の前部及び燃料タンク21の側方を覆う左右一対のサイドカバー35と、シート22の後方で燃料タンク21を覆う後部カバー36と、操向ハンドル16の中央部を覆うアッパーカバー37とを有している。前輪3はフロントフェンダー38によって上方を覆われている。後輪4は、リアフェンダー39によって上方を覆われている。
図2は、自動二輪車1の前方の斜視図である。
図1、図2において、前部側の車体フレームF、具体的には、ヘッドパイプ11及びダウンフレーム12に、低床フロア32の前方を覆うフロントカバー30が取り付けられている。また、操向ハンドル16には、ヘッドランプ41やウィンカー42等を備えたアッパーカバー37が取り付けられている。
フロントカバー30は、フロントフォーク15の左右に配置される左右一対のフロントサイドカバー30L、30Rと、フロントサイドカバー30L、30Rの前部間に形成された開口43を覆うフロントセンターカバー30Cと、左右のフロントサイドカバー30L、30Rの後部間を覆ってインナーカバーを兼ねるレッグシールド31と、を備える。
左右のフロントサイドカバー30L、30Rは、金属製であり、図示しないステーを介して車体フレームFに取り付けられている。一方、フロントセンターカバー30Cと、レッグシールド31とは、樹脂製である。樹脂としては、例えば、ABS樹脂を使用可能である。
フロントサイドカバー30L、30Rの前部間の開口43は、正面視で略U字状に形成されている。より正確には、開口43は、U字形状部の下端部の中央に、左右のフロントサイドカバー30L、30Rの間の帯状の隙間が上下に延びている。
開口43の下部領域の縁部には、段差状に窪んだフランジ部44が延設されている。開口43とフロントセンターカバー30Cの下部領域との隙間は、フランジ部44によって略閉塞されている。
図3は、フロントセンターカバー30Cの斜視図である。
フロントセンターカバー30Cは、正面視が、上述の開口43と略同形状に形成される。ただし、フロントセンターカバー30Cの下方領域の一部は、開口43の車幅方向よりも狭く形成されている。
フロントセンターカバー30Cの上部には、フロントセンターカバー30Cから車体内側に延びる左右一対のステー部45、45(図4参照)が形成されている。また、フロントセンターカバー30Cの下部には、車幅方向に延びる左右一対の係止片46、46が形成されている。ステー部45、45や係止片46、46は、フロントサイドカバー30L、30Rに係合されている。
図2において、フロントセンターカバー30Cの上端部は、レッグシールド31の上端部にビス止めされている。締結用の図示しないビスはレッグシールド31の後方側から、フロントセンターカバー30Cの上端部に設けられた図示しないクリップナットに締め込まれる。また、フロントセンターカバー30Cの下部寄りの左右両縁は、左右の対応するフロントサイドカバー30L、30Rのフランジ部44と、フロントサイドカバー30L、30Rを車体フレームFに固定するための図示しないステーにビス止めされる。
フロントセンターカバー30Cは、概形形状としては、上下方向において前方に凸になるように緩やかに湾曲して形成されている。また、フロントセンターカバー30Cは、概形形状としては、車幅方向の中央部が稜線状に前方に突出するように、車幅方向においても前方に凸に湾曲して形成されている。
図4は、フロントセンターカバー30Cの台座部50の側面図である。
図3、図4に示すように、フロントセンターカバー30Cには、外装部材取付用の台座部50が形成されている。台座部50は、左右一対形成されている。台座部50には、外装部材として、例えば、ナンバープレート(車両の標識)100が取り付けられる。台座部50は、フロントセンターカバー30Cの概形形状を形成する外表面30C1に対して突出している。
台座部50は、角筒状の側壁部51と、側壁部51の突出端側に形成された板状の取付座52と、を備える。側壁部51は、付け根部から突出端側に向かって先細りの角筒状に形成されている。取付座52には、厚み方向に貫通する取付孔53(図3参照)が形成されている。取付孔53は丸穴状に形成されている。取付孔53には、ボルト(締結部材)102が挿通される。
なお、台座部50には、図3に示すように、ナンバープレート100に代えて、例えば、細長のステー部材(外装部材)101を取り付けることも可能である。
図5は、図3のV-V線断面を示す斜視図である。
台座部50は、フロントセンターカバー30Cの概形形状をなす内表面30C2に対しては凹んだ形状を構成する。この凹みの底、すなわち、取付座52の裏側(カバー内面側)には、ボルト102が締結されるナットプレート(固着部材)110が固着される。
ナットプレート110は長方形状に形成されている。ナットプレート110の中央部には、厚み方向に貫通する締結孔111(図6参照)が形成されている。ボルト102は、台座部50の取付孔53に挿通されてナットプレート110の締結孔111に締結される。
ボルト102の頭部とナットプレート110でナンバープレート100と取付座52が挟まれて、ナンバープレート100は取付座52に取り付けられる。
なお、図4に示すように、ボルト102に代えて、リベット(締結部材)103を取り付けても良く、この場合、リベット103の軸方向両端が潰されて、ナンバープレート100がナットプレート110に締結固定される。
図6は、台座部50の裏側の説明図であり、図6(A)は斜視図、図6(B)は側壁部の模式図である。図7は、台座部50の断面の斜視図である。図8は、図6のVIII-VIII線断面図である。
台座部50の取付座52は、ナットプレート110に対応して長方形状に構成されている。図面において、ナットプレート110が取り付けされた場合のナットプレート110の長手方向をLで表し、短手方向をSで表す。
取付座52の裏面(樹脂カバー内面)52Bには、取付孔53の近傍に突出支持部54が形成される。突出支持部54は、取付孔53の周壁を構成しており、裏面52Bから離間する方向、すなわち、内側方向に起立した円環状の環状壁を構成している。図8に示すように、突出支持部54の内周部は取付孔53を構成する。突出支持部54の内周部には、逃げ部54Bが形成されている。逃げ部54Bは、突出支持部54の先端側になるほど取付孔53の案内係合部材61側の径が大きくなるように傾斜している。逃げ部54Bにより、ナットプレート110の装着時に、ナットプレート110の筒部110Aと突出支持部54の接触を回避し易くなっている。取付孔53の内径は、ナットプレート110の筒部110Aの外径よりやや大きく形成される。取付孔53と筒部110Aとの間には隙間δ2が生じるように形成される。これにより、ナットプレート110の嵌合時に樹脂を変形させても嵌合させ易くなっている。
図6に示すように、取付座52の裏面52Bには、ナットプレート110が嵌合するリブ55~58(嵌合壁)が形成されている。リブ55~58は、取付孔53の周囲に形成されている。各リブ55~58は、取付座52の裏面52Bから内側に突出した凸条形状をなしている。
リブ55~58は、取付孔53を挟んで長手方向Lに形成されたセットリブ(一方の嵌合壁)55と偏り防止リブ(他方の嵌合壁)56とを有する。
セットリブ55は、短手方向Sに間隔を空けて形成された第1セット部55Aと第2セット部55Bとを備える。各セット部55A、55Bは、側壁部51Aから取付孔53に向かって平行に延びている。
偏り防止リブ56は、短手方向Sに間隔を空けて形成された第1防止部56Aと第2防止部56Bとを備える。各防止部56A、56Bは、側壁部51Cから取付孔53に向かって平行に延びている。
セットリブ55と偏り防止リブ56とは二面幅を有する。すなわち、図6に示すように、セットリブ55の各セット部55A、55Bの取付孔53側の端面を仮想的に繋いだ線R1と、偏り防止リブ56の各防止部56A、56Bの取付孔53側の端面を仮想的に繋いだ線R2とは、平行に形成される。セットリブ55と、偏り防止リブ56との間隔は、ナットプレート110の長手方向Lの幅に対応している。本実施の形態では、セットリブ55と、偏り防止リブ56との間隔は、ナットプレート110が圧入される程度にナットプレート110の長手方向Lの幅(二面幅)に比べて狭く構成されている。つまり、対向するセットリブ55と偏り防止リブ56の間の大きさは、2面幅を有するナットプレート110の長手方向L両端の嵌合部112、113間の幅より狭く、セットリブ55と偏り防止リブ56とがナットプレート110を挟持する。ナットプレート110がセットリブ55と偏り防止リブ56とに嵌合固着可能に形成されている。
ここで、図6(B)に示すように、各側壁部51A~51Dの厚さについて、セットリブ55を有する側壁部51Aと、偏り防止リブ56を有する側壁部51Cとは厚さT2に形成されている。一方、側壁部51Aと側壁部51Cとを接続する側壁部51B、51Dは、厚さT1に形成されている。厚さT2は、厚さT1よりも肉厚である(T2>T1)。また、厚さT1は、台座部50などがない平坦な部分のフロントセンターカバー30Cの厚さと同じに設定されている。厚さT2の各側壁部51A、51Cは、リブ(嵌合壁)55、56よりも側壁部51B、51D側の角の部分に掛けて、肉厚が厚さT1に向けて漸次薄くなる傾斜肉厚部Tdを備える。
ナットプレート110が、セットリブ55と偏り防止リブ56との間に嵌合される場合には、傾斜肉厚部Tdの薄さにより弾性変形が許容される一方で、厚さT2の側壁部51A、51Cは変形し難い。よって、厚さT2の側壁部51A、51Cに接続されたセットリブ55と偏り防止リブ56とで、ナットプレート110は強固に嵌合される。なお、傾斜肉厚部Tdを有する構成が望ましいが、傾斜肉厚部Tdを省略しても良い。この場合には、側壁部51B、51Dなど厚さT1の樹脂部分を主に弾性変形させることにより、厚さT2の側壁部51A、51Cの間にナットプレート110が嵌合される。
図8に示すように、セットリブ55と偏り防止リブ56の高さ(突出量)H2は、突出支持部54の高さH1よりも高くなっている。突出支持部54の先端側(突出側)で、セットリブ55と、偏り防止リブ56とが対向している。
リブ55~58は、取付孔53を挟んで短手方向Sに一対形成された位置決めリブ(位置決めの嵌合壁)57、58を有する。
一方の位置決めリブ57は、長手方向Lに間隔を空けて形成された第1位置決め部57Aと第2位置決め部57Bとを備える。
第1位置決め部57Aは、長手方向Lに延びる本体部57A1と、本体部57A1の両端から側壁部51Dに延びる一対の接続部57A2、57A3とを備える。本体部57A1は高さH2に形成されている。また、長手方向Lにおいて外側の接続部57A3は、側壁部51Dに近づくにつれて、裏面52Bからの高さが高くなっており、強度が確保されている。
第2位置決め部57Bは、第1位置決め部57Aに対して、長手方向Lにおいて対称に構成される。
他方の位置決めリブ58は、配置位置に応じた形状である点以外は、一方の位置決めリブ57に対して、短手方向Sにおいて略対称に構成される。
位置決めリブ57、58の本体部57A1、57B1、58A1、58B1の高さH2は、突出支持部54の高さH1よりも高くなっている。位置決めリブ57、58同士は、突出支持部54の先端側で対向している。
ここで、一方の位置決めリブ57と他方の位置決めリブ58とは二面幅を有する。すなわち、一方の位置決めリブ57の本体部57A1、57A1の取付孔53側の端面を仮想的に繋いだ線R4と、他方の位置決めリブ58の本体部58A1、58A1の取付孔53側の端面を仮想的に繋いだ線R3とは、平行に形成される。一方の位置決めリブ57と他方の位置決めリブ58との間隔は、ナットプレート110の短手方向Sの幅に対応しており、圧入可能な程度にナットプレート110の短手方向Sの幅に比べて狭く構成されている。
対向する位置関係にあるセットリブ55と偏り防止リブ56とにおいて、セットリブ55の第1セット部55Aと第2セット部55Bとの間には、抜け止め部60が配置される。抜け止め部60は、隣接する側壁部51Aから取付孔53に向かって庇状に突出する本体部60Aと、本体部60Aの短手方向Sの両端に設けられた補強部60B、60Cとを備える。
セットリブ55と偏り防止リブ56とにおいて、偏り防止リブ56側には、引っ掛け爪状の案内係合部材61が配置される。案内係合部材61は、第1防止部56Aと第2防止部56Bとの間に設けられている。案内係合部材61は、裏面52Bから内側に延びる延伸部61Aと、延伸部61Aの先端に形成された係止爪61Bとを備える。案内係合部材61は、フロントセンターカバー30Cの取付座52と一体に形成されており、延伸部61Aは弾性変形可能である。
係止爪61Bは、図8に示すように略断面三角状に形成されている。係止爪61Bは、ナットプレート110を引っ掛ける係止面61Cと、係止面61Cの先端から内側に延び、裏面52Bから離間するに連れて突出支持部54から離間するように傾斜した傾斜面61Dとを備える。
ここで、係止面61Cは、偏り防止リブ56に対する間隔t2が、ナットプレート110の厚みt1より小さくなるように形成される。これにより、係止面61Cと偏り防止リブ56との間にナットプレート110が進入し難くできる。
なお、対向する側の抜け止め部60の本体部60Aとセットリブ55との間隔もt2に設定されている。
ナットプレート110はセットリブ55と偏り防止リブ56とにより挟持されて固着嵌合される。このため、本実施の形態では、上記間隔t2は、固着嵌合されたナットプレート110と、抜け止め部60の本体部60Aと、案内係合部材61の係止爪61Bとの間には隙間δ1が生じるように形成される。つまり、図8において、t2+H2=t1+H1+δ1に設定されている。隙間δ1により、ナットプレート110の嵌合時に樹脂を変形させても嵌合させ易くなっている。
図9は、ナンバープレート100の取付け前の台座部50の外観斜視図である。
抜け止め部60と、案内係合部材61の位置に対応して、取付座52には型抜き用の孔52C、52Dが形成されている。型抜き用の孔52C、52Dにより、アンダーカットを回避可能である。型抜き用の孔52C、52Dは取付座52を貫通しているため、ナンバープレート100が取り付けられた場合には、ナンバープレート100で隠れる。よって、型抜き用の孔52C、52Dが外部に露出せず、デザイン性に寄与する。
図7、図8において、抜け止め部60と案内係合部材61との間には、ナットプレート110が固着される。
ナットプレート110は、二面幅を有する長方形状の平板部110Bと、平板部110Bの中央部に形成された突出筒状の筒部110Aとを備える。平板部110Bの長手方向Lの両端には、嵌合部112、113が設けられる。筒部110Aには、締結孔111が形成されており、締結孔111の内周部には、雌ネジ部111Aが形成されている。
ナットプレート110は取付座52の裏面52Bに固着される。固着された状態では、筒部110Aは、台座部50の取付孔53に挿入されている。また、一方の嵌合部112は、抜け止め部60と突出支持部54との間に配置されている。さらに、他方の嵌合部113は、案内係合部材61と突出支持部54との間に配置されている。
図10は、ナットプレート110の固着方法の説明図である。
ナットプレート110を取付座52の裏面52Bに固着させる場合、図10に示すように、作業者は、ナットプレート110を、筒部110Aが取付孔53に向いた状態で配置する。次に、作業者は、ナットプレート110の一方の嵌合部112を、セットリブ55と突出支持部54との間に挿入する。一方の嵌合部112が、セットリブ55に接触すると、ナットプレート110が長手方向Lに移動することが規制され、ナットプレート110の位置が決まる。このとき、ナットプレート110は抜け止め部60に引っ掛かり抜け止めされると共に、突出支持部54の抜け止め部60側の部分54Aに接触し、ナットプレート110が取付座52の裏面52Bに対して傾斜した状態となる。
この状態で、作業者は、他方の嵌合部113を取付座52側に押す。他方の嵌合部113が押されると、ナットプレート110は、突出支持部54の部分54Aを支点として回動し、他方の嵌合部113が、案内係合部材61の係止爪61Bに接触する。さらに、作業者が、他方の嵌合部113を取付座52側に押すと、他方の嵌合部113は、係止爪61Bの傾斜面61Dにガイドされて、セットリブ55側に向かう力を受けながら、取付座52側に移動する。ナットプレート110が係止爪61Bよりも取付座52側に移動すると、リブ55~58に接触する。作業者が更にナットプレート110を押し込むと、ナットプレート110は対向するリブ55~58の間に圧入されて固着される。すなわち、フロントセンターカバー30Cの樹脂が撓んだ場合の応力を利用して、ナットプレート110を固着できる。
この際に、ナットプレート110をガイドする案内係合部材61は、反作用として、側壁部51C側に弾性変形する。ナットプレート110が係止爪61Bを通過しリブ55~58の間に圧入されると、案内係合部材61が元の状態に復元する。このとき、係止爪61Bの係止面61Cがナットプレート110に当接し、ナットプレート110の離脱が防止される。そして、案内係合部材61は、復元時にナットプレート110に衝突して振動し、接触音を発生させる。よって、作業者には、ナットプレート110がリブ55~58に嵌合して固着されたことを音で認識することが可能になっている。
また、ナットプレート110の筒部110Aは、突出支持部54の逃げ部54Bを通過して取付孔53に装着される。よって、取付孔53を過剰に大きくすることなく、筒部110Aを取付孔53に配置し易くなっている。また、反対側のセットリブ55側には逃げ部54Bが設けられていない。このため、ナットプレート110を偏り防止リブ56側に挿入した場合には、逃げ部54Bを通過することができず、筒部110Aが突出支持部54の内周壁に接触する。よって、誤組防止可能になっている。
図11は、ナットプレート110の固着後の説明図である。
ナットプレート110には、ナンバープレート100を締結するボルト102が締結される。ナットプレート110にボルト102が締結される場合に、ナットプレート110が締結孔111を中心として回転荷重を受けるが、偏り防止リブ56によりナットプレート110が回転して偏ることを防止できる。
また、ボルト102に代えて、リベット103で締結する場合には、締結孔111を拡張する必要がある場合がある。この場合、ナットプレート110が取付座52に固着された状態で、ドリル(切削工具)120を取付孔53に対向させて、締結孔111を切削することで、拡張された締結孔121を加工できる。すなわち、ドリル120により回転荷重がナットプレート110に作用しても、偏り防止リブ56などの各リブ55~58により、ナットプレート110が廻り止めされされる。よって、ドリル120により、ナットプレート110の雌ネジ部111Aを切削して、拡張された締結孔121が形成することができる。拡張された締結孔121に対して、リベット103を挿通して、ナンバープレート100を締結できる。
以上説明したように、本発明を適用した第1の実施の形態の外装部材の取付け構造は、外装部材取付け用の取付孔53を有するフロントセンターカバー30Cに、取付孔53の近傍の取付座52の裏面52Bから突出する突出支持部54と、突出支持部54の突出側で対向する二面幅を有するセットリブ55及び偏り防止リブ56と、を設け、取付孔53を介してナンバープレート100を締結するボルト102が締結されるナットプレート110は、セットリブ55及び偏り防止リブ56に嵌合する二面幅を有する嵌合部112、113を備え、ナットプレート110を突出支持部54とセットリブ55との間に差し込んで、偏り防止リブ56側に設けた弾性変形可能な案内係合部材61を介してセットリブ55及び偏り防止リブ56の間にナットプレート110を嵌合した。したがって、二面幅を有するセットリブ55及び偏り防止リブ56へナットプレート110の嵌合を円滑に行うことができ、ナンバープレート100側からの締め付け時の押圧や回転荷重に対する剛性が向上する。
第1の実施の形態では、案内係合部材61は、ナットプレート110の嵌合部112、113をセットリブ55と偏り防止リブ56の二面幅に案内する傾斜面61Dを備えるとともに、ナットプレート110と嵌合した状態でナットプレート110の外れを防止する係止爪61Bを備える。したがって、案内係合部材61の傾斜面61Dでナットプレート110を装着する際に案内でき、装着後は抜け止めになるので、ナンバープレート100の取付構造が簡素化している。
また、第1の実施の形態では、案内係合部材61は、ナットプレート110の端面が案内係合部材61の傾斜面61Dから外れてセットリブ55と偏り防止リブ56間に入った場合にナットプレート110と接触し振動して音を発生させる。したがって、案内係合部材61は嵌合完了時に振動して音を発するので狭い部位でも嵌合完了か否かの確認性が向上している。
また、第1の実施の形態では、突出支持部54は、フロントセンターカバー30Cに設けた取付孔53の周壁であり、取付座52の裏面52Bから起立して設けられた環状壁である。したがって、突出支持部54が取付孔53の環状壁であるので、取付孔53の補強にもなり構造も簡素化する。
また、第1の実施の形態では、ナンバープレート100は車両の標識であり、フロントセンターカバー30Cは樹脂製であり、自動二輪車1の車体フレームFを覆う車体カバーである。したがって、ナンバープレート100を樹脂製のフロントセンターカバー30Cに直に接合でき、専用のステーやブラケットが不要となり、部品点数が削減できる。
また、第1の実施の形態では、ナットプレート110の締結孔111に、雌ネジ部111Aを備え、雌ネジ部111Aが、ナットプレート110をフロントセンターカバー30Cに装着した状態で、フロントセンターカバー30Cに設けた取付孔53を介してドリル120にて雌ネジ部111Aを切除して締結孔111の径を拡張可能である。したがって、ナットプレート110の締結孔111を外表面30C1側から切削加工することができ、リベット(締結手段)103で締結するなど、締付手段の多様化が図れる。
<第2の実施の形態>
図12は、本発明に係る第2の実施の形態の台座部50の裏側の斜視図である。図13は、取付座52の斜視図である。
本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態の取付座52には、第1の実施の形態の位置決めリブ57、58に代えて、位置決めリブ(位置決めの嵌合壁)257、258が設けられている。
位置決めリブ257、258は、裏面52Bに対して内側に突出した凸条形状である。位置決めリブ257、258は、長手方向Lに間隔を空けて平行に形成されている。各リブ257、258は、環状の突出支持部64から短手方向Sに延びている。各リブ257、258の両端には、内側方向に更に突出した突出部257A、258A、258A、258Bが形成されている。突出部257A、257Bと、突出部258A、258Bとの間隔は、ナットプレート110の短手方向Sの長さに対応している。突出部258A、258Bと、突出部259A、259Bとの間にナットプレート210が圧入して固着される。
また、第2の実施の形態の取付座52には、裏面52Bから内側方向に突出した廻り止め凸部270が形成されている。廻り止め凸部270は、長手方向Lに沿って延びる凸条部271を有する。凸条部271は、突出支持部54を挟んで一対形成されている。凸条部271は、突出支持部54よりも高さが高くなっている。廻り止め凸部270は、全体の概形としては、いわば、-形状(マイナス形状)である。
図14は、ナットプレート210の斜視図である。
第2の実施の形態のナットプレート210には、環状凹部216Aと、廻り止め凹部216とが形成されている。環状凹部216Aと廻り止め凹部216とは、平板部110Bの筒部110Aが突出していない側に形成されている。
環状凹部216Aは、締結孔111を周むように形成されている。環状凹部216Aには、図12に示すように、突出支持部54が嵌合する。
廻り止め凹部216は、環状凹部216Aの周囲に形成されている。廻り止め凹部216は、環状凹部216Aを挟んで長手方向Lに一対形成されている。廻り止め凹部216は環状凹部216Aから延びた長溝状に形成されている。廻り止め凹部216の凹み量は、環状凹部に比べて大きくなっている。廻り止め凹部216には、廻り止め凸部270が嵌合する。
第2の実施の形態では、ナットプレート210の筒部110Aは取付孔53とは反対側に向けられて固着される。また、第2の実施の形態では、突出支持部54が環状凹部216Aに嵌合する。さらに、第2の実施の形態では、廻り止め凸部270が廻り止め凹部216に嵌合して固着される。
廻り止め凸部270が廻り止め凹部216に嵌合するため、ナットプレート210の締結孔111にボルト102が締結される場合など、ナットプレート210に回転方向の力が加わる場合に、ナットプレート210の廻り止めを強固にできる。
以上説明したように、第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同様の構成については、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
また、第2の実施の形態では、ナットプレート210は、廻り止め凹部216を有し、廻り止め凹部216を取付座52の裏面52B側の廻り止め凸部270に嵌合可能としている。したがって、ナットプレート210の廻り止めを凹凸の嵌合という簡素な構造としつつ廻り止め機能が向上している。
また、第2の実施の形態では、環状壁である突出支持部54には、ナットプレート210の廻り止め凹部216に嵌合する廻り止め凸部270が一体に設けられている。したがって、突出支持部54に設けた凸部がナットプレート210の廻り止めに寄与すると共に突出支持部54を補強しており、ナットプレート210を取り付ける構成も簡素化できる。
<第3の実施の形態>
図15は、本発明に係る第3の実施の形態の台座部50の裏側の斜視図である。図16は、取付座52の斜視図である。図17は、ナットプレート310の斜視図である。
第3の実施の形態の取付座52には、廻り止め凸部370が設けられている。廻り止め凸部370は、長手方向Lに延びる凸条部271と、短手方向Sに延びる凸条部371とを有する。凸条部371は、突出支持部54の短手方向Sに一対形成されている。廻り止め凸部370は、全体の概形としては、いわば、+形状(プラス形状)である。
第3の実施の形態のナットプレート310には、廻り止め凸部370に嵌合する廻り止め凹部316が形成されている。廻り止め凹部316は締結孔111に対して十字方向に長溝状に形成されている。
以上説明したように、第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様の構成については、第2の実施の形態と同様の作用効果を奏する。第3の実施の形態では、廻り止め凸部370と廻り止め凹部316が、+形状であり、締結時などの廻り止め機能が向上している。
<第4の実施の形態>
図18は、本発明の第4の実施の形態に係る自動二輪車401の右側面図である。
本発明を適用した第4の実施の形態について説明する。この第4の実施の形態において、上記第1ないし第3の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第4の実施の形態の外装部材の取付け構造は、第1の実施の形態の自動二輪車1に代えて、自動二輪車401に適用される。
自動二輪車401は、車体フレーム406にパワーユニットとしてのエンジン411が支持され、前輪(車輪)402を操舵可能に支持するフロントフォーク412が車体フレーム406の前端に操舵可能に支持され、後輪(車輪)403を支持するスイングアーム413が車体フレーム406の後部に設けられる鞍乗り型車両である。
自動二輪車401は、乗員が跨るようにして着座するシート414が車体フレーム406の後部の上方に設けられる鞍乗型車両である。
自動二輪車401は、車体フレーム406等の車体を覆う車体カバー405を備える。
車体フレーム406は、車体フレーム406の前端に設けられるヘッドパイプ415と、ヘッドパイプ415の後部から後下がりに延出するメインフレーム407と、ヘッドパイプ415の後部でメインフレーム407の下方から後下方に延びるダウンフレーム417と、メインフレーム407の後端部から下方に延びるセンターフレーム418と、センターフレーム418の下端部に接続されるピボットフレーム419とを備える。メインフレーム407、ダウンフレーム417、及びセンターフレーム418は、それぞれ1本のチューブ状のフレームであり、前輪402と同様に車幅方向の中央に位置する。
また、車体フレーム406は、メインフレーム407の前端部とダウンフレーム417の前端部とを上下に接続する板状のガセット429を備える。
さらに、車体フレーム406は、メインフレーム407の後部から車両後端部まで後方に延びる左右一対のシートフレーム420と、ピボットフレーム419から後上がりに延びてシートフレーム420の後部に接続される左右一対のサブフレーム421とを備える。
フロントフォーク412は、ヘッドパイプ415に回動自在に軸支されるステアリングシャフト(不図示)と、このステアリングシャフトの上端に固定されるトップブリッジ422と、上記ステアリングシャフトの下端に固定されるボトムブリッジ423と、トップブリッジ422及びボトムブリッジ423に支持される左右一対のフォークチューブ424,424と、トップブリッジ422に固定される操舵用のハンドル425とを備える。
前輪402は、左右のフォークチューブ424,424の下端部間に渡される車軸402aに軸支される。
ピボットフレーム419には、ピボットフレーム419を車幅方向に貫通するピボット軸426が設けられる。ピボット軸426は、ピボットフレーム419の上下の中間部に設けられる。
スイングアーム413の前端部は、ピボット軸426に軸支され、スイングアーム413は、ピボット軸426を中心に上下に揺動可能である。
後輪403は、スイングアーム413の後端部に設けられる車軸403aに軸支される。
スイングアーム413の上面には、後輪403の前部を上方から覆うインナーフェンダー427が取り付けられる。
スイングアーム413と車体フレーム406の後部との間には、リアサスペンション428が掛け渡される。
車体カバー405は、ヘッドパイプ415を前方から覆うフロントカバー430と、車体フレーム406の前部を側方から覆う左右一対のフロントサイドカバー431と、燃料タンク445及びシート414の前部の下方を覆う左右一対のサイドカバー432と、シート414の後部の下方を覆う左右一対のリアサイドカバー433とを備える。
自動二輪車401は、前輪402を上方から覆うフロントフェンダー434と、後輪403を上方から覆うリアフェンダー435とを備える。
図19は、リアフェンダー435の斜視図である。図20は、リアフェンダー435を裏側から見た図である。
リアフェンダー435は、樹脂製である。リアフェンダー435は、前上から後下に向かって延びている。リアフェンダー435は、下方になるに連れてやや先細る板状のフェンダー本体部436と、フェンダー本体部436の車幅方向両側に形成されたフェンダー側壁部437とを備える。フェンダー側壁部437は、フェンダー本体部436の裏面436Aに対して内側方向(後輪403側方向)に起立した立壁状に形成されている。フェンダー本体部436の裏面436Aには、内側方向に突出する複数の円筒リブ438が形成されている。各円筒リブ438の上下左右には、上下方向に延びる突条の補強リブ440が形成されている。
フェンダー本体部436の上下方向中央部に対してやや上方には、フロントフェンダー235を車体に固定するための固定孔436Bが形成されている。固定孔436Bには、ボルト490が挿通される。ボルト490は、ステー部材491にナット490Aにより締結される。ステー部材491は固定部材によりシートフレーム420(図1参照)に固定される。これにより、リアフェンダー435が車体フレーム406に取り付けられる。固定孔436Bの下部には、左右一対の外装部材取付用の取付座452が形成されている。取付座452の外表面452Aは平坦である。取付座452には、例えば、ナンバープレート100を取り付け可能である。ナンバープレート100は、ナンバープレート100の孔100Aにボルト102が挿通されて取付座452に締結される。ナンバープレート100は、取付座452の取付孔453や、固定孔436Bを外側から覆うため、取付孔453や固定孔436Bが隠れて、リアフェンダー435の意匠性が向上している。
図21は、取付座452の裏面452Bの拡大図である。図22は、図21のXXII-XXII線断面図である。図23は、図21のXXIII-XXIII線断面図である。
取付座452の裏面452Bには、ナットプレート410が嵌合するセットリブ(一方の嵌合壁)455、偏り防止リブ(他方の嵌合壁)456、位置決めリブ(位置決めの嵌合壁)457、458が形成されている。各リブ455~458は、裏面452Bから内側方向に突出した凸条形状である。
第4の実施の形態のセットリブ455は、U字状に形成されている。すなわち、セットリブ455は、一対のセット部55A、55Bと、セット部55A、55B間を接続する接続部455Cと、を備え、一体形状に形成されている。セットリブ455が一体形状に形成されているため、接続部455Cが無い場合よりも強度が向上している。
第4の実施の形態の偏り防止リブ456は、フェンダー側壁部437から延びている。すなわち、偏り防止リブ456は、防止部56A、56Bと、各防止部56A、56Bとフェンダー側壁部437との間を接続する接続部456A、456Bとを備え、それぞれが一体形状である。偏り防止リブ456の各防止部56A、56Bは、フェンダー側壁部437から延びているため、強度が向上している。
また、取付座452には、裏面452Bから内側方向に突出した廻り止め凸部470が形成されている。廻り止め凸部470は、突出支持部54から短手方向Sに並行に延びる凸条部471Aと、突出支持部54から放射方向に延びるX字状のX凸条部471Bとを備える。
第4の実施の形態のナットプレート410には、廻り止め凸部470が嵌合する廻り止め凹部416が形成されている。廻り止め凹部416は、筒部110A側の平板部110Bに長溝状に形成されている。廻り止め凹部416は筒部110Aから放射状に延びている。
第4の実施の形態では、ナットプレート410の廻り止め凹部416に廻り止め凸部470が嵌合して固着される。
以上説明したように、本発明を適用した第4の実施の形態では、樹脂カバーがリアフェンダー435である点が第1ないし第3の実施の形態と異なるが、取付座452に関しては、第1ないし第3の実施の形態の取付座52と同様の構成部分については、第1ないし第3の実施の形態と同様の作用効果を奏する。
第4の実施の形態では、ナンバープレート100は車両の標識であり、樹脂カバーは自動二輪車401の後輪403を覆うリアフェンダー435である。したがって、自動二輪車401のリアフェンダーに適用することで、専用ブラケットが露出しなくなり外観性も向上する。特に、リアフェンダー435は意匠性の自由度も向上する。
<第5の実施の形態>
図24は、本発明に係る第5の実施の形態の取付座452の裏面452Bの斜視図である。図25は、図24のXXV-XXV線断面図である。
本発明を適用した第5の実施の形態について説明する。この第5の実施の形態において、上記第4の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
第5の実施の形態の取付座452には、第4の実施の形態の偏り防止リブ456に代えて、偏り防止リブ556が設けられている点が、第4の実施の形態と異なっている。
偏り防止リブ556は、U字状に形成されている。すなわち、偏り防止リブ556は、一対の防止部56A、56Bと、防止部56A、56B間を接続する接続部556Cと、を備え、一体形状に形成されている。偏り防止リブ556が一体形状に形成されているため、接続部556Cが無い場合よりも強度が向上している。
上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
位置決めリブ57、58、457、458は設けた方が望ましいが、設けなくても良い。
廻り止め凸部270、370、470と廻り止め凹部216、316、416の線状の形状に限定されず、廻り止め凸部が多角形状の凸部であり、廻り止め凹部が多角形状の凹部であるなど、互いが嵌合可能な形状であれば良い。
第1の実施の形態では、隙間δ1、δ2がある構成を説明した。第2乃至第5の実施の形態においても隙間δ1、δ2が生じても良い。
第1の実施の形態では、セットリブ55を有する側壁部51Aと、偏り防止リブ56を有する側壁部51Cとが厚さT2に形成され、傾斜肉厚部Tdを備える構成を説明した。第2、第3の実施の形態においても、セットリブ55や偏り防止リブ56を有する側壁部が厚さT2に形成されると共に、傾斜肉厚部Tdを備えても良い。
第1の実施の形態では、セットリブ55を有する側壁部51Aと、偏り防止リブ56を有する側壁部51Cとは厚さT2に形成され、傾斜肉厚部Tdを備える構成を説明した。しかしながら、セットリブ55や偏り防止リブ56を有する側壁部が厚さT1に形成され、傾斜肉厚部Tdが省略された構成でも良い。
なお、上記第1乃至第5の実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記第1乃至第5の実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両として自動二輪車1、401を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備えた3輪の鞍乗り型車両や4輪以上を備えた鞍乗り型車両に適用可能である。
1、401 車両
30C、樹脂カバー、車両カバー
435 樹脂カバー、フェンダー
52B、452B 樹脂カバー内面
53、453 取付孔
54 突出支持部
55、455 嵌合壁、嵌合壁の一方
56、456 嵌合壁、嵌合壁の他方
61 案内係合部材
61B 係止爪
61D 傾斜面
100、101 外装部材
102、103 締結手段
110、210、310、410 固着部材
111 締結孔
111A 雌ネジ部
112、113 嵌合部
216、316、416 廻り止め凹部
270、370、470 廻り止め凸部
403 車輪
F 車体

Claims (8)

  1. 外装部材取付け用の取付孔(53、453)を有する樹脂カバー(30C、435)に、脂カバー内面(52B、452B)から突出して前記取付孔(53、453)の周壁を構成する突出支持部(54)と、該突出支持部(54)の突出側で前記突出支持部(54)を挟んで対向する二面幅を有する嵌合壁(55、56、455、456)と、を設け、前記嵌合壁の一方(55、455)は間隔を空けて形成され、前記嵌合壁の一方(55、455)の間に庇状に突出する抜け止め部(60)が設けられると共に、前記嵌合壁の他方(56、456)は間隔を空けて形成され、前記嵌合壁の他方(56、456)の間に弾性変形可能な案内係合部材(61)が配置され、前記取付孔(53、453)を介して外装部材(100、101)を締結する締結手段(102、103)が締結される固着部材(110、210、310、410)は、前記嵌合壁(55、56、455、456)に嵌合する二面幅を有する嵌合部(112、113)を備え、前記嵌合部の一方(112)は、前記突出支持部(54)と前記嵌合壁の一方(55、455)に接触するまで挿入されることにより前記抜け止め部(60)によって抜け止めされ、前記嵌合部の他方(113)は、前記案内係合部材(61)を介して前記嵌合壁の他方(56、456)に嵌合し、前記案内係合部材(61)によって離脱が防止されることを特徴とする外装部材の取付け構造。
  2. 前記案内係合部材(61)は、前記固着部材(110、210、310、410)の前記嵌合部(112、113)を前記嵌合壁(55、56、455、456)の二面幅に案内する傾斜面(61D)を備えるとともに、前記固着部材(110、210、310、410)と嵌合した状態で前記固着部材(110、210、310、410)の外れを防止する係止爪(61B)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の外装部材の取付け構造。
  3. 前記案内係合部材(61)は、前記固着部材(110、210、310、410)の端面が前記案内係合部材(61)から外れて前記嵌合壁(55、56、455、456)間に入った場合に前記固着部材(110、210、310、410)と接触し、音を発生させることを特徴とする請求項1又は2に記載の外装部材の取付け構造。
  4. 前記固着部材(210、310、410)は、廻り止め凹部(216、316、416)を有し、該廻り止め凹部(216、316、416)を前記樹脂カバー内面(52B、452B)側の廻り止め凸部(270、370、470)に嵌合可能にしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の外装部材の取付け構造。
  5. 前記突出支持部(54)には、前記固着部材(210、310、410)の前記廻り止め凹部(216、316、416)に嵌合する前記廻り止め凸部(270、370、470)が一体に設けられることを特徴とする請求項4に記載の外装部材の取付け構造。
  6. 前記外装部材(100)は車両の標識であり、前記樹脂カバー(30C)は車両(1)の車体(F)を覆う車体カバーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外装部材の取付け構造。
  7. 前記外装部材(100)は車両の標識であり、前記樹脂カバー(435)は車両(401)の車輪(403)を覆うフェンダーであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外装部材の取付け構造。
  8. 前記固着部材(110、210、310、410)の締結孔(111)に、雌ネジ部(111A)を備え、該雌ネジ部(111A)が、前記固着部材(110、210、310、410)を前記樹脂カバー(30C、435)に装着した状態で、前記樹脂カバー(30C、435)に設けた前記取付孔(53、453)を介して切削工具にて前記雌ネジ部(111A)を切除して締結孔(111)の径を拡張可能とすることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の外装部材の取付け構造。
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