JPS5929585Y2 - 椅子 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座部と背もたれ部とが一体的にほぼ１字状に連
結され、これが一体的に後方へ傾倒できるようにした椅
子に関し、椅子の傾倒時に座部の前部分が背もたれ部と
一体的に連結された座部の後部分に対し、それとは反対
に下向きに傾斜するように構成したものである。

従来この種の椅子としては第１図に示す如く、背もたれ
部と一体的に連結される座部の後部分を支持固定する主
支持枠１は、脚柱２の上端に設けられた基枠３に横架さ
れたロッキング機能を有する傾倒装置４に枢着され、こ
の装置４を調整ハンドル５を操作して回動可能とするこ
とにより、後方への傾斜が可能となり、この状態で背も
たれ部は座部の後部分と共に後方傾倒位置（休息位置）
に傾動される。

また主支持枠１の前縁には座部の前部分の支持枠６が蝶
番７により枢着され、この支持枠６の下部は基枠３に軸
８により回動自在に枢着された揺動片９の先端に軸１０
により枢着されており、主支持枠１が後方へ傾斜すると
蝶番７部が扛上し、揺動片９を介して前記支持枠６全体
が略水平位置を保って上昇するように構成されている。

従って座部の後部分が背もたれ部と一体的に後方に傾倒
されると、座部の前部分は水平状態で上昇されるので、
例えば座部を前後部分に区別することなく一体に形成し
た場合のように、着座者が上半身を背もたれ部に傾倒状
態で寄掛った休息状態において、足が大きく持ち上げら
れて床面から離れ、着座者に後転するような不安感を与
えるような欠陥を防止することができる。

しかしながら上記構成によれば、背もたれが後方に傾倒
したとき、揺動片９によって座部の前部分が水平状態で
上昇する構成であるから、なお足が床面から離れる惧れ
がある。

そこで本考案は背もたれが後方に傾倒したときに、座部
の前方部分をその後方部分の傾斜に反して下向きに傾斜
するように構成して従来の欠陥を改善したもので、以下
本考案の実施例を第２図乃至第４図について説明する。

先ず第２図及び第３図に示す第１の実施例において、１
１は背もたれ部Ａと一体的にＬ字状に連結された後方座
部Ｂの下面に固定される主支持枠で、脚台Ｃに回転自在
に支持される脚柱１２の上端に固定された基枠１３に横
架されたロッキング機能をもつ傾倒装置１４を介して取
付けられており、この傾倒装置１４は調整ハンドル１５
を操作したとき、ロッキング機能が生じるようになって
いる。

１６は前方座部Ｂ′の下面に固定される支持枠で、その
後端縁が前記主支持枠１１の前端縁に蝶番１７を介して
枢着され、下部には後方に高く傾斜する長孔１８が設け
られ、この長孔１８に前記基枠１３に固定された腕片１
９の先端に横架された軸２０が挿通係合されている。

なお後方座部Ｂ、前方座部Ｂ′及び背もたれＡにはマッ
トが施設される。

しかして通常即ち背もたれ部Ａの起立状態では主支持枠
１１と支持枠１６とは第３図実線で示すように水平状態
に保持され、従って後方座部Ｂと前方座部Ｂ′とは一体
的に平坦な着座部を形成し、この状態では腕片１９の軸
２０は支持枠１６の長孔１８の後端部に係止される。

この状態で着座者が調整ハンドル１５を挿作して傾倒装
置１４をロッキング作動可能状態とすると共に、背もた
れ部Ａに体重を寄り掛けると、背もたれ部Ａと後方座部
Ｂは一体的に後方へ傾倒し、主支持枠１１は第３図２点
鎖線で示すように傾斜する。

するとこの主支持枠１１の傾斜によりその前縁部は上昇
するので、蝶番１７を介して前方座部Ｂ′の支持枠１６
が後方へ引き上げられるが、支持枠１６は腕片１９に対
して軸２０と長孔１８の間で係合されているので、その
長孔１８の範囲で第３図想像線で示すように前方下向き
に傾斜する。

即ち後方座部Ｂが背もたれと共に後方へ傾斜しても、前
方座部Ｂ′は上昇することなく下向きに傾斜するので、
着座者の足が床面より離れることはない。

第４図は前方座部Ｂ′の支持枠１６の下部に軸２０′を
横架し、基枠１３に固定された腕片１９の先端部に後方
へ高く傾斜する長孔１８′を設けてこの長孔１８′に前
記軸２０′が挿通係合した場合を示している。

しかして後方座部Ｂの傾倒により主支持枠１１が後方へ
傾斜されると、支持枠１６の後縁が蝶番１７を非紙て引
き上げられるが、軸２０’が腕片１９の長孔１８′に係
合されているので、長孔１８′の範囲で支持枠１６は前
方下向きに傾斜する。

以上のように本考案によれば、後方座部の主支持枠の前
縁に蝶着された前方座部の支持枠は、脚台に対して固定
状態にある腕片に対して、軸と、後方へ高く傾斜する長
孔との係合により連結されているので、該支持枠は、傾
斜により長孔の傾斜に沿って前方下向きに傾斜し、床面
から浮き上がって、着座者に後転するような不安感を与
えることなく、快適な休息姿勢をとらしめることができ
る。

而も前記長孔の長さ及び傾きを変更することにより、支
持枠の下向き傾斜角を任意に変えることができると共に
、腕片が基枠と一体に形成できて、従来構成できて、従
来構成における揺動片を省略し得るので、それ史構造が
簡単となるなどの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の椅子における傾斜可動部の側面図、第２
図は本考案の実施例における椅子の斜視図、第３図及び
第４図は本考案の実施例における要部の側面図である。 図中 Ａは背もたれ部、Ｂは後方座部、Ｂ′は前方座部
、１１は主支持枠、１２は脚柱、１３は基枠、１４は傾
倒装置、１６は支持枠、１７は蝶番、１８．１８’は長
孔、１９は腕片、２０．２０’は軸である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 後方座部と前方座部とから成り、脚台に対して背もたれ
   と後方座部とが傾倒装置を介して一体的に後方へ傾倒す
   るように構成した椅子において、前記後方座部を支持す
   る主支持枠の前縁に、前方座部を支持する支持枠を蝶着
   し、該支持枠と、脚台に固定の基板に設けた腕片との何
   れか一方に、後方へ高く傾斜する所定長さの長孔を、ま
   た他方に該長孔に嵌挿係合される軸を夫々設け、この長
   孔と軸との保合を介して、前記主支持枠の後方への傾斜
   に伴い、前記支持枠が下向きに傾斜するように構成せし
   めて戊る構造。