JPS5928576B2 - 耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造方法 - Google Patents

耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造方法

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JPS5928576B2
JPS5928576B2 JP9498480A JP9498480A JPS5928576B2 JP S5928576 B2 JPS5928576 B2 JP S5928576B2 JP 9498480 A JP9498480 A JP 9498480A JP 9498480 A JP9498480 A JP 9498480A JP S5928576 B2 JPS5928576 B2 JP S5928576B2
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忠男 福本
彰彦 岸本
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐衝撃性、耐応力劣化性および外観が均衡にす
ぐれた熱可塑性樹脂の製造方法に関するものである。
合成ゴムや天然ゴムなどのゴム質重合体に芳香族ビニル
系単量体、シアン化ビニル系単量体およびアクリル系単
量体などのビニル系単量体をグラフト重合することによ
り、いわゆるABS樹脂やハイインパクトポリスチレン
などのゴム変性耐衝撃性熱可塑性樹脂を製造する方法に
ついては、従来より種々の方法が提案されているが、な
かでも代表的な方法としてゴム質重合体ラテックスの存
在下にビニル系単量体を乳化状でグラフト重合する乳化
グラフト重合法が挙げられる。
この乳化グラフト重合法によれば、ゴム質重合体含有量
の高い樹脂を製造できるという利点がある反面、ゴム質
重合体の粒子径を適当な範囲にコントロールするのが困
難であり、高度に物性が均衡した樹脂が得られ難いとい
う欠点がある。すなわちゴム変性耐衝撃性樹脂において
は、含有されるゴム質重合体の粒子径が樹脂の特性を極
めて左右し、とくにゴム質重合体の粒子径が小さすぎる
場合には樹脂の成形品表面光沢に代表される外観が優れ
るが、十分な耐衝撃性が発揮されず、逆にゴム質重合体
の粒子径が大きすぎる場合にも耐衝撃性、耐応力劣化性
および外観などが総じて低下するので、ゴム質重合体の
分散粒子径が大きな因子となるが乳化グラフト重合にお
いては、重合中にゴム質重合体が分散不良で凝集肥大し
たり、またはかえつて分散が良すぎて剪断により微小化
する傾向が大きく、適当な範囲に匍脚することが困難な
ため、樹脂の物性に多くを期待できないのである。そこ
で乳化グラフト重合による耐衝撃性熱可塑性樹脂の製造
においては、ゴム質重合体の粒径を適宜の範囲に制御す
る方法が多く検討されており、例えば1ゴム質重合体の
粒径を大きくしてからグラフト重合を行なう方法(特公
昭42−3112号公報)、2粒径の大きなゴム質重合
体を使用する方法(特公昭42−10615号公報)、
3小粒子径のゴム質重合体と大粒子径のゴム質重合体を
組合せて使用する方法(特公昭45−33305号公報
)、4上記3に二段グラフト重合を組合せる方法(特公
昭52−29794号公報)および5小粒子径の架橋ゴ
ム質重合体を一部凝集化した状態で使用する方法(特公
昭52−30034号公報)などが提案されているが、
上記の1、2法ではグラフト重合時の乳化安定性が悪く
、凝集した巨大ゴム質重合体粒子が発生するため十分な
耐衝撃性や耐応力劣化性を有する樹脂が得られず、上記
3、4法では小粒子径ゴム質重合体が小さく分散し、耐
衝撃性や成形品の外観が優れる、しかしながら耐応力劣
化性を有する樹脂が得られず、また上記5法では耐応力
劣化性こそ改良されるものの、樹脂の耐衝撃性が不十分
であり、しかも初期の凝集時に重合系が希釈されるため
ゴム濃度が30%以下に低下して生産性や経済性が損な
われるという問題がある。
なおここでいう応力劣化性とは、樹脂に内部応力ないし
は外部応力が長時間作用する際に樹脂の機械的性質が低
下し脆化する性質であり、例え初期の耐衝撃性がすぐれ
ていても、耐応力劣化性が十分でない限りは満足すべき
耐衝撃性熱可塑性樹脂とはいえない。本発明者らは乳化
グラフト重合法により耐衝撃性、耐応力劣化性および外
観が均衡してすぐれた樹脂を製造する方法について鋭意
検討した結果、とくに上記4法の大粒子径と小粒子径の
ゴム質重合体を用いる二段グラフト重合において、第1
段階と第2段階で使用するゴム粒径とその供給量および
重合系の転化率などを制御することにより、小粒子径ゴ
ムの凝集が抑制されて、耐衝撃性と耐応力劣化性が極め
てすぐれ、しかも外観の良好な成形品を与え得る樹脂が
得られることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明は囚ゴム質重合体ラテツクス30〜70
重量部(固形分換算)の存在下に、(B)ビニル系単量
体の少なくとも1種70〜30重量部を乳化グラフト重
合するに際し、(1)(A−1)重量平均粒径が0.2
5μ以上の大粒径ゴム質重合体ラテツクスを全ゴム質重
合体(4)の50重量%を越え、75重量%以下(固形
分換算)相当量仕込み、これに(B−1)ビニル系単量
体を全ビニル系単量体の45〜95重量%相当量加えて
、転化率が65重量%を越えるとなるまで重合し、(2
)次いでこの重合系に(A−2)重量平均粒径が0.2
μ以下の小粒子径ゴム質重合体ラテツクスを全ゴム質重
合体(A)の25重量%以上50重量%未満(固形分換
算)相当量加え、さらに(B−2)ビニル系単量体を全
ビニル系単量体の55〜5重量%相当量加えて、乳化グ
ラフト重合を完結させることを特徴とする耐衝撃性熱可
塑性樹脂の製造方法を提供するものである。
本発明で使用するゴム質重合体ラテツクスとは、主とし
てポリブタジエンおよびブタジエンを50重量%以上含
むブタジエンと他の共重合性単量体との共重合体を含む
ラテックスである。
ブタジエンと共重合させるために使用できる単量体とし
ては、スチレン、α−メチルスチレン、ビこルトルエン
等の芳香族ビニル系単量体、アクリル酸、メタアクリル
酸およびそのメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、
i−ブチルエステル等のアクリル系単量体、アクリロニ
トリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単
量体などがあげられる。なおこのほかにもポリイソプレ
ン、ポリクロロプレン、エチレンーフ狛ピレン−ジエン
モノマーの三元共重合体等のゴム質重合体も使用できる
。本発明の第一段階および第二段階で使用されるラテツ
クス中のゴム質重合体は同一であつても、異なつたもの
であつてもよい。また、これらゴム質重合体は一部交サ
結合したものであつてもよい。交サ結合の形成は、ゴム
質重合体形成用単量体の重量基準で、交サ結合剤を約2
%まで加えることにより行なうことができ、ここでいう
交サ結合剤とは一般に交サ結合ジエンゴムに使用される
試薬のいずれか、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリル
マレート、ジアリルフマレート、ジアリルアジペート、
アリルアクリレート、多価アルコール及びエチレングリ
コールジメタアクリレート等が挙げられる。ラテツク中
のこれら、ゴム質重合体のゲル含有率、ゲル膨潤度に関
しては、特に制限はないが、第一段階で使用されるラテ
ツクス中の大粒径ゴム質重合体は、ゲル含有率60%以
上、トルエンを溶媒としたゲル膨潤度が10以上である
のが好ましく、また第2段階で重合系に添加されるラテ
ツクス中の小粒径ゴム質重合体はゲル含有率60%以上
、トルエンを溶媒としたゲル膨潤度が30以下であるも
のと、ゲルを含まない小粒径ゴム質重合体の併用系であ
ることが好ましい。本発明においては、第一段階および
第二段階ともに、上記のごときゴム質重合体の存在下に
おいて、ビニル系単量体を加えて乳化グラフト重合を行
なうが、この際使用しうるビニル系単量体としては、ス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香
族ビニル系単量体、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル等のシアン化ビニル系単量体およびアクリル酸、
メタアクリル酸およびそのメチル、エチル、プロピル、
n−ブチル、1−ブチルエステル等のアクリル系単量体
があげられ、これらは1種、又は2種以上を混合してグ
ラフト重合させることができる。この場合、第一段階お
よび第二段階で使用する単量体は、生成する重合体の相
溶性が良好な組合せであれば異なつたものであつてもよ
いが、両程とも同様の組合せで使用するのがより好まし
い。本発明の第1段階においては、まず使用する全ゴム
質重合体(4)の50〜75重量%(固形分換算)好ま
しくは55〜70重量%(固形分換算)に相当する量の
ゴム質重合体ラテツクスを仕込むが、ここで使用するゴ
ム質重合体(A−1)はその重量平均粒径(電子顕微鏡
写真法や濁度法により測定した値であり、以下単に平均
粒径と呼ふ)が0.25μ以上、とくに0.28〜1.
0μの大粒子径であることが重要であり、0.25μ以
下のものを使用する場合には得られる樹脂の耐衝撃性が
不十分となるため好ましくない。
また第1段階で使用するゴム質重合体(A−1)の平均
粒径上限は1.5μが好ましく、それ以上の場合には得
られる樹脂の外観や強度が低下するため好ましくない。
ここで使用する大粒子径ゴム質重合体ラテックス(A−
1)はそのラテツクス製造時に粒子を凝集肥大化する方
法やラテツクス製造後に公知の手段で粒子を肥大化させ
る方法などにより容易に得られる。なお第1段階におけ
るゴム質重合体(A1)ラテツクスの仕込量が固形分換
算で全ゴム質重合体(4)の50重量%相当量以下では
最終的に得られる樹脂の外観が低下し、75重量%相当
量以上では樹脂の耐応力劣化性が低下するため好ましく
ない。本発明の第1段階において、上記ゴム質重合体ラ
テックス(A−1)にグラフト重合せしめるビニル系単
量体(B−1)の量は、使用する全ビニル系単量体(B
)の45〜95重量%相当量、とくに60〜85重量%
相当量が好ましく、45重量%相当量以下では樹脂の耐
応力劣化性が不十分であり、また95重量%相当量以上
では、以降の第2段階において、小粒子径ゴムの凝集が
著しくなり、樹脂の耐衝撃性や外観の低下を招くため好
ましくない。
第1段階の乳化グラフト重合は、仕込んだビニル系単量
体(B−1)の転化率が65%を越えるまで、とくに7
0%以上となるまで継続される。
第1段階での転化率が65%以下の状態で第2段階へ移
行する場合には、最終的に得られる樹脂の耐応力劣化性
が不十分となるため好ましくない。第1段階におけるビ
ニル系単量体の添加方法には特に制限がなく、重合系へ
ー括して添加する方法や連続的に添加する方法を採るこ
とができる。本発明においては、上記のようにして第1
段階を終了した乳化グラフト重合系へ、残余のゴム質重
合体ラテツクスおよびビニル系単量体を追次添加して第
2段階のグラフト重合を行なう。この第2段階において
はまず重合系へ残余のゴム質重合体ラテックス(A−2
)、すなわち全ゴム質重合体ラテックス(Aの50〜2
5重量%(固形分換算)、好ましくは45〜30重量%
(固形分換算)に相当するゴム質重合体ラテックス(A
−2)を仕込むが、このラテックスに含まれるゴム質重
合体の平均粒径は0.2μ以下、とくに0.02〜0.
18μの小粒子径であることが重要である。小粒子径ゴ
ム質重合体(A−2)の平均粒径が0.2μ以上では、
重合中にゴム粒子の凝集肥大化が進みすぎて、得られる
樹脂の耐応力劣化性や耐衝撃性が不十分となり、また逆
にO、02μ以下で細かすぎても樹脂の耐衝撃性が著し
く低下するため好ましくない。また第2段階におけるゴ
ム質重合体(A−2)ラテックスの仕込量が固形分換算
で、全ゴム質重合体(4)の50重量%相当量以上では
樹脂の外観が損なわれるばかりか、機械強度も低下し、
25重量%相当量以下では、樹脂の耐応力劣化性が著し
く低下するため好ましくない。本発明の第2段階におい
て、供給するビニル系単量体(B−2)の量は全ビニル
単量体(B)の55〜5重量%相当量、とくに40〜1
5重量%相当量が好ましく、55重量%相当量以上では
樹脂の耐応力劣化性が不十分となり、また5重量%相当
量以下ではグラフト量が不足し、ゴム粒子(B2)が凝
集巨大化して樹脂の外観や耐衝撃性が低下するため好ま
しくない。
この第2段階におけるゴム質重合体(B−2)ラテツク
スの添加方法は任意であり、例えば第1段階終了後の重
合系へー括添加する方法、連続的に添加する方法および
数回に別けて追次添加する方法が採用できる。
またビニル系単量体(B−2)の添加方法にもとくに制
限はなく、ゴム質重合体(B−2)と同時あるいは後に
重合系へー括添加する方法、連続添加する方法および数
回に別けて迫次添加する方法などを採ることができる。
この第2段階のグラフト重合は重合がほぼ完結するまで
継続する。なお本発明において最終的に得られる熱可塑
性樹脂においては、全ゴム質重合体CA)/全ビニル単
量体(B)の割合を30〜70重量部/70〜30重量
部、とくに40〜60重量部/60〜40重量部の割合
に選択できるが、本発明方法はとくに高ゴム濃度の樹脂
の製造に適している。
本発明により得られる高ゴム濃度の熱可塑性樹脂に、こ
れと相溶性のある他の硬質熱可塑性樹脂、例えばポリス
チレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレ
ン−メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート等をブレンドし、最
終樹脂組成物中のゴム質重合体を1〜30重量%にして
、射出成形、押出成形その他の成形用に供することがで
きる。本発明においては第1段階および第2段階ともに
乳化重合法によるが、この際に使用しうる乳化剤は脂肪
酸のアルカリ金属塩、脂肪酸硫酸エステルのアルカリ金
属塩、不均化ロジン酸のアルカリ金属塩などのビニル単
量体の乳化重合に通常用いられる乳化剤であれば、特に
制限なく使用できる。
また、この乳化重合を行なう際に使用しうる重合開始剤
は有機ハイドロパーオキサイド一鉄塩などの酸化一還元
(レドツクス)系、更に過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩を用いることができる。また必要が
あればメルカプタン類、テルペン類、ハロゲン化物等の
重合度調節剤を使用することもできる。
本発明においてはこの様にして最終的にラテツクス状で
樹脂が得られるが、重合体ラテックスから樹脂を得る方
法は公知の方法、例えば、鉱酸、電解質などでラテツク
スを凝固し、沢過、洗浄、脱水、乾燥を行つてパウダー
状重合体を得る方法などで行なうことができる。
かくして得られるパウダー状重合体に所望に応じて相溶
性のある他の硬質熱可塑性樹脂を加え、バンバリーミキ
サ一、ロール、エクストルーダ一などによつて混練する
際、必要があれば常用の安定剤、可塑剤等の加工助剤や
顔料を加えてもよい。上記本発明方法によつて得られる
樹脂は、大粒径と凝集された小粒径の基体ゴム粒子が樹
脂マトリックス中に均一に分散しているので、耐衝撃性
および耐応力劣化性が優れ、かつ光沢を損うことなく外
観のすぐれた成形品を与えることができる。
本発明方法によつて得られる樹脂は特にシート成形品に
おいて、効果が大であり、例えば、冷蔵用箱体とした場
合に亀裂が生じにくく、耐衝撃性に優れるため、その工
業的利用価値は極めて大きい〜 以下、本発明の方法を実施例により詳細に説明する。
参考例 1 (小粒径ゴム質重合体ラテツクス(PBSL一1)の製
造)撹拌器付ステンレス製オートクレーブに を真空下に仕込み、温度60℃で反応させた。
重合系内の圧力降下が認められなくなるまで重合反応を
行なわせ、未反応モノマをスチームストリツピングで除
去し、重合収率97.3%、ラテックズ中の固形分39
%であつた。得られたゴムラテツクスの特性は次の通り
であつた。上記のラテックスをPBBL−1とする。
参考例 2 (小粒子径ゴム質重合体ラテックス(PBSL2)の製
造)参考例1と同じオートクレーブを用いて、同例にお
けると同様の手法で重合した。
単量体の組成、重合開始剤、助剤等は参考例1に準じ、
乳化剤量のみ変更した。得られたゴムラテツクスの特性
は次の通りであつた。上記のラテツクスをPBSL−2
とする。
実施例 1 撹拌装置、加熱装置、凝集器、窒素ガス吸込口、単量体
と重合開始剤およびゴム質重合体ラテックスの連続仕込
装置を有する151のステンレス製オートクレーブに、
表1に示した割合で原料、助剤を仕込み第1段階の乳化
グラフト重合を行なつた。
表1におけるゴム質重合体ラテツクスFRS2OO4番
は東レ(株)製のものであつて、ポリブタジエンラテツ
クスであり、ゲル含率:90%、ゲル膨潤度:34、平
均粒径:0.36μである。
第1段階では、先ず表1におけるA−1成分をオートク
レーブに什込み、攪拌しながら内温を65℃に昇温し、
65℃になつたときにB−1およびC成分を]50分間
かけて連続的に仕込んだ。第1段階の転化率がそれぞれ
表1の範囲に到達した時点で、表1におけるA−2成分
をオートクレーブに一括に仕込み、続いて、B−2成分
およびD成分をそれぞれ60、135分間かけて連続的
に什込んだ。更に、30分間反応を継続した。重合反応
終了後の軟化率は使用した全単量体に対して98%であ
つた。次いで重合反応終了後のラテックスを、市販のガ
ーゼ(大崎衛生材料(株)製のタイプ−1ガーゼ)によ
つて沢過し、ガーゼを通過しなかつた凝固物およびオー
トクレーブ内の付着物を乾燥し、ラテツクス中の全固形
分(乾燥後)に対する割合を%で表わした値は0.4%
と極めて少なかつた。
なお、以下の例におけるラテツクス中の凝固物の測定は
全てこの例の方法に準拠した。このようにして得られた
樹脂をAS樹脂(東レ(株)製:スチレンーアクリロニ
トリル共重合体)にブレンドして全組成物中のゴム質重
合体の含有率を12重量%とし、この組成物を用いて射
出成形法によつて試験片を作製し、ASTM法に従い諸
物性を評価した結果を表2に示す。
なお耐応力劣化特性は押出成形によつて得た2〜シート
より試験片(長さ50〜タンペルを作成し、この試1験
片に長時間荷重を加えた後、引張試験を行い、脆性破壊
を示す本数を調べることにより評価した。
光沢は上記で作成したシートの真空成形品を村上式クロ
スメーターで測定することにより評価した。実施例 2 実施例1で使用したと同じオートクレープを用い、同例
におけると同様の手法で、表1に示した原料、重合助剤
を加えて第1段階および第2段階のグラフト重合を行つ
た。
重合終了後の転化率および生成重合体ラテックス中の凝
固物は表1に示したごとくであつた。得られた樹脂組成
物と前記AS樹脂をブレンドして、全組成物中のゴム質
重合体の含有率を12重量%にした。諸物性の評価結果
を表2に示す。実施例 3〜7 実施例1で使したと同じオートクレープを用い、同例に
おけると同様の手法で、表1に示した原料、重合助剤を
加えて第1段階のグラフト重合を行つた。
続いて第2段階に移る時、A−2成分の小粒径ゴム質重
合体ラテツクスは30分間かけて連続的に加えた。B−
2成分およびD成分はA−2成分を添加開始と同時にそ
れぞれ60、135分間かけて連続的にオートクレーブ
に仕込み、更に、30分間重合を継続した後、グラフト
重合を終了した。重合終了後の転化率および生成重合体
ラテックス中の凝固物は表1に示したごとくであつた。
諸物性の評価は実施例1に準じ、結果を表2に示す。比
較例 1 実施例1において使用したのと同一オートクレーブを用
いて、表1に示したA−1成分の原料、重合助剤をオー
トクレーブに仕込み、攪拌しながら内温を65℃に昇温
し、65℃になつた時点で、B−1成分およびC成分の
混合液を併行してそれぞれ210、285分間かけて連
続的にオートクレーブに仕込み、更に30分間重合を継
続した後、グラフト重合を終らせた。
重合終了後の転化率は98%、生成重合体を含むラテツ
クス中の凝固物は0.1%であつた。
諸物性の評価は実施例1に準じ、結果を表2に示す。比
較例 2 実施例1において使用したのと同一オートクレーブを用
い、表1に示したA−1成分の原料、重合助剤をオート
クレーブに仕込み、撹拌しながら内温を65℃に昇温し
、65℃になつた時点で、B−1成分およびC成分の混
合液を併行して80分間かけて連続的にオートクレーブ
に仕込んだ。
次いでA−2成分の小粒径ゴム質重合体ラテツクスを3
0分間かけて連続的にオートクレーブに加えた。B−2
成分およびD成分はA−2成分を添加開始と同時にそれ
ぞれ130、200分間かけて連続的に仕込み、更に3
0分反応を継続した後、グラフト重合を終わせた。重合
終了後の転化率は98%、生成重合体を含むラテツクス
中の凝固物は0.4%であつた。
諸物性の評価は実施例1に準じ、結果を表2に示す。比
較例 3 第2段階のA−2成分の小粒径ゴム質重合体ラテックス
を、小粒径ゴム質重合体であるPBSL2に変更した以
外は表2に示したごとく、比較例2の場合と同様の手法
で原料、重合助剤を仕込み、同例の場合と同様の操作で
グラフト重合を行つた。
重合終了後の転化率は98%、生成重合体を含むラテツ
クス中の凝固物は0.4%であつた。諸物性の評価は実
施例1に準じ、結果を表2に示す。比較例 4 大粒径ゴム質重合体のみを、グラフト基体とする場合比
較例1におけるゴム質重合体を、大粒径ゴム質重合体で
あるFRS−2004:45部(固形分換算)とした以
外は、表1に示す比較例1と同様の手法でグラフト重合
を行なつた。
重合終了後の転化率ほ96%、生成した重合体を含むラ
テツクス中の凝固物は0.1%で極めて良好だつた。
得られた樹脂は実施例1に準じ、硬質樹脂とブレンドし
た。
諸物性の評価は耐衝撃性および耐応力劣化特性のみを測
定した。
結果を表3に示す。比較例 5 大粒径ゴム質重合体のみを、グラフト基体とする場合比
較例1におけるゴム質重合体を大粒径ゴム質重合体であ
るJSR−0561(日本合成ゴム(株)製、ゲル含率
:85、トルエンを溶媒としたゲル膨潤度:78、平均
粒径:0.7μ):45部(固形分換算)とした以外は
表1に示す比較例1同様の手法でグラフト重合を行つた
重合終了後の転化率は95%、生成した重合体を含むラ
テックス中の凝固物は0.1%であつた。
得られた樹脂を実施例1と同様にブレンドし、諸物性を
評価した。この結果を表3に示す。比較例 6第1段階
での転化率を65%以下とする場合仕込み割合を実施例
1における割合と同一にし、B−1成分とC成分を60
分間かけて連続的に仕込んだ以外は同例と同様に操作し
た。
第1段階終了後の転化率は51%であつた。続いて、第
2段階は実施例1と同様に操作してグラフト重合した。
転化率は96%で、生成した重合体を含むラテツクス中
の凝固物は0.6%であつた。得られた樹脂は実施例1
と同様にブレンドし、諸物性を評価した。
結果を表3に示す。比較例 7 大粒径ゴム質重合体と小粒径ゴム質重合体を第2段階で
同時に使用する場合第1段階の仕込み割合を実施例1に
おけるゴム質重合体を除外した割合と同一にし、実施例
1と同じ操作でスチレンとアクリロニトリルの共重合を
行つた。
第1段階終了後の転化率は76%であつた。続いて、第
2段階に移る際、実施例1の大粒径ゴム質重合体と小粒
径ゴム質重合体を加えて、同例におけると同じ操作でグ
ラフト重合を完結した。転化率は95%で、生成した重
合体を含むラテックス中の凝固物は0.3%であつた。
得られた樹脂を実施例Lと同様にブレンドし、諸物性を
評価した結果を表3に示す。
比較例 8 大粒径ゴム質重合体のみをグラフト基体とする場合実施
例1における第1段階のゴム質重合体を、大粒径ゴム質
重合体であるJSR−056130重量部(固形分換算
)とした以外は表1に示したごとく同例の場合と全く同
じ割合で原料、重合助剤を仕込み、同例の場合と同じ操
作でグラフト重合を行なつた。
第1段階終了後の転化率は81%であつた。続いて、第
2段階に移る時、同例の小粒径ゴム質重合体をFRS−
2004に変え、他は同例に従いグラフト重合を継続し
た。転化率は98%であつた。得られた生成重合体を含
むラテックス中の凝固物は0.8%とかなり多かつた。
得られた樹脂を実施例1に準じ、プレンドし諸物性を評
価した結果を表3に示す。
比較例 9 小粒径ゴム質重合体のみをグラフト基体とする場合実施
例2におけるゴム質重合体を小粒径ゴム質重合体である
PBSL−240部(固形分換算)とした以外は、表1
に示した同例の場合と全く同じ割合で仕込み、同例の場
合と同じ操作でグラフト重合を行なつた。
第1段階終了後の転化率は87%で、第2段階終了後の
転化率は99%であつた。
得られた生成重合体を含むラテックスの凝固物は0,1
%であつた。得られた樹脂を実施例1に準じてブレンド
し、諸物性を評価した結果を表3に示す。比較例 10 大粒径ゴム質重合体を40重量%、小粒径ゴム質重合体
60重量%使用する場合実施例1で使用したと同じオー
トクレーブを用い、これに大粒径ゴム質重合体としてF
RS2OO4l8重量部(固形分換算)を仕込み、他は
実施例1における第1段階の仕込割合と同一とし、同例
と同じ手順でグラフト重合を行つた。
第1段階終了後の転化率は84%であつた。続いて、第
2段階に移る時、小粒径ゴム質重合体として、JSR−
SLB/PBSL−2をそれぞれ5/22重量部(固形
分換算)を用い、以下は同例におけると同じ操作で重合
を継続した。転化率は97%、生成した重合体を含むラ
テックス中の凝固物は0.8%であつた。
得られた樹脂を実施例1と同様にプレンドし、諸物性を
評価した結果を表3に示す。
表 2 へ一≧−ニ・1・ ” −ーー一 X′:$;1← ゛ゾツト衝撃強さ*4k9・Cm/CTnl8.2−1
−7.ノツチ付メカ枯 K9/Cr!I4
6645Oメカ Kg/,D38O3
75]び % 13.519
6×103ポイズ 4.24. 卜*7 ミ応力 K9/Cd4474lll応力
K9/Cd37536Ol伸び
% 1725j数*8
本 018577実施例AS樹 15. 7. 4. 応力 応力 伸び 数*8 3455037 0211020 注) *4ASTMD256−56に準拠して測*5A
STMD638−61Tに準拠して*6 高化式フロテ
スター、温度:220℃、荷重:50k9*7標点間キ
ヨリ:20龍、チヤツク間キヨ速度:20m7!L/分
*8応力処理後の引張試験の本数:10に対π〒L〃! −比較例2− ヘ一?樹脂 屁較例3 AS樹脂 9.7 )8 ]6 9.0 6.4 ゛5 3.5 14.0 9.8 5.9 4.0 14.9 10.1 5.6 6.0 〕.5φ×1.01 )Mml ひずみ ″1:破壊数 表1〜3より次のことが明らかである。
(1)本発明によれば生成重合体ラテックス中の凝固物
は極めて少なく、工業的に有利である。
(2)本発明方法により得られる樹脂は耐衝撃性が極め
て高く、かつ、真空成形品の光沢が優れる。しかも本発
明方法により得られる樹脂の成形品は応力処理後の引張
破断伸びが極めて大であり、真空成形によつて起りうる
ひずみに充分耐えうることが明らかである。(実施例1
〜7)(3)大粒径ゴム質重合体と小粒径ゴム質重合体
の混合ラテックスの存在下において、グラフト重合させ
た場合、生成重合体ラテツクス中の凝固物は少ないが、
得られる樹脂は耐衝撃性が低く、かつ耐応力劣化特性も
悪い。
(比較例1)(4)第2段階で使用する単量体が全単量
体の55%以上でグラフト重合させた場合に得られる樹
脂は耐衝撃性が優れ、かつ光沢も優れるが、応力処理に
よつて、性能が著しく低下し、好ましくない。
(比較例2〜3)(5)大粒径ゴム質重合体のみをグラ
フト基体とした場合に得られる樹脂は耐衝撃性および製
品の光沢が優れるが、応力処理をうけると、性能が著し
く低下し、好ましくない。
(比較例4)またゲルの架橋が少ない大粒径ゴム質重合
体を用いた場合に得られる樹脂は耐衝撃性、耐応力劣化
性および引張強度が低下し、かつ成形品の光沢も良くな
いものとなる。(比較例5)(6)第1段階で使用する
単量体の転化率が60%以下である場合には、耐応力劣
化特性が極めて悪いものとなる。
(比較例6)(7)大粒径ゴム質重合体と小粒径ゴム質
重合体を第2段階でグラフト重合する場合に得られる樹
脂は耐衝撃性が低く、製品の光沢が悪いものとなる。
(比較例7)(8)小粒径ゴム質重合体のみをグラフト
基体とする場合に得られる樹脂の耐衝撃性は罹めて低く
、ゴムの添加効率が非常に劣る。
(比較例9)(9)第1段階で使用する大粒径ゴム質重
合体の量が全ゴム質重合体の50%以下である場合に得
られる樹脂は耐衝撃性が低下し、成形品の光沢も悪いも
のとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (A)ゴム質重合体ラテックス30〜70重量部(
    固形分換算)の存在下に、(B)ビニル系単量体の少な
    くとも1種70〜30重量部を乳化グラフト重合するに
    際し、(1)(A−1)重量平均粒径が0.25μ以上
    の大粒径ゴム質重合体ラテックスを全ゴム質重合体への
    50重量%を越え75重量%以下(固形分換算)相当量
    仕込み、これに(B−1)ビニル系単量体を全ビニル系
    単量体(B)の45〜95重量%相当量加えて、転化率
    が65重量%を越えるまで重合し、(2)次いでこの重
    合系に(A−2)重量平均粒径が0.2μ以下の小粒子
    径ゴム質重合体ラテックスを全ゴム質重合体(A)の2
    5重量%以上50重量%未満(固形分換算)相当量加え
    、さらに(B−2)ビニル系単量体を全ビニル系単量体
    (B)の55〜5重量%相当量加えて、乳化グラフト重
    合を完結させることを特徴とする耐衝撃性熱可塑性樹脂
    の製造方法。
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