JPS5926434B2 - 被加工物の保持金具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、加工機の加工位置とその外側位置との相互
間に被加工物を保持して移動させる被加工物の保持金具
に関するものである。

従来、この種の保持金具において、例えばプレス加工機
の被加工物をその供給位置からプレス加工位置へ移動さ
せるもの、およびそのプレス加工後の被加工物をプレス
加工位置から取出し位置まで移動させるものは、いずれ
も保持金具自体がプレス加工位置に移動したとき、その
プレス作業のじやまになる。

このため、プレス加工機のプレス作業時は、保持金具自
体をプレス加工位置の外側に退避させなければならない
。したがつて、前者のものの場合には、保持金具自体が
プレス加工位置の外側に退避する時間だけプレス機の作
動が遅延され、他方、後者のものの場合には、保持金具
自体が外側の待機位置からプレス加工位置に移動する時
間だけプレス機の作動が遅延される。この結果、プレス
機の稼働率の低下を招来するという問題があつた。この
発明は上記事情に鑑みてなされたもので、保持金具自体
が加工機の加工位置に移動したときにあつても、加工機
の加工作業をじやましないよう構成することにより、そ
の加工作業をスムーズなものとして、加工機の稼働率を
充分に向上させることができる被加工物の保持金具を提
供することを目的とする。

以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図はその第１実施例を示し、同図中１
は平面形状が略Ｕ字形の移動フレームである。

この移動フレーム１は、それ自体が図示しないプレス加
工機のプレス加工位置Ａに位置したとき、第１図に示す
ように、その基部分１ａおよび左右のアーム部分Ｉｂ、
Ｉｃがプレス加工機の金型Ｐの外側に位置するようにな
つている。また、この移動フレーム１の基部分１ａの図
中左側は図示しない移動機構に連結されており、この移
動機構によつて移動フレーム１が左右方向へ移動される
ようになつている。本実施例の場合、プレス加工位置Ａ
の右側が被加工物Ｗの供給側、またプレス加工位置Ａの
左側が被加工物の取出し側とされている。移動フレーム
１の左右のアーム部分１ｂ，１ｃには、それぞれ２つず
つ合計４つのフインガ一２がピン３を介して回動自在に
取付けられている。

各フインガ一２は、水平面内において回動自在とされて
いる。各フインガ一２の先端には、真空吸着カツプ４が
１つずつ下方向きに取付けられている。

各真空吸着カツプ４は、図示しないバキユームレータに
接続されていて、被加工物Ｗを適宜吸着および吸着解除
できるようになつている。また、移動フレーム１には、
各フインガ一２を同期的に回動させるための駆動機構５
が装備されている。

この駆動機構５は、エアシリンダ６によつて回動される
右側（第１図中下方側）のクランク７を第１のロツド８
を介して右側の一方のフインガ一２のレバー９に連結し
、そしてこのレバー９を第２のロツド１０を介して右側
の他方のフインガ一２のレバー１１に連結している。ま
た、移動フレーム１の左側（第１図中上方側）にも同様
のクランク７、第１のロツド８、レバー９、第２のロツ
ド１０、レバー１１が上記右側のものと対称的に配備さ
れている。各クランク７は同期して反対方向に回動する
ようエアシリンダ６に連結されている。また、右側の２
つのフインガ一２は同期して反対方向に回動するように
連結されていて、その一方のフインガ一２は、移動フレ
ーム１の内方側への回動位置Ｂを右回動限位置とし、か
つ移動フレーム１の外方側への回動位置Ｃを左回動限位
置としていると共に、他方のフインガ一２は、移動フレ
ーム１の内方側への回動位置Ｄを左回動限位置とし、か
つ移動フレーム１の外方側への回動位置Ｅを右回動限位
置としている。また、これとは対称的に左側の２つのフ
インガ一２の回動限位置が設定されている。結局、エア
ーシリンダ６のピストンロツドが退縮しているとき、第
１図中実線で示すように、各フインガ一２が移動フレー
ム１の内方側に回動し、他方エアーシリンダ６のピスト
ンロツドが伸張したとき、第１図中二点鎖線で示すよう
に、各フインガ一２ば移動フレーム１の外方側に位置す
るようになつている。

しかして、上記構成の保持金具によれば、その本体たる
移動フレーム１がプレス加工位置Ａに移動していたとし
ても、各フインガ一２が移動フレーム１側へ回動してさ
えいれば、何らプレス加工機のプレス作業を阻害しない
。

ゆえに、真空吸着カツプ４によつて吸着保持した被加工
物Ｗをその供給側から、プレス加工機の金型Ｐ上に移す
際、プレス加工位置Ａにある移動フレーム１を特別な退
避位置に移動させることなく、単に各フインガ一２を移
動フレーム１の外方側に回動させるだけで、即座にプレ
ス作業を行なうことができる。

他方、プレス加工後の被加工物Ｗを真空吸着カツプ４に
より吸着保持する際、すでに、移動フレーム１がプレス
加工位置Ａにて待機しているから、各フインガ一２を移
動フレーム１の内方側に回動させるだけで、即座に被加
工物Ｗを吸着保持してその取出し側に移すことができる
。第３図および第４図は、この発明の他の実施例を示す
。

この実施例によれば、前記実施例のものを図中左右対称
的に２組連結している。そして、図中右側の１組のもの
が、被加工物Ｗの供給側とプレス加工位置Ａとの間を移
動し、他方図中左側の１組のものがプレス加位置Ａ（！
ｌ−被加工物の取出し側との間を移動するようになつて
いる。したがつて、移動フレーム１は、等間隔に設定さ
れた被加工物Ｗの供給側と、プレス加工位置Ａと、被加
工物Ｗの取出し側との間において、その供給側と取出し
側との間の半分の距離だけ移動すればよい。ゆえに、移
動フレーム１の移動時間が短縮される。以上説明したよ
うに、この発明に係る被加工物の保持金具によれば、そ
れ自体が被加工物の加工位置にあるときでも、加機の加
工作業のじやまにならないので、保持金具の待機位置を
被加工物の加工位置にて設定することができ、この結果
、加工機の作動を何ら遅延させることなく、その機能を
充分に発揮させて、稼働率の向土を図ることができる等
の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の要部を示す平面図、第２
図はその矢視図、第３図はこの発明の他の実施例の要部
を示す平面図、第４図はその矢視図である。 １・・・・・・移動フレーム、２・・・・・゜フインガ
一、４゛゜゜・・・真空吸着カツプ（吸着体）、５・・
・・・・駆動機構、Ａ・・・・・加工位置、Ｗ・・・被
加工物。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加工機の加工位置とその外側位置との相互間に被加
   工物を保持して移動させる被加工物の保持金具において
   、前記加工機の加工位置を水平面内ではさむような枠形
   状で該加工位置とその外側位置との相互間を往復動する
   移動フレームと、該移動フレームに設けられその内方へ
   向かつて往復動自在のフィンガーと、該フィンガーを往
   復駆動する駆動機構と、前記フィンガーの先端に設けら
   れ前記被加工物を吸着および吸着解除可能な吸着体とを
   具備してなり、前記加工機が加工作業を行なう際、前記
   フィンガーが前記移動フレームの内方から離間する方向
   に移動して前記加工機の加工作業のじやまにならないよ
   うにしたことを特徴とする被加工物の保持金具。 ２ 前記移動フレームが、前記加工機への被加工物の供
   給位置と、該加工機の加工位置と、該加工機からの被加
   工物の取出し位置との３位置間往復動するようにしたこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の被加工物の
   保持金具。