JPS5924422Y2 - バニツシングリ−マ

Info

【考案の詳細な説明】本考案は、バニッシングリーマに係り、特にその仕上げ
面あらさ精度等が向上し得るように切刃構成を改良した
ものである。

従来、例えば、アルミの穴仕上げとしてバニッシングリ
ーマが利用されるが、必ずしも仕上げ面あらさ、精度等
の点で満足すべき結果が得られていない。

したがって、切刃構成の点から改良を加え、仕上げ面あ
らさ、精度の向上等が得られるようにしたバニッシング
リーマの開発が要望されている。

本考案は、−ヒ述の点に鑑みなされたもので、外周切刃
稜、逃げ面および九ランドをそれぞれ合理的に組合せる
ことにより、そのバニッシング効果を高め、仕上げ面あ
らさの向上等に寄与するようにしたものである。

以下、本考案バニッシングリーマの一実施例について、
図を参照しながら説明する。

第１図および第２図において、１は、−棒状をなす本体
であり、その一端には、例えばテーバ状の柄部２が備え
られ、他端には、刃先部分３が備えられる。

この刃先部分３は大きさにより異なるが、本体１と別体
として超硬合金で構成することが望ましく、その軸方向
には、２つのフルート４が設けられ、逃げ面５の付与に
伴ない外周切刃稜６が形成される。

この逃げ面５は、逃げ角θにより与えられるが、前記フ
ルート４による残存部分と交叉する。

そして、この残存部分が、丸ランド７を形成し、また、
この丸ランド７と前記逃げ面５との稜線がバニッシング
稜８を形成する。

したがって、前記外周切刃稜６は、バニッシング稜８よ
りも小径の位置にあり、その半径方向の差が、バニッシ
ング量となるものである。

この場合、本実施例では、２枚刃の構成として、前記逃
げ角θが５°に採られ、１２ｍｍψの穴径に対してバ
ニツシング量が約０．００５ｍｍ、バックテーパが０
０２％ｏｏになるようにしたもので゛ある。

しかしながら、刃数については、２枚刃に限らす１枚刃
であってもさしつかえないものである。

また逃け゛角θについても５°に限らず、これを大きく
とることができるが、この場合には、前記丸ランド７の
巾が減少するためこれを考慮しなければならない。

また、前記刃先部分３は、超硬合金により別体としたた
め、本体１に端面接合される必要があるが、これは、■
字の突合せを伴なったろう付けにより行なったものであ
る。

すなわち、■字状の突起部９は、刃先部分３側に形成さ
れ、四部１０は、本体１側に形成されるようにしたもの
である。

さらに、刃先部分３の他端面には、逃げ面１１が与えら
れることにより正面切刃稜１２が形成される。

これは、穴加工の際、喰い付きとして必要なものである
。

このようにして構成された本考案のバニッシングリーマ
は、穴径１２ｍｍψのアルミ切削に適用した場合、切
削速度Ｖ＝＝５０ｍ／ｍｉｎ、切込み（片側）ａ
ｌｍｍ、送りｆ＝０．３ｍｍ／ｒｅｖの切削条件を採
用した。

この結果、仕上げ面あらさとして４Ｓを安定して確保す
ることができ、初期の目的を充分達成することができた
。

これは、前記九ランド７が全周の約半分に近いことから
バニッシング効果が高いためである。

なお、この場合、多少の芯ずれがあっても、刃先は被削
穴の中心方向に向かい精度維持も可能であった。

これは、切削よりもバニッシングが主となるためである
。

本考案は、以上説明したように、外周切刃稜、逃げ面お
よび九ランドをそれぞれ合理的に組合せたバニッシング
リーマが提供されたことに伴ない平径の取代に関係なく
削っていくことができ、そのバニッシング効果が極めて
高いことから、仕上面あらさ、精度等の向上が期待でき
るという利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案バニッシングリーマの一実施例を示す
正面図、第２図は拡大した底面図である。１・・・・・・本体、６・・・・・・外周切刃稜、７・
・・・・・ランド、８・・・・・・バニッシング稜。

【実用新案登録請求の範囲】