JPS5923873Y2 - デイスクブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はディスクブレーキに関し、さらに詳しくはパッ
ドスプリングを利用して摩擦パッドの脱落を防止すると
共に、分解時にはパッドスプリングそのものの脱落をも
防止するように構成したディスクブレーキに関する。

従来ディスクの両側に配置された摩擦パッドとキャリパ
との間の振動を防止するために、両者の間にパッドスプ
リングを介装したディスクブレーキがあるが、該パッド
スプリングはキャリパの内壁と摩擦パッドとの間に介装
されるのみであるので、テ゛イスクブレーキの組立や分
解時にパッドスプリングが介装部から脱落してしまう欠
点があった。

本考案は前記問題点に鑑み案出されたものであり、キャ
リパの両脚部を連結する連結部分にパッドスプリングを
支持させて、テ゛イスクブレーキ組立や分解時にパッド
スプリングが外れてしまうことを防止するように構成し
たものである。

以下具体例を図面に基づいて説明する。

図面において、１は例えばプレスによって成形された概
ね平板状を呈した取付ブラケットであって、該取付ブラ
ケット１はディスク２の片側に位置して車輛（例えば、
自動二輪車等）の非回転部材に取り付けられる。

前記取付ブラケット１にはディスク２の周回り方向つま
り第１図の紙面に垂直の方向に間隔をおいて配置された
一対のピン３．４が圧入、溶接等の適宜の手段によって
固着され、該ピン３，４の各々はその一端３ａ、４ａが
ディスク２を跨ぐようにディスク２の軸方向（第１図左
方向）に延びており、その他端３ｂ。

４ｂは一端３ ａ、 ４ ａとは反対方向に延びている
。

前記取付ブラケット１とピン３，４とでホルダＨが構成
されている。

前記ピン３，４の他端３ｂ、４ｂにはキャリパ５が摺動
可能に支持され、該キャリパ５の一方の脚部５ａにはテ
゛イスク２側に向けて開口したシリンダ６が設けられ、
該シリンダ６内には第１の摩擦パッド７をテ゛イスク２
に対して押圧するピストン８が液密に摺動可能に嵌合さ
れている。

前記キャリパ５はテ゛イスク２を跨いで、第１の摩擦パ
ッド７と対をなす第２の摩擦パッド９を押圧すべくその
背面側まで延在する他方の脚部５ｂを有している。

５Ｃはテ゛イスク２の外周をまたぐ位置において両脚部
５ａ、５ｂを連結している連結部である。

図中１０はピンブーツ、１１はピストン８とシリンダ６
との間に水等が侵入するのを防止するブーツ、１２はブ
レーキ解放時にピストン８を復帰させると共にピストン
８とシリンダ６との間における液密を保持するシール部
材である。

前記取付ブラケット１には、第３図に示すように、前記
第１の摩擦パッド７を収容すべき空所１３が設けられて
おり、該空所１３の上部には肩部１４が形成され、空所
１３内に収容された第１の摩擦パッド７が肩部１４によ
りテ゛イスク２に対して進退可能に取付ブラケット１に
支持されている。

一方、第２の摩擦パッド９には、第４図に示すように、
一対のピン３，４を挿通すべき孔１５．１６が設けられ
ており、ピン３，４を孔１５．１６内に挿通した状態で
第２の摩擦パッド９は一対のピン３，４の一端３ａ、４
ａ側にディスク２に対して進退可能に支持されている。

１７は摩擦パッド７．９の振動を防止するパッドスプリ
ングである。

このパッドスプリング１７は、第２図ないし第４図に示
すように、平坦なバネ鋼を中央部１７ ａで上が凸にな
るように湾曲させ、さらに両端部１７ｂ。

１７ Ｃも中央部１７ ａと同じ方向に折曲されている
。

中央部１７ ａと両端部１７ｂ、１７Ｃとの間に、下に
凸となった突起部１７ｄを、本例では２条設けてあり、
両端部１７ｂ、１７Ｃの端に、互いに中央部１７ ａ方
向に凸となった突起部１７ｅ、１７ｅを設けである。

すなわち細長い板状パッドスプリング１７は、円弧状の
中央部１７ ａと、この中央部１７ ａの両側に位置し
ておりこの中央部１７ ａとは逆方向に曲折した一対の
突出部１７ｆ、１７ｆと、この一対の突出部１７ｆ、１
７ｆの外側に位置しており相互に接近する側に突出した
一対の突起部１７ｅ、１７ｅとを有しており、突出部１
７ｆ、１７ｆの突出側には更に突起部１７ｄ、１７ｄが
形成されている。

突起部１７ｅ、１７ｅは、キャリパ５の両脚部５ａ、５
ｂを連結するディスク２の円周方向における連結部分５
Ｃの両側部５ｄ、５ｄに設けた凹所１８．１８内に嵌め
られ、この凹所１８と自らのバネ作用とにより、連結部
分５Ｃに支持されている。

パッドスジ１ングの中央部１７ａはその凸面で連結部分
５Ｃの下側すなわち連結部分５Ｃのパッド側部７ａ。

９ａに対向する面に当接しており、突出部１７ｆ。

１７ ｆは突起部１７ｄ、１７ｄで摩擦パッド７．９の
上側７ａ、９ａに当接し、両摩擦パッド７．９を押圧し
ている。

本例の場合、中央部１７ ａが連結部分５Ｃの下側に当
接し、同時に突起部１７ｅ、１７ｅが凹所１８，１８の
上壁に当接し、他方、突起部１７ｄ。

１７ｄが両摩擦パッド７．９に当接してバネ力を両摩擦
パッドに付与するように形成しであるが、中央部１７
ａが対応箇所に当接するのみでも、摩擦パッド７．９ヘ
バネカを付与するには十分である。

本例のように、突起部１７ｄ、１７ｄによって両摩擦パ
ッド７．９の上端に当接するように形成すると、両摩擦
パッドに対する摺動抵抗は少なく、しかも脱落を防止で
きる程度の抵抗を付与するには好ましい。

以上の構成によるディスクブレーキの作用について説明
する。

シリンダ６内に圧油を送り込むと、ピストン８は第２図
において左方に移動して第１の摩擦パッド７をディスク
２の一側に押圧する。

一方、キャリパ５はピン３，４に案内されて反力により
第２図において右方に移動して脚部５ｂにより、ピン３
，４に案内された第２の摩擦パッド９がテ゛イスク２の
他側に押圧される。

摩擦パッド７．９がディスク２の両側に押圧されると、
テ゛イスク２は制動される。

次に、摩擦パッド７．９を交換する場合について述べる
。

キャリパ５の第１図中左方への移動可能な変位量１１は
、摩擦パッド９のピン３，４の一端３ａ、４ａから外れ
るまでの変位量１２よりも大となされている。

またピストン８とシリンダ６との間の変位量も前記変位
量１゜よりも大となされている。

したがって、ホルダＨが車輌に取り付けられている状態
においても、キャリパ５は変位量１２よりも大きく第１
図左方へ移動でき（第１図想像線参照）、この状態にお
いて、摩擦パッド９をピン３，４より外すことができる
。

その後キャリパ５を第２図右方へ移動させ、ピストン８
と取付ブラケット１との間より摩擦パッド７を取り外す
。

このように、当該テ゛イスクブレーキの分解を行っても
、ノ々ツドスプリング１７は、その両端部１７ｂ、１７
Ｃがキャ１パ５の連結部に延び、これに支持されている
ので、キャリパ５からパッドスプリング１８が離脱する
ことがなくなり、作業性が向上するとともに部品管理の
点でもすぐれたものとなる。

以上、本考案の一実施例について詳細に説明したが、本
考案が適用されるテ゛イスクブレーキの型式は上述した
ものに限定されるものではなく、例えば、摩擦パッド７
を摩擦パッド９と同様ピン３゜４に対して摺動可能に支
持させるようにした型式や、特開昭４７−３１０５７号
公報に開示されているように、ホルダが全体的に鋳造等
によって製作されてディスクを跨ぐように概略コ字状に
形成され、キャリパにピンが取り付けられてホルダの案
内孔に摺動自在に嵌合するような型式のディスクブレー
キ等、本考案の精神を逸脱しない範囲で種々の型式のテ
゛イスクブレーキに適用できるものである。

本考案は、以上詳細に説明したように、ディスクブレー
キの組立や分解時などに、摩擦パッドをキャリパから外
しても、パッドスプリングはキャッパに支持された状態
にあるので、摩擦パッドの装着に当たって煩雑さがなく
、パッドスプリングそのものはプレスで成形できるので
、安価に製造できる。

以上のとおり、本考案テ゛イスクブレーキでは、パッド
スプリングが、円弧状の中央部と、この中央部の両側に
位置しておりこの中央部とは逆方向に曲折した一対の突
出部と、この一対の突出部の外側に位置しており相互に
接近する側に突出した一対の突起部とを有しており、デ
ィスクの円周方向における連結部の両側部の凹所に一対
の突起部で係止されるように構成されているために、パ
ッドスプリングのキャリパへの装着はパッドスプリング
の一対の突起部でキャリパを両側外方からはさむことに
よりなされる。

従って円弧状中央部を若干平坦化し、パッドスプリング
の一対の突起部の間隔を広げることにより、パッドスプ
リングをキャリパに容易に装着し得る。

この円弧状中央部はキャリパの連結部の巾に応じて比較
的長く形成され得るために、円弧状中央部のバネ力を比
較的強くすることにより、パッドスプリングを大きな力
でキャリパに取り付けるようにすることも容易である。

また、本考案ディスクブレーキでは、パッドスプリング
が、円弧状中央部の凸面で連結部のパッド側部に対向す
る面に当接し、且つ一対の突出部の突出面でパッドの側
部に当接しており、更に一対の突起部でディスクの円周
方向における連結部の両側部の凹所に係止されているた
めに、キャリパの連結部がパッドの側部に対してディス
クの半径方向に若干近接（又は離間）した場合、一方で
はパッドスプリングの中央部の弾性により中央部の曲率
が減少（又は増大）し一対の突出部間のディスクの円周
方向における間隔が増大（又は減少）するが、他方では
各突起部が隣接突出部のまわりで閉じる（又は開く）よ
うに揺動変形されるために、全体としてみた場合、一対
の突起部間のテ゛イスクの円周方向における間隔を大き
くするような力も小さくするような力もあまり働かず、
テ゛イスクブレーキの使用中にパッドスプリングのキャ
リパへの取付力が低下する虞れが少なく、パッドの交換
時等においてキャリパを着脱する際パッドスプリングが
キャリパから離脱する虞れがない。

更に、本考案テ゛イスクブレーキでは、パッドスプリン
グが中央部の両側に位置する一対の突出部でパッドの側
部を押圧するように構成されているために、一対の突出
部によりテ゛イスクの円周方向に比較的離間した三箇所
でパッド側部がパッドスプリングにより押えられ得、パ
ッド面内でのパッドのガタッキ乃至揺動が可及的に回避
され得、パッドが安定に支持され得る。

加えて、本考案テ゛イスクブレーキでは、パッドスプリ
ングが、円弧状中央部の凸面でキャリパに当接し、中央
部の両側に位置しており中央部とは逆側に曲折した突出
部でパッドの側部に当接するように構成されているため
に、一方のパッドをテ゛イスクに押圧するピストン乃至
該ピストンのブーツ等がパッドスプリングに接触する虞
れなくキャリパの連結部とパッドとの間隔を比較的小さ
くし得、ディスクブレーキの小型化、軽量化を図り得る
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ディスクブレーキの正面図、第２図は同
縦断面図、第３図は第１図のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面拡大
図、第４図は第１図のＩＶ である。 ２・・・・・・テ゛イスク、５・・・・・・キャＩＶ線
断面拡大図 ツノ々 ５ａ。 ｂ ・・・・・・脚部、５Ｃ・・・・・・連結部分、７，９
・・・・・・摩擦パッド、８・・・・・・ピストン、１
７・・・・・・パッドスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テ゛イスクの両側に配置される一対の摩擦パッドと、 一方の摩擦パッドをディスクに押圧するピストンを有す
   るーの脚部、他方の摩擦パッドをテ゛イスクに押圧する
   他の脚部、及びテ゛イスクの外周をまたぐ位置において
   両脚部を連結している連結部を備えたキャリパと、 該キャリパをディスクの軸方向に変位可能に支持するホ
   ルダと、 前記キャリパの連結部と前記摩擦パッドの側部との間に
   配置された板状のパッドスプリングとからなり、 前記キャリパの連結部は、ディスクの円周方向における
   両側部に凹所を有しており、前記パッドスプリングは、
   円弧状の中央部と、この中央部の両側に位置しておりこ
   の中央部とは逆方向に曲折した一対の突出部と、この一
   対の突出部の外側に位置しており相互に接近する側に突
   出した一対の突起部とを有しており、円弧状中央部の凸
   面で連結部のパッド側部に対向する面に当接し、且つ一
   対の突出部の突出面でパッドの側部に当接しており、更
   に一対の突起部で連結部の凹所に係止されてなるテ゛イ
   スクブレーキ。