JPS5922046Y2 - 容器口部密封用インナ−シ−ル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は容器口部密封用インナーシールに関する。

一般にコーヒー等のビン容器の口部には内容物を湿気等
から保護するためにインナーシールがとつつけられてい
る。

このインナーシールはボードとアルミ箔等の金属箔を主
材とする薄葉のメンブレンとの積層物であり、キャップ
をはずしたときボードとメンブレンが分離してボードは
キャップの内側に残り、一方メンブレンはびん口部に残
ってびん内部への湿気の侵入を防止する役目を果す。

そしてキャップが再びびん口部に冠着されるとボードは
メンブレンに重層され、キャップと共に両者でもってび
ん内部への湿気の侵入を防止する役目を果す。

このインナーシールのボードとメンブレン間の接着は一
般にはマイクロ・クリスタリン・ワックス又は合成ゴム
等を主成分とする粘着性物質に依っているが、これ等は
温度、及び湿度に依る剥離強度の変化が大であり、イン
ナーシールをキャップに装填する工程でボードとメンブ
レンとが分離してしまい装填不可能となったり、又これ
とは逆にボードとメンブレン間の剥離強度が大き過ぎて
、キャップをびん本体から取外した時にメンブレンがボ
ードと一体となったまま容器口部に残ってしまう欠点が
あった。

又、通常メンブレンの表面には印刷が施されているが、
この印刷面がマイクロ・クリスタリン・ワックス又は合
成ゴム等の粘着性物質に依って汚されるという欠点もあ
った。

更にメンブレンの金属箔面に温度及び湿度に安定な油脂
分及び界面活性剤を主成分とした剥離層を設け、このメ
ンブレンとボールとを層間にポリエチレンを押出し貼合
せてなるインナーシールが考案された。

しかしこのインナーシールは上記剥離層とポリエチレン
押出し層間の接着力が弱いことと剛性の高いボードとメ
ンブレンとを押出し貼合せすることは困難であり貼合せ
の過程で層間のうきが生じやすいことの２つの要因から
メンブレンとボード間の接着が不充分でキャップに装填
する工程ですでに両者は分離してしまいやすく装填不可
能となる欠点があった。

本考案は、かくの如き欠点を解消した容器口部密封用イ
ンナーシールである。

即ち、本考案はアルミ箔等の金属箔の下面にポリエチレ
ンの押出しコート層を介してグラシンが貼り合わせられ
、該金属箔の上面には印刷絵柄層が設けられ、該印刷絵
柄層の上からポリエチレンに対する親和性の弱いニトロ
セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂
、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、又はボッ塩化ビニル系樹脂などの樹脂単体あるいは
それらの混合物よりなる透明離型樹脂層が重層され、該
透明離型樹脂層の上面にはポリエチレンの押出しコート
層が設けられ、該ポリエチレン層上に接着剤を介してボ
ール紙が貼合されてなり、ボール紙と、接着剤層、及び
ポリエチレン層よりなるボードと、透明離型樹脂層、印
刷絵柄層、金属箔層、ポリエチレン層、及びグラシンよ
りなるメンブレンに分離しつる容器口部密封用インナー
シールである。

以下、本考案につき図面を参照しながら詳細に説明する
。

第１図は本考案に係るインナーシール１１を示し、アル
ミ箔等の金属箔１の下面にポリエチレンの押出しコート
層２を介してグラシン３が貼り合わせられ、該金属箔１
の上面にはアンカーコート層４（尚、アンカーコート層
は必ずしも必要ではない）を介して印刷絵柄層５が設け
られ、該印刷絵柄層５の上からポリエチレンに対する親
和性の弱いニトロセルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂
、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、又はポリ塩化ビニル系樹脂などの
樹脂単体あるいはそれらの混合物よりなる透明離型樹脂
層６が設けられ、更に透明離型樹脂層６上にポリエチレ
ン７が押出し塗工されてなる積層フィルム８と孔栓ボー
ル等のボール紙９とがワックス、ホットメルト、エマル
ジョン接着剤、溶剤型接着剤等の接着剤１０によって貼
合されている。

上記のインナーシールは第２図示の如く透明離型樹脂層
６とポリエチレン層７間で剥離しうるように構成されて
おり、アンカーコート層４を介して印刷絵柄層５が設け
られた金属箔１、ポリエチレン層２、グラシン３、及び
透明離型樹脂層６よりなる積層物はメンブレン１２ ｂ
を構成し、一方、ボール紙９、接着剤層１０、及びポリ
エチレン層７はボード１２ ａを構成する。

而して、本考案のインナーシールにおいて、金属箔１は
メンブレンに防湿性を付与する作用をするものである。

次にグラシン３は金属箔のみでは耐引裂強度、耐突きさ
し強度等の物理強度が劣るのでそれらの物理強度をメン
ブレンに付与するのに必要なものである。

それと共にグラシン３はメンブレンを壜の口に水溶性接
着剤によって接着する際において水溶性接着剤の乗りが
良好であり、且つ接着後の接着剤層中の水分の蒸発が可
能なる層を構成するものである。

次に金属箔１とグラシン３間のポリエチレンの押出しコ
ート層２は金属箔１とグラシン３を接着する為に必要な
ものである。

次に透明離型樹脂層６はメンブレンにボードから剥離可
能な面を付与するもので、透明離型樹脂層６としては、
ポリエチレンに対する親和性の弱いニトロセルロース系
樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂
、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、又はポリ
塩化ビニル系樹脂などの樹脂単体あるいはそれらの混合
物よりなる透明離型樹脂層を適用し得る。

次にボール紙９はボードに増目部を密閉するのに充分な
りッション性とキャップ内部にボードが支持されるのに
必要な剛性を付与する作用をするものである。

次にポリエチレン層７はボードに防湿性を付与する作用
をするものである。

次に接着剤層１０はボール紙９とポリエチレン７を接着
する為に必要なものである。

次いで本考案に係るインナーシールの製造方法につき説
明する。

グラシンのロールよりグラシンのウェブ゛を巻出すと共
に片面にアンカーコート剤を塗布した金属箔のロールよ
り金属箔のウェブを巻出して金属箔のアンカーコート剤
が施塗されていない面にグラシンを密接させると同時に
層間にポリエチレンを押出し両者を貼合わせてグラシン
３、ポリエチレン２、及びアンカーコート剤４が施塗さ
れた金属箔１よりなる積層体を作製する。

そして該アンカーコート層４上にグラビア印刷等によっ
て印刷絵柄層５を設け、次いでインラインで該印刷絵柄
層５の上から透明離型樹脂層６を設ける。

そして透明離型樹脂層６上にポリエチレンを押出し塗工
してポリエチレン層７を設けて積層フィルム８を形威し
、これを巻取って積層フィルム８のロールを作成する。

尚、透明離型樹脂層６を印刷塗工する代りに透明離研樹
脂とポリエチレンとを共押出してポリエチレン層７の形
成と同時に形成するようにしても良い。

次いで第３図示の如く、積層フィルム８のロール１３よ
り、該積層フィルムのウェブ１４を巻出してロールコー
タ−１５へ送り込み、ロールコータ−１５によってウェ
ブ１４のポリエチレン層側にワックス、ホットメルト、
エマルジョン接着剤、溶剤型接着剤等の接着剤を塗布し
、一方、孔栓ボールロール１６より孔栓ボールのウェブ
１７を巻出して前記積層フィルムのウェブ１４の接着剤
施塗面に当接し圧着ローラー１８によって圧着して層間
接着した後かくして貼合わせたちの１９を水平に走行さ
せなから断才機２０によってシート２１に断才すること
により本考案に係るインナーシール用シートか得られる
。

次いでこのシートをキャップの内径に相応する径の円形
に打ち抜くことにより最終製品である本考案に係るイン
ナーシールが得られる。

以上の如く、本考案に係るインナーシールはフレキシブ
ルな積層フィルムとボールとが水平面において貼合され
、貼合後彎曲せしめられることなく断才仕上げされてな
るシートをキャップ内径に相応する径の円形に打ち抜い
てなるものであるので製造の過程で層間の浮きが生ずる
ことは全くない。

次に本考案の実施例をあげて更に具体的に説明する。

実施例 上面に塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系アンカーコート
を施した厚さ１０μのアルミ箔と米坪３０ｇ／ｍ２のグ
ラシンとをアンカーコート層を姓側にして重ね合せると
同時に層間にポリエチレンを１５μの厚さに押出し貼合
せ、次いでアンカーコート施塗面にゴム系グラビアイン
キを用いてグラビア印刷法により所要の絵柄を印刷し、
次いで下記組成の透明離型樹脂層を全面に印刷塗工した
。

次いで透明離型樹脂層上にポリエチレンを２０μの厚さ
に押出し塗工して積層フィルムを得、次いでこの積層フ
ィルムに米坪６３０ｇ／ｍ２の孔栓ボールを塗布量１５
ｇ／ｍ２のワックスによって接着し、本考案に係るイ
ンナーシール用のシートを得た。

このシートにつき温湿度によるボードとメンブレン間の
剥離強度の変化につき調べた結果、剥離強度はほとんど
変化しないことが分った。

又、このシートから作製したインナーシールのサンプル
を２０個作作成、これらサンプルにっきりパックテスト
を下記要領で行なった結果、２０個とも確実にボードは
キャップに残り、一方メンブレンはビン口部に残り、良
好なりパック性が認められた。

離型樹脂組成 ポリアミド系樹脂 １５部 ニトロセルロース系樹脂 １４部 溶 剤 ７１部ツバツクテス
ト要領 グラシン層とガラスビン口部とをポバール水溶液で接着
させ、そののちにキャップをあけ、孔栓ボールとワック
ス層とポリエチレン層よりなるボードがキャップに残り
、離型樹脂層、アルミ箔層、ポリエチレン層、及び゛グ
ラシンよりなるメンブレンがビン口部に残るかどうかに
よりリパツク性が判定した。

以上、詳記した如く、本考案に係るインナーシールはキ
ャップに装填する工程で、ボードとメンブレンに分離し
てしまい装填不可能となったり、又はこれとは逆にボー
ルとメンブレン間の剥離強度が大き過ぎて、キャップを
容器から取外した時に両者一体となったまま容器口部に
残ることはない優れたインナーシールである。

又、本考案に係るインナーシールはボードとメンブレン
間の接着は安定しており、温度、湿度の影響を受けるこ
とはなく長期間保存した後でも品質は全く変らない特色
を有する。

更に本考案に係るインナーシールは剥離樹脂層は透明で
あるので剥離後の金属箔面の光沢が失われず且つ印刷の
鮮明さも何ら損われることはない特色を有する。

更に又、本考案に係るインナーシールはボードがボール
紙と接着剤層とポリエチレン層とよりなり、防湿性が優
れているので、仮りにメンブレンがビン口部よりとりは
られれてもボード単独で防湿するはたらきをする高い保
護機能を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るインナーシールの一部分断面図、
第２図はキャップをビン本体から取外した時、キャップ
内にボードが残った状態を示した一部断面図、第３図は
本考案に係るインナーシールを製造工程の一部を示す工
程略図面である。 図の主要な部分を表わす符号の説明 １・・・・・・金属箔、２・・・・・・ポリエチレン層
、３・・・・・・グラシン、５・・・・・・印刷絵柄層
、６・・・・・・透明剥離樹脂層、７・・・・・・ポリ
エチレン層、９・・・・・・ボール紙、１０・・・・・
・接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アルミ箔等の金属箔の下面にポリエチレンの押出しコー
   ト層を介してグラシンが貼り合わせられ、該金属箔の上
   面には印刷絵柄層が設けられ、該印刷絵柄層の上からポ
   リエチレンに対する親和性の弱いニトロセルロース系樹
   脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、
   ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、又はポリ塩
   化ビニル系樹脂などの樹脂単体あるいはそれらの混合物
   よりなる透明離型樹脂層が重層され、該透明離型樹脂層
   の上面にはポリエチレンの押出しコート層が設けられ、
   該ポリエチレン層上に接着剤を介してボール紙が貼合さ
   れてなり、ボール紙、接着剤層、及びポリエチレン層よ
   りなるボードと、透明離型樹脂層、印刷絵柄層、金属箔
   層、ポリエチレン層、及びグラシンよりなるメンブレン
   に分離しうる容器口部密封用インナーシール。