JPS5919773B2 - 打抜き型 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はスクラップカッタを備えた打抜き型に関する
。

ワーク、例えば第１図に示すような絞り加工完了済みの
自動車のバックドアパネル１の窓部１ａを打抜くための
従来の打抜き型としては第３図に示すようなものがある
。すなわら、２はプレス装置のスライドＳに取り付けら
れた上ホルダであり、３は上ホルダ２に取り付けられ下
端縁に剪断刃４を備えたポンチである。このポンチ３に
は前記剪断刃４によつて囲まれたワーク打抜き形状の中
央部を横断して延在する上部スクラップカッタ取り付け
座５が設けられている。上部スクラップカッタ取り付け
座５には剪断刃６を有し該上部スクラップカッタ取り付
け座５に沿つて延在する上部スクラップカッタ７が取り
付けられている。８は上ホルダ２に取り付けられ、下端
縁に剪断刃９を有するセクシヨナルダイである。

１０は上ホルダ２に対して摺動可能に取り付けられたパ
ッドであり、１２はパッド１０が落下しないように該パ
ッド１０を保持するパツドリテーナである。

なお、パッド１０は圧縮ばね１１により常時下方に向つ
て付勢されている。１３はパッド１０の側面に取り付け
られたウェアプレート１３である。

これら上ホルダ２、ポンチ３、セクシヨナルダイ８、パ
ッド１０は組み合わさり全体として上型１４を構成して
いる。一方、１５は前記プレス装置のポルスタＢ上に取
り付けられた下ホルダであり、１６は下ホルダ１５上で
前記パッド１０と対向して取り付けられたダイである。
ダイ１６は前記ポンチ３の剪断刃４と協働してワークＩ
Ｔを切断する剪断刃１８、および、前記セクシヨナルダ
イ８の剪断刃９と協働してワークＩＴを切断する剪断刃
１９を有している。２０はダイ１６の剪断刃１８によつ
て囲まれたワーク打抜き形状の中央部を横断し、前記上
部スクラップカッタ取り付け座５と対向して延在する下
部スクラップカッタ取り付け座である。

下部スクラップカッタ取り付け座２０には前記上部スク
ラップカッタ７の剪断刃６と協働して、ワーク１７のス
クラップ２１を取り扱い易くするために第２図に仮想線
２２で示すように分断するための剪断刃２３を有する下
部スクラツプカツタ２４が取り付けられている。２５は
分断され、打ら抜かれたスクラツプ２１を外部へ搬出す
るためのスクラツプシユートである。

前記下ホルダ１５、ダイ１６、スクラツプシユート２５
は組み合わさり全体として下型２６を構成しているしか
しながら、このような従来の打抜き型にあつては、上型
と下型とに剪断刃を有するスクラツプカツタを設け、こ
の両スクラツプカツタを協働させてスクラツプを剪断す
るようになつていたため、打抜き型の製作費が増大し、
また、ワークの肉厚に応じて両スクラツプカツタ間のク
リアランスを調整しなければならないので工数も増大し
、製品のコストが上昇するという問題点があつた。

この発明はこのような従来の問題点に着目してなされた
もので、互いに対向して接近離隔可能であり、接近した
とき協働してワークを切断する剪断刃を備えた上型と下
型のうちのいずれか一方の型のみに、鋭い刃先を有する
別の切断刃を該一方の型の前記剪断刃と交差するように
設けることにより、上記問題点を解決することを目的と
している以下、この発明を図面に基づいて説明する。

第４，５，６図はこの発明の一実施例を示す図である。
まず構成を説明するが、従来と同一部分には同一符号を
付してその説明は省略し、異なる部分についてのみ説明
する。第４図において、３１はポンチ３に設けられ、該
ポンチ３の剪断刃４によつて囲まれたワーク打抜き形状
の中央部を横断して延在する切断刃取り付け座である。
３２は第５図に示すように切断刃取り付け座３１に取り
付けられ、該切断刃取り付け座３１に沿つて延在する切
断刃である。

この切断刃３２は鋭い刃先３３を有しており、この刃先
３３Ｃま該切断刃３２の一端から他端へ向けて一定の傾
斜角αを有している。切断刃３２はその両端部において
前記ポンチ３の剪断刃４と交差しているが、該剪断刃４
を越えてワーク打抜き形状の外側まで伸びてはいない。
すなわら、剪断刃４と切断刃３２の端部とがワーク１７
の同一部分を切断するようになつている。更に、切断刃
３２の前記傾斜の下方、すなわらダイ１６に近い方、に
位置する端部の刃先３３人剪断刃４から所定の距離ｄだ
け下方に位置しており、ノ傾斜の上方に位置する反対側
の端部の刃先３３は図示を省略したが剪断刃４と略同レ
ベルに位置している。

３４はセクシヨナルダイ８に複数個取り付けられ、上型
１４の中心から放射方向に延在する切断刃である。

該切断刃３４はポンチ３に設けられた前記切断刃３２と
同様に鋭い刃先３５を有しており、この刃先３５は第６
図に示すように型内側の端部から型外側の端部へ向かつ
て一定の角度αで上昇する傾斜を有している。また切断
刃３４はその型内側端部でセクシヨナルダイ８の剪断刃
９と交差しているが、該剪断刃９を越えて型内側にまで
伸びてはいない。すなわち、剪断刃９と切断刃３４の型
内側端部とがワーク１７の同一部分を切断するようにな
つている。更に、切断刃３４の両端部の刃先３５は共に
剪断刃９よりも下方に位置している。一方、下型２６の
ダイ１６には従来の打抜き型における下部スクラツプカ
ツタ２４および下部スクラツプカツタ取り付け座２０に
相当するものは何ら設けられていない。次に作用を説明
する。

図示しない搬送装置によつて、又は人手によつてワーク
１７が下型２６上に載置された後、前記スライドが下降
される。

該スライドと共に上型１４が下降し下型２６に接近する
と、まずパツド１０がワーク１７の製品部をダイ１６に
押圧し固定する。更にスライドが下降するとポンチ３に
取り付けられた切断刃３２の刃先３３の最下端部がワー
ク１７の打抜き部中央の一端部に切り込む。次いで切断
刃３２によりワーク１７の打抜き部中央が前記一端部か
ら他端部に向つて切断されて完全に分断し終えるのと略
同時に、ポンチ３の剪断刃４とダイ１６の剪断刃１８と
が協働してワーク１７の打抜き部を打抜く。したがつて
ワーク１７の打抜かれたスクラツプ２１は切断刃３２に
よつて二つに分断された状態で落下し、スクラツプシユ
ート２５上を滑つて型外へ出る。一方、前記切断刃３２
がワーク１７に切り込むのと略同時にセクシヨナルダイ
８に取り付けられた切断刃３４の刃先３５の型内側端部
がワーク１７の外周部に切り込む。切断刃３４によるワ
ーク外周部の放射方向の切断が完了した後、セクシヨナ
ルダイ８の剪断刃９とダイ１６の剪断刃１９とが協働し
て該ワーク外周部を製品部から切り離す。この結果、ワ
ーク外周部は複数個のスクラツプ断片に分断されること
となる。このようにしてワーク１７の打抜き部および外
周部の切断が完了した後、スライドの上昇に伴なつて上
ホルダ２に取り付けられたポンチ３およびセクシヨナル
ダイ８も上昇するが、パツド１０は圧縮されていたばね
１１が元の状態に復帰するまでの間、ウエアプレート１
３で上ホルダ２と摺接しながらワーク１７の製品部を押
さえたままの状態で停止している。スライドが上死点ま
で上昇し、パツド１０も静止位置まで上昇して停止した
後、ワーク１７の製品部は図示しない搬送装置によつて
又は人手によつて型外に搬出され、次工程へと搬送され
、打抜き型の一サイクルが終了する。以上説明してきた
ようにこの発明によれば打抜き型を、互いに対向して接
近離隔可能であり、接近したとき協働してワークを切断
する剪断刃を備えた上型と下型のうらのいずれか一方の
型のみに、鋭い刃先を有する切断刃を該一方の型の前記
剪断刃と交差するように設け、該切断刃のみによつてス
クラツプを分断する構成としたため、他方の型にはスク
ラツプ分断用の切断刃を設ける必要がなくなり、打抜き
型の製作費を低減できる上に、ワークの肉厚に応じて切
断刃を調整する必要もないので工数も低減でき、製品の
コストを引き下げることができるという効果が得られる
。

【図面の簡単な説明】

第１図はワークとしての自動車のバツクドアを示す概略
斜視図、第２図はワークから打抜かれたスクラツプの平
面図、第３図は従来の打抜き型の正面断面図、第４図は
この発明に係る打抜き型の一実施例の正面断面図、第５
図は第４図の打抜き型のポンチに取り付けられた切断刃
の一端部即ら第４図の部を示す拡大部分側面図、第６図
は第４図の打抜き型のセクシヨナルダイに取り付けられ
た切断刃即ら第４図の部を示す拡大側面図である。 ４，９，１８，１９・・・・・・剪断刃、１４・・・・
・・上型、１７・・・・・・ワーク、２６・・・・・・
下型、３２，３４・・・・・・切断刃、３３，３５・・
・・・・刃先。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 互いに対向して接近離隔可能な上型及び下型とから
   成り、該上型及び該下型に、これら両型が互いに接近し
   たとき協働してワークを切断する剪断刃をそれぞれ備え
   た打抜き型において、前記上型と下型のいずれか一方の
   みに断面が鋭角をなす刃先を有し前記剪断刃と交差する
   別の切断刃を設けたことを特徴とする打抜き型。