JPS601847Y2 - スクラップカッタを有するプレス型 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スクラップカッタを有するプレス型の改良に
関するものである。

従来より、例えば、第７図および第８図に示すように、
プレス加工後の板金部材Ｐを製品とじてのプレスワーク
Ｗと周縁のスクラップＳとに分離するときに、すなわち
、プレスワークＷの外形に沿ったプレスワーク切断線ａ
で切断処理する際に、スクラップＳの後処理を容易とす
るために、このスクラップＳをスクラップ切断線すにて
複数に分割切断するのが好ましいことから、上記両切断
をプレス装置の１回の下降ストロークで行うプレス型が
実公昭５５−１２９７６号に提案されている。

この提案プレス型は、プレスワークを打抜く上型の一部
を分割して可動部を形成するとともに、上型と下型にス
クラップカッタを設け、プレスワーク切断時には可動部
のプレスワーク切断用切刃と上型の切刃とを一致させて
切断した後、この可動部を下型のスクラップカッタ上の
スクラップに接して停止させ、可動部を除いた上型の下
降に伴い上型と下型のスクラップカッタによりスクラッ
プを切断するようにしているものであり、プレスワーク
の切断品質が良好である点で優れている。

しかるに、上記プレス型においては、可動部を下型スク
ラップカッタのスクラップと接して停止し、すなわち、
可動部がスクラップを下型との間に挟持して停止するよ
うにしているために、スクラップカッタが傾斜している
プレス型においては、上型可動部に横方向の力が作用し
、可動部と上型との接触面の摩耗等を生起し、長期間の
使用後には可動部のプレスワーク切断用切刃と上型の切
刃とが一致しなくなって、正確な切断が行えずに切断品
質が低下する恐れがある。

本考案はかかる点に鑑み、上型可動台を、プレスワーク
を切断した後には、プレスワークの上面を押圧するプレ
フサーに係止してその下端面がプレスワークとの間に間
隙を存して停止するようにし、さらに上型が下降すると
きにスクラップを切断するようにしたスクラップカッタ
を有するプレス型を提供し、前記従来の欠点を解消せん
とするものである。

以下、本考案の実施例を図面に沿って説明する。

第１図ないし第３図に示すプレス型において、１は上型
、２は下型であって、上型１は下型２に対向して上下移
動可能にプレス装置（図示せず）に取付けられている。

下型２において、３は、プレスワークＷの凹凸形状に合
致した上面を有するとともに、外周にプレスワーク切断
線ａに沿った形状に設けられたプレスワーク切断用切刃
４を有する主型、５は主型３の外方にプレスワーク切断
用切刃４に段差を設けて交差した切刃５ａを有するスク
ラップカッタである。

一方、上型１において、６はプレス装置に固定される基
盤、７は基盤６の下部に装着された主型であり、また、
８は上記上型１に上下移動可能に支持された上型可動台
である。

上型１の主型７は、内周に上型可動台８の部分を除いて
プレスワーク切断線ａに沿った形状に設けられたプレス
ワーク切断用切刃９を有するとともに、その下面にはプ
レスワーク切断用切刃９に交差して前記下型２のスクラ
ップカッタ５の切刃５ａと対をなす切刃１０ａを有する
スクラップカッタ１０が設けられている。

上型可動台８は主型７の内周部にに開設されたガイド溝
１１に上下動自在に装着され、その下面内端には上型１
のプレスワーク切断用切刃９と連続してプレスワーク切
断線ａに沿うプレスワーク切断用切刃１２を有している
。

この上型可動台８は、主型７に対する上下方向の移動範
囲における最下位置（第１図の位置）で、両プレスワー
ク切断用切刃９，１２が連続するように主型７に対する
最下移動位置が係止部１３（第６図参照）によって規制
されている。

また、上記上型可動台８が摺動する主型７のガイド溝１
１における下端開口部の一側縁が上型１のスクラップカ
ッタ１０の切刃１０ａの一部を構成するものであって、
上型可動台８が最下位置にあり、主型７のプレスワーク
切断用切刃９が上型可動台８のプレスワーク切断用切刃
１２によって全周で連続した閉曲線を構成し、下型２の
プレスワーク切断用切刃４と共同してプレスワークＷを
スクラップＳ′と分離切断するときには、前記スクラッ
プカッタ１０の切刃ｌｅａの内方部分は上型可動台８の
下端面と同一高さとなって、実質的にはスクラップカッ
タとしての機能を有していない。

さらに、上記上型可動台８の上部には、内方に突出形成
されたストッパ一部１４が設けられている。

次に、１５は上型可動台８を下方に付勢する弾性部材で
あって、該弾性部材１５はウレタンラバー等にて構成さ
れ、基盤６の下面と上型可動台８の上面との間に介設さ
れ、上型可動台８を常時プレスワークＷの切断力以上の
荷重で付勢するよう構成されている。

また、１６は上型１に上下移動可動に支持されたプレフ
サーで、プレスワークＷの凹凸形状に沿った下面形状を
有し、基盤６との間に介設された弾性部材１７（スプリ
ング）により下方に付勢され、上型１の上下動に応じて
下型２の主型３上面に載置されたプレスワークＷの上面
が押圧可能である。

上記プレフサー１６には上型可動台８のストッパ一部１
４と係止する段部１８を有し、上型可動台８はプレスワ
ークＷを切断した後に上型１が更に下降するときにプレ
フサー１６の段部１８と上型可動台８のストッパ一部１
４とが係止して上型可動台８の下端面８ａとプレスワー
クＷとの間に間隙を存した位置において下降が停止され
る。

尚、前記上型可動台８および上下のスクラップカッタ５
，１０はプレスワークＷの大きさに応じて複数個配設さ
れている。

次に、上記プレス型の作用を第４図ないし第６図によっ
て説明すれば、まず、第１図の如く上型１が上昇してい
る状態で、下型２上に板金部材Ｐを載置し、プレス装置
により上型１を下降せしめる。

上型１の下降に伴い、最初にプレフサー１６が下型２の
主型３上のプレスワークＷの上面に接触してプレスワー
クＷを押圧する。

続いて、プレツサー１６の弾性部材１７を変形させて上
型１が下降すると、第４図に示すように、上型１の主型
７のプレスワーク切断用切刃９および上型可動台８のプ
レスワーク切断用切刃１２と、下型２のプレスワーク切
断用切刃４とによってプレスワークＷを切断してスクラ
ップＳとに分離する。

その際、上型可動台８は弾性部材１５によりプレスワー
クＷの切断力以上の荷重で付勢されていることにより、
この上型可動台８は上方に移動することなくそのプレス
ワーク切断用切刃１２は上型１のプレスワーク切断用切
刃９と連続した状態で同時にプレスワークＷを切断する
。

また、プレスワークＷの切断が完了したときには、第４
図の如く上型可動台８のストッパ一部１４とプレフサー
１６の段部１８とが係止し、上型可動台８の下端面８ａ
が下型２のスクラップカッタ５上のスクラップＳに接触
しない状態において該上型可動台８の下降が停止される
。

続いて、上型１が弾性部材１５．１７を変形しながら更
に下降すると、上型可動台８の停止に伴って上型１のプ
レスワーク切断用切刃９は上型可動台８の部分で不連続
となり、この不連続部分でプレスワーク切断用切刃９に
交差するスクラップカッタ１０の切刃１０ａが現出し、
第５図および第６図に示す如く、上型１のスクラップカ
ッタ１０と下型２のスクラップカッタ５とによりスクラ
ップＳを切断し、このスクラップＳを複数個に分割する
ものである。

従って、以上の如き来者プレス型によれば、上型可動台
にプレスワークを切断した後に上型が下降するときプレ
フサーに係止されてこの上型可動台の下降を停止するス
トッパ一部を設け、上型可動台がスクラップを下型との
間に挟持して停止しないように構成したことにより、ス
クラップカッタが傾斜しているときにおいても上型可動
台に横方向の力が作用することなく、可動部と上型との
接触面（第４図および第５図において符号１９で示した
面）の異常摩耗を防止して耐久性を向上し、良好な切断
性能を長期間維持することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第６図は本考案プレス型の実施態様を例示
し、第１図は上型が上昇したプレス前の状態を示す要部
断面図、第２図は上型の要部底面図、第３図は下型の要
部平面図、第４図はプレスワーク切断状態を示す要部断
面図、第５図はスクラップ切断状態を示す同要部断面図
、第６図は第５図のＡ−Ａ線に沿う要部断面図、第７図
は板金部材の平面図、第８図は板金部材の断面図である
。 １・・・・・・上型、２・・・・・・下型、４・・・・
・・プレスワーク切断用切刃、５・・・・・・スクラッ
プカッタ、５ａ・・・・・・切刃、８・・・・・・上型
可動台、８ａ・・・・・・下端面、９・・・・・・プレ
スワーク切断用切刃、１０・・・・・・スクラップカッ
タ、１０ａ・・・・・・切刃、１１・・・・・・ガイド
溝、１２・・・・・・プレスワーク切断用切刃、１４・
・・・・・ストッパ一部、１５・・・・・・弾性部材、
１６・・・・・・プレフサー、１７・・・・・・弾性部
材、１８・・・・・・段部、Ｐ・・・・・・板金部材、
Ｗ・・・・・・プレスワーク、Ｓ・・・・・・スクラッ
プ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プレスワーク切断用切刃とこの切刃に段差を設けて交差
   させたスクラップカッタとを有する下型と、この下型に
   対向させて上下移動可能にプレス装置に取付けられプレ
   スワーク切断用切刃とスクラップカッタとを有する上型
   と、この上型に上下移動可能に支持されこの移動範囲の
   最下位置で上記上型のプレスワーク切断用切刃と連続す
   るようにプレスワーク切断用切刃を形成した上型可動台
   と、該上型可動台を常時下方にプレスワークの切断力以
   上の荷重で付勢する弾性部材と、上型に弾性部材を介し
   て支持されプレスワークの上面を押圧可能なプレフサー
   とを備えるとともに、上記上型可動台には、プレスワー
   クを切断した後に上型が下降するときプレフサーに係止
   されて該上型可動台の下降をその下端面とプレスワーク
   との間に間隙を設けた位置に停止させるストッパ一部を
   設け、上型可動台がプレフサーにより停止された後にお
   いて上型がさらに下降するとき、上型および下型のスク
   ラップカッタによりスクラップを切断するようにしたこ
   とを特徴とするスクラップカッタを有するプレス型。