JPS6411405B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、プレス加工用スクラツプカツタの改
良に関する。

（従来の技術） 従来、第６図に示すように、フランジ付の深絞
り容器状プレス製品１をプレス加工する場合に
は、プレス時の引張り量を調節してしわが生じる
のを防止するために、フランジ部１ａに絞り段部
１ｂを一体に成形しておき、プレス加工後にフラ
ンジ部１ａの周囲をトリミング線ａで切断してト
リミング加工し、ついで、切断された環状のスク
ラツプ部１ｃを、トリミング切刃から抜き取りや
すくするために縦方向のスクラツプ線ｂで適当な
個数に切断してスクラツプ加工するようにしてい
る（実開昭53−27291号参照）。上記絞り段部１ｂ
は、上段部１ｅと立上り段部１ｆと下段部１ｇと
でなる。

（発明が解決しようとする課題） ところで、スクラツプ部１ｃがフラツトであれ
ば問題は少ないのであるが、上記の理由からスク
ラツプ部１ｃに絞り段部１ｂ（特に立上り段部１
ｆ）が成形されていると、いわゆる縦切り部分が
増えるので、スクラツプカツタの寿命が短くなる
という問題があつた。

本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたも
ので、スクラツプカツタによる縦切り部分を減少
させることにより、スクラツプカツタの耐久性を
向上させることを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） このため本発明は、プレス製品のトリミング加
工において、上段部と立上り段部と下段部とでな
る絞り段部を含むスクラツプ部を切断するスクラ
ツプカツタであつて、プレス製品のスクラツプ部
が載置され、トリミング用下切刃を有する下型
と、該下型に対向して上下動され、トリミング用
上切刃を有する上型と、上記下型に固定され、プ
レス製品の絞り段部が載置されるとともに、該絞
り段部の上段部を切断する上縁刃とを立上り段部
を切断する立上り縁部と下段部を切断する下縁刃
とを有する固定スクラツプカツタと、上記上型に
対して水平方向に移動可能に取付けられ、固定ス
クラツプカツタの各刃と対向する刃を有する移動
スクラツプカツタと、上記上型の下動に連動して
移動スクラツプカツタを上記上型に対して水平方
向に移動させることにより、スクラツプ部を斜め
上方から切断させるカム部材とを備えて構成した
ものである。

（発明の作用・効果） 本発明によれば、下型のトリミング用下切刃と
上型のトリミング用上切刃とで、プレス製品か
ら、絞り段部が形成されたスクラツプ部を切断し
た後に、上型の下動に連動してカム部材により上
型に対して水平方向に移動する移動スクラツプカ
ツタにより、スクラツプ部を斜め上方から切断す
るようにしたものであるから、縦切り部分が減少
するようになり、スクラツプカツタの耐久性が向
上するようになる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図に示すように、深絞り容器状プレス製品
１のトリミング線ａに対応する環状のトリミング
用下切刃３ａが形成された下型３が配置され、該
下型３の下切刃開口３ｂには、プレス製品１の容
器部１ｄとフランジ部１ａを載置するクツシヨン
台４が昇降可能に嵌合され、該クツシヨン台４は
その上面が下型３の下切刃３ａの上面と揃うよう
にクツシヨンピン５で上昇方向に付勢されて定位
している。

上記下型３の上面には、クツシヨン台４に載置
されたプレス製品１のスクラツプ部１ｃが載置さ
れる。

該下型３に対向してプレス機構で上下動される
上型６が配置され、該上型６には、プレス製品１
のトリミング線ａに対応する環状のトリミング用
上切刃６ａが形成され、該上型６の下動時に、下
型３の下切刃６ａと上切刃６ａとの間でプレス製
品１のフランジ部１ａの周囲をトリミング線ａで
切断してトリミング加工するようになる。

一方、上記下型３には環状のスクラツプ部１ｃ
を、例えば縦方向に４個に切断するために、第２
図にも示すように、当該切断箇所に対応して、プ
レス製品１のスクラツプ部１ｃの絞り段部１ｂが
載置される固定スクラツプカツタ７が固定されて
いる。

該固定スクラツプカツタ７の一側には、絞り段
部１ｂの上段部１ｅを切断する上縁刃７ａと、立
上り段部１ｆを切段する立上り縁刃７ｂとが形成
され、この側の下型３には、後述の移動スクラツ
プカツタ８用の浅い逃げ凹部３ｄが設けけられ、
該逃げ凹部３ｄの上縁は絞り段部１ｂの下段部１
ｇを切断する下縁刃３ｃとして形成されている。

上記上型６には、下型３の固定スクラツプカツ
タ７と対向する移動スクラツプカツタ８が設けら
れる。

該移動スクラツプカツタ８は、上型６に取付け
られたガイド部材９で上型６に対して水平方向に
移動可能に持された移動部材１０に固定され、該
移動スクラツプカツタ８はガイド部材９の凹部９
ａに縮装されたばね１１で移動部材１０とともに
上型６の上切刃６ａに当接する方向に付勢されて
いる。

該移動スクラツプカツタ８は、固定スクラツプ
カツタ７の一側の各刃７ａ，７ｂ，３ｃと対向す
る側に、下縁刃８ａと立上り縁刃８ｂと底縁刃８
ｃとが形成されている。

上記下型３には上方に立上つたカム突起１２が
設けられるとともに、上記上型６側の移動部材１
０には、上型６の下動時にカム突起１２に係合す
るカム溝１３が設けられている。

該カム突起１２の斜面１２ａとカム溝１３の斜
面１３ａは、上型６が下動して下型３との間でプ
レス製品１からスクラツク部１ｃが切断された
後、さらに下動する上型６に連動して移動スクラ
ツプカム８を上記上型６に対して水平方向へ移動
させるように設定される。

上記のような構成において、いま第１図のよう
に、フランジ部１ａに絞り段部１ｂが一体成形さ
れたプレス製品１をクツシヨン台４に載置する
（第５図ａ参照）。

そして、第３図のように上型６が下動すると、
まず上下切刃６ａ，３ａとの間で、逃げ凹部３ｄ
の部分を除いたプレス製品１のフランジ部１ａの
周囲がトリミング線ａで切断され（第５図ｂ参
照）、つづいて、逃げ凹部３ｄの部分も切断され
（第５図ｃ参照）、トリミング加工が完了する。

その後、上型６がさらに下動すると、第４図の
ように、カム突起１２とカム溝１３とにより、移
動部材１０とともに移動スクラツプカツタ８が上
型６の下動に連動して斜め下方に移動されるよう
になるので、固定スクラツプカツタ７との間でス
クラツプ部１ｃの絞り段部１ｂがスクラツプ線ｂ
で斜め上方から切断されるようになる（第５図ｄ
参照）。

即ち、固定スクラツプカツタ７に対して移動ス
クラツプカツタ８を、従来のように直下に移動さ
せると、縦切り部分が多くなるのであるが、本実
施例のように、移動スクラツプカツタ８が斜め下
方に移動されると、縦切り部分が少なくなり、ス
クラツプカツタ７，８の耐久性が向上するのであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るスクラツプカツタの上昇
時の断面図、第２図は第１図のスクラツプカツタ
の斜視図、第３図は第１図のスクラツプカツタの
トリミング加工時の断面図、第４図は第１図のス
クラツプカツタのスクラツプ加工時の断面図、第
５図ａ〜第５図はプレス製品のトリミング、スク
ラツプ加工過程を示す平面図、第６図はプレス製
品の一部破断斜視図である。 １…プレス製品、１ａ…フランジ部、１ｂ…絞
り段部、１ｃ…スクラツプ部、１ｅ…上断部、１
ｆ…立上り段部、１ｇ…下段部、３…下型、３ａ
…トリミング用下切刃、３ｃ…下縁刃、６…上
型、６ａ…トリミング用上切刃、７…固定スクラ
ツプカツタ、７ａ…上縁刃、７ｂ…立上り縁刃、
８…移動スクラツプカツタ、８ａ，８ｃ…刃、１
０…移動部材、１２…カム突起、１３…カム溝、
ａ…トリミング線、ｂ…スクラツプ線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ プレス製品１のトリミング加工において上段
   部１ｅと立上り段部１ｆと下段部１ｇとでなる絞
   り段部１ｂを含むスクラツプ部１ｃを切段するス
   クラツプカツタであつて、 プレス製品１のスクラツプ部１ｃが載置され、
   トリミング用下切刃３ａを有する下型３と、 該下型３に対向して上下動され、トリミング用
   上切刃６ａを有する上型６と、 上記下型３に固定され、プレス製品１の絞り段
   部１ｂが載置されるとともに、該絞り段部１ｂの
   上段部１ｅを切断する上縁刃７ａと立上り段部１
   ｆを切断する立上り縁刃７ｂと下段部１ｇを切断
   する下縁刃３ｃとを有する固定スクラツプカツタ
   ７と、 上記上型６に対して水平方向に移動可能に取付
   けられ、固定スクラツプカツタ７の各刃７ａ，７
   ｂ，３ｃと対向する刃８ａ，８ｂ，８ｃを有する
   移動スクラツプカツタ８と、 上記上型６の下動に連動して移動スクラツプカ
   ツタ８を上記上型６に対して水平方向に移動させ
   ることにより、スクラツプ部１ｃを斜め上方から
   切断させるカム部材１３とを備えたことを特徴と
   するプレス加工用スクラツプカツタ。