JPS5929770Y2 - 製品しごき装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、精度の向上した庇付容器、特に有底円筒体製
品を得ることのできる製品しごき装置に関するものであ
る。

一般に、庇付容器を作るには、第１図に示すように、パ
ンチ、ダイスを用いて平板から円板状素材１を打ち抜き
くａＸ該素材１に絞り加工を行い所望形状の庇付容器２
を成形しでいる（ｂ）が、更に最終製品３の形状の精度
を向上させるために容器２の壁板厚を一定にするための
しごき加工を施している（Ｃ）。

しかしながら、壁板厚のばらつき分をしごき加工により
一定にすると、このばらつき分は製品高さのばらつきと
なって現われるため、従来はしごき加工後の容器の開口
端面に切削加工や側力からの抜き加工を施したり、また
はフランジを出しフランジを打ち抜き絞り通す工程が一
般に行われていた。

しかしながら、これらの方法はいずれもしごき加工と全
く異なる機械加工やプレス加工を多く要し、そのため労
力や機械設備が余分にかかり、また得られる製品の精度
も必ずしも満足しうる水準のものではなかった。

本考案は上述のような欠点を解消するためのもので、製
品高さのばらつきが減少し良好な精度の製品を得ること
のできる製品しごき装置を提供するものである。

即ち、本考案製品しごき装置は、しぼり加工後の円筒状
製品の上面を押圧しながら下降するパンチ、下降した製
品をしごくためのダイス、ダイスの中空部分に位置しパ
ンチの圧力に応じて上下動可能なインナパンチ、インナ
パンチの下部外周側壁に設けたカウンタ、最終製品を押
し出すためにインナパンチの内部に配置したエジェクト
ピンよりなることを特徴とするものである。

本考案装置を図面を用いて更に詳しく説明する３第２図
は、本考案しごき装置の加工前後の状態を示す型断面図
である。

図に示すように、本考案装置は段付部分を有するダイス
５、該ダイス５の段付部分に当接しストッパーを兼ねる
フランジ部を下端に有し、その上部形状がしぼり加工後
の最終製品の形状に適するようにしたインナパンチ６、
及びインナパンチ６の側壁下部にインナパンチの形状に
合わせて設けたカウンタ７及びダイス５の上刃に設けた
パンチ４で形成される型構造を有するものである。

ダイス５はベースに固定されており、前記インナパンチ
６はその下端に当接するクッションピン９によってダイ
ス５内を上下動可能になっており、またインナパンチ６
の内部にはエジェクトピン８が配設されている。

このときカウンタ７の高さく図中、ｈで示す）は設定し
ごき成分の高さ増量分を考慮に入れて決定される。

また、インナパンチ６とカウンタ７は一体的に構成され
ていてもよい。

上記構成の製品しごき装置において、製品しごき加工前
（第２図左側部分）、下部外周側壁にカウンタ７を設け
たインナパンチ６は、クッションピン９のバネ力により
浮勢されているが、インナパンチ６とカウンタ７のフラ
ンジ部分がダイス５の段付部分と当接するため、インナ
パンチ６の上端はダイス５の上端基準面より所定の高さ
だけ突出している。

この突出しているインナパンチ６の上面に、しぼり加工
後の円筒状容器Ｗを載置し、ダイス５の上方に設けたパ
ンチ４を製品Ｗの上面に当接するまで下降させる。

更にパンチ４を下降するとこの圧力によりインナパンチ
６も下降し、ダイス５によって製品Ｗにしごき加工を施
した後、インナパンチ６のフランジ部がベースに当接す
るためインナパンチ６の下降は第２図右側部分に示した
位置で停止する。

このしごき加工によって製品の壁板厚のばらつき分とし
ごき分としごき代分は製品の高さ方向、すなわち製品底
部のＲ部へと集まる。

このため、パンチ４の圧力を更に加えると容器Ｗは素材
板厚のばらつき分としごき代分がダイス５により製品の
Ｒ部及び高さ方向に出て、ダイス５．インナパンチ６、
カウンタ７及びパンチ４により形成される型に合わせた
形状にしごかれる。

製品Ｗがしごかれた後、パンチ４を上昇し圧力を解放す
れば、クッションピン９のバネ力によりインナパンチ６
は加工前の第２図左側部分に示す位置まで戻り、その後
インナパンチ６の内部に配設したエジェクトピン８によ
り製品Ｗが型から外される。

従って、しごき加工完了時には設定しごき成分以上の板
厚ばらつき分の材料をＲ部に流すことにより板厚ばらつ
き分の材料を吸収することができる。

板厚ばらつき分の材料が多いときにはＲ部をそれに応じ
て大きくすれば良い。

上記装置で連続的にしごき加工を行った場合、得られる
製品Ｗは、素材の板厚ばらつき容器Ｒ部で吸収しである
ので製品の高さのばらつきがなく常に一定の形状の製品
を得ることができる。

従って、本考案装置を用いれば、従来のようにしごき加
工後容器端面に切削工程を施したりする必要がなく、し
かも製品の精度は向上する。

また、余分な労力、時間がかからず、工程時間も短縮で
きる等、本考案装置は種々の経済的、実際的利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは素材、ｂは絞り加工後の製品、Ｃはしごき加
工後の最終製品の縦断面図。 第２図はしごき加工前後の型断面図を表わす。 図中、１・・・・・・素材、２・・・・・・製品（絞り
加工後）、３・・・・・・最終製品（しごき加工後）、
４・・・・・・パンチ、５・・・・・・ダイス、６・・
・・・・インナパンチ、Ｉ・・・・・・カウンタ、８・
・・・・・エジェクトピン、９・・・・・・クッション
ピンを表わす。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. しぼり加工後の円筒状製品の上面を押圧しながら下降す
   るパンチ、下降した製品をしごくためのダイス、ダイス
   の中空部分に位置しパンチの圧力に応じて上下動可能な
   インナパンチ、インナパンチの下部外周側壁に設けたカ
   ウンタ、最終製品を押し出すためにインナパンチの内部
   に配置したエジェクトピンよりなることを特徴とする製
   品しごき装置。