JPS6138740Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は、素材を押えた状態で素材から製品を
抜き加工するとともに、これと同時に製品に穴あ
け加工するプレス装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、製品に平坦度が要求される場合には、素
材を押えた状態で抜き加工する方法が採られてい
る。第１図はその際に用いられるプレス装置を示
している。同図において、１は下型、２は上型で
ある。下型１は、ベース３の上部に、台座４を介
して、中心に穴あけダイ５を有する抜ポンチ６が
固定され、この抜ポンチ６の周囲にストリツパー
７が上下方向へ僅かに移動自在に設けられてい
る。ストリツパー７は、その下面に当接されたス
プリング８により常時上方へ付勢され、その上面
に設けたガイド９によつて案内される素材Ｗを前
記抜ポンチ６の上端面より僅かに浮上させた状態
に支持している。また、前記上型２は、前記下型
１へ向つて可動する可動プレート１０の下部に台
座１１を介して抜ダイ１２が固定され、その抜ダ
イ１２の中心にノツクアウト１３が上下方向へ摺
動自在に設けられている。ノツクアウト１３に
は、その中心に前記台座１１に保持された穴あけ
ポンチ１４が挿通されているとともに、上面にス
プリング１５により常時下方へ付勢された押し下
げ杆１６の下端が突当てられている。

いま、上述の構造において、下型１に対して上
型２が下降すると、まずノツクアウト１３が素材
Ｗに当り、次に抜ダイ１２が素材Ｗとともにスト
リツパー７をスプリング８に抗して押し下げなが
ら抜ポンチ６の外側に下降することにより素材Ｗ
を円形に抜加工する。このとき、ノツクアウト１
３が抜き加工される製品Ｗ_Mを抜ポンチ６へ押え
るとともに、穴あけポンチ１４が穴あけダイ５の
内側に下降することにより製品Ｗ_Mの中心に穴あ
け加工する。従つて、この抜き及び穴あけの加工
時には、ノツクアウト１３により製品Ｗ_Mが抜ポ
ンチ６へ押えられた状態となつているため、その
製品Ｗ_Mの平坦度が維持されることになる。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、抜き加工後の状態では、第２図に示
す如く、素材Ｗにストリツパー７によつて上方へ
押上げられる力Ｆが働き、製品Ｗ_Mにノツクアウ
ト１３により下方へ押圧される力F′が働いてい
るから、上型２が下死点から上昇しはじめたと
き、その力Ｆ，F′によつて素材Ｗの抜き穴Ｗ_Hに
製品Ｗ_Mが押し戻される作用いわゆるプツシユバ
ツク作用が働く。すると、特に素材Ｗから製品Ｗ
_Mを容易に取出すことができず、特に素材Ｗの厚
さが薄い場合にあつては、抜き加工時に平坦度を
維持しても製品Ｗ_Mの取出時にその平坦度が失わ
れる結果となつていた。

そこで、本考案の目的は、製品の平坦度を維持
しつつプツシユバツク作用による支障を解決する
ことにある。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段） 本考案は、穴あけダイ５を有する抜ポンチ６を
ベース３の上部に固定した下型１と、前記抜ポン
チ６の外側に進退してこの抜ポンチ６とともに素
材Ｗから製品Ｗ_Mを抜き加工する抜ダイ１２及び
前記穴あけダイ５の内側に進退してこの穴あけダ
イ５とともに製品Ｗ_Mに穴あけ加工する穴あけポ
ンチ１４を可動プレート１０の下部に固定した上
型２とを備え、前記下型１の抜ポンチ６の外側に
素材Ｗの抜き加工時前記上型２の抜ダイ１２へ向
つて素材Ｗを付勢するストリツパー７を設けると
ともに、前記上型２の抜ダイ１２と穴あけポンチ
１４の間に素材Ｗの抜き加工時前記下型１の抜ポ
ンチ６へ向つて素材Ｗを付勢するノツクアウト１
３を設け、前記下型１のストリツパー７の上面に
素材Ｗを案内するガイド９を設けたプレス装置に
おいて、前記上型２の抜ダイ１２に、前記ノツク
アウト１３が製品Ｗ_Mから離れるまで前記下型１
のストリツパー７に当接してこのストリツパーを
素材Ｗから離す突起２１を設けた構成により、上
記目的を達成するものである。

（作 用） 本考案は、上型２が下降位置から上昇する際
に、上型２のノツクアウト１３が製品Ｗ_Mから離
れるまでの間、つまり、製品Ｗ_Mが下方に押下げ
られている間は、上型２の抜ダイ１２に設けた突
起２１を下型１のストリツパー７に当接して素材
Ｗが上方に押上げられないようにするものであ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を第３図から第６図に
ついて説明する。本実施例のプレス装置は、前記
第１図のプレス装置をそのまま利用し、その抜ダ
イ１２の下面両側に上型２が下降したとき前記ス
トリツパー７を下方へ押し下げる突起２１を設け
たものである。その両突起２１は、第３図および
第４図の如く、ノツクアウト１３の下面らの突出
量ｈが素材Ｗの厚さｔの約２倍以上、間隔ｌが素
材Ｗの幅W′より大きい寸法である。

従つて、上型２が下降すると、ノツクアウト１
３が素材Ｗに当る前に、抜ダイ１２の突起２１が
ストリツパー７のみを下方へ押し下る。更に、上
型２が下降すると、次のノツクアウト１３が素材
Ｗを抜ポンチ６へ押圧した後、抜ダイ１２が素材
Ｗに当り、その素材Ｗを下方へ押し下げることに
より素材Ｗを円形に抜き加工する。このとき、穴
あけポンチ１４により製品Ｗ_Mの中心に穴抜き加
工がされた状態、つまり第５図の状態となる。

この状態から、上型２の上昇により抜ダイ１２
が上昇しはじめる。この抜ダイ１２の上昇により
ストリツパー７が上昇し、そのストリツパー７の
上面が素材Ｗの下面に当つた状態では、第６図に
示す如く、ノツクアウト１３は抜ダイ１２によつ
て既に上昇され製品Ｗ_Mから離された状態にあ
る。従つて、この状態から抜ダイ１２の上昇によ
りストリツパーが上昇し、素材Ｗに上方への力が
働いても、製品Ｗ_Mには下方へ押圧する力が働い
ていないため、その製品Ｗ_Mは素材Ｗの抜き穴Ｗ_H
へ押し戻されることがない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、素材から製品を抜き加工する
とともに、これと同時に製品に穴あけ加工し、こ
の際、その製品を押えた状態で抜き加工と穴あけ
加工ができるため、製品の平坦度を維持させるこ
とができ、かつ製品を押える上型のノツクアウト
が製品から離れるまで、素材を押える下型のスト
リツパーを製品から離すようにしたので、素材の
抜き穴に製品が押し戻される作用いわゆるプツシ
ユバツク作用を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のプレス装置を示す断面図、第２
図はその加工時の状態を示す部分拡大断面図、第
３図は本考案の一実施例のプレス装置を示す断面
図、第４図はその上型の側面図、第５図および第
６図はその加工時の状態を示す部分拡大断面図で
ある。 １……下型、２……上型、５……穴あけダイ、
６……抜ポンチ、７……ストリツパー、１２……
抜ダイ、１３……ノツクアウト、１４……穴あけ
ポンチ、２１……突起、Ｗ……素材、Ｗ_M……製
品。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 穴あけダイ５を有する抜ポンチ６をベース３の
   上部に固定した下型１と、前記抜ポンチ６の外側
   に進退してこの抜ポンチ６とともに素材Ｗから製
   品Ｗ_Mを抜き加工する抜ダイ１２及び前記穴あけ
   ダイ５の内側に進退してこの穴あけダイ５ととも
   に製品Ｗ_Mに穴あけ加工する穴あけポンチ１４を
   可動プレート１０の下部に固定した上型２とを備
   え、前記下型１の抜ポンチ６の外側に素材Ｗの抜
   き加工時前記上型２の抜ダイ１２へ向つて素材Ｗ
   を付勢するストリツパー７を設けるとともに、前
   記上型２の抜ダイ１２と穴あけポンチ１４の間に
   素材Ｗの抜き加工時前記下型１の抜ポンチ６へ向
   つて素材Ｗを付勢するノツクアウト１３を設け、
   前記下型１のストリツパー７の上面に素材Ｗを案
   内するガイド９を設けたプレス装置において、 前記上型２の抜ダイ１２に、前記ノツクアウト
   １３が製品Ｗ_Mから離れるまで前記下型１のスト
   リツパー７に当接してこのストリツパー７を素材
   Ｗから離す突起２１を設けたことを特徴とするプ
   レス装置。