JPH0711920Y2 - 樹脂成形品の抜刃型装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、樹脂成形品の抜刃型装置、更に詳しくは、
合成樹脂シートに真空成形や圧空成形で形成した成形部
分をシートから切り抜くための抜刃型装置に関する。

〔従来の技術〕 真空成形や圧空成形を用い、合成樹脂シートに多数の成
形部を並べて形成する樹脂成形においては、成形部の輪
郭に見合う枠状に形成した抜刃型を使用し、成形後のシ
ートから複数個の成形部を同時に切り抜いて製品を得る
ものである。

従来の抜刃型装置は、複数の抜刃型を合成樹脂シートに
形成された成形部の配置条件に合うよう支持盤上に固定
し、抜刃型装置上載置したシートの各成形部を抜刃型に
嵌め合せ、シートを加圧プレートで上下から押圧するこ
とにより、各成形部を切り抜くようになっている。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、合成樹脂シートに形成される成形部は、配置
間隔が伸縮による誤差が生じやすく、このため、複数の
抜刃型を固定化した従来の抜刃型装置では、切り抜き工
程時に、成形部と抜刃型の位相にずれが発生し、成形部
の輪郭に沿って正確に切り抜きが行なえなくなり、不良
品が発生するという問題がある。

そこで、この考案は、上記のような問題点を解決するた
め、シート成形部の配置条件に合わせて抜刃型が追従す
るようにし、成形部を輪郭にそって正確に切り抜くこと
ができ、不良品の発生を防ぐことができる樹脂成形品の
抜刃型装置を提供することを課題としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記のような課題を解決するため、この考案は、支持盤
と、この支持盤上に取付けた複数の抜刃型とからなり、
抜刃型は上縁に刃先と下部外周にフランジを設けた枠状
に形成され、前記支持盤は、抜刃型の外形よりも少し大
きな孔を複数設けた上板と、下板及び上板と下板の間に
フランジが納まる間隔を保つ中間板の積層構造を有し、
前記各孔に下部を嵌め込んだ抜刃型を平面的に全方向へ
の移動が自在となるよう支持している構成を採用したも
のである。

〔作用〕

シートの各成形部を抜刃型に嵌め合せ、過圧プレートで
押圧して各成形部を切り抜くとき、成形部に対する抜刃
型の位相のずれを抜刃型の平面的な移動によって吸収す
ることができ、従って各成形部をその輪郭に沿って正確
に切り抜くことができる。

〔実施例〕

以下、この考案の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。

第１図と第２図に示す実施例において、抜刃型装置１
は、支持盤２と、この支持盤２上に装着した複数の抜刃
型３とからなり、各抜刃型３は個々に独立した枠状に形
成され、支持盤２に平面的な移動が自在となるように取
付けられている。

各抜刃型３は、上縁に刃先3aを有する帯状金属板刃材を
枠状に折り曲げ、両端に座金を当接してスポット熔接す
ることにより結合し、下部に固定した底板４の周囲が抜
刃型３の外周に突出するフランジ部4aになっている。

各抜刃型３は、合成樹脂シートＡに形成した成形部Ｂの
輪郭形状に適合する枠状に形成され、シートＡに形成し
た各成形部Ｂと等しい配置条件となるよう複数の抜刃型
３が支持盤２上に取付けられている。

前記支持盤２は、上板５と下板６及び中間板７の積層構
造からなり、上板５に抜刃型３の外形よりも少し大き目
の孔８が形成部Ｂの配置条件に適合するよう並べて設け
られ、中間板７は上板５と下板６の間に抜刃型３のフラ
ンジ部4aが嵌合する間隔を保つよう、上板５と下板６間
の周囲に設けられている。

上記支持盤２に対して抜刃型３は孔８に嵌合する状態で
フランジ部4aが上板５と下板６間に納まり、抜刃型３は
孔８との隙間量だけ平面的に移動自在となる。ちなみ
に、抜刃型３の前後及び左右への移動量は各々2mm程度
に設定すればよい。

なお、支持盤２の上板５と下板６及び中間板７の構成に
用いる材質は、木質板、合板、樹脂板、ステンレスや鉄
板等の金属板を適宜選択して使用すればよい。

この考案の実施例は上記のような構成であり、ベースＣ
上に抜刃型装置１を載置固定し、真空成形や圧空成形等
の手段で成形部Ｂを並べて形成したシートＡを抜刃型装
置１に臨ませ、各成形部Ｂが抜刃型３内に嵌合するよう
載置し、この状態で加圧プレートＤを下降させ、シート
Ａを刃先3a上に押圧することにより、各成形部Ｂを上部
外周の輪郭に沿って切り抜く。

各抜刃型３は、全方向へ移動自在になっているため、シ
ートＡに形成した成形部Ｂに配置誤差がある場合、抜刃
型３は加圧プレートＤによるシートＡの押し下げ工程時
に、成形部Ｂの配置条件に応じて平面的に移動し、刃先
3aは成形部Ｂの輪郭に一致し、成形部Ｂを上部外周の輪
郭に沿って正確に切り抜くことができる。

〔効果〕

以上のように、この考案によると、支持盤上に装着した
抜刃型を、該支持盤の上板に設けた孔に下部を嵌め込ん
で、平面的に全方向へ移動自在となるよう取付けたの
で、樹脂成形品の切抜き工程時において、成形部に位置
的な誤差があるような場合、成形部に合わせて抜刃型が
移動し、成形部の輪郭に沿う正確な切抜きが可能にな
り、切抜き工程での不良品発生を確実に防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る抜刃型装置の分解斜視図、図２
は同上の縦断面図である。 １……抜刃型装置、２……支持盤、３……抜刃型、４…
…底板、５……上板、６……下板、７……中間板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】支持盤と、この支持盤上に取付けた複数の
   抜刃型とからなり、抜刃型は上縁に刃先と下部外周にフ
   ランジを設けた枠状に形成され、前記支持盤は、抜刃型
   の外形よりも少し大きな孔を複数設けた上板と、下板及
   び上板と下板の間にフランジが納まる間隔を保つ中間板
   の積層構造を有し、前記各孔に下部を嵌め込んだ抜刃型
   を平面的に全方向への移動が自在となるよう支持してい
   る樹脂成形品の抜刃型装置。