JPS5919521Y2 - 冷却床ライン装置用タンデムピンチロ−ルブレ−キ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、細物丸鋼圧延設備における冷却床ライン装
置用タンデムピンチロールブレーキに関する。

細物丸鋼圧延設備においては、圧延後に製品を冷却床上
に整列跳出しを行なうために跳出し装置を附設したライ
ン樋が使用されるが、製品をライン樋内で停止させる目
的でブレーキ装置を設置している。

このブレーキ装置の従来例の内に、一般にブレーキシュ
一方式といわれるものがあり、これを略述すると、第１
ａ、１ｂ図において、跳出し装置５を附設したアングル
鋼からなるライン樋２の凹溝部に導入されて走行する製
品１を該凹溝部に配設した下側ブレーキシュー６とブレ
ーキ腕７の一端に装着した上側ブレーキシュー３との間
で前記ブレーキ腕の他端に枢着したピンチ用エヤシリン
ダ４のラムの伸長作動によって挾持することで走行を停
止させている。

なお、このブレーキ装置８は一樋について４〜６基が設
置している。

しかるに、この方式にはつぎに述べるような問題点があ
る。

すなわち、製品が停止するまで上下側シュー間で挟持す
るので製品に滑り傷が生じるとともにシューが激しく摩
耗し、挾持作動の開始時期で停止位置が決定されるので
制御操作が困難である上に停止位置の精度が良くなく、
また停止後に上下側シューを開いてから製品の跳出しを
行なうので跳出し動作ピッチが長くなるとともにシュー
開放時機の制御が難しく、さらに複数基のシュー作動を
同時に行なうので製品走行が高速であるときには後端の
製品が慣性で折れ曲り、あるいは巻付きなどの現象が発
生して２０ ｍ／ Ｓのような高速圧延には不向きであ
るとされている。

この考案は、このような欠点を除くためになされたもの
で、つぎにその実施例について図面によって説明すると
、前述した従来のブレーキシューによるブレーキ装置に
代えてピンチロールによって挟持して停止させるブレー
キ装置を利用するもので、まずアングル鋼からなるライ
ン樋に適用する場合の装置は第２図に示すように、電動
機９によって駆動されて回転する下ピンチロール１０を
ライン樋配列の傾斜に対応させて斜設し、その上面に前
記樋配列に応じて製品案内管１１ ａ、 １１ ｂ。

１１ Ｃおよび１１ ｄを係合させ、該管内に導入され
た製品１が前記ロール面上に載置されるようにする。

前記ロール軸に直交してロール面上の製品の夫々を指向
するピンチ用エヤシリンダ１２ａ、１２ｂ、 １２ Ｃ
および１２ｄを固設し、その各ラム端に前記ロール軸に
平行する回転軸をもつ上ピンチロール１３ ａ、 １３
ｂ、 １３ Ｃおよび１３ｄを装着しである。

したがって、このブレーキ装置によって製品の速度を制
動させるには、前記エヤシリンダを作動させて上ピンチ
ロールを移動することで上下のピンチロール間に製品を
挾持すれば可能で、この状態を第２図において最上段の
上ピンチロール１３ａで示している。

前述したブレーキ装置を冷却床ライン方向に数ケ所設置
して夫々のロール回転速度を異なる速度（例えば走行す
る製品後端が抜は切る速度よりやや遅い速度）に設定し
、さらに冷却床に最も寄ったロール速度を３〜４ｍ／ｓ
に設定するもので、第４図に図例する配置で２０ ｍ／
ｓで圧延された製品を制動する場合には、第一ブレー
キ装置１４のピンチロール速度を１５ｍ／Ｓに、第ニブ
レーキ装置１５を９ｍ／ｓに、第三ブレーキ装置１６を
４ｍ／ｓに設定して適当な挟持力で制動すると、第一お
よび第ニブレーキ装置を製品の後端が抜けるときには夫
々のロール速度よりも製品速度がやや速くてまだ滑って
いるが、第三ブレーキ装置を抜けるやや手前で滑りがな
くなって抜は切るときにロール速度と同速となり、した
がって４ｒ１１／Ｓの速度でピンチロールを抜けた製品
は約２．７ｍ走行して停止し、かつその停止位置が一定
になる。

なお、１７は冷却床、１８は冷却床入口線、１９は製品
後端停止位置線を示す。

また、管状のライン樋を水平に配置しである場合のピン
チロールによるブレーキ装置例を示す第３図においては
、内側の上段に並設した製品案内管２０ａ、２０ｂに係
合する上段下ピンチロール２１の上面に製品が載置する
ようにし、外側の下段に並設した製品案内管２０Ｃ，２
０ｄに夫々係合する下段下ピンチロール２２．２３の上
面に製品１が載置するようにして各々の下ピンチロール
の駆動回転を電動機２４で行ない、該ロール回転軸に直
交してロール面上の製品の夫々を指向するピンチ用エヤ
シリンダ２５ ａ、 ２５ ｂ、 ２５ Ｃおよび２５
ｄを固設してその各ラム端に前記各ロール軸に平行する
回転軸をもつ上ピンチロール２６ ａ、 ２６ ｂ、
２６ Ｃおよび２６ ｄを装着しているが、その冷却床
ラインに対する適用および作動は前述の実施例と同様で
ある。

したがって、この考案によれば、製品とピンチロールと
の相対滑りが小さいので滑り傷が生じない上にロールの
摩耗が少なく、ピンチロールによる挾持作動開始時機の
選択にそれ程の精度が必要としない上に挾持の開放を製
品後端が抜けてから行なっても支障ないので制御が容易
であるとともに停止位置の精度が良好となり、また最終
の圧延機と冷却床入口の間にこの考案に係るブレーキ装
置を設置するので製品の跳出し装置との取合関係を考慮
する必要がなく、したがってその配置が容易となり、ま
たさらに、製品の分割切断による最終切が短小になって
もピンチロールで強制的に送り込むため従来の冷却床入
口前で製品が止まる現象が生じないなど、この考案は多
くの実益をもっている。

【図面の簡単な説明】

第１ａ、ｌｂ図は、従来の細物丸鋼圧延設備における製
品ブレーキ装置を示す夫々縦断側面図および配置図、第
２図は、この考案の実施例に係るピンチロールブレーキ
装置の縦断側面図、第３図は、同じく他の実施例に係る
ブレーキ装置の縦断側面図、第４図は、同じくブレーキ
装置の配置図である。 １０−・・ピンチロール、１１ ａ、 １１ ｂ、 １
１ Ｃ，１１ｄ・・・製品案内管、１２ ａ、 １２
ｂ、 １２ Ｃ，１２ｄ・・・ピンチ用エヤシリンダ、
１３ａ、 １３ｂ、 １３Ｃ，１３ｄ−・・上ピンチロ
ール、１４・・・第一ピンチロール、１５・・・第二ピ
ンチロール、１６・・・第三ピンチロール、１７・・・
冷却床、１８・・・冷却床入口線、１９・・・製品後端
停止線、１・・・製品。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 細物丸鋼圧延設備において、回転駆動自在な下ピンチロ
   ールのロール面上を走行する製品の速度を上ピンチロー
   ルの圧下によって制動するピンチロール式ブレーキ装置
   を冷却床ライン方向に夫々のロール回転速度を順次漸減
   させて設定して数ケ所に設置したことを特徴とする冷却
   床ライン装置用タンテ゛ムピンチロールブレーキ。