JPS6239041B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本発明は、前後動するロールスタンドと、該ロ
ールスタンド上にあり強制的に駆動されるカリバ
ーロールを備え、ロールスタンドの一方または両
方の死点（ロールスタンドの前後動の方向転回
点）の領域において間欠的な送りと回転またはそ
の一方を、１回の回転角度または場合によつては
多数回の単位回転角度の和である合計角度が両回
転方向について等しくなるように与えながら、パ
イプを特に非常に長いパイプを冷間圧延する方法
とその方法を実施する装置に関する。

ｂ 従来の技術 段階的に圧延を行なう装置、とくに冷間ピルガ
ー圧延装置でパイプを圧延加工する場合、経済的
な理由にもとづき圧延加工すべきパイプの長さを
増大させようとする不断のこころみがなされてい
る。押出加工法（または傾斜圧延加工法）に従が
つてインゴツトを冷間圧延し、引き抜き加工を行
ない、連続引き抜き加工を行なうことにより、製
造される銅パイプの生産の場合に、このことは特
に当てはまる。この方法において経済性の観点か
ら重量の大きいインゴツトを使用することが肝要
なことであつて、冷間圧延装置のうしろから測つ
て250メートルまでの管長とすることが要求され
ている。

現在一般に用いられている冷間圧延加工法で
は、圧延パイプは非常に異なつた速度で周期的に
圧延されるので、約90メートルの長さでも問題が
生じている。パイプに作用する加速は10Gを上回
わる。この場合、出口側の固定チヤツクと被圧延
材と冷間圧延加工用工具との間の摩擦力により加
速力を受けささえなければならない。加速力を受
けささえる力が十分でないと、上記圧延装置の動
作における遅延段階で制御を受けない状態でパイ
プが圧延方向に前進することになる。すなわち、
パイプに希望しない送りが与えられることにな
る。このようにして処理されたパイプは不良品に
なる。周期的な加速パルスのためパイプが長さ方
向に振動する場合、上述の問題は増幅される。

非常に長いパイプを冷間圧延するさいに生じる
別の問題は、前記一方の死点または両方の死点で
パイプに回転を与えることに伴ない回転加速が現
われ、これにより回転振動が生じることである。
この結果、出口側トラフにパイプを案内すること
が困難になり、騒音が生じ、さらに冷間圧延装置
の固定チヤツクに作用する保持モーメントが大き
くなる。

ｃ 発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、従来の冷間圧延方法に付随す
る上述の諸欠点を解消するために、パイプの長さ
方向ならびにパイプの軸のまわりに生じる加速力
を減らし、もつて圧延されたパイプの全長のうち
比較的短い部分しか長さ方向ならびに回動方向の
加速の影響を受けないようにすることにより、非
常に長いパイプを経済的に製造することを可能な
らしめることにある。

ｄ 問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、圧延方向からパイ
プをそらせる緩衝領域でパイプの変形により圧延
加工パイプの周期的に不均一な速度が一定の出口
速度に変換され、さらにパイプの周期的に不均一
な回転速度が前記緩衝領域とその隣接の領域また
はその一方でゼロまで減少することを特徴とする
方法が本発明に従つて提案された。

さらに、本発明の好適した実施態様によれば、
緩衝領域に引き続いた領域でパイプを同心状に巻
き取ることが提案される。

作業サイクルごとに45゜から90゜までの角度範
囲でパイプを回転させ、普通は同じ向きに回転を
行なうことは公知のことである。しかし、回転の
向きを交互に変えてパイプを回転させることも公
知である。

圧延加工の試験の結果、それぞれの回転の向き
について一度しか回転させないとき、あるいは多
段に回転させる場合、部分回転角度がそれぞれ同
じであるかあるいはごくわずかしか違つていない
とき、パイプの許容公差を満足する範囲に抑える
ことができないことが明らかにされている。これ
故それぞれの回転の向きについての単位回転角度
が少なくとも20゜互に異なるようにすることが本
発明に従つて提案される。

圧延装置の後でパイプを巻き取ることは公知で
ある（ドイツ特許第2747767号参照）。しかし、こ
の公知発明の構成を使用する場合、パイプを二次
的に処理するため、パイプの長さの大部分にわた
り長さ方向の加速と回転加速をパイプから無くす
るという本発明の課題を解決することはできな
い。

本発明に係る方法を実施する装置は、一定の速
度で運転される駆動装置が圧延領域から所定の距
離離れた適所に配設され、この位置ではパイプ内
の応力がパイプの材料の降伏点を超えないよう調
整され、駆動装置がパイプの回転を阻止するため
パイプに与える反力に基づくねじりモーメントで
ある保持モーメントと圧延装置の固定チヤツクが
パイプの回転を阻止するためパイプに与える反力
に基づくねじりモーメントであるパイプのねじれ
に基づくねじりモーメントより大きくなるよう調
整され、前記の距離が周期的に現われる不均一な
圧延速度を平らにならす緩衝領域として機能する
よう選定されていることを特徴とする。圧延加工
試験の結果、各回転方向について全部で90゜パイ
プを回転させる場合、前記の距離が（パイプの長
さが250メートルまでの場合）約40から50メート
ルの範囲に選定されていることが好ましいことが
明らかにされている。

圧延装置のうしろの所定の距離離れた適所に配
設されパイプのまわりで回転しないよう構成され
た定置の装置であつて、パイプの周期的に不均一
な速度を均一な移送速度に変換するとともに、こ
の装置のうしろでパイプの回転をゼロに抑える装
置も本発明により提案される。

この装置のほかに、圧延速度または緩衝領域の
形成状態に応じて無段階に駆動状態を調節するこ
とができ、しかも圧延加工されたパイプ端を引き
出すことができる位置にあるローラー駆動装置を
設けることが効果的である。

本発明のいま１つの特徴は、この駆動装置がパ
イプの巻き取りを行なうための曲げ装置として構
成されることである。

本発明によれば、別の案として、圧延装置のう
しろに曲げ装置を配設するようにしてもよい。

曲げ装置を補なうため、本発明によれば、一定
の周速度をもつたリールか設けられており、該リ
ールが曲げ装置の中に形成されたコイルに、駆動
装置の移送速度に対応する均一な速度を摩擦によ
つて与えるよう調整することを提案する。曲げ装
置とリールの代りにドラム式コイラーまたはドラ
ム式引張機を使用してもよい。

パイプを回転させることなく不均一な長さ方向
の速度と回転速度を変換する別の解決方法とし
て、長さ方向には自由に移動させることがきるが
パイプが回転することを阻止するようにされ、ね
じり応力を確実に受けうる保持兼曲げ装置を変形
加工領域から所定の距離離れた適所に配設し、最
後のコイルの巻き取りの段階でパイプの長さ方向
の速度を平らにならすことが本発明に従つて提案
される。この解決方法によれば、パイプは保持装
置のまえでロールの中央面からそれず、そして保
持装置を通過する押しこみ力は圧延工程から得
る。この解決方法の特長は、パイプがまつすぐに
案内されることと、比較的簡単に速度を調節する
ことができることである。しかし圧延工程を妨た
げることなく、圧延パイプの断面が発生したパイ
プの押圧力を受けささえることができる場合しか
この方法を使用することができないことが欠点で
ある。

ｅ 作用 圧延部の動作によつてパイプに与えられた前進
運動と回転運動は、緩衝領域におけるパイプの変
形として吸収される。

ｆ 実施例 以下、本発明の一実施例を図解した添付図面を
参照しながら本発明を詳細に説明する。

第１図はピルガー圧延装置で非常に長い管を製
造し、それを巻き取る装置の概念図である。

管圧延に従事する技術者に周知であるように、
ピルガー圧延装置の圧延ロールは回転運動ととも
に往復運動をする。第１図においてピルガー圧延
装置のロール１は、ロール回転軸の方向と圧延パ
イプ２の進行方向を含む平面への投影として図示
されている。ロール１は往復運動の転向点である
入口死点ETと出口死点ATの間で回転しながら
公知の要領で移動する。パイプの交差を少くする
ために、公知の要領で両回転方向に交互にパイプ
２を回転させている。出口側固定チヤツク３は入
口側固定チヤツク（図示せず）と協働して両死点
ETとATの一方または両方において上記の回転
角度パイプ２を回転させる。

高品質のパイプを得るためとロールの摩耗を少
なくするため、全回転角が少なくとも90゜であつ
て、それぞれ少なくとも35゜の２つの単位工程で
パイプ回転させるとともに、両回転工程の間の角
度差が少なくとも20゜であるよう調整されている
ことが好ましい。

パイプ２は長さ約30メートルのまつすぐに延設
されている出口区画のうしろの連結部で圧延面か
らそれ、半径約15メートルの曲率で約70゜のそら
せをへて、平均圧延速度で駆動されている駆動装
置４に案内される。

上記駆動装置４は、パイプの回転に伴ない出口
側固定チヤツク３に生じたパイプ２のねじりモー
メントを受けささえ、パイプ２の回転運動を阻止
する。すなわちパイプ２は回転運動に関しては駆
動装置４で固定されているので、ピルガー圧延部
におけるパイプ回転によつて生じる駆動装置４と
出口側固定チヤツクの間のねじりに基づくモーメ
ントに対応する反力を駆動装置４が与える。した
がつてピルガー圧延部でパイプ２が交互に反転し
ても、その回転はパイプのねじれをもたらすのみ
でパイプ２の実質的回転は生じない。なおパイプ
のねじれがパイプの弾性限界（外力を取り除いた
ときに元の形状に復元することができる変形の限
界）を超えないように出口側固定チヤツク３と駆
動装置４の距離は充分大きく選定されている。

駆動装置４の移送速度は曲率半径に従つて調節
される。

パイプ２は駆動装置４を出たあと曲げローラ
ー・ユニツト５に導びかれるが、この曲げローラ
ー・ユニツト５は駆動を行なわない。曲げローラ
ー・ユニツト５は到来したパイプ２に回転を与え
ることなく一定の速度でパイプ２をコイル６に形
成する。

コイル６はリール７に巻き取られる。このとき
該リール７におけるコイルの周速度は駆動装置４
の移送速度に対応する。

パイプの周囲は駆動装置の中にある三方が閉止
されている湾曲した案内を通り抜けて案内され、
パイプ端は圧延装置の変形加工領域を退出したあ
と駆動装置により迅速に引き出され、リールに巻
き取られる。リールに新しいパイプがはいるまえ
にリールが交換される。

ｇ 発明の効果 本発明によれば、緩衝領域のうしろにあるパイ
プの長さ部分がそのほかのパイプ質量から動力学
的連結状態がはずされているので、パイプを回転
させることなくパイプの主要部分の質量を一定の
速度で移送させることができ、しかも圧延工程に
妨げとなる影響を及ぼすことがないので有利であ
る。さらに、本発明によれば、簡単かつ安全にパ
イプを移送することができ、さらにまた、簡単に
パイプを鋸切断し、マークづけし、検査し、矯正
することができる。本発明によればパイプをコイ
ルの形に巻き取ることが可能であるから、工場設
備の長さを大幅に短縮することができる。すなわ
ち、非常に長いパイプを圧延することが極めて容
易となる。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の一実施例に係る装置の構成
を概念的に図解した略線図である。 １……ロール、２……パイプ、３……出口側固
定チヤツク、４……駆動装置、５……曲げローラ
ー・ユニツト、６……コイル、７……巻取りリー
ル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 管軸方向で往復運動するロールスタンドと、
   ロールスタンド上に位置し強制駆動される溝付き
   圧延ロール１を備える圧延装置を用い、上記往復
   運動の転回点である両死点ET，ATまたはその
   一方において間欠的にパイプに前進運動と回転運
   動またはその一方を与え、この際上記回転が単一
   の回転または複数の個々の回転の角度の和であ
   り、上記回転角度の和である全角度がパイプの両
   回転方向について等しい、長いパイプを冷間ピル
   ガー圧延する方法において、 冷間ピルガー圧延装置出口のパイプの軸方向か
   らずれたパイプ入口方向を有する駆動装置であつ
   て、上記圧延装置の出口側固定チヤツク３から圧
   延されたパイプ２のねじり応力が常にパイプの材
   料の弾性領域の中にあるように選ばれた距離だけ
   離れた位置に配設されている、パイプを移送する
   ローラーから成る駆動装置４を用いてパイプの回
   転を阻止することと、 圧延装置と駆動装置の間の緩衝領域においてパ
   イプ２の方向をロールの中のパイプ方向からそら
   せ、圧延後のパイプの周期的に変動する速度をパ
   イプの変形により一定排出速度に変え、その排出
   速度で駆動装置からパイプ２を抽き出すことを特
   徴とする、長いパイプを冷間ピルガー圧延する方
   法。 ２ 上記パイプ２が上記緩衝領域の後に同心コイ
   ルに巻かれることを特徴とする特許請求の範囲第
   １項記載の長いパイプを冷間ピルガー圧延する方
   法。 ３ パイプの上記個々の回転が各回転方向につい
   て少くとも20゜互いに異ることを特徴とする特許
   請求の範囲第１項記載の長いパイプを冷間ピルガ
   ー圧延する方法。 ４ 管軸方向で往復運動するロールスタンドと、
   ロールスタンド上に位置し強制駆動される溝付き
   圧延ロール１を備える圧延装置を用い、上記往復
   運動の転回点である両死点ET，ATまたはその
   一方において間欠的にパイプに前進運動と回転運
   動またはその一方を与え、この際上記回転が単一
   の回転または複数の個々の回転の角度の和であ
   り、上記回転角度の和である前角度がパイプ両回
   転方向について等しい長いパイプを冷間ピルガー
   圧延する装置において、 パイプを移送するローラーから成る駆動装置で
   あつて、ピルガー圧延装置の回転運動に基づくパ
   イプ２のねじり応力がパイプ２の降伏点を越えず
   かつ圧延装置の出口側固定チヤツク３の保持モー
   メントおよび駆動装置４の保持モーメントがパイ
   プ回転によつて生じたねじれモーメントより大で
   あるように選ばれた距離だけ圧延領域から離れて
   配設され、かつ圧延装置出口のパイプの軸方向か
   らずれたパイプ入口方向を有する駆動装置４を備
   えて、 上記圧延領域と駆動装置の間の区間が周期的変
   動圧延速度を平均化させる緩衝領域として形成さ
   れていることを特徴とする長いパイプを冷間ピル
   ガー圧延する装置。 ５ 上記駆動装置４がパイプ２をコイルにする曲
   げ装置５（ベンダー）として作られていることを
   特徴とする特許請求の範囲第４項記載の長いパイ
   プを冷間ピルガー圧延する装置。 ６ 上記駆動装置４がその出力側に、パイプ２を
   コイルにする曲げ装置５（ベンダー）を備えるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第４項記載の長い
   パイプを冷間ピルガー圧延する装置。 ７ 上記駆動装置が、一定速度で回転するリール
   ７であつて上記駆動装置４の搬送速度に対応する
   一様な速度を摩擦接触を介してパイプのコイル６
   に与えるリール７を、駆動装置の出力側に有する
   ことを特徴とする特許請求の範囲第４項ないし第
   ６項のいずれかに記載する長いパイプを冷間ピル
   ガー圧延する装置。