JPS5919085Y2 - コンクリ−ト板の接合保持兼用型枠装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンクリート板、例えば、コンクリート壁板等
を立設接合するにあたって使用するコンクリート板の接
合保持兼用型枠装置に関するものである。

構造物の施工においては、例えば第１図のように既製の
ＰＣ壁板１，１を隣接させ、壁板１，１間にコンクリー
ト２を打設して相互に接続する方法が行なわれているが
、このような場合、壁板はその接合、固設が完了するま
で、所定の状態を保持しておく必要がある。

この保持手段として、従来は、それぞれの壁板を各個に
立設保持するか、あるいは壁板に支持ボルト等をインサ
ートしておき、これを利用して隣接した壁板を互に連結
して相互保持をさせる等の方法がとられている。

しかし、これら従来の手段では、壁板を保持するための
仮設物が大がかりとなって施工が複雑化し、多くの工費
を要することになり、あるいは、壁板の表面にインサー
トが露出して外観を損うと共に、その補修等に余分の手
間をかけねばならない等、多くの欠点を有していた。

本考案は上記従来の欠点に鑑みなされたもので、接合す
る壁板を互にその端部において、側面と端面とから挟着
保持すると共に、壁板間に打設するコンクリートの型枠
として適用し、壁板の接合固設が完了後はこれを撤去で
きるようにし、施工が簡易で壁板の保持が確実であり、
しかもコンクリートの打設のための型枠を不要とし、工
期、工費を大巾に節減できる、コンクリート板接合装置
を提供せんとするものである。

以下、部面を参照して本考案の実施例を説明する。

第２図はその一実施例を示す横断平面図で、１，１は互
に接合させる壁板等のコンクリート板で、通常はその端
面３ａと側面４との接続する隅部は、図示のように約４
５°に切欠いてあって、両コンクリート板１，１は所要
の間隙Ｔを保って立設される。

また、これらコンクリート板１，１は互に直角交叉状に
立設されるのが通常であるが、構造物の仕様に応じてそ
の交叉角が鋭角あるいは鈍角をなすこともある。

さて、図中５はコンクリート板１，１の側面端部に当接
させて両コンクリート板１，１を支持する支持兼用型枠
で、その当接部は、一方のコンクリート板に対する接当
面５ａと他方のコンクリート板１に対する接当面５ｂと
によって、両コンクリート板１，１の交叉角に適合する
ように、平面路り形に屈曲されている。

一般的には、アングル材の使用が適している。

なお、接当面５ ａ 、５ ｂには、コンクリート板１
，１への密接を充分にするため、ゴム等の弾性体６を貼
着しておけば、好都合となる。

また、支持兼用型枠５は、コンクリート板１の高さ方向
に添ってその略全側面に当接するように上下に長く形成
されていると共に、その接当面５ａ、５ｂ相互の角度保
持をするため、適所に補強材７が設けられており、さら
には、後記する締付杆１０を貫通して装着するための貫
孔８、及びこれに対向する補強材７にも同様の貫孔９が
、それぞれ上下方向に所要間隔をおいて設けられている
。

１０は、上記支持兼用型枠５に対向して、両コンクリー
ト板１，１の各端面３，３に当接させる当て部材で、先
端部に外ネジ１２を設けた締付杆１１に、その外ネジ１
２に螺合して着脱自在に取付けられている。

この締付杆１１は、その基端部には外ネジ１３が設けら
れていると共に、端末は角軸１４に形成されている。

そして、この締付杆１１は、その基端部が上記貫孔８，
９を挿貫して接当面５ ａ 、５ ｂの反対側に突出す
るようにされ、その突出部分にある外ネジ１３には締付
ナツト１５を螺合しである。

上記構成よりなる本考案装置は、互に所要の間隙Ｔを存
して立設したコンクリート板１，１の端部側面に支持兼
用型枠５の接当面５ ａ 、５ ｂをそれぞれ添わせ、
先端部に当て部材１０を螺合した締付杆１１を貫孔８，
９より挿貫して、締付ナツト１５を螺合して行けば、そ
の締付けによって、両コンクリート板１，１の端部側面
４と端面３とは、支持兼用型枠５と当て部材１０とによ
り挟圧され、一体的に挟着接合されることになる。

そして、一体的となった両コンクリート板１，１は互に
干渉し合ってその倒伏を防止することになるので、他に
倒伏を防ぐための特別の手段を講する必要はない。

上記のようにコンクリート板１，１の挟着接合が行なわ
れた後は、各コンクリート板１の端部間に形成された空
腔１６内に必要に応じて適宜配筋のうえ、コンクリート
を打設する。

コンクリートの同化後はナツト１５をゆるめると共に、
締付杆１１をその角軸１４を利用して回動し、当て部材
１０との螺合を切離して引抜き、支持兼用型枠５を撤去
するのである。

この場合、当て部材１０は打設したコンクリート中に残
置される。

なお、施工にあたって締付杆１１に剥離剤を塗布する等
しておけば、その引抜きは極めて容易なものとなる。

第３図は本考案の他の実施例を示したもので先の実施例
とは具体的な構成の点で異っている。

すなわち、締付杆１１の基端部には楔孔１８が設けられ
、これに楔１７を打込むことによって緊締できるように
なっており、基端には大径の握り部が形成してあって、
楔１７を打抜いて握り部を持って締付杆１１を回動でき
るようにしている。

また、当て部材１０には連結用ボルト２０の一端部が螺
着され、このボルト２０の他端部に設けた外ネジ２１を
締付杆１１の先端部に設けた内ネジ２２に螺合して両者
１０．１１が連結できるようになっている。

なお、本実施例においては、支持兼用型枠５の接当面５
ａ、５ｂに貼着する弾性体を除外している。

その他の点については、先の実施例と異るところがない
ので、重複をさけ説明を省略する。

以上説明したように、本発明は、接合する両コンクリー
ト板の端部において、その外側面と端面とを、支持兼用
型枠と当て部材とによって挟着するようにしたので、コ
ンクリート板の保持が確実、強固に行なえると共に、支
持兼用型枠はコンクリート板の接合端部の外側面の全面
に当接するようにできるから、各コンクリート板の接合
端部に形成された空腔へのコンクリートの打設において
も、これが型枠板の役目を果して打設したコンクリート
の漏れるおそれがない。

したがって、コンクリート板の立設保持のために、他の
保持手段を施す必要がないと共に、コンクリート打ちに
あたって他に型枠の組付も不要であり、しかもコンクリ
ート板の側面はそのまま壁面として使用することが可能
であるから、多くの施工用器材を使用することなく、極
めて簡易に施工をすることができ、工期、工費の大巾な
節減が図れる。

また、本考案装置の構造と取扱いは極めて簡単であって
、安価に製作することができる等、多くの優れた効果を
有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はコンクリート板を接合した構造物の要部横断平
面図、第２図は本考案装置及びその使用状態を示す横断
平面図、第３図は同じく他の実施例を示す横断平面図で
ある。 １・・・・・・コンクリート板、２・・・・・・打設コ
ンクリート、３・・・・・・端面、４・・・・・・側面
、５・・・・・・支持兼用型枠、７・・・・・・補強材
、８，９・・・・・・貫孔、１０・・・・・・当て部材
、１１・・・・・・締付杆、１２．１３・・・・・・外
ネジ、１５・・・・・・締付ナツト、１７・・・・・・
楔孔、１８・・・・・・楔、２０・・・・・・連結用ボ
ルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 端部を互に隣接して立設されるコンクリート板の各端部
   外側面において、その高さ方向に添って当接し得るよう
   に形成するとともに、上下方向に所要の間隔をおいて締
   付杆を挿通する貫通孔を設けた支持兼用型枠と、前記コ
   ンクリート板の端面間に当接し得る当て部材と、前記支
   持兼用型枠の貫通孔に挿脱自在であって、基端部に支持
   兼用型枠に対する締付手段を有し、かつ先端部を前記当
   て部材に着脱自在とした締付杆とよりなる、コンクリー
   ト板の接合保持兼用型枠装置。