JPH0633105Y2 - コンクリート型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はコンクリート構造物の成形に用いる、更に詳
しくは正八角形の型枠本体と正方形の接続型枠とを組み
合わせ、型枠の割り付けと枠組みを簡易にしたコンクリ
ート型枠に関するものである。

（従来の技術） コンクリート構造物を構築する一般的な工法は、合板や
スチール製の型枠を使用して枠組を行い、型枠を端太材
やパイプサポートで支持した状態で、枠組にコンクリー
トを打設することによって行うものである。

ところで、従来の一般的な長方形の型枠で枠組を行う場
合には、型枠の連結目地部が一連に連続した直線状態と
なり、そのため連結鋼性が低下し、補強のために多数の
端太材やパイプサポートを必要とした。

六角形の型枠はこの点を補正するものとしてなされたも
のであるが、六角形は縦と横の長さが異なるため、第10
図に示すように枠組み面のコーナ部や隅部に縦用及び横
用の異種型枠を必要とし、型枠の製作面で経済的な問題
があった。

また、三方向以上からの立ち上がりでスラブ構造を構築
する場合には、第10図に示すように、型枠単体の水平距
離と垂直距離が異なるため、立ち上がり交差部が合致せ
ず、そのため特殊形状の型枠を別途に用いなければ枠組
みができず、型枠の割付や組立てが複雑で面倒であっ
た。

（考案が解決しようとする課題点） この考案は、上記のような問題を解消するためになされ
たものであり、正八角形型枠と正方形型枠の組合せによ
り連結鋼性を維持しながら、かつ、型枠の水平距離と垂
直距離が等しい正八角形型枠の特徴をもってコーナ及び
隅部の型枠量を削減し、またスラブ構成を容易にし、型
枠の汎用性と枠組みの効率化を高めることが目的であ
る。

（課題を解決するための手段） いま、この考案の構成を添付図面に基づいて説明する
と、 イ 第１図，第２図，第５図に示すように、正八角形の
成形基板１の外縁に、それの全周にわたってクリップの
挿入孔５を備えた周側板３を対向状に設け、 ロ 成形基板１の背面に、周側板３と同等幅の補強板６
を設けて型枠本体Ａを形成する。

ハ 第３図，第４図，第５図に示すように、前記型枠本
体Ａの一辺と同等の長さを有する正方形の成形基板２の
四辺に、周側板３と同等幅で、かつクリップの挿入孔５
を備えた側壁４を対向状に設け、成形基板２の背面に側
壁４と同等幅の補強板７を設け、 ニ また、前記成形基板２に型枠締付け装置挿通用の円
孔８を設け、背面に円孔８の内径と同等の内径を有する
円筒９を設けて接続型枠Ｂを形成する。

ホ 第６図，第７図に示すように、前記型枠本体Ａと接
続型枠Ｂとの組合せにて、偏平な枠組み面を構成する。

（作用） この考案は、以上のような構造であるから、従って 第10図に示すように、型枠本体Ａは縦方向及び横方向
に並列して並置し、隣接する周側板３に設けられたクリ
ップの挿入孔５にクリップ10を挿入して型枠本体Ａ同士
を連結し、 型枠本体Ａの斜辺部に隣接して接続型枠Ｂを並置し、
型枠本体Ａの周側板３と接続型枠Ｂの側壁４に設けられ
たクリップの挿入孔５にクリップ10を挿入して両型枠を
連結する。

第９図に示すように、型枠本体Ｂの円筒９に座金11と
コーン14を挿入して、くさび15で固定し、コーン14とセ
パレータ13を連結して対向する型枠本体Ｂとを緊結し、 さらに、補強板６及び７に設けられた端太材取付け金
具を連結する連結孔12に、金具を連結して端太材をサポ
ートすることにより、型枠の枠組み面が構成される。

（実施例） なお、この考案の実施に当たって次の如きことができ
る。

イ 型枠本体Ａと接続型枠Ｂの成形基板を合板、スチー
ル、合成樹脂等で作る。

ロ 第９図に示すように、接続型枠Ｂの円筒９の周面
に、型枠締付け装置の係止ピンが挿通するＬ字型の裂溝
16を設ける。

（考案の効果） 以上のように、この考案によると、 八角形の型枠本体Ａと正方形の接続型枠Ｂを組み合わせ
ることにより、型枠の連結目地部が一連に連続した直線
状態とならないため、型枠の連結鋼性を維持することが
できるのみならず、第11図に示すように縦・横の長さが
等しい正八角形の型枠本体Ａが常に縦方向及び横方向に
並列して並置されることにより、付属型枠の減少を図る
ことができ、かつ、三方向以上からの立ち上がりのスラ
ブ構造に対応することができ、型枠の割付と組立てを容
易にし、作業の効率化と経費の削減を図れる。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は、この考案に係る型枠本体の背面図及
び側面図、第３図，第４図は接続型枠の背面図及び側面
図、第５図は同上型枠の分解斜視図、第６図，第７図は
同上型枠の組立背面図及び正面図、第８図，第９図は実
施例に係る同上型枠の締付け要部を示す拡大図及び拡大
断面図、第10図は従来の六角形型枠のスラブ構造の展開
図、第11図は同上型枠のスラブ構造の展開図である。 Ａは型枠本体、Ｂは接続型枠、１及び２は成形基板、３
及は周側板、４は側壁、５はクリップ挿入孔、６及び７
は補強板、８は円孔、９は円筒。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】イ 正八角形の成形基板１の外縁に、それ
   の全周にわたってクリップの挿入孔５を備えた周側板３
   を対向状に設ける。 ロ 前記成形基板１の背面に、周側板３と同等幅の補強
   板６を設けて型枠本体Ａを形成する。 ハ 前記正八角形の型枠本体Ａの一辺と同等の長さを有
   する正方形の成形基板２の四辺に、周側板３と同等幅
   で、かつクリップの挿入孔５を備えた側壁４を対向状に
   設ける。 ニ 前記成形基板２の背面に側壁４と同等幅の補強板７
   を設ける。 ホ 前記成形基板２に型枠締付け装置挿通用の円孔８を
   設け、背面に円孔８の内径と同等の内径を有する円筒９
   を設けて接続型枠Ｂを形成する。 ヘ 前記型枠本体Ａと接続型枠Ｂとの組合せにより、偏
   平な枠組み面を構成するコンクリート型枠。
2. 【請求項２】補強板６及び７に、端太材取付け金具を連
   結する連結孔１２を設けた請求項１のコンクリート型
   枠。
3. 【請求項３】型枠本体Ａの周側板３及び補強板６、並び
   に接続型枠Ｂの側壁４及び補強板７がスチール製である
   請求項１のコンクリート型枠。