JPS591845Y2 - トラクタのフロントアクスル支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は主として農用のトラクタにおけるフロントアク
スル支持装置に関する。

従来農用トラクタにおいて、左右両端の開口した角筒形
のフロントアクスルブラケットをエンジンの前下端部に
設け、その前後壁に前後端を固定したセンターピンでフ
ロントアクスルをスイング自在に支持したものは知られ
ている。

ところがその場合はフロントアクスルをフロントアクス
ルブラケットから外すためＣ；は、フロントアクスルを
横方向へ抜かなければならず、作業性が悪く、多くの手
間がかかる。

組立時についても同様である。本考案は従来の角筒形フ
ロントアクセルブラケットから底板を分離し、底板をブ
ラケット本体に対し着脱自在とすることにより前記従来
の不具合を解決しようとするもので、図面に関連して説
明すると次の通りである。

トラクタ前端部の縦断左側面を示す第１図において、フ
ロントアクスルブラケット１は上壁２と、そこから下向
きに突出した概ね平行な前壁３、後壁４を一体に備え、
前後壁３，４に明けた開基の孔５．６の内、孔６にはセ
ンターピン７の後端部（第１図右端部）が嵌合し、孔５
にはセンターピン７に嵌めたスペーサ８が嵌合している
。

センターピン７は前端（第１図左端）に矩形の外向きフ
ランジ９を一体に備え、このフランジ９を４個のボルト
１０により前壁３に締着することにより、センターピン
７をフロントアクスルブラケット１に対し固定している
。

前後壁３，４間のセンターピン７上にはフロントアクス
ル１２と一体のボス筒１３が、その内面に固着したブツ
シュ１５の部分で嵌合している。

フロントアクスル１２にボス筒１３を一体化する際、フ
ロントアクスル１２の前後壁にボス筒１３よりやや大径
の孔１６．１７を明け、適当な治具によりフロントアク
スル１２に対するボス筒１３の傾斜角を定めた状態で接
合部分１８．１９にアーク溶接を施し、これによりキャ
スター角α１を与えている。

２０はグリース注入用のニップル、２１はフロントアク
スル１２内に摺動自在に嵌合したエクステンション、２
２はエクステンション２１の先端に取り付けた右側の前
輪である。

前後壁３，４の下端部を底板２５が剛直に連結している
。

即ち底板２５の前端（第１図左端）は２個のボルト２６
により前壁３の下端面に締着しており、底板２５の後端
部（第１図右端部）は同じく２個のボルト２７により後
壁４の下端面に締め付けである。

底壁２５はセンターピン７で支持されているフロントア
クスル１２の中央部の下端より比較的大きい隙間Ｌ１を
へだてで下側にあり、又左右方向の幅Ｌ２ （第２図）
は前後壁３，４を補強するに充分な範囲で小さく定めで
あるため、フロントアクスル１２はセンターピン７を支
点として上面がストッパー２８に当たるまで゛のスイン
グ角α２で゛自由にスイング可能である。

フロントアクスルブラケット１は前端（第１図左端）に
バンパー２９を備え、後端部は複数個のボルト３０（第
２図）によりエンジンの前面下端部又は適当なフレーム
の前端部に強固に取り付けである。

なお第２図において３１はエクステンション２１をフロ
ントアクスル１２に締着するためのボルト、３２はエク
ステンション２１の先端に固着したガイド筒、３３はキ
ングピン、３４はナックルアームである。

第２図においてフロントアクスルブラケット１からフロ
ントアクスル１２を取り外すには、４個のボルト２６．
２７をゆるめて底板２５をフロントアクスルブラケット
１の前後壁３，４から外し、フロントアクスルブラケッ
ト１の下端を開放する。

その状態で、（又は予め）ブラケット１又はエンジンを
ジヤツキ（図示せず）で支持し、４個のボルト１０を抜
き、センターピン７を孔５．６から抜き取る。

そうするとフロントアクスル１２はブラケット１から解
放されるので、更にジヤツキによりブラケット１又はエ
ンジンを上げることによりブラケット１とフロントアク
スル１２を上下に分離することができる。

左右のエクステンション２１を取り除いた状態のフロン
トアクスル１２をブラケット１から外す場合も同様で、
フロントアクスル１２をブラケット１から下方へ取り外
すことができる。

組立時には上記作業の逆を行えばよい。

以上説明したように本考案においては前端に外向きフラ
ンジ９を一体に有するセンターピン７の前後端を前後壁
３，４の孔５，６に嵌合してフランジ９を前壁３の前面
にボルト１０で締着するようにしたので、フロントアク
スルブラケット１に対しセンターピン７をその前端のフ
ランジ９部分のみにおいてボルト１０により前壁３に締
着すればよく、センターピン７の着脱作業を接近しやす
い前側のみで行うことができ、作業が容易になる。

しかしセンターピン７の後端は後壁４の孔６に嵌合支持
されるだけであるため、前後壁３，４の下端が自由状態
で゛あると、センターピン７を固定している前壁３側の
みに過大な応力がかかるが、前後壁３，４の下端は底板
２５により強固に連結されているため前壁３の強度低下
を底板２５と後壁４が補い、フロントアクスル１２の中
央部を支持する部分が第１図の如く角筒形（閉じた矩形
断面のボックス構造）となり、センターピン７に対する
保持剛性が増す。

これにより前後壁３，４の厚さを比較的薄くしても上壁
２と前壁３の接続部分に破損の生じる恐れはなく、全体
の強度が向上する。

内底板２５を取り外せばフロントアクスル１２をブラケ
ット１に対し下方へ容易に取り外すことができ、完全な
角筒形断面のフロントアクスルブラケットにおけるフロ
ントアクスルの着脱作業に手間がかかるという不具合を
確実に防止することができる。

なお本考案を具体化する時、フロントアクスルブラケッ
トは土壁と前後壁を有する銀金組立品であってもよく、
その場合は前後壁の下端部に銀金製底板を締着するため
の水平フランジを設ける。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用した農用トラクタ前端部の縦断左
側面図、第２図は第１図のＩＩ−■■断面部分図である
。 １・・・フロントアクスルブラケット、２・・・上壁、
３・・・前壁、４・・・後壁、７・・・センターピン、
１２・・・フロントアクスル、２５・・・底板、２６．
２７・・・ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントアクスルブラケットに土壁と、そこから下向き
   に突出した前壁及び後壁を設け、前端に外向きフランジ
   を一体に有するセンターピンの前後端を前後壁の孔に嵌
   合してフランジを前壁の前面にボルトで締着し、上記セ
   ンターピンでフロントアクスル中央部を支承し、フロン
   トアクスル中央の下側において前後壁の下端に底板をボ
   ルトで締着したことを特徴とするトラクタのフロントア
   クスル支持装置。