JPS591819B2 - スプレ−糊用組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスプレー型糊剤組成物に関する。

更に詳しくは、色柄物に糊を用いた時、特に白化を起こ
すことなく、かつ、ポリエステル−綿混紡衣類に良好な
張り強度を付与し、しかも付着した汚れを容易に除去す
ることができる糊剤組成物に関する。

従来、スプレー型の糊剤は手軽に使用することが出来る
ので便利であり、一般にはエアゾール型のスプレー糊と
して市販されている。

スプレー型糊剤は部分的、特にえり、そで部分ののり付
げに好適である。

しかもこの、えり、そで部分は人体に密着し摩擦などを
受ける為汚れが付着すると通常の洗濯においては仲々脱
落し難く、ブラシなどで部分洗いをしているのが通例で
ある。

一般に市販されているスプレー型糊剤の主成分は低粘度
化した化工でんぷんが使用される。

この化工でんぷんはスプレー可能な粘度の溶液でも、十
分な張り強度を衣類に与えることが出来るので好適であ
る。

糊剤は一般的に汚れの脱落性を容易にする性質を持って
いるが、えり、そでなとの汚れに対しては完全を期すこ
とが出来ない。

特にポリエステル／綿・混紡の衣類に対してはなお不十
分である。

又、化工でんぷんのスプレー糊は通常衣類などにスプレ
ーし、衣類が湿った状態のまＸでアイロンがげをする為
、アイロンに糊が付着し更に衣類に移行する為、衣類は
白糊カスが付着する。

特に色物の衣類の場合、白い糊カスは好ましくない。

ポリビニルアルコール（ポバール）を用いてモ全く同じ
ような欠点を有し、澱粉の替りとなりうるものではない
。

又、洗濯糊としてポリ酢酸ビニルエマルジョンが家庭用
として市販されて公知となっているが、このようなポリ
マーエマルジョンその物はスプレー糊としては使用し得
ないものである。

それは、スプレー可能な粘度を有する糊料組成物となる
よ５にポリ酢酸ビニルエマルジョンを希釈すればポリマ
ー分は沈降してしまうし、又、スプレーの操作に耐える
程度に安定ではないので、スプレーしても、噴出口から
噴霧するときポリマーエマルジョンが破壊し、噴出口に
ポリマー分がつまってしまうという本質的欠点を有する
わ 又、特公昭５０−３４１５３号公報には、水溶性芳香族
ポリエステルの水溶液中で、アクリル酸、メククリル酸
の少なくとも一種を含む重合可能なビニル単量体を反応
せしめた後、酸成分をアルカリ金属またはアミン塩基で
中和して得られる物が繊維用糊剤として使用可能である
ことが示されている。

この発明においては水溶性芳香族ポリエステルが使用さ
れているが、水中におけるポリマー分散状態ではエステ
ルは加水分解を受けたり、あるいは芳香族成分に含まれ
るスルホン基はスプレー糊の罐を腐蝕させるなどの欠点
を持ちスプレー糊用としては用いることのできないもの
である。

このように、スプレー用糊剤としては未だ完成されたも
のはなく、我々はこれらの欠点を解決すべく鋭意劣力研
究し、本発明を完成するに至った。

即ち、不飽和カルボン酸５〜８０モル％とこの不飽和カ
ルボン酸と共重合可能な単量体９５〜２０モル％との共
重合体（Ａ）、および化工澱粉（Ｂ）を含有する組成物
が本発明の目的を達することができる事を見い出したの
である。

本発明に係る化工澱粉は、好ましくはヒドロキシアルキ
ル化澱粉、カルボキシアルキル化澱粉であり、たとえば
ヒドロキシプロピルでんぷん、ヒドロキシエチルでんぷ
ん、カルボキシメチルで／ぷんであり、これら化工でん
ぷんのうち、特に七ドロキシアルキル化、カルボキシア
ルキル化等（置換の程度については０．１〜０．３好ま
しくは０．１２〜０２なる置換度を有するものがよい。

置換度が０．１未満では、化工でんぷんの変性によζ長
期間保存すると沈澱物が生成し、色物などに０用した時
白化現象がより激しくなる。

又置換度力０．３より大きいものを用いてもよいが、張
り強用の低下傾向が認められ好ましくない。

化工でん厖んの水溶液の粘度は、過酸化水素、次亜塩素
酸ラトリウムなどの酸化剤で分解することにより低ゴ可
能であり、５％水溶液として３０センチポイジ（２０℃
）以下がよく、これ以上の粘度ではスフレ−が良好でな
（、その結果白化現象が起ってくる。

本発明に係る共重合体は、不飽和カルボン酸たとえばア
クリル酸、メタアクリル酸、マレイン酎イタコン酸の様
に１つ以上のカルボン酸基を持℃酸５〜８０モル％好ま
しくは５〜２５モル％、より好ましくは１０〜２０モル
％と、この不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体たと
えば酢酸ビニル、メタクリル酸アルキル（アルキル基の
炭素泌１〜１２）、アクリル酸アルキル（アルキル基の
炭素数１〜１２）を夫々単独又は混合で９５〜２０モル
％、好ましくは９５〜７５モル％、より好ましくは９０
〜８０モル％を含む系を乳化重合し、次にその一部又は
全部の酸を中和する為アンモニア又は水酸化アルカリ金
属水溶液を添加してハイドロゾル溶液としたものが適当
である。

この・・イドロゾル溶液の粘度は５％水溶液（２０℃）
として３〜３０ｃｐ好ましくは４〜２０ｃｐＯものがよ
い。

本発明の組成物のように共重合体中の不飽和カルボン酸
成分が５〜８０モル％の範囲内ではポリマー成分が凝集
せずスプレー用として適用できる又、特に不飽和カルボ
ン酸成分が５〜２５モル％の範囲内では布に白化現象を
起さないという利点があり、２５〜８０モル％の範囲内
では落ち難い汚垢を容易に落すという利点がある。

化工でんぷんと共重合体は１９：１〜１：１９の重量比
率好ましくは７０ ： ３０〜３０ニア０の重量比率で
用いることがよい。

化工でんぷんと共重合体は合計で１〜１０重量％好まし
くは３〜６重量％で使用することがよく、余り濃度が高
すぎる場合には十分相乗効果が出す、濃度が低い場合に
は十分な張り強度を出す為に、多量噴霧しなげればなら
ず不経済である。

本発明の組成物には更に、必要に応じ水溶性のポリエチ
レングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコー
ルの如きアイロン付着防止剤、シリコンの如きアイロン
すべり防止剤、エチルアルコール、プロピルアルコール
等の如キ低級アル１−ル、その他螢光染料、殺菌剤、香
料、罐腐蝕防止剤の如き添加剤が加えられる。

本発明の組成物の好ましい例として次の組成物（Ｉ）及
び（ＩＩ）を例示する。

本発明のスプレー糊用組成物はポンプ式のスプレー容器
に充てんし、使用してもよいが、より一般的には、エア
ゾールの耐圧罐に噴射剤と共に充てんし使用することが
好ましい。

この時噴射剤とシテはｉ化プロパン又はブタン及びそれ
らの混合物を使用することがよい。

噴射剤と本発明の組成物との重量比率は３：９７〜４０
： ６０好ましくは５：９５〜３０ ： ７０がよい
。

かくして製造した本発明によるスプレー糊は、衣類特に
黒色の衣料にスプレーして直ちにアイロンがげをしても
糊の白いカスが付着し、外観を損ねることがない。

即ち本発明によるスプレー糊はスプレー適性のすぐれた
粘性を有し、布地に対し均一にスプレーすることが出来
、しかもスプレー直後の湿潤状態でのアイロンかげでも
アイロン滑りがよく、アイロンに対する糊の固着も認め
られないという優れたアイロン適性を示す。

本発明にかかわるスプレー糊で、衿、袖などを処理した
衣類は着用により汚れが付着しても、普通の洗濯により
汚れが脱落し、もみ洗い、ブラシ洗いなどの部分洗いの
必要がない。

以下更に具体的に本発明を説明するために実施例を示す
。

実施例 １ ５％水溶液粘度が１０センチポイズ（２０℃）であるヒ
ドロキシグロビル化澱粉（置換度０．１２）及びアクリ
ル酸メチル／アクリル酸の比率の異なる各種ハイドロゾ
ルを用い下記の組成物を作った。

ヒドロキシグロビル化澱粉 ２ 重量％アクリ
ル酸メチル／アクリル酸のハ ３ イドロゾル ポリエチレングリコール２００ ３ シリコンエマルジョン（１０００セ ０．５ンチストー
クス：シリコン分３０％品） 水 バランス 堵こ
の溶液と液化プロパンガス（内圧３．１ ｋｇ／ｃ４２
０℃）とを８０：２０の重量比率でエアゾール罐に充て
んし、十分に振盪し３０×２０ｃｒＩｌの黒色及び青色
木綿６０＃ブロードに均一に約５１量噴霧し、１分間放
置後：来夏自動アイロン（ＨＩＡ−４１２型、目盛、綿
）を用い、アイロンがけを行った。

アイロンかげした黒布及び前布の夫々の白化及びしみ状
態を肉眼で観察した。

又糊付は布について張り試験及び被洗浄率の測定を行な
った。

その判定或は測定結果を表１に示す。

即ち本発明のスプレー糊はスプレー適性及びアイロン適
性が共に良好であり、しかも十分な張り強度とすぐれた
被洗浄率を示した。

実施例 ２ アクリル酸エチル ７０モル％メククリ
ル酸メチル ２０ 〃メタクリル酸
１０ 〃から成るハイドロゾル溶液（２
０℃５％水溶液粘度１５センチポイズ）。

ヒドロキシエチル化澱粉（置換度０．１８、粘度２０セ
ンチポイズ（２０℃５％水溶液））。

・アクリル酸エチル／メタクリル酸メチル／メタク
リル酸から成るハイドロゾルとヒドロキシエチル化澱粉
を合わせて６重量％とし更にポリエチレンクリコール４
００１重量％、シリコンエマルジョン（１０００センチ
ストークス シリコン分３０％）１重量％を含む糊剤溶
液を作り実施例１に従い、エアゾール容器に充てんし黒
布に対する白化及び青春に対するしみ現象をみた。

結果を表２に示す。

実施例 ３ メタクリル酸ドテシルエステル ５モル％メタクリ
ル酸メチルエステル ７０ 無水マレイン酸モノブチルエステル ２５から成る共重
合中和物の・・イドロゾルで５％水溶液粘度（２０°Ｃ
）が１８センチポイズの共重合体の有効分として３重量
％と５％水溶液粘度が１３センチポイズ（２０℃）を示
すカルボキシメチル化でんぷん３重量％、グリセリン１
重量％及びシリコン０．５重量％を含む溶液８０重量部
と液化プロパンガス２０重量部とをエアゾール罐に充て
んしエアゾールスプレー糊を調整した。

色物に使用しても白化或はシミ現象はおこらず、スプレ
ー適性及びアイロン適性は優れており、又張り試験及び
被洗浄率も良好な結果を示した。

実施例 ４ ５％糊糊化水溶液塵が１５センチポイズである過酸化水
素分解したヒドロキシエチル澱粉（置換度０．１２）（
Ｉ）、 メタアクリル酸２５モル％、メタアクリル酸メチル７５
モル％なる単量体混合物を、重合開始剤として過硫酸カ
リを単量体混合物に対し１重量％使用し、乳化剤として
ドデシルサルフェートナトリウム塩を単量体に対して２
重量％使用し、温度７０〜７５℃にて乳化重合した。

乳化重合物濃度は１５重量％である。

この乳化重合物をアンモニア水溶液でｐＨ８，０〜８５
に調整した（ＴＩ）。

この共重合中和物の５％水溶液粘度（２０℃）は１５セ
ンチポイズであった。

上目■）、川を用い下記の配合よりなる配合液を作った
。

この配合液８０重量％に対し液化プロパンガス（内圧３
．１ ｋｇ／ｃｖｔ ： ２０℃）２０重量％になる如
くにエアゾール罐に充てんした。

このエアゾールをポリエステル／綿−６５／３５０６０
＃ブロードに２ ？／ １０ｃ１ｒＬＸ １０ｃｍにな
る如くに均一にスプレーし、アイロンがげをして乾燥さ
せる。

この糊付は布を一部は１５Ｘ２．５儂の長さに切断しカ
ンチレバー法により張りの強さを測定。

又他の部分は次の組成を有する汚染液に浸漬し、人工汚
染布を作成した。

汚染液の組成 パークレン １ｏｏｏｃｃカー
′１′″″７ ０．６１綿実
油 １ｏ グオレイン酸
２．６１パルミチン酸
１．６１流動パラフイン
１ グ市販重質洗剤（新ザブ、
花王石鹸製）０．０８３％水溶液中（２０°Ｃ）でター
ボトメ−ターを用い上記汚染布を１０分間洗浄し、５分
間す＼ぎ被洗浄率を測定した。

張り強度及び被洗浄率測定結果を表３に示す。

表３かられかる様に（Ｉ）と（Ｉ［）を配合して成る本
発明のスプレー糊は張り試験及び被洗浄率の測定結果が
（Ｉ）、（Ｉ［）単独の場合と比較して優れており、又
スプレー適性及びアイロン適性も良好であった。

実施例 ５ ５％糊化水溶液粘度１０センチポイズ（２０℃）である
次亜塩素酸ナトリウム分解したカルボキシメチル化澱粉
（置換度０．１７）（ＩＩＩ）、アクリル酸０〜１００
モル％、アクリル酸エチル１００〜０モル％なる単量体
混合物を、重合開始剤として過硫酸カリを１重量％使用
し、乳化剤としてドデシル硫酸ナトリウムを単量体に対
し２重量％使用し温度７０〜７５℃で重合した。

この重合液を水酸化ナトリウムでｐＨを７．０〜７．５
に調整した旬。

上記（ホ）、■を用い下記の配合液を作った。

（ＩＩＩ） ３
重量％２ グリセリン １ シリコンエマルジヨン（シリコン、０．５６００００セ
ンチストークス固形 分３０％） エチルアルコール ５実施例１と同
様にアイロンかけ試験を行ない、又張り強度及び被洗浄
率を測定した。

結果を表４に示す。

実施例 ６ アクリル酸オクチル １０モル％メタク
リル酸メチル ６０酢酸ビニル
１０アクリル酸
２０なる共重合物のアンモニアでｐＨ７，０〜
７．５に調整した液（２０’０５％水溶液粘度１１セン
チポイズ）を有効成分として３重量％、実施例１で用い
たヒドロキシプロピル澱粉２重量％、ポリエチレンクリ
コール６００２重量％、シリコンエマルジョン（シリコ
ン１００００センチストークス、固形分３０％エマルジ
ョン）、インプロパツール３重量％を含む水溶液８５重
量部に対し液化プロパンガス（内圧２．６ ｋｇ／ｃｗ
ｔ ： ２０℃）１５重量部になる如くエアゾール罐に
充てんし、エアゾール糊剤に供した。

こ このエアゾールスプレー糊も実施例３のエアゾール
スプレー糊と同様、スプレー適性及びアイロン適性が優
れており、又張り試験及び被洗浄率も良好な結果を示し
た。

実施例 ７ 下記の配合組成に従い、実施例１と同様にして一点布に
対する白化及び前布に対するしみ現象を調べ、又実施例
４と同様にして被洗浄率及び張り強度を測定した。

結果を表５に示す。

配合組成 上記表５の試験結果から、アクリル酸共重合物と化工で
んぷんを併用することによりはじめて（上記表Ａ５）、
被洗浄率及び張り強度が太き（、又黒布の白化及び前布
のしみ現象を生じさせないスプレー糊が提供されること
が判る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 不飽和カルボン酸５〜８０モル％とこの不飽和カル
   ボン酸と共重合可能な単量体９５〜２０モル％との共重
   合中和物で５％水溶液粘度（２０℃）が３〜３０センチ
   ポイズである共重合体、およびヒドロキシアルキル化澱
   粉およびカルボキシアルキル化澱粉から選ばれ５％水溶
   液での粘度（２０°Ｃ）が３〜３０センチポイズである
   化工澱粉を重量比１９：１〜１：１９の割合で含有する
   ことを特徴とするスプレー糊用組成物。 ２ 不飽和カルボン酸がアクリル酸、メタクリル酸、マ
   レイン酸、マレイン酸モノアルキルエステルおよびイク
   コン酸からなる群より選ばれる１つである特許請求の範
   囲第１項記載のスプレー糊用組成物。 ３ 不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体がアクリル
   酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルからな
   る群より選ばれる１つである特許請求の範囲第１項記載
   のスプレー糊用組成物。 ４ 共重合体と化工澱粉とが合計して１〜１０重量パー
   セント含有される特許請求の範囲第１項記載のスプレー
   糊用組成物。 ５ 共重合体の不飽和カルボン酸成分が５モル％以上２
   ５モル％未満である特許請求の範囲第１項記載のスプレ
   ー糊用組成物。 ６ 共重合体の不飽和カルボン酸成分が２０モル％以上
   ２５モル％未満である特許請求の範囲第５項記載のスプ
   レー糊用組成物。 ７ 共重合体の不飽和カルボン酸成分が２５モル％ない
   し８０モル％である特許請求の範囲第１項記載のスプレ
   ー糊用組成物。