JP3805399B2 - スプレー型糊剤組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明はアイロン仕上げ時にこげつきがなく、長期の保存安定性に優れ、スプレー使用に適した糊剤組成物に関する。本発明組成物を使用すれば、衣料に張りを与え、衣料の形を整えることができる。
【0002】
【従来の技術及び解決しようとする課題】
スプレー型の糊剤は手軽に使用することができるので便利である。そのようなスプレー型の糊剤組成物に使用できる糊剤として、化工澱粉、酸化澱粉、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性糊料と水溶性シリコーンとの組み合わせ(特公平1−38912 号)、及び水溶性ポリマーと水不溶性シリコーンとの組み合わせ(特開平5−239774号)等が開示されているが、いずれもアイロン仕上げ時のこげつき発生の抑制及び組成物の長期保存時の安定性の双方を必ずしも十分に満足しているとは言えない面があった。
【0003】
そこで本発明が解決しようとする課題は、アイロン仕上げ時に、こげつきがなく長期の保存安定性に優れた、スプレー型糊剤組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意検討した結果、特定の合成ポリマーと水溶性シリコーン化合物とを配合することにより、上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、下記(a) 成分、 (b)成分及び(c) 成分を含有するスプレー型糊剤組成物を提供するものである。
(a) 成分:アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー、又はこれらの塩 0.1〜20重量%
(b) 成分:水溶性シリコーン 0.005〜5重量%
(c) 成分:水
以下、本発明について詳細に説明する。
【0006】
〔(a) 成分〕
本発明組成物に使用される(a) 成分は、アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー、又はこれらの塩である。以下、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アクリル酸として表記する。
【0007】
このポリマーは(メタ)アクリル酸もしくはその塩のポリマー、又は(メタ)アクリル酸と無水マレイン酸とのコポリマー、又はアクリル酸とメタクリル酸とのコポリマー等であり、分子量は 1,000〜6,000,000 、好ましくは 2,000〜1,000,000 である。
【0008】
〔(b) 成分〕
本発明組成物の(b) 成分に使用される水溶性シリコーンとして例えばオルガノポリシロキサン分子中へポリエーテル基等の非イオン基、又は極性基(カチオン基もしくはアニオン基)を導入して、水溶性化したものを使用することができる。
【0009】
本発明の(b) 成分として、市販品を使用することができる。例えば信越シリコーン(株)のKF−351 、Polon MF−13等や、東レ・ダウ・コーニング・シリコーン(株)のSH3746等がある。
【0010】
本発明組成物において、(b) 成分は、長期保存安定性の観点より、下記条件を満足する水溶性シリコーンであることが好ましい。
条件:100ml のビーカーに水99.5g及び(b) 成分 0.5gを加え、直径5mm、長さ20mmのスターラーピースにて60rpm 、60℃、30分間攪拌し、25℃に60分間冷却したものを検体とし、この光路長1cm、波長420nm の光の透過率(測定機器:(株)日立製作所製F−4010分光蛍光光度計)の値が80%以上、好ましくは85%以上であり、かつ層分離しないこと。
【0011】
〔糊剤組成物〕
本発明組成物において、(a)成分は、組成物中0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%配合される。この場合において(a) 成分の配合量が 0.1重量%未満の場合には、糊剤としての十分な張り性能が得られない。一方、20重量%を超える場合には粘度が高くなり、良好なスプレー状態が得られない。また、(b) 成分は組成物中0.005 〜5重量%、好ましくは 0.1〜1.0 重量%配合される。なお、(c) 成分の水は残部としてバランス量が配合される。
【0012】
本発明組成物において、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、酒石酸等の有機酸を組成物中0〜10重量%、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコールの如きアイロン付着防止剤を組成物中0〜10重量%、エチルアルコール、プロピルアルコール等の如き低級アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の溶媒、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの如き浸透剤を組成物中0〜20重量%、その他の蛍光染料、殺菌剤、抗菌剤、香料、更にエアゾールとして使用する場合には罐腐食防止剤の如き添加剤を加えることができる。
【0013】
本発明のスプレー型糊剤組成物はポンプ式或いはトリガー式のスプレー容器に充填して使用しても良いが、エアゾール用の耐圧罐に噴射剤と共に充填し使用することもできる。この時の噴射剤としては液化プロパン、液化ブタン、及びそれらの混合物、或いはジメチルエーテルを使用するのが良い。噴射剤と本発明の組成物との重量比率は噴射剤:本発明組成物=3:97〜40:60が好ましく、更に好ましくは5:95〜30:70である。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、アイロン仕上げ時にこげつきがなく、長期の保存安定性に優れたスプレー型糊剤組成物が得られる。
【0015】
【実施例】
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】
実施例1、比較例1〜6
(a) 成分として表1に示すポリマー、及び(b) 成分として表2に示す水溶性シリコーン、並びに必要に応じて表3に示すその他の成分を水に溶解させ、表4に示す糊剤組成物を調製した。
【0017】
この糊剤組成物を、トリガー式容器又はエアゾール缶に充填し、綿 100%ブロードに 100% o.w.f (on the weight of fabrics) になるように均一にスプレーし、アイロンの温度目盛りを綿にしてアイロンがけをして乾燥させた。20℃、65%相対湿度の条件で12時間調湿し、試験布を得、張り性能、耐熱性及び長期保存安定性の評価を以下の方法で行った。この結果を表4に示した。
【0018】
但し、エアゾール缶に糊剤組成物を充填する場合、糊剤組成物と液化プロパンガス(内圧3.1kg /cm2, 20 ℃)とを、糊剤組成物:液化プロパンガス80:20の重量比率でエアゾール缶に充填し、充分に振盪した後、糊剤組成物を布帛上にスプレーした。
【0019】
<張り性能の評価>
カンチレバー法(JIS L 1096)によった。
<耐熱性の評価>
直径5cmのシャーレに、糊剤組成物5gを入れ、 180℃にて30分間電気乾熱器で風乾する。この後、目視により、耐熱性の評価を行った。評価基準は次のとおり。
○ … 焦げつかない(白又は透明の状態)。
× … 焦げつき着色する。
<長期保存安定性の評価>
糊剤組成物を透明容器に入れ、50℃にて90日間静置し、この後液の分離又は凝集物の発生を目視により評価を行った。評価基準は次の通り。
○ … 液の分離又は凝集物の発生が全く認められなかった。
× … 液の分離又は凝集物の発生が認められた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】
*:100 mlのビーカーに水99.5g及び(b) 成分0.5 gを加え、直径5mm×長さ20mmの円柱形スターラーピースにて60rpm で60℃にて30分攪拌して得られたサンプルを25℃に冷却後、光路長1cm、波長420nm の光の透過率(測定機器:(株)日立製作所製F−4010 分光蛍光光度計)を測定した。この結果、何れも光透過率は80%以上であり、層分離は認められなかった。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
注)表中、[ ]内には配合量を組成物中の重量%で示した。バランスは水である。また全ての組成物に組成物中の濃度が200ppmとなるように抗菌剤(プロキセル BD,ゼスト社製)を添加した。
Claims (1)
- 下記(a) 成分、 (b)成分及び(c) 成分を含有するスプレー型糊剤組成物。
(a) 成分:アクリル酸もしくはメタクリル酸のホモポリマー、又はこれらの塩 0.1〜20重量%
(b) 成分:水溶性シリコーン 0.005〜5重量%
(c) 成分:水
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JP06399395A JP3805399B2 (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | スプレー型糊剤組成物 |
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1995
- 1995-03-23 JP JP06399395A patent/JP3805399B2/ja not_active Expired - Fee Related
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