JP2575844B2 - スプレー型糊剤組成物 - Google Patents

スプレー型糊剤組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスプレー型糊剤組成物に関する。
更に詳しくは、付着した汚れを容易に除去することが
できるスプレー型糊剤組成物に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、スプレー型の糊剤は手軽に使用することが出来
るので便利であり、一般にはエアゾール型のスプレー糊
として市販されている。スプレー型糊剤は部分的、特に
えり、そで部分の糊付けに好適である。しかもこの、え
り、そで部分は人体に密着し摩擦などを受けるため汚れ
が付着すると通常の洗濯においてはなかなか脱落し難
く、ブラシなどで部分洗いをしているのが通例である。
一般に市販されているスプレー型糊剤の主成分は低粘
度化した化工澱粉が使用されており、この様な糊剤は一
般的に汚れの脱落性を容易にする性質を持っているが、
えり、そでなどの汚れに対しては完全を期すことが出来
ない。
従来より、この様な糊剤の持つ汚れ落とし効果を向上
させようという試みは数多くなされてきた。例えば、特
開昭47−19195号公報には、低分子量の酢酸ビニルにエ
ポキシ基やカルボキシル基等の官能基を導入して得た酢
酸ビニルエマルジョンに、高級アルコール、脂肪酸、シ
リコーンオイルエマルジョンを添加することで汚れが生
ぜず、ほこりやあかの付着を防止できるとの記載がある
が、家庭で最も問題となるえりやそでの汚れには効果が
低い他、スプレーとしての使用ができないという欠点を
有する。
また、特開昭51−78897号公報には、セルローズアセ
テートフタレート、スチレンとアクリル酸の共重合物、
メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合物の様な
アルカリ性で可溶であり、中性、酸性で事実上不溶であ
り、造膜性を有する高分子物質を含む溶液に関する記載
が、特開昭56−9479号公報には、カルボキシル基を含む
単量体、酢酸ビニル及び特定のエステルからなるアルカ
リ可溶性フィルム形成性の共重合体分散液を主成分とす
る糊剤に関する記載があるが、いずれもえりやそでの汚
れには充分な効果が得られない。
これはその汚れおとしのメカニズムが主に洗濯時の糊
落ちによるため、汚れ自体を分散させ、再汚染を防止す
るという機能に欠けるためだと考えられる。
これらに対し、特開昭50−118096号公報には、イソブ
チレンと無水マレイン酸との共重合体と、ポリビニルア
ルコール、ジメチルアルキルベタイン型両性界面活性剤
及び可塑剤からなる糊剤に関する記載が有る他、特開昭
52−18992号公報や特開昭53−19492号公報には、化工澱
粉とスチレン無水マレイン酸共重合体の部分エステル化
物を配合した糊剤、特開昭53−49190号公報には、不飽
和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合物及び化
工澱粉を含有する糊剤に関する記載が見られる。
これらはいずれも無水マレイン酸系の分散剤と造膜性
のポリマーを組み合わせることにより、汚れ落とし効果
を高めようとするものであり、従来の糊剤に比較すると
汚れ落とし効果はかなり向上するものの、いずれも家庭
洗濯における主婦の不満を解消するには到っていない。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、
ある特定の構造を有する重合物或いは共重合物を選定
し、これに化工澱粉を組み合わせることにより、従来よ
り飛躍的に汚れ落とし効果を高めることができることを
見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、α−オレフィンと無水マレイン酸の
共重合体の加水分解物もしくはその塩から選ばれる1種
又は2種以上と、化工澱粉とを含有することを特徴とす
るスプレー型糊剤組成物を提供するものである。
本発明に於いて使用される化工澱粉としては、アルカ
リ−澱粉スラリー系でエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、或いはモノクロル酢酸ナトリウムを反応さ
せて生成したヒドロキシエチル化澱粉、ヒドロキシプロ
ピル化澱粉などのヒドロキシアルキル化澱粉、或いはカ
ルボキシメチル化澱粉等、更に酸化剤(例えば過酸化水
素又は次亜塩素酸ナトリウム)で処理して低粘度にした
ものが好ましい。これらの化工澱粉は水溶液の粘度が高
い場合には使用の際溶解し難く、或いは好ましい張り強
度を与える程度に溶解した溶液は粘度が高く、エアゾー
ルの様な形態にしたとき、良好なスプレー状態を得るこ
とができない。従って、20℃での5%水溶液粘度が3乃
至30センタポイズである化工澱粉が好ましい。
これら化工澱粉の置換の程度については0.1〜0.3、好
ましくは0.12〜02なる置換度を有するものがよい。置換
度が0.1未満では、化工澱粉の変性により、長期間保存
すると沈澱物が生成し、色物などに使用した時白化現象
がより激しくなる。また、置換度が0.3より大きいもの
を用いてもよいが、張り強度の低下傾向が認められるた
めに好ましくない。
本発明の共重合体におけるα−オレフィンとしては、
直鎖状又は分岐状の炭素数2〜8、好ましくは2〜6を
有するもので、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブ
チレン、イソブチレン、n−ペンテン、イソプレン、2
−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1
−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、2−エチル−1−ブテンなどが挙げられ
る。
本発明におけるα−オレフィンと無水マレイン酸の共
重合体の加水分解物もしくはその塩の分子量は500から1
0万が好ましく、更に好ましくは1000から2万の範囲で
ある。
これらの範囲より分子量が小さい場合には、充分な汚
れ落とし効果が得られないし、大きい場合には、スプレ
ー性が良好でなくなるために好ましくない。
本発明において、化工澱粉と共重合体は19:1〜1:19の
重量比、好ましくは10:1〜1:10の重量比率で用いるのが
良い。本発明の組成物中の化工澱粉と共重合体の含有量
は合計で1〜10重量%が好ましく、更に好ましくは3〜
7重量%の範囲である。含有量が余り大きすぎる場合に
は充分相乗効果が出ず、含有量が少ない場合には充分な
張り強度を出す為に、多量噴霧しなければならず不経済
である。
本発明の組成物には更に、ポリビニルアルコール等の
水溶性高分子を張り向上のために添加したり、クエン
酸、リンゴ酸、安息香酸、酒石酸等の有機酸、ポリエチ
レングリコール、グリセリン、ポリプロピレングリコー
ルの如きアイロン付着防止剤、シリコーンの如きアイロ
ンすべり剤、エチルアルコール、プロピルアルコール等
の如き低級アルコール、その他蛍光染料、殺菌剤、香
料、罐腐蝕防止剤の如き添加剤が加えられる。
本発明の組成物の好ましい例として次の組成物を例示
する。
<好ましい組成物例> 合計1〜10重量% ポリビニルアルコール等の水溶性高分子 0〜5 有機酸(クエン酸等) 0〜2 アイロン付着防止剤(ポリエチレングリコールなど)0
〜5 アイロンすべり剤(シリコーン) 0〜2 溶剤(エチルアルコールなど) 0〜8 添加剤(蛍光染料、殺菌剤、香料など) 0〜1 純水 全体で100重量% 本発明のスプレー型糊剤組成物はポンプ式のスプレー
容器に充填し、使用してもよいが、より一般的には、エ
アゾールの耐圧罐に噴射剤と共に充填し使用することが
好ましい。この時噴射剤としては液化プロパン又はブタ
ン及びそれらの混合物あるいは、ジメチルエーテルを使
用することがよい。噴射剤と本発明の組成物との重量比
率は3:97〜40:60が好ましく、更に好ましくは5:95〜30:
70である。
かくして製造した本発明によるスプレー型糊剤組成物
は、衣類特に無色の衣料にスプレーして直ちにアイロン
がけをしても糊の白いカスが付着し、外観を損ねること
がない。
本発明にかかわるスプレー型糊剤組成物で、えり、そ
でなどを処理した衣類は着用により汚れが付着しても、
普通の洗濯により汚れが脱落し、もみ洗い、ブラシ洗い
などの部分洗いの必要がない。
〔実施例〕
以下、更に具体的に本発明を説明するために実施例を
示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
実施例1 5%水溶液粘度が10センチポイズ(20℃)であるヒド
ロキシプロピル化澱粉(置換度0.12)と、表1に示す各
種共重合物を含む、下記組成物を調整した。
ヒドロキシプロピル化澱粉 4.0重量% 共重合物 2.0 ポリエチレングリコール200 3.0 シリコーンエマルジョン(5000cs;有効分35%品)0.5
水 バランス この溶液と液化プロパンガス(内圧3.1kg/cm2,20℃)
とを80:20の重量比率でエアゾール罐に充填し、充分に
振盪し、ポリエステル/綿=65/35の60番ブロードに2g/
10cm×10cmになる如くに均一にスプレーし、アイロンが
けをして乾燥させた。
この糊付布を次の組成を有する汚染液に浸漬し、人工
汚染布を作成した。汚染液の組成 パークレン 1000 cc カーボン 0.6g 綿実油 10 g オレイン酸 2 g パルミチン酸 1.6g 流動パラフィン 1 g 市販重質洗剤(新ザブ、花王(株)製)0.083%水溶
液中(20℃)でターゴトメーターを用い上記汚染布を10
分間洗浄し、5分間すすぎ、下記方法により被洗浄率を
測定した。被洗浄率の測定法 反射率の測定は島津自記色計RC−3型(島津製作所
製)を用い550mμの波長で測定。
被洗浄率の測定結果を表1に示す。
実施例2 5%水溶液の粘度が8センチポイズ(20℃)であるヒ
ドロキシプロピル化澱粉(置換度0.25)と、表2に示す
各種共重合物を含む下記組成物を調整した。
ヒドロキシプロピル化澱粉 3.5重量% 共重合物 1.0 ポリビニルアルコール(鹸化度98.5%,重合度300)1.0
ポリエチレングリコール200 3.0 水 バランス この溶液と液化プロパンガス(内圧3.1kg/cm2,20℃)
とを70:30の重量比率でエアゾール罐に充填し、充分に
振盪した後、実施例1と同様に被洗浄率を測定した。
結果を表2に示す。
実施例3 イソブチレンと無水マレイン酸の(30モル%対70モル
%)共重合物(分子量5000)の中和度(70%)Na塩を表
3に示す各種水溶性ポリマーと下記の如く組み合わせた
組成物を調整した。
イソブチレン/無水マレイン酸共重合物70%Na塩 2.0重
量% 水溶性ポリマー 4.0 ポリエチレングリコール200 3.0 シリコーンエマルジョン(5000cs;有効分35%品)0.5
水 バランス この溶液と液化プロパンガス(内圧3.1kg/cm2,20℃)
とを80:20の重量比率でエアゾール罐に充填し、充分に
振盪した後、実施例1と同様の方法で被洗浄率を測定し
た。
結果を表3に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−110975(JP,A) 特開 昭53−49190(JP,A) 特開 昭50−118096(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合
    体の加水分解物もしくはその塩から選ばれる1種又は2
    種以上と、化工澱粉とを含有することを特徴とするスプ
    レー型糊剤組成物。
  2. 【請求項2】化工澱粉がヒドロキシアルキル化澱粉又は
    カルボキシメチル化澱粉である請求項1記載のスプレー
    型糊剤組成物。
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JPS591819B2 (ja) * 1976-10-12 1984-01-14 花王株式会社 スプレ−糊用組成物
JPS60110975A (ja) * 1983-11-19 1985-06-17 ヘキスト合成株式会社 スプレ−洗たくのり用糊剤

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