JPS5917654Y2 - タイプライタ−のリボン装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はタイプライタ−のリボン装置に関し、特に印
字用のリボンを新しいものに交換するときにリボンガイ
ドに作動的に連結された手動操作部材を操作することに
より、リボンガイドのリボン押えアームの上部をリボン
の表面から離隔する方向に回動せしめ、リボンガイドの
リボン通路の上方を開くようにしたリボン装置に関する
ものである。

印字動作に同期して休止位置と印字位置との間を昇降運
動するリボンガイドは印字用リボンを挿通するためのリ
ボン通路を備えて、印字用リボンがリボンガイドの運動
に素早く追従するようにしている。

しかしこのリボン通路は通常その上方および下方が閉じ
られたスリット状にされているため、従来のタイプライ
タ−ではリボンを新しいものと交換するときにリボンを
リボン通路から取り出したり、そのリボン通路に挿入し
たりすることが面倒であり、手指を汚したり、あるいは
リボン交換時にはリボンガイドが下方の休止位置にある
ため操作しにくいものであった。

この考案はリボンの交換が操作者の手指を汚すことなく
簡単に行うことができ、しかも簡単な構成のリボン装置
を提供しようとするものであり、以下にこの考案の一実
施例を図面を参照して詳細に説明する。

図において１は機枠（図示せず）に固定されたた支持板
であり、この支持板１には揺動レバー２の基端部が段付
ねじ３により回動可能に支持されている。

この揺動レバー２は支持板１に形成された上下一対のス
トッパ４，５の間で揺動しうるちのであり、支持板１と
揺動レバー２との間に掛けられた引張りばね６により常
には揺動レバー２下縁が下ストッパ５と当接した位置に
保持されている。

また、揺動レバー２の基端部に近い下部には揺動レバー
２の長手方向に沿って新曲部７が形成されている。

左方へ延びた揺動レバー２の先端はタイプライタ−の左
右方向の中心部まで達しており、その先端部には活字を
備えたタイプバーなどの印字素子（図示せず）が通過す
る空間８を構成する上下方向に延びた一対のアーム９を
備えたリボンガイド主体１０が形成されている。

これらのアーム９のそれぞれには空間８側の側縁の上下
に一対の折曲片１１を形成している。

またアーム９の下方基部には水平状の折曲段部１２が形
成されるとともに、その折曲段部１２に隣接した空間８
側には前記アーム９と所定角度を有するように上方へ延
びた一対のストッパ１３が形成されている。

さらにリボンガイド主体１０は下方へ延びた垂下部１４
を有しており、その垂下部１４には横長の長孔１５が形
成されている。

１６は前記リボンガイド主体１０と一部が重合するほぼ
Ｕ字状の押え部材であり、リボンガイド主体１０ととも
にリボンガイド１７を構成している。

この押え部材１６は前記空間８の左左にリボンガイド主
体１０の各アーム９と沿うような一対の押えアーム１８
が形成されている。

この押えアーム１８の下方基部にはそれぞれ切欠き段部
１９が形成され、この切欠き段部１９がリボンガイド主
体１０の折曲段部１２上に載置されるように配置されて
いる。

従って押え部材１６は切欠き段部１９を回動中心として
第１図に示すように押えアーム１８が印字用リボン２４
の表面に接近してアーム９と当接する閉位置と、第２図
に示すように印字用リボン２４の表面から離隔してスト
ッパ１３と当接する開位置との間を回動可能であり、常
にはリボンガイド主体１０と押え部材１６との間に掛け
られた一対のばね２０によって閉位置に付勢保持されて
いる。

押えアーム１８のそれぞれにはその長手方向に沿ってス
リット２１が形成され、リボンガイド主体１０の折曲片
１１は第１図に示すようにこのスリット２１の上端およ
び下端部に嵌り込むように配置されている。

押えアーム１８のスリット２１によって分割された空間
８に関して外側部分はアーム９の表面から離れる方向へ
膨出した膨出部２２を形成している。

また押え部材１６の下端にはリボンガイド主体１０の垂
下部１４の背面に下方へ垂下した突起２３が形成されて
いる。

この突起２３は下方に向うに従って垂下部１４から離れ
るように傾斜されている。

印字用リボン２４はリボンガイド主体１０と押え部材１
６とに挾まれ、アーム９、折曲片１１および押えアーム
１８により、限定される一対の間隙、すなわちリボン通
路２５を通ってタイプライタ−の印字動作に同期してリ
ボン２４の長手方向へ歩進的に送られる。

２６はＬ字状レバーであり、支持板１の後方で機枠に回
動可能に支持されている。

この１字状レバー２６は印字作動時にそれと同期して第
１図において時計方向へ一定量回動される。

このレバー２６は常には図示してないばねにより第１図
に示す原位置に付勢保持されている。

２７は一端が１字状レバー２６の一腕に掛止されたリン
クである。

このリンク２７の他端はリボンガイド１７の下方まで延
び一腕レバー２８の一腕２８ ａ上に植設されたピン２
９に掛止されている。

この一腕レバー２８は段付ねじ３０により機枠（図示せ
ず）に回動可能に支持されている。

一腕レバー２８の他腕２８ ｂはリボンガイド主体１０
の垂下部１４に沿って延びており、その先端には短軸３
１が固定されている。

この短軸３１は垂下部１４の長孔１５内に嵌合されてい
る。

従って印字動作時に１字状レバー２６が時計方向へ回動
されるとリンク２７が右方へ引かれ、ピン２９を介して
一腕レバー２８が段付ねじ３０のまわりに時計方向へ回
動される。

このときの短軸３１の上方への移動によってリボンガイ
ド主体１０は長孔１５を介して上方へ押し上げられ、リ
ボンガイド１７は段付ねじ３を中心として下方の休止位
置からリボン２４が印字点前面を覆う印字位置まで上昇
される。

リボン２４が所定位置まで上昇した状態で印字素子によ
りリボン２４を介して印字点上に配置された印字用紙（
図示せず）が印打され、印字用紙上に所要の文字が印字
される。

３２は支持板１上に短軸３３により回動可能に支持され
た手動操作部材である。

この手動操作部材３２の基部には短軸３３を中心とする
同一円周上に二個の小孔３４が形成されている。

３５は支持板１に形成された円孔（図示せず）内に嵌入
された小孔３４より大きい径を有する硬球である。

この硬球３５は段付ねじ３０により支持板１の背面に固
定された板ばね３６により小孔３４に向って付勢されて
おり、周知のクリックストップ機構を構成している。

手動操作部材３２は上方へ延びた腕３２ ａを有してお
り、その腕３２ ａの先端には操作つまみ３７が固定さ
れている。

またこの腕３２ ａの中間部の背面には偏心軸３８が固
定されている。

この偏心軸３８は揺動レバー２の折曲部７とともに第１
の作動手段３９を構成するものであり、手動操作部材３
２が第１図で示す不作動位置にあるときには偏心軸３８
が折曲部７に当接しないように配置されている。

手動操作部材３２を第２図に示す作動位置へ倒したとき
偏心軸３８は折曲部７下面に当接して揺動レバー２をば
ね６に抗して押し上げ、リボンガイド１７を休止位置よ
りも上方のリボン交換位置（第２図）へ上昇させ、前記
クリックストップ機構によりその位置に保持することが
できる。

手動操作部材３２の腕３２ ａの中間部にはさらにピン
４０か固定されている。

４１は一端がピン４０に掛止されたリンクである。

４２は前記段付ねし３０上に回動可能に支持された第２
の作動手段としての作動レバーであり、前記リンク４１
の他端はこのレバー４２上に固定されたピン４３に掛止
されている。

この作動レバー４２の作動腕４２ ａは押え部材１６の
突起２３の下方、且つ一腕レバー２８の他腕２８ｂの背
面に配置されている。

前記手動操作部材３２が不作動位置にあるときには作動
レバー４２の作動腕４２ ａは押え部材１６の突起２３
と当接し得ない位置に配置されている。

手動操作部材３２を第２図に示すように作動位置へ移動
させるとリンク４１を介して作動レバー４２が時計方向
へ回動され、作動腕４２ ａが突起２３と当接し、さら
にアーム９の折曲段部１２と押えアーム１８の切欠段部
１９との当接部を回動中心として押え部材１６をばね２
０に抗してその上部が印字用ノボン２４の表面から離隔
する方向に回動させる。

それによってリボン通路２５の上方が開かれることとな
り、リボン２４の交換を容易に行なうことができる。

ノボン２４の交換後、手動操作部材３２を第１図で示す
不作動位置へ移動させるとリボンガイド１７および押え
部材１６はそれぞればね６および２０に付勢されて第１
図に示す原状態に復帰する。

以上詳述したように、この考案によるリボン装置は手動
操作部材３２を不作動位置から作動位置へ移動させるだ
けでリボンガイド１７を下方の休止位置から上方のリボ
ン交換位置へ上昇させるとともに押えアーム１８の上部
を印字用リボン２４の表面から離隔させて閉じた状態の
リボン通路２５の上方を開くことによりリボン２４を上
方からリボン通路２５に出し入れすることができるもの
である。

しかも手動操作部材３２が不作動位置にあるときには通
常の印字動作に何ら支障を来さないものであり、また構
造が簡単であるため安価に製作することができる。

なお、手動操作部材３２を作動位置に移動させたときの
リボンガイド１７の上昇量は折曲部７と偏心軸３８の取
付は位置あるいは形状を変えることにより種々に設定で
きることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を具体化した一実施例を示す斜視図、
第２図は作動状態を示す要部斜視図である。 。図中、１０はリボンガイド主体、１６は押え部材、１
７はリボンガイド、２３は突起、２５はリボン通路、３
２は手動操作部材、３９は第１の作動手段、４２は作動
レバー（第２の作動手段）である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 中央部に設けられた印字素子通過用の空隙の両側に上下
   方向に延びた一対のアームを有するリボンガイド主体と
   、そのリボンガイド主体の下方部にてその上部がリボン
   の表面に対し接離方向に回動可能に枢支され前記アーム
   と協働して通常開じたリボン通路を形成する一対の押え
   アームを有するとともに、その押えアームの上部をリボ
   ンの表面から離隔する方向に回動させてリボン通路の上
   方を開くための突起を有する押え部材とを備えたリボン
   ガイドを印字動作に同期して休止位置と印字位置との間
   で昇降運動させるタイプライタ−において、 不作動位置と作動位置とのいずれかに保持される手動操
   作部材と、 その手動操作部材を前記リボンガイドに作動的に連結し
   、前記手動操作部材を作動位置へ移動させたとき前記リ
   ボンガイドを休止位置よりも上方のリボン交換位置へ移
   動させるための第１の作動手段と、 前記手動操作部材に作動的に連結され、その手動操作部
   材を作動位置へ移動させたとき前記押え部材の突起と係
   合して前記押えアームの上部を前記枢支部を中心に回動
   せしめ、前記リボン通路の上方を開くように押え部材を
   回動させるための第２の作動手段とを設けたことを特徴
   とするリボン装置。