JPS5915654Y2 - シ−トベルトロツク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、シートベルトを衝突時等にロックする３個の
ローラを用いたシートベルトロック装置に関する。

自動車に取付けられているシートベルトは例えば第１図
に示すように構成されている。

すなわち、１はシート２の後側下部の車体３に取付けら
れたりトラクターで、このりトラクター１はベルトを巻
取る為に供され、車両が急ブレーキ或いは衝突時にロッ
クしてベルトの引出しを阻止する緊急ロック式リトラク
タ−又は自動ロック式リトラクタ−が使われる。

このリトラクタ−１からのベルト４は車体上側部に取付
けられたスルータング５を介して前記シート２の側部に
取付けられたバックル６に係合するタングプレート７に
取付けられている。

８は前記リトラクタ−１とスルータング５との間の車体
３に取付けられたシートベルトロック装置で、このシー
トベルトロック装置８は衝突時にリトラクタ−１からベ
ルト４が引出されるのを防止するもので、第２図および
第３図に示すように構成されていた。

すなわち、９，９はＬ字状に形成された一対の側壁で、
この一側の側壁９゜９の対応面には下部側に一対のロー
ラ支持孔１０゜１０と、この一対のローラ支持孔１０．
１０間の上部に長孔状のローラ支持孔１１がそれぞれ形
成されている。

また一対の側壁９，９の下面には車体３への取付孔１２
がそれぞれ複数個形成されている。

１３．１３は前記一対のローラ支持孔１０，１０にそれ
ぞれ回転自在に支持される固定ローラである。

１４は前記ローラ支持孔１１内を回動自在かつ摺動可能
に取付けられた可動ローラである。

゛このように構成された従来のシートベルトロック装置
８は固定ローラ１３、可動ローラ１４、固定ローラ１３
を介してリトラクタ−１がらのベルト４が挿通されてい
る。

このため、衝突時のように大きな力がベルト４に加わる
とベルト４を介して可動ローラ１４が固定ローラ１３．
１３に押圧されてロックされるが、可動ローラ１４と固
定ローラ１３゜１３とがベルト４を介して線接触となる
ため、押圧力による抵抗が比較的小さく、ベルト４がす
べって、リトラクタ−１内のベルト巻締り現象を引起し
ベルト４のロックが十分にできないという欠点があった
。

本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、衝突時ベルト
がリトラクタ−から引出されるのを確実に防止すること
のできるシートベルトロック装置を得るにある。

以下、第４図〜第１０図に示す実施例により本考案を詳
細に説明する。

第４図および第５図の実施例において、２１．２１はＬ
字状に形成された一対の側壁で、この一対の側壁２１．
２１の対応面には下部側に一対のローラ支持孔２２．２
２と、この一対のローラ支持孔２２．２２間の上部に長
方形状のローラ支持孔２３がそれぞれ形成されている。

また側壁２１．２１の下面には車体への取付孔２４がそ
れぞれ複数個形成されている。

２５、２５は前記一対のローラ支持孔２２．２２にそれ
ぞれ支持された一対の固定ローラで、この一対の固定ロ
ーラ２５．２５は前記一対のローラ支持孔２２．２２に
それぞれ回転不能に支持されたローラ本体２６゜２６と
、このローラ本体２６．２６を覆う筒状の回転体２７、
２７とから構成されている。

２８は前記ローラ支持孔２３内を摺動自在に設けた可動
ローラで、この可動ローラ２８は前記ローラ支持孔２３
に摺動自在に設けられたローラ本体２９とこのローラ本
体２９に回転可能に外挿された可撓性を有する筒状の回
転体３０とから構成されている。

そして、ローラ本体２９は、固定ローラ２５．２５に対
応する面を平坦面とするべくくさび状に形成されている
。

すなわち、一対の固定ローラ２５．２５と可動ローラ２
８は、それら各ローラの中心を結ぶ線が三角形になるよ
うに配置され、それら３個のローラ２５゜２５、２８の
間にベルト４が略Ω字状に巻き掛けられている。

そして、回転体３０は、通常使用時におけるベルト引き
出し時は変形することなくスムーズにベルト４の引き出
しを許容する一方、後述するように例えば衝突時のよう
に所定荷重以上の力が加わったときに初めて変形するよ
うになっている。

したがって以上の構成によれば、例えば衝突時のように
ベルト４に所定荷重以上の荷重が加わると、可動ローラ
２８はベルト４の引張力により一対の固定ローラ２５．
２５側に移動する。

この時、回転体３０は第６図に示すようにローラ本体２
９の形状に沿って変形する。

このため、ローラ本体２９と回転体３０との相対回転が
阻止され、結果的にベルト４は回転不能状態にある可動
ローラ２８と摺接しつつ、なおかつ固定ローラ２５．２
５によって挾み込まれるかたちとなる。

よって、各ローラ２５．２５゜２８とベルト４との間の
摺動面積ひいては摩擦抵抗が非常に大きくなり、ベルト
４がリトラクタ−から引き出されることがない。

次に第７図〜第１０図に示す本考案の異なる実施例につ
き説明する。

なお、これらの実施例の説明する。

なお、これらの実施例の説明に当って、前記第４図〜第
６図の実施例と同一部分には同一符号を付して重複する
説明を省略する。

第７図および第８図の実施例において、前記第４図〜第
６図の実施例と主に異なる点は一対の固定ローラ２５
Ａ、 ２５ Ａのローラ本体２６ Ａ、 ２６ Ａに、
前記ローラ本体２９と対応する位置に切欠き３１゜３１
を形成して平坦面とするとともに、このローラ本体２６
Ａ、２６Ａを覆っている筒状の回転体２７゜２７を所定
の荷重で変形するようにした点にある。

本実施例の場合、固定ローラ２５ Ａ、 ２５ Ａ側の
回転体２７．２７も変形して回転不能となるので、実質
的に各ローラ２５Ａ、２５Ａ、２８とベルト４とがそれ
ぞれに面接触となり、上記実施例と比べて一段と摺動面
積ひいては摩擦抵抗が大きくなる。

第９図および第１０図の実施例において、前記第７図お
よび第８図の実施例と主に異なる点は可動ローラ２８Ａ
で、この可動ローラ２８Ａは円形のローラ本体だけで形
成されている。

このような可動ローラ２８Ａを用いても前記第１の実施
例と同様の作用効果がある。

なお、前記実施例のシートベルトロック装置をリトラク
タ−に設けてもよい。

以上の説明から明らかなように本考案にあっては次に列
挙する効果がある。

（１） 固定ローラと可動ローラのうち少なくともい
ずれか一方を、回転不能で一部平坦面を有するローラ本
体と、このローラ本体に回転可能に外挿された可撓性を
有する筒状の回転体とで構成したことにより、回転動作
が滑らかとなって通常使用時のベルトの引き出しをスム
ーズに許容する一方、衝突時のようにベルトに過大荷重
が作用したときには回転体が撓んで回転不能となるので
ベルトとの間の摺動面積ひいては摩擦抵抗が非常に大き
くなり、ベルトがリトラクタ−から引き出されるのを確
実にロックで゛きる。

（２）構造が簡単であるので、製作時の工数がかからず
、安価にできる。

（３）前記（１）により乗員を確実に保護することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はシートベルトロック装置の取付は状態を示す説
明図、第２図は従来の一実施例を示す断面図、第３図は
従来の一実施例の分解斜視図、第４図は本考案の一実施
例を示す分解斜視図、第５図は本考案の一実施例の断面
図、第６図はロック状態を示す断面図、第７図乃至第１
０図は本考案の異なる実施例を示す説明図である。 １・・・リトラクタ−１４・・・ベルト、２１・・・側
壁、２２゜２３・・・ローラ支持孔、２５，２５Ａ・・
・固定ローラ、２６゜２６Ａ・・・ローラ本体、２７・
・・回転体、２８，２８Ａ・・・可動ローラ、２９・・
・ローラ本体、３０・・・回転体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに平行な一対の固定ローラと、この固定ローラと平
   行で、かつ該固定ローラに対して接近離間可能な可動ロ
   ーラとの合計３個のローラを、それら各ローラの中心を
   結ぶ線が三角形となるように配置する一方、これら３個
   のローラ間にベルトを略Ω字状に巻き掛けてなるシート
   ベルトロック装置において、前記固定ローラと可動ロー
   ラのうち少なくともいずれか一方のローラは、回転不能
   なローラ本体と該ローラ本体に回転可能に外挿された可
   撓性を有する回転体とから構成され、ローラ本体は他方
   のローラに対向する面を平坦状に形成してなることを特
   徴とするシートベルトロック装置。