JPH0319497Y2

JPH0319497Y2 -

Info

Publication number: JPH0319497Y2
Application number: JP1983176566U
Authority: JP
Priority date: 1983-11-14
Filing date: 1983-11-14
Publication date: 1991-04-24
Also published as: JPS6084355U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は自動車等のシートベルトにおける、緊
急ロツク装置に関するものである。

従来、シートベルトのリトラクターにおいて、
緊急ロツク機構を組込んだものが多く使用されて
いる。ところがこの種の緊急ロツク式リトラクタ
ーにおいては、リトラクターの巻取りシヤフトの
回転をロツクしてウエビングの引出しを阻止する
ようになつているので、シヤフトが回転を止めた
後においても該シヤフトに巻回されたウエビング
が強く巻締められ、その分ウエビングが引出され
ることになり、充分なロツク機能を有してるとは
言えなかつた。

また最近のシートベルトは、リトラクターを車
室の外側下部に設け、そこから引出されたウエビ
ングを車壁に沿つて上方に伸ばし、車壁の上部に
取付けられたサツシユガイドに挿通し、そこから
下方に伸びるウエビングの途中にバツクルのタン
グを取付け、該タングを車室の中央下部に設けら
れたバツクル本体に係合したときに、前記サツシ
ユガイドからバツクルまでの間のウエビング部分
が肩ベルトを構成し、バツクルから車室外側下部
のウエビング端固定部までの間のウエビング部分
が腰ベルトを形成するようにした、いわゆるコン
テイニユアスタイプのものが多く使用されてい
る。このようなコンテイニユアスタイプのシート
ベルトにおいては、ウエビングの全長が長いため
に、そのシートベルトに大きな力がかかつたとき
に、ウエビングが伸びる量が大きく、充分に搭乗
者の身体を拘束することができないという欠点を
有している。

本考案はかかる事情に鑑がみなされたものであ
つて、コンテイニユアスタイプのシートベルトに
おける、リトラクターから上方に伸びるウエビン
グ部分の一部を、車壁に固定されたロツク装置で
ロツクし、緊急時においては該ロツク装置によ
り、搭乗者の身体を有効に拘束することができる
ようにしたものである。

而して本考案は、車体に対して固定される本体
と、該本体に対して回動自在に軸支され、本体の
一部に離接する挾圧面を有し、ばね手段により前
記挾圧面が本体に接近する方向に付勢されたカム
部材と、その一部が前記カム部材の一部に係止離
脱可能に設けられ、且つばね手段により常時カム
部材に係止する方向に付勢された抑止部材と、車
体に加わる加速度を感知して前記抑止部材と前記
カム部材との係止を解除せしめる加速度センサー
とよりなり、前記カム部材を手動による挾圧面が
本体から離れる方向に回動し得るようにしたこと
を特徴とするものである。

以下本考案の実施例を図面に従つて説明する。
図面は、本考案のロツク装置の一実施例を示すも
のである。１は本体であつて、該本体１は、底板
２と、該底板２の両側縁に相対向して設けられた
側板３，３とよりなる断面略「コ」字状であり、
前記底板２において自動車の車壁４に固定されて
いる。

５はカム部材であつて、下部に挾圧面６を有
し、上部には操作部７が突設されている。このカ
ム部材５は、その両端において回動軸８により前
記本体１の側板３，３に回動自在に軸支されてお
り、且つばね手段９により、前記回動軸８を中心
として前記挾圧面６が本体１の底板２に接近する
方向、すなわち図面において時計方向に付勢せし
められている。１０はカム部材５の前面に突出し
た係止部である。

１１は加速度センサーとしての振子であつて、
重錘１２の上部に首部１３を介して板状の載置部
１４が形成され、前記側板３，３間に懸架された
橋絡板１５に穿設された孔１６に、揺動自在に懸
垂されている。而してこの振子１１は、常時は前
記載置部１４による垂直に懸垂されているが、急
激な加速度が加わると、第２図に示すように傾動
する。

１７は抑止部材である。該抑止部材１７は、シ
ヤフト１８により、前記側板３，３間に回動自在
に軸支されており、且つばね手段１９により、上
端の抑止部２０が前記カム部材５に接近する方向
に付勢せしめられている。抑止部材１７の下部に
は操作板２１が設けられ、該操作板２１が前記振
子１１の載置部１４上に載置され、支えられてい
る。

而して、常時は第１図に示すように振子１１は
垂直に懸垂し、抑止部材１７はばね手段１９の弾
力によつて図中反時計方向に回動し、抑止部２０
に係止部１０が支えられ、カム部材５はばね手段
９の弾力に抗して、反時計方向に回動した状態に
維持される。従つて挾圧面６と本体１の底板２と
は離れており、その間をウエビング２２が自由に
移動することができる。従つてウエビングはリト
ラクターに自由に巻回され、使用時には自由に引
出される。

ここで事故等により車体に大きな衝撃力が作用
し、加速度が加わると、第２図に示すように振子
１１がいずれかの方向に傾動する。これによつて
操作板２１が押し上げられ、抑止部材１７はばね
手段１９の弾力に抗して時計方向に回動する。こ
れにより抑止部２０が係止部１０から脱出し、カ
ム部材５は支えがなくなるため、ばね手段９の弾
力により時計方向に回動し、挾圧面６と本体１の
底板２との間にウエビング２２を挾圧し、ウエビ
ング２２の移動をロツクする。従つてウエビング
２２はリトラクターから引出されることがなく、
有効に搭乗者の身体を確保し、搭乗者が二次衝突
によりフロントガラス等に衝突するのを防止する
のである。

このロツク装置が作動した後は、操作部７を操
作して、カム部材５をばね手段９の弾力に抗して
反時計方向に回動せしめることにより、再度第１
図の状態に復帰させることができる。

本考案によれば、ロツク装置の構造が簡単であ
つて安価に提供することができると共に、リトラ
クターから引出されたウエビングの途中をロツク
するので、リトラクターの巻き締まりや、ウエビ
ングの伸びによりウエビングが不用意に伸長する
ことがなく、搭乗者の身体を充分有効に拘束し、
二次衝突による怪我を確実に阻止することができ
るのである。

さらに、実施例によれば、緊急時においてはウ
エビングは図中上方に引出されるので、カム部材
５はさらにウエビングに食込み、ウエビングのロ
ツクは確実である。また実施例に示すように挾圧
面６に多数のスパイク２３を突設することによ
り、ウエビングとの摩擦が大きくなり、ウエビン
グが滑ることがない。また実施例の如く、底板２
の前面に摩擦係数の大きいプラスチツクの板２４
を添着し、ウエビングの滑りを防止することがよ
り好ましい。

本考案に類似する機能を有するものとして、楔
を利用してウエビングをロツクするようにしたも
のが知られているが、構造が複雑であると共に、
楔が大きく、ロツク装置全体が大型のものとなら
ざるを得ない。本考案によれば、カム部材５の挾
圧面６と本体１の底板２との間でウエビングをロ
ツクするので、極めてコンパクトなものとするこ
とができる。

先の実施例においては、加速度センサーとして
懸垂式の振子を使用しているが、これに代えて載
置式の振子を使用することもできる。また他の適
宜の加速度感知機構を利用してもよい。また、本
考案のロツク装置を備えたシートベルトにおいて
は、リトラクターはロツク機能を有しないノンロ
ツクリトラクターであつてもよいが、緊急ロツク
式リトラクターと併用することにより、より確実
なロツク作用が得られる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案のシートベルトのロツク装置の
一実施例を示すものであつて、第１図及び第２図
は、第３図におけるＡ−Ａ断面図であり、第１図
はその通常の状態を示し、第２図は、ウエビング
をロツクした状態を示す。第３図は、正面図であ
る。１……本体、２……底板、４……車壁、５……
カム部材、６……挾圧面、７……操作部、９……
ばね手段、１１……振子、１７……抑止部材、１
９……ばね手段、２２……ウエビング。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

車体に対して固定される本体と、該本体に対し
て回動自在に軸支され、本体の一部に離接する挾
圧面を有し、ばね手段により前記挾圧面が本体に
接近する方向に付勢されたカム部材と、その一部
が前記カム部材の一部に係止離脱可能に設けら
れ、且つばね手段により常時カム部材に係止する
方向に付勢された抑止部材と、車体に加わる加速
度を感知して前記抑止部材と前記カム部材との係
止を解除せしめる加速度センサーとよりなり、前
記カム部材を手動により挾圧面が本体から離れる
方向に回動し得る操作部を設けたことを特徴とす
る、シートベルトの緊急ロツク装置。