JPS5828615Y2 - シ−トベルトのリトラクタ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、衝突時のベルト巻取軸停止後の巻きしまりに
よる伸長を抑止し、着装者の前方移動をなくして負傷事
故を防止するシートベルトのりトラクタ装置に関する。

車両などの衝突事故時に、乗員が座席から投げ出され、
２次的な車内衝突や車外への転落などの危険に対して、
これを防止する目的でシートベルトが着用される。

シートベルトはウェビング（たわみ性の帯ひもで通常ベ
ルトとも言う）、バックル、長さ調節具、取付は金具よ
りなり、タイプに２点式、斜め式、３点式およびフルハ
ーネス式があるが、通常、ベルトの端部を座席フレーム
、フロア、ボディフレーム等に取付は金具で強固に固着
し、一端をバックル本体と舌片とを嵌合させて着装する
。

しかし、最近はベルト、バックルなどの損傷を防ぐため
、または車内整理上シートベルＩ・を巻込み収納するり
トラクタ装置をアンカレッジにより固定する方法が多く
取られるようになった。

このリトラクタ装置は、衝突時等に急激な加速度が作用
した時は、ベルト巻取軸を係止し、ベルトが引き出され
ずに人体を保持するようになっている。

しかし、ベルトのりトラクタ装置内のベルト巻込みは中
心の巻取軸が回転停止しても、人体の慣性によりベルト
は巻きしまりによって伸長し、前方の計器板などに突接
して負傷事故を起すことが多くあった。

本考案はこのような従来の欠点に鑑みてなされたもので
、上記巻きしまりを抑止し、乗員の負傷事故を防止しよ
うとするものである。

以下、本考案の実施例について添付図面を参照して詳細
に説明する。

第１図は、通常使用時における本考案リトラクタ装置の
構成を示す正面図、第２図は第１図のＡＡ断面図、第３
図は衝突時のりトラクタ装置の作動を示す正面図である
。

１は断面コ字形のケーシング、２は同ケーシング１に回
転可能に取付けられたベルト巻取軸であつて、スプリン
グによりシートベルト３を重ねた状態で巻取る方向に常
に付勢されている。

４は巻取軸２に固定されたラチェット、５は図において
上下方向にのみ摺動できるようにケーシング１に取付け
られた第１リンク、６は、ケーシング１に形成された穴
７に所定角度のみ回動できるように装着され、かつ、そ
の先端が第１リンク５に形成された穴８を挿通するロッ
クプレートである。

同ロックプレート６は図示しないが巻取軸２に固着され
た飛車に対し係止位置および非係止位置をとることがで
きる。

９はペンデュラムであって、衝突時等に急激な加速度が
作用したときに傾動して第１リンク５を押し上げ、同第
１リンク５は爪１０をシートベルトの引出しにより回動
するラチェット４に係合させる。

ケーシング１におけるシートベルト３の通路に沿う部分
には開口１７が設けられている。

１２は、シートベルト３を挾んで開口１７の反対側に位
置する当接部１６を有し、同当接部１６が開口１７内に
進入可能となるようにピン１５でケーシング１に軸着さ
れたストッパである。

１１は、一端が第１リンク５に連結され、他端がストッ
パ１２にピン１３によって連結された第２リンクであっ
て、同第２リンク１１は、ロックプレート６が上記係止
位置にあるときに第３図に示すように当接部１６が開口
１７内に進入し、上記非係止位置にあるときに第１図に
示すようにシートベルト３の引出しを妨げないように変
位するべく、ストッパ１２を第１リンク５と連動せしめ
る。

１４は、ケーシング１と第２リンク１１との間に張設さ
れ、第２リンク１１を図下方へ付勢するリターンスプリ
ングである。

なお、１８は、ケーシング１に設けられ、ピン１３が貫
通する弧状の長孔である。

上記構成によれば、衝突時等に発生する急激な加速度の
作用により、ペンデュラム９が支持部材９′の下面を支
点として大きく揺動する。

すると、支持部材９′は傾動し、その上端部が第１リン
ク５の皿部５′を上方へ移動させ、これにより第１リン
ク５全体が上方へ摺動し、上記爪１０がラチェット４に
係合する。

この時、乗員は車体に加わった上記衝撃によりシート前
方へ移動しており、シートベルト３がベルト巻取軸２か
ら急速に巻きほどかれて、ベルト巻取軸２は第１図にお
いて反時計方向に回転するため、ラチェット４も同方向
へ回転し、同回転により第１リンク５はさらに上方へ移
動して上記ロックプレート６を回動させ、同プレート６
の保合部を図示しない飛車の係合用爪に噛み合わせ、上
記ベルト巻取軸２と一体的に回転しようとする同飛車の
回転を停止させ、上記ベルト巻取軸２の回動が規制され
る。

また、第１リンク５の摺動と同時に第２リンク１１は押
上げられ、それと共にストッパ１２が回動し、その当接
部１６はシートベルト３を強く右方に押し出す。

シートベルト３は開口１７まで当接部１６により押し出
され、シートベルト３がストッパ１２と開口１７の縁部
とに挾持されてベルト３の巻きしまりによる伸長を抑止
する。

このように、本考案のりトラクタ装置によると、ベルト
引出し規制後の巻きしまりによるベルト伸長を抑止する
ので、従来のりトラクタ装置にあった着装者の前方移動
を防止し、負傷事故をなくすことができる。

なお、上記実施例において、衝突時の急激な加速度が作
用したときにロックプレート６を係止位置に変位させる
緊急時作動装置としてペンデュラム９が用いられている
が、その他周知の緊急時作動装置を用いることができる
のは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は通常使用時における本考案リトラクタ装置の構
成を示す正面図、第２図は第１図のＡＡ線矢視の断面図
、第３図は衝突時のりトラクタ装置の作動を示す正面図
である。 １・・・・・・ケーシング、２・・・・・・巻取軸、３
・・・・・・シートベルト、４・・・・・・ラチェット
、５・・・・・・第１リンク、６・・・・・・ロックプ
レート、７，８・・・・・・穴、９・・・・・・ペンデ
ュラム、１０・・・・・・爪、１１・・・・・・第２リ
ンク、１２・・・・・・ストッパ、１３・・・・・・ピ
ン、１４・・・・・・リターンスプリング、１５・・・
・・・ピン、１６・・・・・・当接部、１７・・・・・
・開口、１８・・・・・・長孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシングと、同ケーシングに回動自在に軸支され、シ
   ートベルトを巻取る巻取軸と、同巻取軸に固着された飛
   車と、同飛車に対し係止位置および非係止位置をとるよ
   うに上記ケーシングに支持されたロックプレートと、上
   記ケーシングに支持され、衝突時の急激な加速度によっ
   て第１リンクを介して上記ロックプレートを上記飛車に
   対する係止位置に変位させる緊急時作動装置とを備えた
   ものにおいて、上記ケーシングにおける上記シートベル
   トの通路に沿う部分に設けられた開口と、上記シートベ
   ルトを挾んで上記開口の反対側に位置する当接部を有し
   、同当接部が上記開口内に進入可能となるように上記ケ
   ーシングに軸着されたストッパと、上記ロックプレート
   が上記係止位置にあるときに上記当接部が上記開口内に
   進入し、上記非係止位置にあるときに上記当接部が上記
   シートベルトの引出しを妨げないように変位するべく、
   上記ストッパを上記第１リンクと連動せしめる第２リン
   クとを具備したことを特徴とするシートベルトのりトラ
   クタ装置。