JPS5917318Y2 - シ−トベルトアンカ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車両緊急時の乗員保護用シートベルト装置に用
いられて乗員拘束用ウェビングを車体へ取りつけるため
のシートベルトアンカー装置に関する。

シートベルト装置は乗員拘束用ウェビングの両端部を車
体へ取りつけ、そのウェビングの中間部を乗員が装着す
るようになっている。

ところがこのウェビングを装着する乗員の体格は千差万
別であり、このためウェビングの有効長さを変更するこ
とができる調節装置が設けられている。

しかしウェビングの長さを変更し、更に乗員用シートを
移動させた場合にも適切なウェビングの装着状態を得る
ことが困難な場合が多く、乗員の肩部分へ正確に装着さ
れるべきウェビングが乗員の首部分へ装着されたり、肩
部分から外れ落ちることがあり適切な拘束性能を得られ
ない可能性を有している。

本考案は上記事実を考慮し、ウェビングの車体への取り
つけ位置を自由に変更して各種の体格を有する乗員にも
適切なウェビング装着姿勢を与えることが可能なシート
ベルトアンカー装置を提供することが目的で゛ある。

本考案に係るシートベルトアンカー装置は、車両本体の
一部である車体側壁に車両上下方向に延在する長孔が形
成されるとともに該長孔に取付部材が挿入され、該取付
部材の車体側壁内に延びる部分に車内側に向う噛合突起
を有するロックプレートが固定され、車体側壁裏面に前
記長孔の両縁に沿って補強部材が固着されるとともに該
補強部材は前記長孔の上端から下端に至るまで複数の噛
合凹部を有してロックプレートの噛合突起を受入れ可能
とされ、かつ取付部材の頭部とアンカプレートの間に弾
性体が介在され、これによりロックプレートの噛合突起
が補強部材の噛合凹部に噛み合うように付勢されている
構成となっている。

この構成により、ウェビングに作用する張力は取付部材
、ロックプレートを介して補強部材および車体側壁に伝
達され、かつ、取付部材を弾性体に抗して押付けること
により噛合突起と噛合凹部の噛み合いが解除され、取付
部材を介してアンカプレートを適宜位置に移動し取付部
材の押付は力を解放すればアンカープレートはその位置
に固定される。

以下本考案の実施例を図面に従い説明する。第１図に示
されるごとく本考案が適用されるシートベルト装置は乗
員拘束用ウェビング１０の一端がアンカープレート１２
により車体のロッカパネル１４へ係止されており、他端
は同様にロッカパネル１４へ取りつけられた巻取装置１
６へ巻取られている。

この巻取装置１６は車両緊急時にウェビング１０の巻出
しを急激に停止させるイナーシャロック機構が内蔵され
ている。

ウェビング１０の中間部はアンカープレートト１８で折
り返されており、このアンカープレート１８が車体のセ
ンターピラー２０へ取りつけられるアンカー装置２２に
取付部材とし、ての取付ボルト２４を介して係止されて
いる。

またウェビング１０の中間部にはタングプレート２６が
ウェビング１０の長手方向へ移動可能に取りつけられて
おり、このタングプレート２６を車体略中央部から立設
されるバックル装置２８へ保合させることによりシート
３０へ着座した乗員はウェビング１０により３点式シー
トベルトの装着状態となることができる。

次にアンカー装置２２について説明すると、このアンカ
ー装置２２は第２，３図に示されるごとくセンターピラ
ー２０内に補強部材としてのリーンフォース３２．３４
及びロックプレー）−３６が設けられており、これらが
噛合うことによりアンカープレート１８を車体へ固着す
るようになっている。

リーンフォース３２．３４は第２図に示されるごとく平
面形状が薄板を屈曲した略り字状とされており、取付ボ
ルト２４が挿入されるセンターピラー２０の長孔３８Ｌ
：ｌ’）両端へ溶着されている。

このり一ンフォース３２．３４には第３図に示されるご
とく水平方向から見た場合にそ！しぞれ複数個の噛合凹
部４０が設けられている。

これらの噛合凹部４０は上下方向に一方の間隔をおいて
配置されており、それぞれ車体外方で矢印Ａ方向）に向
いて開放されている。

一方ロツクブレート３６は第３図に示されるごとく水平
方向から見た場合に鋼板の上下端部が屈曲されてコ字状
とされており、屈曲された両端部は車内方向へ突出した
噛合突起４２とされている。

この噛合突起４２の背面はナツト４４へ溶着されており
、このナツト４４には取付ボルト２４がロックプレート
３６を貫通した後に螺合されている。

従ってロックプレート３６はナツト４４、取付ボルト２
４を介してアンカープレート１８へ取りつけられている
。

取付ボルト２４の中間部に軸支されているアンカープレ
ート１８とセンターピラー２０との間にはスペーサ４６
が介在されており、またアンカープレート１８と取付ボ
ルト２４の頭部との間には皿ばね４８が介在されている
。

この皿ばね４８はアンカープレート１８をセンターピラ
ー２０へ押圧すると共に取付ボルト２４をセンターピラ
ー２０から抜き出す方向に、すなわちナツト４４を介し
てロックプレート３６へ付勢力を与えてロックプレート
３６の噛合突起４２がリーンフォース３２ 、３４の噛
合凹部４０内へ噛合う方向に付勢している。

ここに取付ボルト２４を皿ばね４８の付勢力に抗してア
ンカープレート１８へ押圧することにより、ロックプレ
ート３６の噛合突起４２が噛合凹部４０から脱出するこ
とができる長さとなっている。

このように構成された本実施例において、図示状態はす
でにロックプレート３６がリーンフォース３２ 、３４
へ噛合ってアンカープレート１８が確実にセンターピラ
ー２０へ取りつけられた状態であり、乗員はシート３０
へ着座後タングプレート２６をバックル装置２８へ噛合
わせればウェビング１０により３点式のシー トベルト
装着状態となることができる。

通常の車両走行状態においてはウェビング１０を巻取装
置１６から巻出すことが可能であるのでウェビング１０
を装着した乗員は自由に運転姿勢を変更することができ
る。

また車両が衝突等の緊急状態に陥った場合には巻取装置
１６内のイナーシャロック機構が作動してウェビング１
０の巻出しを急激に停止させるため乗員はウェビング１
０により確実な拘束状態となることができる。

この場合乗員により発生するウェビング１０の張力は取
付ボルト２４をセンターピラー２０から抜き出す方向に
作用するか゛、この取付ボルト２４へ作用する力は、ロ
ックプレート３６の噛合突起４２が噛合凹部４０内へ更
に深く噛合わせる力となって作用するため、ウェビング
１０の張力を確実にセンターピラー２０へ支持させるこ
とが可能である。

次に乗員がアンカープレート１８の取付位置を変更する
場合には、取付ボルト２４の頭部をセンターピラー２０
内へ皿ばね４８の付勢力に抗して押し込めば、ロックプ
レート３６の噛合突起４２は噛合凹部４０から脱出する
ため取付ボルト２４が長孔３８に沿ってセンターピラー
２０の上下方向へ移動可能となる。

アンカープレート１８が適宜位置へ移動した後に取付ボ
ルト２４への押圧力を解除すればロックプレート３６は
皿ばね４８の付勢力によりいづれかの噛合凹部４０内へ
挿入されるので再びアンカープレート１８がセンターピ
ラー２０へ係止される。

この場合ロックプレート３６の噛合突起４２が噛合凹部
４０内へ挿入されずに複数の噛合凹部４０の中間部へ当
接している場合には乗員のウェビング１０への多少の引
張力によりロックプレート３６が上下方向へ若干量移動
して直近の噛合凹部４０へ挿入されるので問題はない。

上記実施例においては皿ばね４８を用いているが皿ばね
に限らず他の弾性体を用いることが可能であることは言
うまでもない。

また、アンカープレー１〜をセンターピラーへ取りつけ
る場合について説明したが、本考案はこれに限らずウェ
ビングを車体のいづれかの位置へ取りつける場合に全て
適用可能である。

また上記実施例においてはセンターピラーに長孔が形成
されているか長孔の両側部は屈曲された矩形状を有する
リーンフォースにより補強されているので車体強度が低
下する虞れはない。

以上説明したごとく本考案に係るシートベルトアンカー
装置はロックプレートが噛合突起をり−ンフォースの噛
合凹部へ噛合わせるので必要に応じてアンカープレート
の車体への取りつけ位置を変更して乗員へ常に適切なウ
ェビング装着状態を与えることが可能となり、かつウェ
ビングに作用する張力が確実に補強部材を介して車体側
壁に伝達されるので本装置の強度を向上させることがで
きる優れた効果を有する。

特に本考案によれば、車両本体の一部である車体側壁に
長孔を形威し、この長孔に取付部材を挿入し、長孔の両
縁に沿う補強部材を介して車体側壁裏面で取付部材のロ
ックプレートを保持するような構造としたので、例えば
車体側壁に別個に取付板等を固定したものに比較し、確
実にウェビングの張力を車両本体で受はアンカー装置全
体の強度を向上させることができる。

また、本考案によれば弾性体を取付部材の頭部とアンカ
プレートの間に介在させたので、弾性体はアンカプレー
トを車体側壁表面に向け、すなわち車幅方向外側に向け
て付勢することになり、よってアシカプレートに挿通さ
れたウェビングが乗員の首部に当接することを防止する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るシートベルトアンカー装置の実施
例が適用されたシートベルトシステムを示す斜視図、第
２図は第１図ＩＩ−ＩＩ線断面図、第３図は第２図ＩＩ
Ｉ−ＩＩＩ線断面図である。 １０・・・・・・ウェビング、１８・・・・・・アンカ
ープレート、２２・・・・・・アンカー装置、２４・・
・・・・取付ポル）−１３２゜３４・・・・・・リーン
フォース、３６・・・・・・ロックプレート、４０・・
・・・・噛合凹部、４２・・・・・・噛合突起、４８・
・・・・・皿ばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗員拘束用ウェビングが挿通されたアンカプレートに、
   頭部を有する取付部材を挿通し、該取付部材を車体側壁
   表面に位置調節可能に固定するシートベルトアンカー装
   置において、車両本体の一部である車体側壁に車両上下
   方向に延在する長孔が形成されるとともに該長孔に取付
   部材が挿入され、該取付部材の車体側壁内に延びる部分
   に車内側に向う噛合突起を有するロックプレートが固定
   され、車体側壁裏面に前記長孔の両縁に沿って補強部材
   が固着されるとともに該補強部材は前記長孔の上端から
   下端に至るまで複数の噛合凹部を有してロックプレート
   の噛合突起を受入れ可能とされ、かつ取付部材の頭部と
   アンカプレートの間に弾性体が介在され、これによりロ
   ックプレートの噛合突起が補強部材の噛合凹部に噛み合
   うように付勢されているシートベルトアンカー装置。