JPS5912459Y2 - 過流防止弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガス供給路において、たとえばガス器具にゴ
ム管を継ぐコックまたは引込元栓コックに設置してゴム
管の脱落または破損等によりガスの異常流出を検知し、
自動的にその異常流出を停止して不測の災害を防止しよ
うとする過流防止弁装置の改良に関する。

従来のこの種装置は直立作動構造であるため、これを直
立状に正確にガス供給管を取付けなければ誤作動する懸
念があった。

そこで本考案者は特公昭３４−１０５９１号公報に示さ
れるように、弁装置のガス供給管の向きが上下左右斜等
いずれの方向に位置するもこれを適正に作動させる装置
を提案したが、然も該装置においてもガス圧によって作
動する球弁が弁筐の上り勾配のテーパー内周面に沿って
転動作動するようになっているため、該テーパー内周面
のテーパー角度を正確に取り出さなければならず、それ
がために球弁を収容する弁筐の軸線が常に水平面上にあ
るように設置しなければならなかった。

従って上記装置であれば、たとえガス供給管の向きを作
業条件に合わせて種々の位置に調整することができても
、矢張り弁筐そのものを水平面上に位置させなければな
らないという制約を受け、これがために面倒な心出し作
業が必要とし、配管工事上の難点となっていた。

本考案は上記の難点に注目し、弁装置の弁筐をなんら水
平面上に設置しなくとも適正作動し、然もガス供給管の
管口の向きを略１８０゜範囲にわたって変えても、常に
所期の性能を発揮させるようにしたもので、この要旨は
、外殻内に円筒状弁筐を固着し、その一端部を弁座をお
いてガス受給側に結合し、他端部をガス供給側に向わせ
てここに上記弁座に適合する合或樹脂製球弁を収容する
と共に、該球弁と弁筐との間に常時供給のガス量が通過
するに足る間隙を形或し、また弁筐内周の中程に球弁常
時位置規制用段部を形或すると共に、常時のガス使用量
を越えるガス量が上記ガス供給側に現れたときに該球弁
が上記段部を乗り越えてこれを弁座に圧接案内するよう
に上記段部より上記弁座に向う弁筐内径を上記球弁が滑
動し得る程度の小径案内部に形或し、且つ上記段部、小
径案内部及び弁座を弁筐の軸線に対しそれぞれ同心状に
設けてなることにある。

以下本考案の一実施例を図面によって説明すると、１は
外殻であって継手として兼用されるニツプル状またはソ
ケット状あるいはコック状に形或され、継手用ねじｌａ
，ｌｂがその外周または内周に設けられ、また外殻１内
に隔壁１Ｃを形或し、該隔壁１Ｃを挾んでその一方側が
ガス受給側２となり、他方側がガス供給側３となってお
り、該ガス供給側３において隔壁１Ｃに円筒状の弁筐４
の一端部をねしまたは圧入結合し、この結合位置附近に
後述の球弁５が適合する弁座６を設け、該弁筐４の他端
部にリング状の蓋７をビス８によって取付け、該蓋７に
架設したピン状のストッパー９によって、弁筐４に収容
した球弁５の抜出しを阻止している。

球弁５は合或樹脂、好ましくはナイロン６６などの軽量
な合或樹脂によって形威され、常時は該球弁５は前記ス
トッパー９上に位置しており、該球弁５と弁筐４との間
隙をガス通路１０とし、これを通ってガス供給側３から
ガス受給側２にガスが供給されるようになっている。

従って上記両者間の間隙（ガス通路）１０の開口面積は
通常ガス器具において使用するガス量を通す開度とし、
ゴム管が外れたり破れたときはガス流量の規制が破れて
該間隙の開口面積以上のガスが弁筐４内に進入するため
該間隙１０を通り得ないガス量は球弁５を押し上げて通
過しようとし、このガス扛上力によって球弁５が浮上し
て弁座６に圧接し、ガス供給を遮断するものである。

そして本考案においては更に弁筐４の内周面に球弁５が
常態においてその静止位置を規制保持するような段部１
１を形威し、常時は該段部１１とストッパー９との間の
静止位置において前述のように間隙１０を通って所要の
ガス量を通過させるようになっているが、ゴム管等の破
損により常時のガス使用量を超えるガス量がガス供給側
３に現れたときには該ガス圧扛上力により球弁５が上記
段部１１を乗り越えて前述のように弁座６に圧接するよ
うになっている。

そしてこの際上記段部１１より弁座６に向かう弁筐４の
内径を上記球弁５が円滑に滑動し得る程度の小径案内部
１２に形或してなるため、一旦段部１１を乗り越えた球
弁５は小径案内部１２を滑動して迅速確実に弁座６に案
内される。

而も上記段部１１，小径案内部１２及び弁座６は弁筐４
の軸線Ｙ−Ｙ上に半径中心点が来るようにそれぞれ同心
常態に形或されてなることを特徴とする。

従って第２図Ａに示すように、弁筐４を直立状態に設置
しても、また第２図Ｂ， Ｃに示すように直立状態から
左右の略水平状態（正確には直立状態から８５゜変位し
た位置）までのどのように傾斜角度に設置しても、ある
いは弁筐４自体をどのような方向に自転させて設置して
も弁筐４と球弁５との間の間隙１０、段部１１，小径案
内部１２及び弁座６の球弁５に対する関係位置は常に一
定であるから、配管工事の際の作業条件に合わせてどの
ような傾斜位置に弁筐４及び外殻１を設置しても適正作
動させることができる。

第４図は、本考案の他の実施例を示し、元栓コックから
なる外殻１′に弁筐４を固着し、これに元栓コック１′
の開閉つまみ１３と連動する落弁機構１４を設置してな
るもので、不測の事故により球弁５が一点鎖線で示すよ
うに弁座６に圧接して落下しない場合に、開閉つまみ１
３を回転させて閉子１５を開から閉の状態とし、このと
き閉子１５に設けた偏心軸１６の回転運動をタペット１
７を介して直線運動に変換される落弁片１８が押圧ばね
１９に抗して弁筐４方向に突出し、これによって弁筐４
から若干臨出している球弁５を押圧して該球弁５を正常
位置に落下させようとするものである。

本考案は以上の構戒であり、弁筐を取付けた外殻を垂直
常態から水平面略１８０゜までの範囲であれば、どのよ
うに傾斜角度及び自転方向に設置しても作動条件は常に
一定であるから、取付時になんら面倒な心出し作業を必
要とせず、未熟練者でも容易に設置することができ、し
かも作動は的確である。

また弁筐と球弁との間のガス通路より通常のガス量が通
過するが、このガス量及び流速は、厳密には常時均一な
流量流速で通過するのではなく、当然に上下に若干の変
化即ち脈動をともないながら通過しており、このために
前記ガス通路は通常のガス量通過用開度より若干径大に
形或され、ガス通過量及び若干変化しても球弁が誤作動
しないように一般に配慮されている。

しかるに球弁によって閉塞される弁孔の径は、球弁の直
径によって左右され、球弁の直径よりも当然に径小に形
或されるため弁孔の設けられる端壁が幅広になり、この
ため弁筐が横倒状態に設置される場合には、その内壁に
接する球弁は、その作動時に前記端壁に当接するだけで
、弁孔囲りの弁座に接することができず、このため弁孔
を閉塞することができないがその作動応答性が遅れる事
態が発生する。

これに対しこの考案によれば、弁筐内周の中程に球弁常
時位置規制用段部を形或し、この段部より弁座に向かう
弁座内径を径小した小径案内部を設けてなるため、当然
に弁孔の設けられる端壁の幅は狭くなり、従って段部を
乗り越えた球弁は前記弁孔囲りの端壁に接当することな
く迅速に弁座に接して弁イ１，を閉塞し、その作動応答
性が良好で信頼度が高いという効果を発揮する。

しかも上記段部、小径案内部及び弁座を弁筐の軸線に対
しそれぞれ同心状に設けてなるため、弁筐を横倒状態に
設置する場合、弁筐をどのように自転させても球弁の作
動条件に変化をきたすことがなく、それだけ設置作業が
容易である。

さらには弁筐を略水平方向に設置することが可能である
から、室外から水平方向に導入されるガス管を屈曲させ
ることなく、そのまま弁筐に接続することができ、それ
だけ配管作業が容易であり、また設置面積が少なくて済
む利点がある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、そのうち第１図
は縦断正面図、第２図Ａ， Ｂ， Ｃはその取付状態の
説明図、第３図は弁筐と球弁との関係位置を示す断面図
、第４図は本考案の他の実施例を示す縦断正面図である
。 １，１′・・・外殻、２・・・ガス受給側、３・・・ガ
ス供給側、４・・・弁筐、５・・・球弁、６・・・弁座
、９・・・ストッパー、１０・・・間隙（ガス通路）、
１１・・・球弁常時位置規制用段部、１２小径案内部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外殻内に円筒状弁筐を固着し、その一端部を弁座をおい
   てガス受給側に結合し、他端部をガス供給側に向わせて
   ここに上記弁座に適合する合或樹脂製球弁を収容すると
   共に、該球弁と弁筐との間に常時供給のガス量が通過す
   るに足る間隙を形或し、また弁筐内周の中程に球弁常時
   位置規制用段部を形戒すると共に、常時のガス使用量を
   超えるガス量が上記ガス供給側に現れたときに該球弁が
   上記段部を乗り越えてこれを弁座に圧接案内するように
   上記段部より上記弁座に向う弁筐内径を上記球弁が滑動
   し得る程度の小径案内部に形或し、且つ上記段部、小径
   案内部及び弁座を弁筐の軸線に対しそれぞれ同心状に設
   けてなる過流防止弁装置。