JPS6132535B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はガス供給路において、たとえばガス
器具にゴム管を継ぐコツクまたは引込元栓コツク
に設置してゴム管の脱落または破損等によりガス
の異常流出を検知し、自動的にその異常流出を停
止して不測の災害を防止しようとする過流防止弁
装置の改良に関する。

従来のこの種装置は直立作動構造であるため、
これを直立状に正確にガス供給管を取付けなけれ
ば誤作動する懸念があつた。そこで本発明者は特
公昭34―10591号公報に示されるように、弁装置
のガス供給管の向きが上下左右斜等いずれの方向
に位置するもこれを適正に作動させる装置を提案
したが、然し該装置においてもガス圧によつて作
動する球弁が弁筐の上り勾配のテーパー内周面に
沿つて転動作動するようになつているため、該テ
ーパー内周面のテーパー角度を正確に取り出さな
ければならず、それがために球弁を収容する弁筐
の軸線が常に水平面上にあるように設置しなけれ
ばならなかつた。

従つて上記装置であれば、たとえガス供給管の
向きを作業条件に合わせて種々の位置に調整する
ことができても、矢張り弁筐そのものを水平面上
に位置させなければならないという制約を受け、
これがために面倒な心出し作業を必要とし、配管
工事上の難点となつていた。

本発明は上記の難点に注目し、弁装置の弁筐を
なんら水平面上に設置しなくても適正作動し、然
かもガス供給管の管口の向きを略180゜範囲にわ
たつて変えても、常に所期の性能を発揮させるよ
うにしたものである。

さらにこの種球弁浮遊型の過流防止弁におい
て、過流状態の発生によつて球弁が弁筐内を浮上
して弁孔を閉塞した場合、その後に過流状態がな
くなつても球弁が弁座に圧接してこれより離脱し
ない事態が多々ある。この際外部からの操作によ
つて球弁を押圧して弁座より離脱させる球弁離脱
機構が種々提案されているが、この種球弁浮遊型
の過流防止弁、即ち垂直通路に防止弁機構を設
け、これに連通する水平通路に閉子を設置するタ
イプの過流防止弁においては、常態のガス流通に
支障をきたすことがなく、かつリセツト時の球弁
の離脱操作が容易で、しかも確実に球弁を離脱さ
せることができる球弁離脱装置は存在しなかつ
た。本発明は、特別な操作を行行なうことなく球
弁を確実に弁座より離脱させることができると共
に、この離脱機構自体がガスの流通に支障をきた
さない装置を提供しようとするものである。

以下本発明の一実施例を図面によつて説明する
と、１は元栓コツクからなる外殻であつて継手用
ねじ部１ａがその内周に設けられ、また外殻１内
に隔壁１ｂを形成し、該隔壁１ｂを挾んでその一
方側がガス受給側たる水平通路２となり、他方側
がガス供給側たる垂直通路３となつており、該垂
直通路３において隔壁１ｂに円筒状の弁筐４の一
端部がねじ結合され、この結合位置附近に後述の
球弁５が適合する弁座６を設け、該弁筐４の他端
部にピン状のストツパー７が架設され、このスト
ツパー７によつて球弁５の抜出を阻止している。

弁筐４内には合成樹脂、好ましくはナイロン製
の球弁５が収容され、常時は該球弁５は前記スト
ツパー７上に位置しており、該球弁５と弁筐４と
の間隙をガス通路８とし、これを通つてガス供給
側たる垂直通路３からガス受給側たる水平通路２
にガスが供給されるようになつている。従つて上
記両者間の間隙（ガス通路）８の開口面積は通常
ガス器具において使用するガス量（通常は約1.5
m³／ｈ）を通す開度とし、ゴム管が外れたり破れ
たときはガス流量の規制が破れて該間隙の開口面
積以上のガス量（例えば４m³／ｈ）が弁筐４内に
進入するため該間隙８を通り得ないガス量は球弁
５を押し上げて通過しようとし、このガス扛上力
によつて球弁５が浮上して弁座６に圧接し、ガス
供給を遮断するものである。

そして本発明においては更に弁筐４の軸方向中
央部内周面に球弁５が常態においてその静止位置
を規制保持するようにＬ状に直角な段部９を形成
し、常時は該段部９とストツパー７との間の静止
位置において前述のように間隙８を通つて所要の
ガス量を通過させるようになつているが、ゴム管
等の破損により常時のガス使用量を超えるガス量
がガス供給側３に現われたときには該ガス圧扛上
力により球弁５が上記段部９を乗り越えて前述の
ように弁座６に圧接するようになつている。そし
てこの際上記段部９より弁座６に向う弁筐４の内
径を上記球弁５が円滑に滑動し得る程度の小径案
内部１０に形成すると共に、この案内部１０に続
く弁座６を緩やかなテーパー面に形成してなるた
め、一且段部９を乗り越えた球弁５は小径案内部
１０を滑動して迅速確実に緩テーパー状弁座６に
案内される。

而も上記段部９、小径案内部１０及び弁座６は
弁筐４の軸線Ｙ―Ｙ上に半径中心点が来るように
それぞれ同心状態に形成されてなることを特徴と
する。

従つて第２図Ａに示すように、弁筐４を直立状
態に設置しても、また第２図Ｂ，Ｃに示すように
直立状態から左右に90゜変位した略水平位置まで
のどのように傾斜角度に設置しても、あるいは弁
筐４自体をどのような方向に自転させて設置して
も弁筐４と球弁５との間の間隙８、段部９、小径
案内部１０及び弁座６の球弁５に対する関係位置
は常に一定であるから、配管工事の際の作業条件
に合わせてどのような傾斜位置に弁筐４及び外殻
１を設置しても適正作動させることができる。

さらに第１図において、元栓コツクからなる外
殻１の水平通路２に開閉つまみ１１によつて作動
される閉子１３が設置され、該閉子１３の直下で
上記垂直通路３に隣接して密封空所１２を設け、
この空所１２と垂直通路３とにかけて脱弁用軸１
６を摺動自在に挿通し、不測の事故により球弁５
が一点鎖線で示すように弁座６に圧接して落下し
ない場合に、開閉つまみ１１を回転させて閉子１
３を開から閉の状態とし、このとき閉子１３の下
面偏心位置に設けた突起１４の回転運動をタペツ
ト１５を介して直線運動に変換される脱弁用軸１
６が押圧ばね１７に抗して弁筐４方向に突出し、
これによつて弁筐４から若干臨出している５を押
出して該球弁５を正常位置に落下させようとする
ものである。

本発明は以上の構成であり、弁筐を取付けた外
殻を垂直状態から水平面180゜までの範囲であれ
ば、どのような傾斜角度及び自転方向に設置して
もその作動条件は常に一定であるから、取付時に
なんら面倒な心出し作業を必要とせず、未熟練者
でも容易に設置することができ、しかも作動は適
確である。

しかも本発明においては、垂直方向を回転軸と
する90゜捻回により該ガス流路を水平流路側で開
閉する閉子を備えると共に、上記垂直流路内に浮
遊型球弁による過流量防止弁機構を設けたガス栓
コツクにおいて、ガス流路外の閉子下方位置に形
成した空所内に該球弁の離脱機構部を設けている
ため、通常のガス使用状態において離脱機構部に
よるガス流抵抗がなく、安定したガス供給が可能
である。また、離脱機構の駆動は、開閉ハンドル
を捻回するという従来より習慣づけられている通
常のコツク操作によつて、閉子下面の突起が脱弁
用軸を押圧移動して自動的になされ、過流量防止
弁をリセツト状態とするための特別な付加操作を
全く必要とせず、従つて緊急事態に慌てた使用者
が操作を誤つて重大事故につながる恐れもない。
更に閉子を開成状態におくことによりガス流路内
の圧力が即座に均一となるから、球弁を上方へ押
し上げる力が働かず、離脱が極めて円滑に行なわ
れる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、そのう
ち第１図は縦断正面図、第２図はその取付状態の
説明図、第３図は弁筐と球弁との関係位置を示す
断面図である。 １……外殻、２……ガス受給側、３……ガス供
給側、４……弁筐、５……球弁、６……緩テーパ
ー状弁座、７……ストツパー、８……間隙（ガス
通路）、９……球弁常時位置規制用段部、１０…
…小径案内部、１１……つまみ、１２……密封空
所、１３……閉子、１４……突起、１６……脱弁
用軸、１７……ばね部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガス流入側たる垂直通路３とこれに連通する
   ガス流出側たる水平通路２とを有する外殻１の水
   平通路２につまみ１１によつて開閉作動する閉子
   １３を設け、垂直通路３に円筒状弁筐４を取付
   け、該弁筐４に弁座６に適合する球弁５を収容す
   ると共に、該球弁５と弁筐４との間に常時供給の
   ガス量が通過するに足る間隙８を形成し、また弁
   筐４内周の軸方向中央部分に球弁常時位置規制用
   Ｌ状段部９を形成すると共に、常時のガス使用量
   を超えるガス量が上記ガス供給側に現われたとき
   に該球弁５が上記段部９を乗り越えてこれを弁座
   ６に圧接案内するよう上記段部９により上記弁座
   ６に向う弁筐内径を上記球弁が滑動し得る程度の
   小径案内部１０に形成し、且つ上記段部９、小径
   案内部１０及び弁座６を弁筐４の軸線に対しそれ
   ぞれ同心上に設け、一方上記閉子１３の直下で上
   記垂直通路３に隣接して密封空所１２を設け、こ
   の空所１２と垂直通路３とにかけて脱弁用軸１６
   を摺動自在に挿通し、常時は空所内に設けられた
   ばね部材１７によつて上記脱弁用軸１６を垂直通
   路３から後退する方向に附勢すると共に、閉子１
   ３の開閉作動によつて脱弁用軸１６をばね部材１
   ７の附勢に抗して垂直通路３内に突出する方向に
   押圧する突起１４を上記閉子１３の下面偏心位置
   に突設してなる過流防止弁装置。