JPS59112B2 - 折返し得る棹を有する弦楽器、特にギタ− - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、一つの回転軸において折返し得るように軸
受けされた棹を有する弦楽器、特にギターに関する。

この発明はとりわけ電気ギターに有利に応用することが
できる。

運搬に当って占める容積をより小さくするために、弦楽
器の棹を折返し得るように形成することが知られている
。

この種の構造は、しかしながら、実用においては、棹の
折返しが弦を同時に弛めてしまうことによってのみ可能
であったことから、貫徹され得なかった。

改めて棹を元へ戻したときに、弦はその元の張力を取戻
さず、正確な調子が失なわれて楽器はその都度調律され
なければならない。

なおまた弛んだ弦が鋭く潰されて膨れを起し、そしてま
たこれが原因で楽器の清新な情調が失なわれてしまう危
険が生ずる。

発明の根底をなす課題は、折返し得る棹を有する弦楽器
であって、それにおいては正しい弦の張力及び従って楽
器の正確な調律が棹の折返し折戻しを屡々繰返しても維
持されるものを創ることである。

この課題は、発明に従い、弦ホルダーが胴へ動き得るよ
うに軸受けされ、そして回転軸と、棹の揺れ運動を行な
わせるための一つの機構を経て結合されていることによ
って解決される。

これによって、弦ホルダーが、棹の折返しに伴なう弦の
長さの変化を正確に相殺して、弦が常に同じ長さ従って
同じ張力を持っているような運動を行なうことが可能で
ある。

さらにその形成において、棹を後方へ折返すことができ
、回転軸に弦のための大きな方向変換半径を有する方向
変換体を装着することが提案されている。

これによって弦の鋭い漬れと膨れとが避けられる。

方向変換体、弦ホルダー及び機構はいずれもこれを楽器
の胴内に収めることが好ましいものであるが、これらに
対しては付随特許請求の範囲に挙げである種々の異った
実施形態が可能である。

以下この発明を第１図乃至第４図を用いて例示的に説明
する。

第１図及び第２図において、１は楽器の胴を指しており
、電気ギターの場合にはこれは共鳴性のないむくの木製
で形成されていてもよい。

棹２は胴１へ回転軸３により胴１の裏側に折畳み可能に
軸受けされ、矢４の方向へ第１図において破線をもって
示された位置２′へ折返すことができる。

回転軸と同心でありかつ棹２に強く結合した弦６のだめ
の方向変換ローラ５があり、弦は棹２を折返すと比較的
大きな屈曲半径をもって方向変換ローラ５を周り第１図
において鎖線Ｃをもって示される経路をとる。

ローラ５と棹２とが結合され一緒に回転するから、ロー
ラ５における弦６の相互の偏位と摩擦とは起らない。

弦６は回転し得るローラに形成された駒７を越えて弦ホ
ルダー８へ達する。

これは軸９によって軸受けされたローラを形成しており
、弦の端末はこれらの周囲の一部を周って適当な装置例
えば止め釘１０へ懸けられる。

ローラ８は方向変換ローラ５と等しい直径を有し、また
両方のローラ８及び５は弦のための浅い案内みぞを備え
ていてもよい（図示してない）。

駒７は、回転可能なローラを持たない簡単な駒であって
もよく、また高さの調整ができてもよい。

これはしかしまた無くてもよく、そのときはこれを稍高
く装着して弦６は直接ローラ５から弦ホルダー８へ走る
。

軸３及び９の上に２個の同じランク１１．１２が着いて
おり、これらはピニオン１３によって連動するように結
合されている。

重量節約のために、ピニオン１３は両端末にのみ歯切区
域１３ａ及び１３ｂを備え、中間は細い平な棒となって
いる。

ピニオン機構による連結によって、両ローラ５及び８は
棹２を振る際１：１の比において共通の回転運動をする
。

棹２′を破線の位置へ折返すと、例えばロー２８にある
止め釘１０は１０′の位置に達し、この場合弦６は、ロ
ーラ５の周囲上に乗る長さに相当する長さだけローラ８
から巻戻される。

それ故弦はその全長を従ってその張力をそのまま維持す
る。

棹が２′の位置から使用状態の位置２へ戻されると、弦
６は、弛められなかったのでその張力を保持し、それに
よって正しい調子を変化せずに維持している。

使用状態に到達したときの棹２の揺動径路の終端を正確
に規定するため、ピニオン１３に、調整し得るねじ１５
を持ち胴の止め面１６と共同して働く止め１４が設けで
ある。

もちろんこの止めは、他の場所に設けられそして最初か
ら例えば適合する離隔板を溶接することにより調整され
た、固定の変化させ得ない止めとして形成されてもよい
。

ローラ５及び８と、ラック及びピニオンから成る付属機
構とは、適当した胴の凹みへ容れ適当な方法で受けまた
は送り、楽器の外観が損なわれないようにする。

第３図に従う実施形態は、その胴１、折返可能に受けら
れた棹２、方向変換ローラ５、ラック１１及びピニオン
１３，１３ａ、１３ｂで第１図及び第２図による実施形
態に対応する。

しかし第３図によると、弦ホルダー２０はその端末にあ
る止め釘２１に弦６が懸けられている板として形成され
、この板は例えば胴１０面にあるありみぞ案内２２に、
縦方向に移動し得るように□ 受けられている。

弦ホルダー２０はその下面にピニオン２３を着けており
、これは胴１に受げられたラック２４を通じてピニオン
区域１３ｂに捕えられる。

ラック１１及びラック２４の大きさの適当な選択によっ
て、弦ホルダー２０の移動距離が棹２の揺動に関連して
方向変換ローラ５の上に乗る弦６の長さに丁度一致する
ような転換比率を得ることができる。

使用状態の位置において棹２が反転するのを防ぐために
、第２図に図式的に示すように、ねじ棒２７を胴１を貫
いて棹２の中へねじ込むことができる。

第４図が別に示す如く、ねじ棒２７はその前端にねじ区
域３６を、その後端に直径の少し小さい区域３Ｔを有し
、その端末にローレットつまみ３２が固定されている。

ねじ棒２７はブツシュ２８の中を通り、ブツシュには穴
の入口頭３９があって棒２７がブツシュから全部抜は出
てしまわないようにしである。

棹２内にはブツシュ２９があり、これにはねじ区域３３
と棒２７のねじの無い区域をプレスばめによって保持す
る区域３４がある。

ブツシュ２８には、これに対応して棒２７のねじの無い
区域をプレスばめで保持する区域３５がある。

これら両方のプレスばめは、ブツシュ２９のねじ区域３
３と棒２７のねじ区域３６との遊隙を相殺し、そしてそ
れによりたいと僅かとは言え棹２の傾斜またそれに伴な
う弦の調子の変化を防ぐために、必要である。

第４図に示した位置においては、棒２γは抜き出されて
いる。

両方のプレスばめにより保持された棒の抜き出しを容易
ならしめるため、ねじ棒２７のより小さい直径を持つ区
域３７は、穴の入口頭３９とローレットつまみ３２とに
支えられたばね３１を持っている。

ブツシュ２８及び２９は、胴１または棹２へ固く止まり
得るのに都合が良いように、外側ねじを持っている。

記述された実施形態を変更することは可能である。

すなわち例えば第１図及び第２図において、ローラ５及
びローラ８に異った直径を与えることが可能であり、但
しその場合直径の比に依存してピニオン機構は１：１で
はない転換比率を持たなければならない。

またピニオン機構代えて回転軸と弦ホルダーとの連結に
対し他の機構、特に鎖機構、スピンドル、有歯ベルト機
構あるいはそれに類するものを用いることも可能である
。

しかしながら機構内の如何なる遊隙でも弦の調子を狂わ
せるかも知れないから、機構が実際上無遊隙でなければ
ならないことはもちろんである。

ピニオン機構は、実際上無遊隙に製作し得るので好まし
いものである。

胴１内にはこのほか把手２５が設けてあって、棹を折返
してないときの運搬を楽にする。

【図面の簡単な説明】

添付図面において、第１図はこの発明の第１の実施形態
における電気ギターの側視図である。 第２図は部分的に切断した第１図のギターの上視図であ
る。 第３図はこの発明の第二の実施形態の側視図である。 第４図は使用姿勢におけるギターの固定装置である。 図中の記号の説明は次の通りである。 １−・・・・・胴、２・・・・・・棹、２′・・・・・
・折返したときの棹の位置、計−・・・回転、４・・・
・・・折返しの方向、５−・”′方向変換ローラ、６・
・・・・−弦、６′・・・・・・折返したときの弦の位
置、７・・・・・・駒、８・・・・・・弦ホルダー、９
°°゛・°−シャフト（８の）、１０・・・・・・止め
釘、１０′１．。 ・・−折返したときの止め釘の位置、１１，１２・−・
・・・ラック、１３・・・・・・ピニオン、１３ａ、１
３ｂ・−・・・ピニオンの歯切区域、１４・・・・・・
止め、１５・・・・・−ねじ、１６・・・・・・止め面
、２０・・・・・・弦ホルダー、２１・・・・・・止め
釘、２２・・・・・・ありみぞ案内、２３・・−一一一
ピニオン、２４・・・・・・ラック、２５・・・・・・
把手、２γ−・・・−ねじ棒、２８・−・・・ブツシュ
、２９・・・・・・棹内にあルフッシュ、３１・・・・
・・ばね、３２・・・・・・ローレットつまみ、３３・
・・・・・２９のねじ区域、３４・・・・−・２９のプ
レスばめ区域、３５・・・・・・２８のプレスばめ区域
、３６・・・・・・ねじ区域（ねじ棒２７の）、３７・
・・・・・直径の小さい区域、３９・・・・・・ブツシ
ュの穴の入口頭。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 弦楽器の胴１と、 回転軸３により胴１に軸支され該胴１の裏に折り返し可
   能な棹２と、 回転軸３に装着され弦６を胴の裏に方向転換する方向変
   換体５と、 胴１に動き得るように支持された弦ホルダー８と、 棹２を折畳む際に弦ホルダー８を駆動し所定の張力を維
   持したまＮ弦６を繰出すと共に方向変換体５を棹２の動
   きに追随させて駆動する連動機構３．１１，１２，１３
   とを有する弦楽器、特にギター。 ２、特許請求の範囲第１項に記載の弦楽器であって、方
   向変換体５が、回転軸３の周を回転可能な、棹２と強く
   結合されたローラとして形成されていることを特徴とす
   るもの。 ３ 特許請求の範囲第１項あるいは第２項に記載の弦楽
   器であって、方向変換ローラ５が弦ホルダー ローラ８
   と同じ直径を有し、ローラ８と連動機構３，１１，１２
   ．１３を経て１：１の転換比率をもって連結されている
   ことを特徴とするもの。 ４ 特許請求の範囲第１項あるいは第２項に記載の弦楽
   器であって、方向変換ローラ５および／又は弦ホルダー
   ローラ８が弦案内用のみぞを有することを特徴とする
   もの。 ５ 特許請求の範囲第１項又は第２項の一つによる弦楽
   器であって、弦ホルダー２０が弦６の長さ方向において
   直線に動くように送られ、そして連動機構ＩＬ １３，
   １３ａ、１３ｂ、２３，２４を経て回転軸と、弦ホルダ
   ーの移動距離が棹２の揺れ角に方向変換体５０半径を乗
   じたものに等しくなるような転換比率をもって結合され
   ていることを特徴とするもの。 ６ 特許請求の範囲第１項乃至第５項に記載の弦楽器で
   あって、連動機構は回転軸弦ホルダーにあるラック３，
   １２；１１，２４と、これらを結合する楽器の胴に沿い
   移動させるピニオンとを有するピニオン機構であること
   を特徴とするもの。 ７ 特許請求の範囲第１項乃至第６項の一つに記載の弦
   楽器であって、棹の使用状態位置への振りを限定する止
   め１４，１６を備えていることを特徴とするもの。 ８ 特許請求の範囲第１項に記載の弦楽器であって、動
   く方の止め１４は前記連動機構の一部、特にピニオンに
   装着されていることを特徴とするもの。 ９ 特許請求の範囲第７項あるいは第８項に記載の弦楽
   器であって、動く方の止め１４は調整可能であることを
   特徴とするもの。 １０ 特許請求の範囲第１項乃至第９項に記載の弦楽
   器であって、前記連動機構、方向変換体及び／又は弦ホ
   ルダーは弦楽器の胴の中に収められていることを特徴と
   するもの。 １１ 特許請求の範囲第１項乃至第１０項の一つに記
   載の楽器であって、弦が弦ホルダー８の少し前方で高め
   られた駒７を跨いており、駒は好ましくは回転し得るロ
   ーラとして形成されていることを特徴とするもの。 １２、特許請求の範囲第１１項に記載の弦楽器であって
   、駒が高さ調節可能であることを特徴とするもの。 １３ 特許請求の範囲第１項乃至第１２項の一つに記
   載の弦楽器であって、胴１に把手２５が形成されている
   ことを特徴とするもの。 １４ 特許請求の範囲第１項乃至第１３項の一つに記載
   の弦楽器であって、楽器を使用状態の位置に拘駐する装
   置を特徴とするもの。 １５ 特許請求の範囲第１４項に記載の弦楽器であっ
   て、胴１内のブツシュ２８へ差込まれるねじ棒２１及び
   ねじ棒２７と共同して働く棹２内のねじブツシュ２９を
   特徴とするもの。 １６ 特許請求の範囲第１５項に記載の弦楽器であっ
   て、ねじ棒２７はブツシュ２８の中へプレスばめ３５を
   もって差込まれることを特徴とするもの。 １７ 特許請求の範囲第１５項あるいは第１６項に記
   載の弦楽器であって、ねじ棒２７のブツシュ２８からの
   抜出しが局限されていることを特徴とするもの。 １８ 特許請求の範囲第１５項乃至第１７項の記載の
   弦楽器であって、ねじ棒２７の抜出しを容易ならしめる
   ためのばね３１を特徴とするもの。 １９ 特許請求の範囲第１５項乃至第１７項に記載の
   弦楽器であって、ねじブツシュ２９はねじ棒２８に対す
   るプレスばめを持つ区域３４を有することを特徴とする
   もの。 ２０ 特許請求の範囲第１５項乃至第１９項の一つに
   記載の弦楽器であって、両方のブツシュ２８゜２９は外
   側ねじを有することを特徴とするもの。