JPS5910439Y2 - 回転緩衝装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車の窓ガラス開閉用電動機等のように正逆
回転する減速機の緩衝機構として使用できるところの回
転緩衝装置の改良構造に関するものである。

従来周知のこの種の減速機においては、電動機の電機子
軸に設けたウオームに噛み合う歯車に直接ゴム等の弾性
部材の一端面を加硫接着するなどしており、この弾性部
材のねじれを利用して電動機停止時に発生する衝撃力を
吸収している。

あるいは弾性部材を圧縮し、その圧縮変形により衝撃力
を吸収するようにしている。

しかし、これらの方法は加硫接着の焼付け条件により品
質が左右されたり、弾性部材の材料費の高騰あるいは、
大きな衝撃トルクがその容積のわりには充分吸収できな
いなどの欠点がある。

本考案は前記欠点を解消するため、形状が簡単なＣ字形
のスプリングと、このスプリングを保持する２枚の回転
板とを設け、該回転板の一部に前記スプリングの両先端
に設けた突起が係合する溝を設けることにより、製作が
容易で安価であり、かつ品質的に安定した回転緩衝装置
を提供することを目白勺とするもので゛ある。

本考案を図面に示す一実施例にて説明する。

第１，２図において、１は図示してない直流電動機の回
転子軸で、一端にウオーム７゛が一体的に形威してある
。

２はウオーム７と噛み合うヘリカルギャで、その単体は
例えば第３図Ａ， Ｂに示す如くその外周部の表裏両面
にそれぞれ保合部をなす切欠き２ａ，２ｂが設けてあり
、また外周側面部分にはギヤ部が設けてある。

３はＣ字形状のスプリングで、ヘリカルギャ２の内部に
配置され、窓ガラス等の移動拘束時に直流電動機による
回転慣性力を瞬間吸収するためのものである。

そのスプリング３は例えば第４図Ａ， Ｂ， Ｃに示す
如くＣ字形状で、その両端部にそれぞれ係合用の突起３
ａ，３ｂが表と裏に合計４個一体的に設けてあり、これ
らの突起３ａ，３ｂはヘリカルギャ２の各切欠き２ａ，
２ｂに係合させられる。

４は第１の回転板となる金属プレート、５は第２の回転
板となる金属プレートであり、両金属プレート４，５は
その間にスプリング３を収納するようにして組み付けら
れ、第５図に示すような金属プレート４，５の外周部に
設けた切欠き４ａ，５ａにスプリング３の突起３ａ，３
ｂを係合させている。

６は回転力を外部に伝えるための出力軸である。

また、第１、第２の回転板である金属プレート４，５は
出力軸６のコバン形部により回り止めがなされており、
出力軸６と一体的に回転する。

上記構或によれば、直流電動機の回転子軸１が回転する
と、ウオーム７との噛み合いによってヘリカルギャ２が
回転し、ヘリカルギャ２の切欠き２ａ，２ｂと係合する
スプリング３の突起３ａ，３ｂに回転力が伝達され、さ
らにこのスプリング３より第１、第２の回転板である金
属プレート４，５の切欠き４ａ，５ａを通してこれら金
属プレート４，５に回転力が伝達され、両金属プレート
４，５が回転し、同時に出力軸６も回転することになる
。

一方、回転動作中において出力軸６の回転が急激に拘束
されると、ヘリカルギャ２の回転力によりスプリング３
は切欠き２ａ，２ｂに応じた開き角度分だけその開き分
を縮める方向にたわみ、それによって回転子軸１側の回
転によって生じた慣性力を吸収することができる。

この慣性力の吸収作用は、回転子軸１の回転方向がいず
れの場合であっても同様に得られる。

このように、スプリング３のたわみにより慣性力が吸収
されるため例えばヘリカルギャ２の歯の折損等を防止で
きる。

特に、本考案ではスプリング３の表と裏に４個の突起３
ａ，３ｂを設け、かつヘリカルギャ２の表裏両端面の外
周部にそれぞれ切欠き２ａ，２ｂを設け、これらの突起
３ａ，３ｂ及び切欠き２ａ，２ｂをヘリカルギャ２の両
端面においてそれぞれ係合させることにより、慣性力の
吸収時にスプリング３に対して両面より安定した方向で
たわみを与えることができ、ヘリカルギャ２やスプリン
グ３のねじれ等の歪みによる部材疲労を極力抑えること
ができる。

なお、本考案ではスプリングｌ枚のみの実施例を示した
が、所要トルクによっては２枚あるいは３枚と枚数を増
やしてもよく、他の弾性部材と併用して使用することも
できる。

以上述べたように本考案では、Ｃ字形のスプリングの表
裏両面に少なくとも合計４個の突起を設け、また前記突
起と係合する溝を持った第１、及び第２の回転板でもっ
てスプリングを両面より囲み保持する構戒とし、かつ第
１、第２の回転板を囲むように配設したヘリカルギャの
表裏両面に設けた溝部よりその回転力をスプリングを介
して第１、第２の回転板に伝えるように構威したから、
スプリングに対して回転力をヘリカルギャの両面よりイ
云えることかで゛き、かつスプリングの回転力を第１、
第２の回転板に均等に安定して伝えることができ、従っ
て比較的簡単な構造でもって品質的にも安定し、かつ耐
久性に優れた装置を得ることができるという優れた効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す減速機の一部断面正面
図、第２図は第１図中Ｘ−Ｘ線断面図、第３図Ａ及びＢ
はヘリカルギャの一例を示す正面図及び平面図、第４図
Ａ， Ｂ及びＣはスプリスグの一例を示す平面図、正面
図、及び側面図、第５図は金属プレートの一例を示す平
面図である。 １・・・・・・回転子軸、２・・・・・・ヘリカルギャ
、２ａ，２ｂ・・・・・・第３の溝をなす切欠き、３・
・・・・・スプリング、３ａ，３ｂ・・・・・・突起、
４・・・・・・第ｌの回転板となる金属プレート、５・
・・・・・第２の回転板となる金属プレート、４ａ・・
・・・・第１の溝となる切欠き、５ａ・・・・・・第２
の溝となる切欠き、６・・・・・・出力軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両先端の表と裏とに少なくとも合計４個の突起を有する
   Ｃ字形のスプリングと、該スプリングの略中央部に回転
   中心を有し該スプリングの表側に配設され前記突起の表
   側が係合される第１の溝を有する第１の回転板と、前記
   スプリングの裏側に配設され前記スプリングの略中央部
   に回転中心を有し前記突起の裏側が係合される第２の溝
   を有する第２の回転板と、前記第１、第２の回転板を囲
   むように配設され前記スプリングの前記突起と係合する
   第３の溝を表裏両面に有するヘリカルギャとからなり、
   回転動力が前記ヘリカルギャから前記スプリングを介し
   て前記第１及び第２の回転板に伝達されることを特徴と
   する回転緩衝装置。