JPS589827Y2 - 気体ばねを利用したフロントフオ−ク - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気体ばねを利用したフロントフォークに関し、
更に詳しくは気体ばねに抗するばね部材たるネガティブ
スプリングと、このネガティブスプリングと並列に衝撃
吸収用スプリングを介在させ、伸長時の衝撃緩和を良好
にした二、三輪車等の気体ばねを利用したフロントフォ
ークに関する。

従来、エアスプリングとネガティブスプリングを共動さ
せたエアスプリング利用のフロントノオークではインナ
ーチューブ内上方に気体を封入させ、又インナーチュー
ブのピストン上方にはネガティブスプリングを介在させ
、エアスプリングは常時インナーチューブを伸び方向に
附勢させ、又ネガティブスプリングはインナーチューブ
の圧縮時にその動きを助勢するようにしたものが知られ
ている。

しかしながらこのようなエアスプリングを利用したフロ
ントフォークでは最伸長時にネガティブスプリングによ
って衝撃吸収するだけの高荷重を得ることが出来ず、伸
長時にはこのネガティブスプリングの役割はほとんど無
いといってよかった。

この為本出願人は従来のフロントフォークを改良し、ネ
ガティブスプリングと直列に接手部材を介して衝撃吸収
用スプリングを介在させ、′ネガティブスプリングは圧
縮時に動かせ、又伸長時には衝撃吸収用スプリングを動
かせて衝撃を吸収緩和させるようにした気体ばねを利用
したフロントフォークを開発し、実用新案登録出願をし
ている（実願昭５２−１３３５３号） しかしこの新規なフロントフォークに於ては、衝撃吸収
用スプリングだけでフロントフォーク最伸長時の衝撃緩
和作用をなすために過酷な条件によっては伸切強度に不
安がある。

又最伸長時のストッパはネガティブスプリングと衝撃吸
収用スプリングが密着されている為スプリングの応力を
低めに押える必要があり、これによってスプリングの径
が大きくなり二つのスプリング、特にネガティブスプリ
ングの基本長が著しく長くなる。

このことはフロントフォーク自体の基本長が長（なると
いうことで非常に不都合である。

従って本考案の目的はこれらの欠点を解決すべく、最伸
時の衝撃をスプリングのみならずオイルロック機構で緩
衝するようにし、しかもシリンダ自体をコンパクトにで
きるようにした気体ばねを利用したフロントフォークを
提供することである。

以下本考案の実施の態様を図面について説明する。

インナーチューブ１がアウターチューブ２内にピストン
部３を介して摺動自在に挿入され、アウターチューブ２
の底部中央からは中空シリンダ４がインナーチューブ１
内に起立し、この中空シリンダ４の上端に固定した補助
ピストン５の移動自在なピストンリング６はインナーチ
ューブ１の内周を摺接するようになっている。

アウターチューブ２はブラケット７を介して車軸側に取
り付けられるようになっている。

又ピストン３内にはチェックパルプ８が介装され、この
チェックパルプ８はインナーチューブ１内とアウターチ
ューブ２の下方に液室１９，２０を区画し、インナーチ
ューブ１の圧縮時にはチェックバルブ８が開いて液室２
０の油を上方の液室１９に流出させ、又インナーチュー
ブ１の伸長時にはこのチェツクパルプ８内周間隙を介し
て減衰力を発生させるようになっている。

中空シリンダ４の上方外周には断面Ｔ字状のオイルロッ
ク部材９を摺動自在に挿入させ、このオイルロック部材
９は上下に延びるストッパ１０゜１１と中空シリンダ４
に摺接する摺動部１２からなっている。

又中空シリンダ４の外周の任意の位置にスナップリング
等のストッパ１３を固定させ、このストッパ１３にオイ
ルロック部材９の摺動部１２下端が衝合した時オイルロ
ック部材９の動きを停止させ最大ストロークを制限でき
るようになっている。

但しこのストッパ１３は必ずしも必要なく、これが無く
ても作用的には問題はないものである。

又オイルロック部材９は図示のものに限定されることな
（上下に延びるストッパ部材が形成されていれば他の同
様の構成でも使用可能である。

補助ピストン５とピストンリング６間にはわずかな間隙
が形成され、又ピストンリング６の下端には切欠きが形
成されているが、必ずしもこの構成でな（でも使用でき
るものであり、このピストンリング６はチェックパルプ
としての動きをすることが可能である。

更に液室１９内に於てオイルロック部材９の外側には第
１のスプリングたるネガティブスプリング１４が遊嵌さ
れている。

又補助ピストン５下端とオイルロック部材９の摺動部１
２上端間に第２のスプリングたるリターンスプリング１
５が介装されている。

又中空シリンダ４内には液室１６が区画され、この液室
１６の上方にはインナーチューブ１内に於て気体を封入
したエアスプリングが配設されて常時インナーチューブ
１を伸び方向に附勢している。

但し中空シリンダ４の上端に金属コイルスプリングを使
用しても使用可能であることはいうまでもない。

上記のフロントフォーク最伸長近くでネガティブスプリ
ングがエアスプリングに抗するばね部材として動き、圧
縮時にはネガティブスプリング１４がピストン３を下方
に押す方向に動いてスムースにインナーチューブ１を下
降させる。

又伸長時にはインナーチューブ１のピストン部３のスト
ッパ３ａが最初にネガティブスプリング１４に衝合し、
これをたわませながら上昇し、更に最伸近くなるとスト
ッパ３ａがオイルロック部材９のストッパ１１に当り液
室１９の上方が封じられることから二つのストッパ１１
．３ａのわずかな間隙から油を漏らせながらオイルロッ
クが効き始める。

オイルロックが終了し最伸になった状態ではオイルロッ
ク部材９とストッパ３ａを介して伸切強度を受はネガテ
ィブスプリング１４は密着しないようになっている。

又、ネガティブスプリング１４にストッパ３ａが当るま
ではオイルロック部材９はリターンスプリング１５によ
ってスナップリング１３に押し付けられており、ストッ
パ３ａが当るとオイルロック部材９はこのリターンスプ
リング１５に抗してオイルロックを効かせながら上方に
移動する。

尚補助ピストン５とオイルロック部材９の上部ストッパ
１０間の距離がいわゆるオイルロックストロークとなる
分けであるが、スナップリング１３の位置を変えること
によりフロントフォークを取り付ける用途によってその
オイルロックストロークを任意に選択できるものである
。

以上のように本考案のフロントフォークでは第１のスプ
リングたるネガティブスプリングと第２のスプリングた
るリターンスプリングとを並列に配設し、又オイルロッ
ク部材９を設けたことにより伸長時にオイルロックが可
能で、伸切り時の衝撃吸収能力を大巾に上げることがで
きる。

又ネガテイブスプリングが密着しない構造の為発生応力
を上げスプリング径を小さくすることにより同じ特性で
もスプリングの基準長さを著しく短かく出来る。

これによりシリンダも短かく出来スプリングを含めた重
量ダウンとコストダウンと、性能に影響する油面の大巾
なアップが計れるものである。

【図面の簡単な説明】

添附図面は本考案の一実施態様に係り、第１図はフロン
トフォークの一部切欠き縦断側面図、第２図は最伸長時
における第１図の一部拡大側面図である。 ９・・・オイルロック部材、４・・・中空シリンダ、１
３・・・スナップリング、１４・・・ネガティブスプリ
ング、１５・・・リターンスプリング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 （す中空シリンダの外周にオイルロック部材を摺動自在
   に取り付け、このオイルロック部材の外側には第１のス
   プリングを介在させ、又オイルロック部材の内側上方に
   は第２のスプリングを第１のスプリングと並列にして介
   在させた気体ばねを利用したフロントフォーク。 （２）オイルロック部材は断面がＴ字状に形成された実
   用新案登録請求の範囲第１項記載の気体ばねを利用した
   フロントフォーク。 （３）オイルロック部材の下方にはスナップリングが設
   けられてオイルロック部材のストロークを規制するよう
   にした実用新案登録請求の範囲第１項記載の気体ばねを
   利用したフロントフォーク。 （４）第１のスプリングはオイルロック部材より下方に
   延長させた実用新案登録請求の範囲第１項記載の気体ば
   ねを利用したフロントフォーク。