JPS587596B2 - イドウキカイシツガタエレベ−タ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は移動機械室形エレベータに係り、特に巻上ロー
プを巻取っておくロープドラム装置の改良に関する。

工事用移動機械室形エレベータは、建築工事の進行に合
せて機械室を段階的に上方へ移設し、順次土層階のエレ
ベータサービスを行うものである。

この種のエレベータにおいては、機械室が移動するたび
に乗かごとつり合い重りを懸垂する巻上ロープの長さを
調節しなければならない。

したがって、巻上ロープは、通常機械室を最上階に移設
した場合でも使用可能な長さのものが準備され、機械室
が途中の階に設定されたときに余った巻土ロープはロー
プドラム装置に巻取られている。

しかしながら、巻上ロープを繰り出すときまたは、ロー
プドラム装置に巻上ロープを巻取る際に次のような問題
を生ずる。

すなわち、■機械室の移動に合せて巻上ロープを繰り出
すとき、繰り出された分のロープの自重がドラムにかゝ
るため、ドラムがいきおいよく回転し巻上ロープが必要
以上に繰り出される。

■ロープドラム装置とロープの保持装置の位置が必ずし
も正面にないために、巻上ロープの繰り出しおよび巻取
りが円滑に行えない。

■複数本の巻上ロープがドラムより繰り出される場合に
ロープの繰り出し長さが一致しないために巻土ロープの
繰り出し量を調節する必要がある。

等の種々の欠点を有している。

本発明の目的は、上記種々の欠点を解消し、巻上ロープ
の繰り出し時には巻上ロープが余分に繰り出すことを防
止し、また巻上ロープの固定時には巻上ロープの張力に
よるドラムの回転を確実に防止し、さらに巻上ロープの
繰り出し巻取りを円滑に行えるようにした移動機械室形
エレベータを提供することにある。

以下本発明による移動機械室形エレベータを図に示した
実施例について説明する。

第１図は移動機械室形エレベータの構造の概略を示して
おり、図中符号１は乗かごを示し、この乗かと１を懸吊
する巻上ロープ２は機械室３内の巻上機４を介してつり
合い重り５に導かれ、つり合い重り５を通した巻上ロー
プ２は保持装置６によっていったん保持されたのち、残
部をロープドラム装置７によって巻取られている。

このようなエレベータにおいて、いま建築工事が進行し
、工事用エレベータのサービスを上層階に伸す場合、乗
かご１を機械室３の下方にチェーン等でいったん吊り下
げる一方、つり合い重り５をピット内のバツファ８に連
結する。

しかる後、保持装置６のロックを解除しロープドラム装
置７を回転可能にする。

次に、機械室３と乗かと１をタワークレーンのフツク９
によって上方へ吊り上げ、上層階の梁に設置する。

この間に、ロープドラム装置７によって巻取られていた
未使用部分の巻上ロープ２は、機械室３の移動に伴う不
足の長さに相当するだけ繰り出される。

そして、再び保持装置６のロックを旋錠すれば移設は完
了するわけであるが、本発明によれば、前記ロープドラ
ム装置７に対して制動装置が設けられる。

前記ロープドラム装置７は、第２図および第３図から明
らかなように、巻上ロープ２の本数に相当する数のドラ
ム１０１， １ ０２， １ ０３を有しており、（図
示の場合は３個）これらのドラム１０１１０２１０３は
、ドラム軸１１に嵌スされ、ドラム１０、とドラム軸１
１とはキー１２によって固定されている。

一方、ドラム１０１，１０２，１０３の相互間は、互い
のフランジ同志をピン１３，１３，・・・・・・１３に
よって連結されている。

したがって、この状態ではドラム軸１１の回転に同期し
てドラム１０１１０２１０３は一体的に回転するが、各
ピン１３を抜き取ればドラム１０１１０２１０３は個々
に回転可能となる。

前記ドラム軸１１は、２つのブラケット１４，１４によ
って回転可能に支えられ、その一端には従動スプロケッ
ト１５が固定されている。

一方、機械室３の天井枠１６には、駆動モータ１７およ
び減速装置１８が固定されており、減速装置１８からの
出力軸１９には、本発明による制動装置２０を介して駆
動スプロケット２１が取付けられている。

この駆動スプロケット２１と前記従動スプロケット１５
とはチェーン２２によって連結されている。

ところで、前記制動装置２０は、前記出力軸１９には、
一端にフランジ２３ａを備えたスリーブ２３が嵌め込ま
れ出力軸１９に対して固定されている。

そして、スリーブ２３の外側には、スペーサ２４を介し
て前記駆動スプロケット２１が回転可能に取り付けられ
ている。

しかして、通常時、駆動スプロケット２１は、フランジ
２３ａの側方からフランジ２３ａを貫通して嵌め込まれ
るロツクピン２５によってスリーブ２３と一体化されて
いる。

さらにまた、駆動スプロケット２１は、シュー付き押え
板２６にはさまれており、押え板２６は、皿ばね２７と
押しボルト２８によって一定圧力で駆動スプロケット２
１の側に押し付けられている。

なお、第２図中、符号３０，３０，３０は、ドラム１０
１， １０２，１０３より巻上ロープ２，２，２を円滑
に繰り出したり巻取ったりすることのできるガイドロー
ラを示している。

このように構成された本発明による移動機械室形エレベ
ータにおいて、いま、建築工事の進行に合せて機械室３
を上層階に移設するには、まず、制動装置２０のロツク
ピン２５を抜き取り、駆動スプロケット２１と出力軸１
９との間の連結を解く。

そして、押しボルト２８と押えナット２９とを調整しな
がら、皿はね２７のシューに作用する押圧力を調整しな
がら、駆動スプロケット２１の側面に適当な押圧力を与
える。

このようにしてから巻上ロープ２をドラム１０１１０２
１０３より繰り出すと、タワークレーンの吊り上げ速
度に合せて吊り上げ時の張力と自重に？巻上ロープ２は
、ガイドローラ３０，３０．３０によってガイドされな
がら、ドラム１０、１０２１０３より円滑に繰り出され
ることになる。

そして、ドラム軸１１は、皿ばね２７、押え板２６、押
しボルト２８によって制動力を与えられた駆動スプロケ
ット２１、チェーン２２によって制動力をかけながら回
動し、その結果、ドラム１０１ １０１０３に巻かれて
いるロープ２，２．２は、タワークレーンの吊り上げ加
速度や巻土ロープ２の自重に影響されずに円滑に繰り出
されることになる。

そして、巻上ロープ２が繰り出されて所定の長さに達し
たところで、再びロツクピン２５を駆動スプロケット２
１に嵌め込み、駆動スプロケット２１と出力軸１９とを
連結する。

その結果、保持装置６から先のロープの未使用部分は、
従動スプロケット１５、チェーン２２、駆動スプロケッ
ト２１、減速装置１８および駆動モータ１７に連係され
て拘束される。

なお、最上階におけるエレベータサービスも終ったとこ
ろで巻上ロープ２をドラム１０１，１０２，１０３に巻
取るには、駆動モータ１７を駆動してドラム１０１１０
２１０３を回転させて巻取れば良い。

以上述べたように、本発明によれば、ロープドラムの駆
動系中の駆動スプロケットに制動力をかけるようにした
から、ドラムの巻戻し時にタワークレーンの吊り上げ加
速度や巻上ロープの自重による巻上ロープの繰り出し過
ぎを防ぐことができ、しかも小さな制動力でドラムの廻
り過ぎを防止できる。

なお、ガイドローラを使用することにより巻上ロープの
ドラムへの巻取り繰り出しが円滑に行える等の効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

第１図は移動機械室形エレベータの構造の概略を示す線
図的説明図、第２図は本発明によるロープドラムの制動
装置を示す正面図、第３図は第２図のＡ部を拡大して示
す断面図、第４図は第３図のＢ−Ｂ線に沿う断面図であ
る。 １……乗かご、２……巻上ロープ、３……機械室、４…
…巻上機、５……つり合い重り、６……保持装置、７…
…ロープドラム装置、１０１，１０２，１０３……ドラ
ム、１１……ドラム軸、１２……キー、１３……ピン、
１４……ブラケット、１５……従動スプロケット、１７
……駆動モータ、１８……減速装置、１９……出力軸、
２０……制動装置、２１……駆動スプロケット、２２…
…チェーン、２３……スリーブ、２４……スペーサ、２
５……ロツクピン、２６……押え板、２７……皿ばね、
２８……押しボルト、２９……押えナット、３０……ガ
イドローラ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 巻上機、ロープドラムおよびロープ保持装置を室内
   に備えピット内を上下に移動可能な機械室と、この機械
   室の下方に懸吊される乗かとと、この乗かととのバラン
   スをとってピット内を上下に移動するつり合い重りと、
   上記乗かと、巻上機およびつり合い重りを順次連係して
   ロープ保持装置に至り保持装置から先の未使用部分をロ
   ープドラムに巻取られる巻上ロープとを有し、機械室を
   段階的に上方へ移設してエレベータサービスを行うエレ
   ベータにおいて；上記ロープドラムのドラム軸と駆動モ
   ータからの出力軸とをスプロケットを介してチェーンで
   連結し、出力軸側の駆動スプロケットと出力軸とをロツ
   クピンで係脱可能とする一方、駆動スプロケットの外側
   方には押え板を宛がい、この押え板に皿ばねのばね力を
   付与することにより駆動スプロケットに一定の押圧力を
   与えて制動をかけられるようにしたことを特徴とする、
   移動機械室形エレベータ。