JPS5855470Y2 - 自動車用変速装置におけるセレクト中立位置規制機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車の変速装置におけるセレクト中立位置
規制機構に関するものである。

一般に、変速装置の変速操作は、シフト位置を選択する
べく変速レバーを中立にュートラル）位置で移動させる
セレクト操作と、セレクト位置から各々のシフト位置に
投入するシフト操作とにより行われている。

この変速操作機構において、中立位置では変速レバーが
常に一定の位置に復帰しているように規制するようにし
たものがある。

しかるに、従来のセレクト中立位置規制機構では、実開
昭４８−２２３２０号に示されるように、複数のスプリ
ングを使用してその釣り合いで一定位置に保持するよう
に規制しているものであって、複数のスプリングを介装
するためのスペースと多くの部品を必要とするとともに
、スプリングの品質を一定にして良好な釣り合いが得ら
れるようにしなければならず管理が煩雑となっていた。

そこで、本考案は、上記機構を１個のスプリングの使用
によって構成することにより、確実な作動を行わせるよ
うにするとともに、機構をコンパクト化せんとするもの
である。

以下、本考案の実施例を図面に沿って説明する。

第１図および第２図において、１は変速レバー（図示せ
ず）に連係されたチェンジロッドであって、該チェンジ
ロッド１はセレクト操作により回転（矢符Ａ）Ｌ、シフ
ト操作により軸方向に摺動（矢符Ｂ）する。

このチェンジロッド１にはチェンジアーム２が固着され
ている。

３はクランクレバーで、筒状の基部３ａに対して第２レ
バー３Ｃと第２レバー３Ｃとが略直交方向に突設されて
いる。

このクランクレバー３は段付シャフト４に摺動、回転自
在に取付けられ、内部に中立位置規制機構を備え、チェ
ンジアーム２により駆動されるようになっている。

又、段付シャフト４は略中間部に段部が形成されて上方
の大径部４ａと下方の小径部４ｂとを有し、ケース５に
ピン６によって固定され、上記段部における大径部４ａ
端面にてストッパ４Ｃが構成されている。

前記クランクレバー３は、シャフト４の大径部４ａに対
してこのクランクレバー３と一体化されたブツシュ７を
介して摺動自在に支持され、小径部４ｂに対してはスリ
ーブ８を介して摺動自在に支持され、中間部には内径の
大きなスプリング収容部９が形成されている。

このスプリング収容部９にはスプリングシート１０とと
もに圧縮スプリング１１が収容されている。

前記スリーブ８は、円筒部８ａと一端に連設されたフラ
ンジ部８°ｂとを有し、円筒部８ａは内周面でシャフト
４の小径部４ｂ外周面に、外周面でクランクレバ−３内
面に摺接し、フランジ部８ｂはクランクレバー３のスプ
リング収容部９内に臨んで装着され、このフランジ部８
ｂがスプリング収容部９の一方の内端面９ａに当接して
円筒部８ａのクランクレバー３からの突出量を規制する
ように設けられ、上面にはスプリング１１の一端が当接
し、円筒部８ａの先端はケース５に当接する。

一方、スプリングシート１０は、同様に円筒部１０ａと
一端に連設されたフランジ部１０ ｂとを有し、円筒部
１０ ａは内周面でシャフト４の小径部４ｂ外周面に摺
接し、フランジ部１０ ｂがシャフト４のストッパ４Ｃ
およびスプリング収容部９の他方の内端面９ｂ（ブッシ
ュ７端面）に当接可能に設けられ、下面にはスプリング
１１の他端が当接する。

上記スリーブ８とスプリングシート１０とは、円筒部８
ａ、１０ ａの内径とフランジ部８ ｂ、 １０ ｂの
外径とはそれぞれ同一に設けられている。

尚、図示のように、スリーブ８とスプリングシート１０
のフランジ部８ｂ、１０ｂがそれぞれクランクレバー３
のスプリング収容部９内の上下内端面９ ａ、 ９ ｂ
に当接している場合に、スプリングシート１０の円筒部
１０ ａ先端とスリーブ８のフランジ部８ａとの間に形
成されている間隔が、クランクレバー３がシャフト４に
沿ってセレクト移動する許容移動量となるものである。

上記クランクレバー３の第ルバー３ｂはチェンジアーム
２の先端部に係合され、第２レバー３Ｃは複数本並設さ
れたシフトロッド１２にそれぞれ固着されたシフトガイ
ド１３に選択的に係合される。

上記構造において、セレクト操作による動作を説明すれ
ば、このセレクト操作によるチェンジロッド１の回転Ａ
によってチェンジアーム２が揺動し、第ルバー３ｂを介
してクランクレバー３をシャフト４に沿って摺動させる
。

すなわち、第１図の状態からチェンジアーム２が図の下
方向に回動すると、クランクレバー３は下方向に移動す
るのであるが、スリーブ８は円筒部８ａ先端がケース５
に当接していて下方には移動不能で、スプリングシート
１０がクランクレバー３と一体にストッパ４Ｃがら離れ
てスプリング１１を圧縮しながら、円筒部１０ ａ先端
がスリーブ８のフランジ部８ｂに当接するまで下方に移
動する。

この下セレクト位置から中間位置への復帰は、スプリン
グシート１０を介して作用するスプリング１１の弾発力
によってクランクレバー３は上昇し第１図の状態に規制
される。

逆に、チェンジアーム２が図の上方向に回動するように
セレクト操作されると、クランクレバー３も上方向に移
動するのであるが、スプリングシート１０はフランジ部
１０ ｂがストッパ４Ｃに当接していて上方には移動不
能であって、スリーブ８がクランクレバー３と一体にケ
ース５から離れてスプリング１１を圧縮しながら、フラ
ンジ部８ｂがスプリングシート１０の円筒部１０ ａ先
端に当接するまで上方に移動する。

この上セレクト位置から中間位置への復帰は、スリーブ
８を介して作用するスプリング１１の弾発力によってク
ランクレバー３は下降し第１図の状態に規制される。

したがって、シフト方向におけるクランクレバー２の位
置が中立位置であるときには、スプリング１１の弾発力
によりセレクト方向におけるクランクレバー２の位置が
中立位置になることになる。

一方、上記セレクト操作による各セレクト位置において
、シフト操作によるチェンジロッド１の摺動Ｂによって
、クランクレバー２はシャフト４を中心に回動する。

この回動により第２レバー３Ｃはシフトロッド１２を選
択的に摺動させてシフトフォーク（図示せず）により変
速が行われる。

本考案によれば、中立位置におけるセレクト位置を無操
作状態では常に一定の位置に保持する機構を、１本のス
プリングとスリーブ、スプリングシート等によりクラン
クレバーのセレクト方向の移動を規制するように構成し
たために、その構造をコンパクト化するとともに部品点
数を減らすことができ、取付はスペースおよびコスト面
での改善が図れ、しかも確実な作動が得られるものであ
るなど実用上程々の利点を有している。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は変速装置の要
部断面正面図、第２図は同要部断面平面図である。 ゛１・・・チェンジロッド、２・・・チェンジアーム、
３・・・クランクレバー ４・・・シャフト、４ｃ・・
・ストッパ、５・・・ケース、７・・・ブツシュ、８・
・・スリーブ８ａ・・・円筒部、８ｂ・・・フランジ部
、９・・・スプリング収容部、９ａ、９ｂ・・・内端面
、１ｏ・・・スプリングシート、１０ ａ・・・円筒部
、１０ ｂ・・・フランジ部、１１・・・スプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケースと、該ケース内に回動および摺動自在に取付けら
   れたチェンジロッドと、上記ケース内に固定されたシャ
   フトと、該シャフトにシフトおよびセレクト方向に回動
   および摺動自在に取付けられ、チェンジアームにより駆
   動されるクランクレバーとを備えた自動車用変速装置に
   おいて、上記シャフトはストッパを有しており、上記ク
   ランクレバーはその内部にスプリング収容部を有してい
   て、該スプリング収容部内にスリーブ、スプリングシー
   トおよびスプリングが収容されていて、上記スリーブは
   その内周面でシャフトに外周面をクランクレバーが摺動
   し得る円筒部と、該円筒部の一端に設けられクランクレ
   バーのスプリング収容部の一方の内端面に当接してクラ
   ンクレバーがらの円筒部の突出量を規制するフランジ部
   とがらなっており、上記スプリングシートはその内周面
   でシャフトに摺動する円筒部と、該円筒部の一端に設け
   られスプリング収容部の他方の内端面およびシャフトの
   ストッパに当接するフランジ部とがらなり、上記スリー
   ブおよびスプリングシートの両フランジ部間に前記スプ
   リングが介装されていて、シフト方向におけるクランク
   レバーの位置が中立位置である時、スプリングの弾発力
   によりセレクト方向におけるクランクレバーの位置を中
   立位置にすることを特徴とする自動車用変速装置におけ
   るセレクト中立位置規制機構。