JPS5854010Y2 - 保温式電気炊飯器の蒸気抜き装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えば電気ジャー炊飯器の様な保温式電気炊飯
器の蒸気抜き装置に関し、特に、内鍋に載置された内蓋
に柔軟性の弁体からなる蒸気抜き装置を設けたものであ
る。

通常、電気ジャー炊飯器は炊飯時において生ずるオネバ
を内鍋に載置される内蓋上に貯溜し、保温時においては
内鍋の保温を良好にするためにオネバの流出孔を閉塞す
る所謂蒸気抜き装置が設けられている。

しかし乍ら、この蒸気抜き装置は内蓋と外蓋間に設置さ
れ外鍋に載置される保温蓋に取付けられており、且つ上
述の様ｌこ炊飯時の内鍋の内圧にて流出口を開口し保温
時において閉塞する弁体を内装しているため、蒸気抜き
装置内の洗浄が面倒であると共に弁体及びこの弁体を収
納する外筒及び内筒等の多くの部品を必要とし複雑な構
造となった。

更に、蒸気抜き装置は保温蓋に設けられていることから
、保温時においても内鍋内と内蓋と保温蓋間の空間とが
連通した状態となり空間内の熱気が前記空間内の比較的
低い空気側に流れ内鍋内の最適保温温度を維持できない
欠点があった。

これは、特に冬季等の外気温の低い場合にはその現象は
著しく改良が望まれていた。

因みに、上述の様に外蓋と保温蓋と内蓋とからなる三重
蓋形状のもの或いは外蓋と内蓋の二重蓋形状のものにお
いて、保温蓋、或いは内蓋に弁体を有しない蒸気抜き装
置を設けたものがあるが、この場合は弁体を洗浄する手
間がかからないものの外筒と内筒の洗浄は必要であると
共に前述の様に保温時においても内鍋内と外気とが連通
しているために保温最適温度の維持を行なうことができ
ない欠点があった。

本考案は種々の上記欠点を改良したもので以下図面につ
いて説明すると、１は円筒状のフレーム２は前記フレー
ム１に断熱材３を介して内装された熱伝導の良好な外鍋
、４は前記外鍋２の内底部に固定した黙然、５は前記外
鍋２内に収納自在にされ収納時に前記黙然４に載置され
る内鍋、６は該内鍋５の開口を覆い内鍋５の外周縁に載
置される熱伝導の良好な内蓋で、中央側に凹設部７を設
けると共に該凹設部の下部に複数個の蒸気孔８゜８を穿
設している。

前記凹設部７は第２図の様に外方側の立上がり部を傾斜
せしめてテーパ一部９を形成している。

１０は前記内蓋６の中央部に上方に突設して固定したツ
マミで、凹溝１１を形成している。

１２は前記ツマミ１０に設けられたシリコンゴムの如き
弾性材料よりなる弾性押圧体で、断面口形状に形成して
おり、その中央部を自身の弾性により前記凹溝１１に弾
性嵌合して嵌脱自在とし、又外周縁を尖端部１３として
その全周が前記蒸気孔８，８を覆って前記テーパ一部９
に弾接せしめている。

１４は前記内蓋６の上部に位置し中央部にシリコンゴム
の如き弾性嵌合体１５を有した熱伝導の良好な保温蓋で
、その外周縁を前記外鍋２の上部外周縁に載置している
。

１６は一側を前記フレーム１に枢支して開閉自在とした
断熱材１７を介装してなる外蓋、１８は前記外蓋１６の
裏面中央部に設けた前記保温蓋１４と内蓋６の圧力係止
機構で、ツマミ１０の頭部を押圧する抑圧板１９と前記
ツマミ１０を係止自在にするシリコンゴムの如き弾性係
合体２０を有し、保温蓋１４を押圧する押圧金具２１と
からなる。

２２は前記保温蓋１４に取付けられ外蓋１６を貫通して
保温蓋１４と内蓋６間と外気とを連通せしめる蒸気抜き
筒、２３は前記フレーム１の下部を覆う底蓋、２４はフ
レーム１と外鍋２の上周縁を嵌合するフレームカバーで
ある。

次に動作について述べると、先ず、弾性押圧体１２をツ
マミ１０に嵌合した後、該ツマミ１０を保温蓋１４の弾
性嵌合体１５及び弾性嵌合体２０を嵌挿せしめて内蓋６
と保温蓋１４と外蓋１６を一体化する。

そして内鍋５を外鍋２内に収納し外蓋１６を閉成すると
内蓋６の外周縁が内鍋５の外周縁に載置されると共に、
保温蓋１４の外周縁が外鍋２の外周縁に載置される。

この時、内蓋６は押圧板１９によって内鍋５に圧接され
保温蓋１４は押圧金具２１によって外鍋２に圧接される
。

又、保温蓋１４と内蓋６間には空間Ｓが形成される。

而して、黙然４を発熱せしめて内鍋５を加熱すると、炊
飯の進行に伴ない内鍋内の圧力上昇により内鍋５内に生
ずるオネバは蒸気孔８，８を介して凹設部Ｉ内に流入し
弾性抑圧体１２の尖端部１３を抑圧変形せしめてテーパ
一部９との僅かの隙間ｌより空間Ｓ内に入り、重いオネ
バは内蓋６の上面に貯溜し軽い蒸気は蒸気抜き筒２２を
介して外気中に放出される。

やがて炊飯が完了すると、保温動作に移行する過程にお
いて内蓋６の上面のオネバは弾性押圧体１２の尖端部１
３とテーパ一部９との隙間ｌから凹設部７内に逆流し蒸
気孔８，８を介して内鍋５内に環流される。

この環流されたオネバは複数個の蒸気孔８，８を介して
内鍋５内に落下するために御飯の上面の広範囲に落下し
効果的な環流を行なう。

保温状態に入り内鍋５の内圧が大気圧と略同じくなると
、弾性抑圧体１２の尖端部１３がその弾性によりテーパ
一部９に弾接し、内鍋５内と空間Ｓとは完全に空気の流
通が遮断され、黙然４の低消費電力により最適保温温度
にて保温する。

弾性抑圧体１２を洗浄する場合はツマミ１０の下部を引
張り、更にツマミ１０と保温蓋１４との係合を外すと、
弾性押圧体１２とツマミ１０と内蓋６との一体物品とな
り、この弾性押圧体１２を凹溝１１より離脱し弾性押圧
体１２及び内蓋６の凹設部７を洗浄する。

尚、本考案は内蓋にテーパ一部を有する凹設部を形成し
テーパ一部に弾性押圧体の尖端部を弾接せしめたが、凹
設部は必らずしも必要ではなく内蓋の中央側を平坦面と
して平板状の弾性押圧体を前記蒸気孔を覆う如く弾接せ
しめても同様である。

以上の様に本考案は内鍋に載置される内蓋の中央側に蒸
気孔を穿設すると共に更に中央部に設けたツマミにシリ
コンゴムの如き弾性押圧体を嵌合し該弾性押圧体は前記
蒸気孔を炊飯時に外気と連通せしめ、保温時に遮断する
ものであるから、弾性抑圧体を単にツマミと嵌合するだ
けで弾性押圧体に特別な寸法精度を必要とすることなく
蒸気孔の開放及び遮断ができるだけでなくスプリングを
用いることなく最少部品点数で且つ簡単な構造により蒸
気抜き装置を構成することができると共に該蒸気抜き装
置を内蓋に設けることから保温時（こおいて内鍋は内蓋
によって完全に外気と遮断でき、内蓋の離脱時に内蓋の
洗浄と同時に弾性押圧体の洗浄を行なうことができる。

特に弾性押圧体はツマミに嵌合しているため、上記の様
な洗浄時には弾性押圧体を変形せしめてツマミより取外
すことにより、その全面を清掃、洗浄することができる
。

又、従来の様に内蓋の上面に位置する保温蓋に設けた蒸
気抜き装置の弁体に比べ、半永久的な効果を得ることが
でき、従来の様な弁体が開口を炊飯時においても閉塞す
るといった欠点がなくなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の保温式電気炊飯器の一実施例を示す断
面図、第２図は要部断面図である。 ２・・・・・・外鍋、４・・・・・・黙然、５・・・・
・・内鍋、６・・・・・・内蓋、８，８・・・・・・蒸
気孔、１０・・・・・・ツマミ、１２・・・・・・弾性
押圧体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内底部にヒータを有する外鍋と、該外鍋に収納自在にさ
   れた内鍋と、中央部にツマミを有し前記内鍋の上面開口
   部を閉塞する内蓋とからなり、前記内蓋の中央側に蒸気
   孔を穿設すると共に、前記ツマミにシリコンゴムの如き
   弾性抑圧体を自身の弾性により嵌合し、炊飯時には内鍋
   内の圧力上昇により前記弾性抑圧体をその弾性に抗して
   抑圧変形して蒸気孔と外気とを連通し、保温時には内鍋
   内の圧力低下により弾性押圧体の弾性によって蒸気孔と
   外気との連通を遮断することを特徴とする保温式電気炊
   飯器の蒸気抜き装置。